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ま え が き 水 ビジネスの 国 際 展 開 が 議 論 されています 下 水 道 管 路 管 理 業 の 将 来 を 考 え ますと 海 外 業 務 も 視 野 に 入 れておくことが 必 要 と 考 えられます その 際 国 ごとに 状 況 が 異 なりますので 将 来 の 市 場 として 考

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(1)

下水道管路管理業務の中国市場

調査報告書

2011 年 4 月

(2)

ま え が き

水ビジネスの国際展開が議論されています。下水道管路管理業の将来を考え

ますと、海外業務も視野に入れておくことが必要と考えられます。その際、国

ごとに状況が異なりますので将来の市場として考えられる国の状況を把握して

おくことがまずは重要です。現在水ビジネス参入で注目されている国のうち中

国は地理的に近くかつ最近の経済発展は目をみはるものがあり

GDP も日本を

追い越し世界

2 位になっています。そのようなことから中国の下水道について

情報を集め特に管路管理の現状等について調査を実施しました。

下水道管路管理とは下水道管路(

マンホール、管渠、取付管、マス、ポンプ

場など汚水や雨水を収集するシステムの全体を指す)

の機能を保持し、施設の

寿命を延ばし他の施設への悪影響を防止する行為をさします。このため、施設

の点検・調査と、施設の状態評価、機能を保全するための行為(

清掃や修繕・

改築)等を行うことになります。調査もこの管路管理全般を意識して行う必要

があります。

中国は人口が非常に多くかつ国土面積が非常に大きい国です。中国全体の下

水道事情を調べるのは容易ではありません。したがってまずはこの中国第一の

都市である上海市を対象に下水道管路の管理にかかわる業務の現状を調査しそ

の結果を報告書としてまとめました。上海市は下水道整備の歴史も古く管理対

象施設もかなりの量になっています。下水道管路管理という面からみても中国

内での先進的な都市といえると思います。

調査にあたっては上海市をベースにされている現地のコンサルタントに協力

してもらうと同時に管路協会員等が現地に赴き関係者に面会しヒアリング等を

実施しました。上海市の管路管理の状況に関する調査の結果、下水道管路施設

の構造が日本とは大きく異なっていることや管路管理のルールがかなり厳密に

定まっていることなどが分かりました。

本報告書は、中国市場とりわけ上海市への参入を考えておられる方はもちろ

ん中国の下水道管路の構造や管理の現状について興味を持たれている方に参考

になる資料と思います。そのような方々の資料として活用していただければ幸

いです。

平成

23年4月27日

公益社団法人日本下水管路管理業協会

会長 長谷川健司

(3)

目 次

1.調査の目的 ... 3 2.調査方法及び調査範囲 ... 4 3.調査内容と結果 ... 5 3.1下水道管路の現状 ... 5 3.1.1 下水道整備史 ... 5 3.1.2 下水道および管路の統計数値 ... 12 3.1.3 下水道管路システムの基本構造 ... 15 3.1.4 下水の排除方式 ... 23 3.1.5 処理区と下水処理場 ... 25 3.1.6 排水区の整備状況 ... 30 3.2下水道管理体制 ... 38 3.2.1 下水道管理体制 ... 38 3.2.2 下水道管路管理体制 ... 42 3.2.3 下水道管理財政 ... 44 3.2.4 下水道管路の維持管理費用 ... 46 3.2.5 下水道管路施設維持管理業務標準歩掛・単価 ... 47 3.3下水道施設にかかわる法体系等 ... 51 3.3.1 下水道施設関連の法律や基準体系 ... 51 3.3.2 下水道管路施設管理に関連する法規・基準と技術規定... 53 4.下水道管路施設管理の現状 ... 55 4.1下水道管路施設維持管理業務の概要... 55 4.2排水管路施設の調査 ... 56 4.3下水道管路施設の清掃と修繕 ... 59 4.4下水道管路システム管理におけるGIS の応用 ... 62 4.5下水道管路施設の維持管理における問題点 ... 63 4.6下水道管路施設の維持管理業者 ... 64 参 考 資 料 ... 67

