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学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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博 士 ( 情 報 科 学)    渡 部 雄太

学 位 論 文 題 名

電波型 パッシブ RFID の高速解 析手法お よび最適 設計に      関する 研究

(Study on Fast Analysis and Design Optimization of UHF‑band Passive REID)

学位論文内容の要旨

  本 学位 論 文で は電 波型パッシブRFIDの高速解析手法 および最適設計法 を提案している,提 案し ている高速解析手 法は電磁波‐回路 結合系解析であり, 電波型パッシブRFID以外でも,高周波電磁 機器やEMC問題をどにおいて も有効に使用でき る.また,最適設 計法についても同様 に高周波の電 磁機器に利用でき ると考えらえる. 本論文の第1章では研究背景,研究目的について述べている.第 2章 で は電 波型 パ ッシプRFIDの概要や通信距 離の評価について述 べる.第3章では電磁波‐回 路結 合系解析について のべ,その手法の 高速化を行い,その性能の評価を行づている.第4章では提案手 法による最適設計 を行い,第5章では実際にRFIDタグを用いる場 合を考え,周囲の環 境を考慮した 特性評価を行う.

  近年,RFIDタグ とりーダから構成 され,RFIDタグに電 源を持たず,電波 を用いて通信を行う電波 型パ ッシ ブRFIDが様 々 を分 野に 応 用さ れ, 発 展し てき て いる .電波型 パッシプRFIDではり ―ダ から 送信 さ れた 電波 によりRFIDタグ を動作させるため 。RFIDタグは電波 を受信するためのア ンテ ナと,アンテナで 受信した微小を交 流電圧を整流・増幅 する回路を含むICチップから構成される,

リーダから送信す ることができる電 カは定まっているた め,リーダ‑RFIDタグ間で長 距離通信を行 う場 合は ,RFIDタグ の最適設計が必 要不可欠である. 電波型パッシプRFIDの通信距離を決定 する もの とし て ,RFIDタ グの消費電カと 最小起動電圧があ げられる.本研究 では両者の面から電 波型 パッ シプRFIDタ グの 通 信距 離の 推 定を 行っ た ,電 波型 パ ッシ プRFIDの タグの通信距離は消 費電 カの根に反比例し ,最小起動電圧に 反比例することが分 かった.また,電 カの面からみるとRFIDタ グのアンテナとICチップのインピー ダンス整合を行うこ とにより,通信距 離を最大化でき,電圧の 面 か ら 検 討 す る と直 列共 振 時に おけ る 電圧 増幅 を 用い たと き 最大 化で き るこ とが 分 かっ た.

  電 波型 パ ッシ ブRFIDはさ らを る 長距 離通 信 化が 求め ら れて いるが。 そのためにはICチッ プの 非 線 形 性 を 考 慮 したRFIDタ グの 解析 が 必要 不可 欠 であ る.ICチッ プ はダ イオ ー ドやFET教 どの 非線形素子を含ん でいるために,強 い非線形性を持っが ,これまでの研究 ではlCチップを線形回路 と仮定して,アン テナの形状設計を どが行われてきた. 本研究ではICチッ プの非線形性を考慮した RFIDタグ の 解析 のた めに,Finite‑Difference Time‑Domain (FDTD)法と 修正節点解析(MNA) の連 成解 析で あ る電 磁波  ̄回路結合系解 析を提案する.提 案手法を用いてRFIDタグの解析を行う こと によって,ICチッ プを線形素子に近 似する必要がをく,RFIDタグの実空間 の応答をそのまま解析で きる.

  しかしながら, 提案手法は回路の時定数が電磁波の時定数に比ベ大きいとき,非常に大規模な計算 機資 源を 必 要と する という問題があ った,これは電磁 波の解析に用いて いるFDTD法の計算コ スト がMNAに比 ベ大 き く, 回路 の 解が 定常 状 態に収束する まで連成解析を繰 り返し行う必要があ るた めである.このよ うを問題の解決を 行うために,過渡解 析の定常解への収 束を改善することで高速 化を行うTime‑Periodic Explicit Error Crrection (TP‑EEC)法を用いて電磁波‐回路結合系解析の高