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1.調査の目的

本調査は、中国上海における下水道管路の管理にかかわる業務の現状を調査し、合わ せてそのような業務に対して日本の下水道管路にかかわる企業の参入の可能性につい て調査するものである。 下水道管路管理とは下水道管路( マンホール、管渠、取付管、マス、ポンプ場など 汚水や雨水を収集するシステムの全体を指す)の機能を保持し、施設の寿命を延ばし、 他の施設への悪影響を防止する行為をさす。このため、施設の点検・調査と、施設の状 態評価、機能を保全するための行為(清掃や修理)、改築等を行うことになる。 本調査では、中国全土を意識しつつも、下水道施設の整備状況や普及状況を勘案して 歴史が古く施設全体の延長も長いと考えられる上海市を取り上げて調査を行った。

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2.調査方法及び調査範囲

1.調査方法 (1)公開されている統計などのオープンデータ ① 政府機関の発表資料 ② 関連企業が発表した各種文献資料 ③ 企業や政府機関のホームページ及び文献データベースを通した文献収集 ④ 関連書籍 (2)現地調査(主要な官庁、管理業者)に対する直接訪問 ① 弊社による現地直接調査 ② 市場調査団との共同現地調査 (3)業界団体などの調査報告書 ① 上海市政府の排水管理行政機関 ② 上海市下水道協会や管路管理業界団体 ③ 市政設計研究院 (4)管路管理事業者の関連資料 (5)有識者へのヒアリング 収集した情報を分析・整理のための参考とするため、有識者へのヒアリングを 実施する。

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3.調査内容と結果

3.1下水道管路の現状 上海市は、中国で最も早く近代的な排水施設の建設を行った都市である。今から 約140 年前に排水管きょの敷設を開始し、1921 年に全国の最初の下水処理場を建 設した。建国(1949 年)後、特に改革・開放政策が実施されている(1978 年)以 来、市政府が水環境保全に力をいれ、大量な財力を投入して下水収集や処理施設の 整備を行った結果、水環境が大きく改善されている。 3.1.1 下水道整備史 上海市の下水道の歩み(図3-1-1 を参照)には、1 世紀以上に及ぶ歴史があり、 政権や国策の変遷に伴い、下水道整備史を以下の三つの段階に分けることができる。 ①中華人民共和国建国の前、①改革・開放政策の実施前、①改革開放政策の実施後。 (1)中華人民共和国建国の前(~1949 年)  1843 年に「南京条約」と「五口通商章程」の取り決めに基づき、上海が開港さ れた。開港前には、道路沿の排水渠や河を利用して雨水と汚水を排出していた。 開港された当初、道路脇に排水溝や暗渠を作って、下水の排出を行った(図3-1-2 を参照)。  1862 年にイギリス租界地工部局が中区(現在の黄浦区東部、外灘付近)で雨水 管路整備計画と建設を開始した。雨水管は、イギリスから輸入した陶磁器用の 粘土製のものを使用した。その後、イギリス租界地の他のエリアやフランスな どの租界地で下水(雨水と汚水)管路の敷設が行われた。当時、下水の放流先 は、洋徑浜(現在の延安東路)という川となっていた。  1914 年に、下水放流先となっている洋徑浜に大口径の下水管路が敷設されると ともに(図3-1-2 を参照)、洋徑浜を埋め立てることとした。  1915 年に、上海市の洋式建物に水洗便所を使用することが認められ、同時にセ プティックタンク(Septic Tank)の設置が義務付けられた。真空ポンプを使用 し、セプティックタンク内の残留固形物を定期的に外に搬出した。  1921 年に北区下水処理場の建設が開始され、1922 年に第 1 系列の処理施設の 実稼動が始まった。1923 年に処理場全体の建設工事が完了し、運転開始となっ た。当処理場の処理能力が1.5 万 m3/d で、幹線管路の延長が 11km であった。 この処理場が建設されるまでは、生活排水は、主にセプティックタンクで処理 されていた。1949 年の時点では、この処理場の処理能力が 4,700 m3/d であって、 その後、数回にわたる拡張工事を経て、処理規模を1.8 万 m3/d までに拡大した。 当処理場は、前世紀の90 年代に廃止しました。  1926 年に、東区下水処理場と西区下水処理場(図 3-1-2 を参照)が建設され、 そのうちの東区下水処理場は現在も使用されている。

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1840年 1860年 1880年 1900年 1920年 1940年 1949年 開港当初、路脇 に排水溝や暗渠 で下水を排出し ていた。 1862年にイギリス租 界地工部局が中区で 雨水管路整備計画と 建設を開始した。 1914年に洋徑浜に 大口径の下水管路 が敷設された。 1915年に上海市の洋式建物に水 洗便所の使用が認められ、同時に セプティックタンクの設置が義務 付けられた。 1921~1923 北区下水処理 場が建設され ていた。 1923~1226 東区下水処理場と西区下 水処理場が建設されてい た。 1870年に、フラン ス租界地で下水道 計画と建設を開始 した。 1880年にフランス租界地 は公舘馬路(現在の金陵東 路)等の場所に下水道管路 を敷設し、下水を洋泾浜 (現在の延安東路)に排出 した。 上海開港 図3-1-1 建国前の上海市下水道の歩み

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図3-1-2 建国前の下水道整備関連写真 上海開港当初の雨水と汚水の排出先 1890 年のイギリス租界地の様子 イギリス租界地(左)とフランス租界 (右)の境目(現在の延安東路) 下水道管路敷設現場(1914 年) 排水管敷設工事が完了後の写真 (現在の延安東路) 運転開始後の西区下水処理場

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(2)建国後~改革・開放政策実施前(1949 年~1978 年)  前世紀50 年代に、上海市政府が大規模な生活団地、近郊工業団地と衛星都市の 建設を行った。それに伴い、新開発地域で汚水と雨水を単独で収集する分流式下 水道の整備を行った。約10 年間をかけて、6 つの排水区を新たに建設し、それ ぞれの排水区に小規模終末下水処理場を建設した。市内にあった曹杨、彭浦、闵 行下水処理場(二次処理)及び东昌、日晖下水処理場(一次処理)は、その時代 に建設された処理場である。図 3-1-3 には、1950 年代に建設された下水処理場 の写真を示す。  1970 年代に、市内河川の水質汚濁を改善するために、南区下水輸送幹線(南幹 線)と西区下水輸送幹線(西幹線)の建設を行い、市内で発生した下水を収集し、 直接に長江河口の白竜港と石洞口に放流した。その後、市中心部と郊外に、下水 処理場の整備を行い、前世紀末の時点では、上海市の下水処理場数が計31 箇所 で、施設設計処理能力と実際の処理量が100.65、79.3 万 m3/d とそれぞれなって いた。処理レベルは、主に一次処理の沈澱処理であって、二次処理が導入された 処理場数が僅かでああった。  改革・開放政策を実施する 1978 年の時点では、下水道関連施設の整備状況は、 建国時より幾分改善されたが、人口増の要素を考えると、依然不足していた。特 に、終末処理場の整備が遅れており、市内から発生した下水の多くが直接河川に 垂れ流して、水質汚濁の大きな要因となっていた。 図3-1-3 1950 年代に建設された下水処理場の様子 曹杨下水処理場(二次処理) 彭浦下水処理場(生物膜法)

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(3)改革・開放政策実施後(1978 年~)  改革・開放政策が実施されてから、上海市の下水道整備は量と質ともに飛躍的 に発展した。特に、80 年代以降、経済成長とともに、水環境改善を目的とする 大型インフラ整備が数多く行われていた。図3-1-4 と 3-1-5 には、その代表的な 整備事業と関連写真を示す。  1983 年に、市政府が水環境改善事業の基本方針として、「総合的な対策、管理 と建設の同時強化」を打ち出した。具体的には、分流式と合流式下水道の並存、 集中処理と分散処理の結合を図るとともに、集中処理を中心として整備していく 方針を明確にした。  1983 年から、市内居住地の水環境を改善するため、下水処理場の新規建設と増改 築を行った。曲陽、天山、竜華、闵行、泗塘、吴淞下水処理場は、この時期の建 設、改造の対象であった。  蘇州河と黄浦江の水質汚濁問題を根本的に改善するため、市中心部からの下水 を大口径遮集管で郊外へ強制排除する事業を計画、実施した。この事業は、合流 汚水治理1 期~3 期工事(以下は合流1期~3 期工事と略す)と呼ばれ、その内 の合流1 期工事が 1988 年に着工し、1993 年 12 月に主体工事の完成とともに、 通水開始となった。合流1期工事は、遮集管延長33.39km、140 万 m3/d の下水 排出量の管路施設とポンプ場の新規建設事業である。この事業のサービスエリア が 71km2、サービス人口が 255 万人に達しており、遮集管の放流先が竹園処理 場となっている。総事業費が16 億元で(そのうち、世界銀行からの融資が 1.45 億ドル)である。事業が実施された後、蘇州河の水質改善が顕著に現れていた。  合流2 期工事は、1996 年にスタートし、1999 年 12 月に主体工事が完成され、 通水開始となった。合流2 期工事では、下水排出量が 170 万 m3/d、サービスエ リアが272km2、サービス人口が356 万人となっている。終末処理場が白竜港処 理場である。  市中部の一部排水区では、下水の排出先がないため、合流 3 期工事を通じて、 これらの問題を解決するとともに、既存の下水収集率と施設利用率の向上を図っ た。合流3 期工事は 2003 年 12 月に開始され、2007 年末に完成された。事業の 総投資額が49 億元で、整備エリアの面積が 212km2に及んでいる。  合流 1 期から 3 期工事が完成された後、沿線の小規模下水処理場が順次閉鎖さ れ、その下水を全て終末処理場(竹園と白竜港下水処理場)に輸送して、集中処 理を行っている。一部離れていて、廃止できない処理場につていは、施設改造や 増築を行い、窒素リン除去の高度処理を導入した。  合流汚水治理事業のほかに、蘇州川環境総合整備事業を通じて、市内の主要河 川である蘇州川の水質改善、河岸整備などを行った。また、「環境保護生態系型」 都市を目指して、上海環境保護三年プランという事業が実施されている。