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速 化を 行 う.TP‑EEC法に お いては,マル チグリッド法から発 想されたEEC法と同様に,誤 差を収束 性の速 い成分と遅い成分に 分解し,収束性の 遅い成分に関する 方程式を解く.さらにその解により 未知変 数を補正して収束性 のを改善させる. 数値実験として。CRダイオード直列回路と電圧整流増 幅 回路 を 半波 長ダ イ ポー ルア ン テナ に装 荷 したRFIDタ グの 解析 を 提案 手法により行い ,TP‑EEC 法 の 高 速 化 の 評 価 を 行 っ た と こ ろ , 最 大 で 約80倍 の 高 速 化 を 行 え る こ と が 分 か っ た .   RFIDタ グは アン テ ナとICチッ プから構成される ため,設計を行う 際は両者の相互作用 を考慮す る必要 がある.したがって ,本研究ではTP‑EEC法により高速化 された電磁波―回路結合系解析を用 いて,RFIDタグの特性解析 を行う.そして, その結果に基づき ,進化型計算手法によりRFIDタグの 最適設 計を行う.ICチップとしては アンテナで受信した 電圧を整流・倍増する必要があるため,電圧 整 流 ・ 増 幅 回 路 で あ る2段Cockcroft‑Walton(CW)回 路とDickson Charge Pump(DCP)回 路をIC チ ップ と して 用い て いる .まず はじめにRFIDタグ アンテナに線状ア ンテナを折り曲げた 形状をし て いる メ アン ダラ イ ンア ンテ ナ(MLA)を用 いて ,ICチ ップ を 装荷 したRFIDタ グの 最 適設 計に つ いて検 討を行う.長距離通 信化を行うために 独,小さい大きさ の入射電磁波で高い出力電圧を得る ことが できればよいため, 電圧整流増幅回路 の出力電圧を最大 化することによっても通信距離の最 大 化を 行 うこ とが で きる .本研 究では出力電圧の 最大化を行ってい る.提案手法によりRFIDタグ の 最適 設計を行ったと ころ,半波長ダイ ポールアンテナを用 いたものと比較し て約8倍の 通信距離 を得る ことができた.

  実際 にRFIDタグ を 用い る場合 は,周囲の環境に よって入射電磁波 の大きさが変化する ことが考 えられ る,したがって,そ のようを環境の変化に対して頑健(ロバスト)を最適設計を行わをけれぱ をらを い.ロバストを最適 解を得るためには ロバスト性を必要 とするパラメータの変化に対する評 価値の 感度や期待値を求め ,その結果により最適化を行う.しかし,そのようを手法では最適化のた めに感度解析を行う必要があるため,大規模顔計算が必要と謡る,一方,ロ′ヾスト性を必要とするパ ラメー タに実際に起こり得 るノイズを加え, パラメータ変化を 起こさせをがら最適化を行う手法が ある. この手法では計算量 は通常の最適手法 と同程度であり毅 がら,ロバストを最適化を得ること ができ る.本研究では両ロ バスト最適化手法 により,入射電波 の大きさの変化に対してロバスト顔 解 を求 めた.その結果 ,入射電波の大き さに対してロバスト 社MLA形 状を得ることができ ることが 分かっ た,また,ノイズを 加えて最適化を行 う手法が感度解析 を行う手法より良い結果を得ること ができ るということが分か った.

  電波 型 パッ シプRFIDの 応用の 中には,RFIDタグ を金属や誘電体を どの散乱体の近傍で 利用する こ とが 考 えら れ, そ れら の影響 を考慮したRFIDタ グの設計が必要で ある.また,電波型 パッシプ RFIDの 長 距離 通信 化 のた めに,ICチップを線形回 路と仮定してタグ アンテナの研究が行 われてき ている が,実際に用いられ るICチップは非線 形回路であり,更 をる長距離通信化のためには非線形 回路ICチップを考慮したタ グアンテナの解析 が必要である.そ こで,本研究では,ICチップとして 非線形 回路のCockcroft‑Walton回路を用い,ICタグが散乱体近 傍に配置されたときの特性の劣化を 解析し ,その劣化の対策と して誘電体のカバ ーとスベーサを用 いた,

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学位論文審査の要旨 主査 副査

副査

准教授 教授 教授

野 口 小笠原 北

学 位 論 文 題 名

   聡 悟司 裕幸

電 波 型 パ ッ シ ブ RFID の 高 速 解 析 手 法 お よ び 最 適 設 計 に

     関 す る 研 究

(Study on Fast Analysis and Design OptlmlZat10nofUHF ‐ bandPaSSiVeREID )

   本学位論文では電波型パッシブ RFID(Radio Frequency IDentification) の解析法および そ れ を用 い た 設 計に つ い て論 じ て いる .UHF 帯 域パ ッシブ RFID タグは主 にアン テナと 集積 回路か ら構成さ れてお り,アク ティブ 型RFID タグと は異を ルバッテ リーを有さを い.RFID タグ は数メー トル離 れた地点 にある RFID リーダが放射した電磁波を受信し、そ の電磁波からエネルギーを得て動作する,さらにその電磁波に含まれた命令コードにした がって,情報をりーダに返信する.この際,RFID タグは返信する情報をコード化し,それを 基に RFID タグの アンテ ナのインピーダンスを時間的に変化させる.このインピーダンス 変化により。リーダに向かう逆散乱波の振幅が変化する.リーダはこの振幅変化を検知する こと により ,RFID タグ の返信し た情報を 得る. 電波型RFID は電磁誘 導型 RFID に比べて 通信距離が数m 程度と長いため,その特性を生かしたさまざまを応用が検討されている.

特に著者は,センサーを搭載したRFID タグによる環境センシングに注目し,その実現のた めに本研究を遂行してきた.

   本 論文の第 1 章で は電磁 波と回路 の結合 を考慮し たRFID タグの特性解析法,解析法の 高速化,本解析法に基づくRFID タグアンテナの最適設計法の開発など,本研究の目的につ いて まとめ ている. 第2 章では電 波型 RFID の 概要を述 べている,また電波型RFID の通信 距離の評価を行っている.