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1979年 1989年 1999年 2009年    1期工事  2期工事   3期工事 1988年 1993年 1996年 1999年 2003年 2007年 蘇州川環境総合整備事業 1998年 2002年 2003年 2005年 2007年 2009年 上海環境保護三年プラン 2000年   2003年 2006年 2009年 2012年 第 一回 第二 回 第三 回 第四回 2011年 第一 期 第二 期 第 三期 合流汚水治理事業 図3-1-4 改革・開放以来上海市水環境を整理整備のフロー

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図3-1-5 改革・開放政策実施後の下水道整備 合流2期工事管路(Φ3600mm) 合流2期工事管路(3300×3000mm) 合流3期工事に使用したコンクリート管(Φ3000mm) 合流2期工事ポンプ場 合流3期工事管路 合流3期工事川越施設(Φ1500mm)

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3.1.2 下水道および管路の統計数値 1949 年の時点では、上海市の下水道管路総延長が 648.5km(そのうち、雨水管路延 長が531.5km、汚水管路 117km)であった。当時、下水道管路のほかに、雨水ポンプ 場が11 箇所、排水能力が 16m3/s で、下水処理場が 3 箇所で、処理能力が僅か 3.55 万 m3/d であった。下水道管路施設の整備が不足しており、多くの区域が合流式下水道と なっている。 改革・開放政策を実施し始める1978 年の時点、下水道関連施設の整備状況は建国時 より幾分改善されたが、人口増の要素を考えると、依然不足している。1978 年時点で の下水道管路施設の整備状況は次の通りである。下水道管路総延長が 1,301km、雨水 排除ポンプ場が90 箇所、雨水排水能力が 260.3m3/s で、下水処理場の処理能力が僅か 13.9 万 m3/d であった。 改革・開放政策が実施されてから、上海市の下水道管路施設の整備量が飛躍的に発展 した。上海市の下水道基本計画では、市全域を対象に計 365 個の排水区が設定され、 下水道整備計画面積が697.47km2となっている。2009 年末現在、整備済排水区の数が 250 で、サービス面積が 552.56 km2に及んでいる。 表3-1-1 下水道管路延長(km) 項目 1949 年 1979 年 2009 年 汚水管 117 117 4,134 雨水管 532 532 3,183 合流管 0 193 1,290 連絡管(取付管、雨水口への連絡管) 0 0 1,951 管路総延長 649 893 10,058 0 1000 2000 3000 4000 5000 1949年 1979年 2009年 管 路 延 長 ( km ) 汚 水 管 雨 水 管 合 流 管 連 絡 管 図3-1-6 下水道管路延長の変化(km)