   第 3 章では電波型パッシプRFID タグの高速解析手法について論じている.まず電磁波−

回路結合系を解析するためのFDTD(Finite Difference Time Domain) 法,修正節点解析法 およびそれらの連成解析手法について詳細に述べている,電磁波‐回路結合の過渡解析を 基に,RFID アンテナの最適化を行うためには,解析の高速化が必須と橡る,そこで著者は

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rIP̲EEC(Time Periodic Error Correction)法 に よ る 過 渡 解 析 の 高 速 化 法 を 提 案 し た . 著 者 は IP‑EEC法 に よ り , 計 算 時 間 を 従 来 の1/5以 下 に で き る こ と を 示 し た.TP―EEC法 を 高 周 波 解 析 に 適 用 し た 例 は 他 に を く , 本 研 究 は 高 く 評 価 さ れ て い る . っ ぎ に 著 者 は , 上 記 の 結 合 解 析 法 を 用 い て , 電 圧 整 流 倍 増 回 路 と ア ン テ ナ の 結 合 系 を 解 析 し た 結 果 に つ い て 論 じ て い る .   第4章 で は ,3章 で 述 べ た 電 磁 波 − 回 路 結 合 系 の 解 析 法 を 用 い た 。RFIDア ン テ ナ の 最 適 化 法 に つ い て 述 べ て い る . こ れ ま でRFIDの ア ン テ ナ 最 適 化 は , ア ン テ ナ と 受 動 素 子 の 結 合 系 を 仮 定 し て 行 わ れ て き た . し か し 実 際 のRFIDの 集 積 回 路 は 電 圧 整 流 倍 増 回 路 を ど の 非 線 形 回 路 を 含 ん で い る た め , 上 記 の 仮 定 は 必 ず し も 成 立 し を い . そ こ で 著 者 は , 電 磁 波 と 非 線 形 回 路 の 結 合 を 考 慮 し て , ア ン テ ナ の 最 適 化 法 を 提 案 し て い る . こ の よ う を 最 適 化 は 他 に 例 が を く , オ リ ジ ナ リ テ ィ ー の 高 い も の と 評 価 で き る .3章 で は ま ず 最 適 化 に 用 い た マ イ ク ロ 遺 伝 的 ア ル ゴ リ ズ ム に つ い て 述 ベ , っ ぎ に そ れ を 用 い た 最 適 化 結 果 に つ い て 論 じ て い る . さ ら に , 入 射 波 の 変 化 に ロ バ ス ト をRFIDタ グ ア ン テ ナ の 形 状 最 適 化 と , 複 数 の 目 的 関 数 に つ い て 最 適 化 を 行 う パ レ ー ト 最 適 化 に つ い て , そ れ ら の 方 法 と 最 適 化 結 果 に つ い て 述 べ て い る ,

  第5章 で は , 周 囲 の 散 乱 体 を 考 慮 し たRFIDタ グ の 設 計 に つ い て 述 べ て い る.RFIDタ グ を 環 境 セ ン シ ン グ に 用 い る 際 に は , そ れ を 測 定 対 象 物 近 傍 に 設 置 す る た め , 測 定 対 象 か ら 電 磁 的 を 影 響 を 受 け る こ と が 予 想 さ れ る . 著 者 は , こ の 影 響 を 最 小 限 に す る た め に , 測 定 対 象 物 とRFIDタ グ ア ン テ ナ の 間 に 誘 電 体 ス ペ ー サ を 導 入 す る 方 法 を 提 案 し て い る , 著 者 は 本 法 が 有 効 で で あ る て と を , 数 値 計 算 結 果 を 基 に 示 し て い る .6章 で は , 本 研 究 を 総 括 し , 得 ら れ た 結 果 に つ い て ま と め て い る .

  こ れ を 要 す る に , 著 者 は 電 波 型 パ ッ シ ブRFIDの 特 性 を 正 確 に 解 析 す る た め に , 電 磁 波 と 回 路 の 結 合 を 考 慮 し た 解 析 法 を 提 案 し , ま た 本 解 析 法 を 高 速 化 す る た め の 新 し い 方 法 の 提 案 し て い る . ま た 著 者 は 解 析 法 に 基 づ ぃ たRFIDア ン テ ナ の 最 適 化 法 を 提 案 し , そ の 有 効 性 を 示 し て い る . さ ら に 著 者 はRFIDタ グ の 環 境 か ら の 影 響 を 低 減 す る た め の 新 し い 方 法 を 提 案 し , そ の 有 効 性 を 示 し て い る . こ れ ら か ら , 著 者 は 電 波 型RFIDの 設 計 開 発 の み 橡 ら ず 電 磁 波 工 学 , ア ン テ ナ 工 学 , 電 磁 界 解 析 学 に 重 要 を 寄 与 を し て い る と 考 え ら れ る . よ っ て 著 者 は 北 海 道 大 学 博 士 ( 情 報 科 学 ) の 学 位 を 授 与 さ れ る 資 格 あ る も の と 認 め る .

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図2に実験装置の概略を,表1に主な実験条件を示す.実