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上海市の下水道管路延長の統計数値を表3-1-1 と図 3-1-4 に示している。2009 年現在、 下水道管路総延長(登録済み)が10,558km で、国内のほかの大都市に比べて特段に長 く、東京やニューヨークなど海外の大都市に匹敵するほどの長さになってきている。管 路総延長の変化では、改革・開放政策実施後の30 年間の伸びが著しく、30 年間で管路 総延長が約11 倍ほど増えた。 ポンプ場施設の統計数値は表3-1-2 と図 3-1-5 に示す通りである。下水道管路延長と 同様に、ポンプ施設の数も1979 年からの 30 年間で急激な伸びを示している。2009 年 末現在、公共下水道関連のポンプ場数が 765 箇所で、その内訳として、雨水ポンプ場 179 箇所、汚水ポンプ場 105 箇所、幹線管路ポンプ場 30 箇所、立体交差道路ポンプ場 53 箇所、閘門ポンプ場 2 箇所とそれぞれなっている。 表3-1-2 ポンプ場数の統計 項目 1949 年 1979 年 2009 年 雨水ポンプ場 11 107 179 汚水ポンプ場 0 21 396 合流ポンプ場 0 0 105 立体交差道路ポンプ場 0 0 53 閘門ポンプ場 0 0 2 幹線管路ポンプ場 0 0 30 総計 11 128 765 0 50 100 150 200 250 300 350 400 1949年 1979年 2009年 ポ ン プ 場 箇 所 雨水ポンプ場 汚水ポンプ場 合流ポンプ場 立体交差道路ポンプ場 閘門ポンプ場 幹線管路ポンプ場 図3-1-7 ポンプ場数の変化

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2009 年末現在、上海市の下水処理場数が 52 で、その処理能力が 686.5 万 m3/d であ る。2009 年には、631 万 m3/d の下水発生量に対して、実質処理水量が 498 万 m3/d で、 下水処理率が78.9%に達している。図 3-1-6 は、処理規模別の下水処理場数を示したも のである。処理規模20 万 m3/d 以上の処理場が僅か 5 箇所しかないが、その処理能力 の合計が480 万 m3/d で、市全体処理能力の約 7 割を占めている。特に、上海市中心部 を対象とする白竜港と竹園処理区の終末処理場として、白竜港と竹園下水処理場の処理 能力が210、220 万 m3/d(竹園第 1+第2処理場)と極端に高く、今後、更に増築して いく方針である。 0-5 5-20 > 20 図3-1-8 処理規模別の下水処理場数 万m3/d 13 箇所 5 箇所 34 箇所 万m3/d m3/d

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3.1.3 下水道管路システムの基本構造 中国のほかの大都市と同様に、上海市の下水道管路及び関連施設は、住宅団地排水 システム、公共下水道管路、ポンプ場(居住団地と公共下水道)と排水溝・河川によ り構成されている。 (1)室内排水管路システム 生活排水を収集して、室内の枝管、立管、出戸管(室内から室外に出る排水管路) などを通して、汚水を室外の居住団地の汚水管に排出する。出戸管と団地の排水管路 との接続場所に、管路施設の点検と疎通のために、マンホールを設置する。 (2)室外排水管路 室外排水管路施設、さらに居住団地(独立住宅や事業所を含む)排水管路施設と公 共下水道管路施設に分けることができる。図3-1-9 は、市内の合流式と分流式下水道 排水区の構成を示しているものである。 ① 住宅団地排水管路施設 団地の敷地内に、建物からの出戸管を連結する排水管路網で、出戸管、団地枝管、 団地本管及びポンプ場などによって構成されている。出戸管が団地枝管に接続され、 団地枝管が団地本管に接続されている。一般的には、団地枝管と団地本管が団地の道 路の下に敷設されている。一部の団地本管が公共道路の下に敷設されるケースもある。 団地本管が公共下水道に接続する場合、その排水の水質が CJ3082-1999「都市下水 道への汚水排出の水質基準」を満たさなければならない。また、公共下水道への排水 口の数量と設置場所は、下水道管理の役所の認可が必要となっている。 ① 公共下水道の管路施設 独立住宅、事業所や団地本管等からの排水を収集し、自然流下でポンプ場或いは下 水処理場に輸送する。公共下水道の管路施設には、枝管、本管、主本管と郊外本管(下 水排除幹線)などが含まれている。上記の各管路の定義は以下のとおりである。 枝管:排水区内の独立住宅、事業所や団地本管等からの排水を収集、輸送する管路 本管:排水区内の本管からの排水を収集、輸送する管路 主本管:二つ以上の本管からの排水を収集、輸送する管路 郊外本管:排水を終末ポンプ場、下水処理場或いは公共用水域へ輸送する管路 (3)マンホール 上海市の下水道に使用されているマンホールは、その構造によって以下のように分類 される。 ① 円形 Φ700mm、Φ1000mm、Φ1250mm、Φ1500mm の四つのサイズがあり、口径 D=200~800mm の雨水と汚水管路に適用されている(図 3-1-10)。現在、円形マンホー

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ルは最も多く採用されている形式となっている。 ② 矩形マンホール 矩形マンホールは、直線型マンホール、90 度三通マンホールと 90 度四通マンホー ルに分類され、口径800~1500mm の汚水管に適用されている(図 3-1-11)。 ③扇形マンホール 上流管路と下流管路の中心線からなる角度が90°、120°、135°と 150°の四種 類があり(図3-1-12)、口径 D=800~2000mm の雨水管、口径 D=800~1500mm の汚 水管で流下方向が変わる場合に適用されている。 ④小型矩形マンホール マンホールの深さが浅く(≤1.5m)、設計上では、人がマンホール内に入らないと なっている(図3-1-13)。口径 D=200~400mm の雨水と汚水管路に適用されている。 (4)雨水口 雨水口には平格子型、偏溝型と複合型があり、また格子の数量により、単格子、双格 子や多格子型がある。材質は殆どコンクリート製で、図 3-1-14 に雨水口の構造を示し ている。

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図3-1-9 市内の合流式と分流式下水道排水区の基本構成 1. 都市境界 2. 排水区境界線 3. 汚水枝管 4. 汚水本管 5. 汚水主本管 6. 雨水枝管 7. 雨水本管 8. マンホール 1 16 10 11 15 14 8 9 7 4 12 3 6 2 合 流 13 9. 雨水口 10. 合流管ポンプ場 11. 雨水ポンプ場 12. 下水処理場 13. 事故排出口 14. 独立住宅 15. 住宅団地 16. 工場 II III I 合流式下水道排水区 II,III 分流式下水道排水区 I

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2

1

2

1

平面图

1-1剖面 2-2剖面 図3-1-10 円形マンホールの構造

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3.1.4 下水の排除方式 (1)下水道計画雨量 上海市の年間平均降雨量が1200mm で、その降雨量の約 60%が 5 月から 9 月に 集中している。図 3-1-15 は、上海市の確率降雨量を示したものである。また、表 3-1-3 には、上海市の降雨量等級分類を示す。 100.82 99.07 97.12 94.95 92.00 89.57 86.08 81.68 75.64 65.72 56.30 49.60 44.30 35.50 26.90 0 20 40 60 80 100 120 100年 90年 80年 70年 60年 50年 40年 30年 20年 10年 5.0年 3.0年 2.0年 1.0年 0.5年 再現年数 降雨量(mm) 図3-1-15 上海市の確率降雨量 表3-1-3 上海市の降雨量等級分類 時間降雨量による等級分類 24 時間降雨による等級分類 暴雨 16mm 以上 特大暴雨 200mm 以上 大雨 8-15mm 大暴雨 100-200mm 中雨 2.6-8mm 暴雨 50-100mm 小雨 2.5mm 以下 大雨 25-50mm 中雨 10-25 mm 小雨 10mm 以下 上海市下水道雨水計画においては、一般地区で 1 年確率降雨量(時間降雨量が 36mm)を基準とし、重要の地区で 3~5 年確率降雨量(時間降雨量が 50~56mm) を基準としている。浦東新区の陸家嘴、花木、浦東国際空港などの8 つの排水区は、 重要地区とされ、比較的に高い設計基準が適用されている。

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(2)排除方式 ① 強制排除方式 管網システムとポンプ場を利用して、団地或いは排水区内の排水を強制的に近く の都市河川に排除する方式である。  団地内排水管網→ポンプ場→排水区内の河川(閘門やポンプ施設が整備)  排水区内の公共下水道管網→ポンプ場→排水区外の河川 この排除方式が市中心地域で多く採用され、1年に1 回の確率降雨量に対する排 水比流量が5~6 m3/s/km2となっている。 ① 緩衝式排除方式 排水を自然流下方式で排水区内に近い河川に放流して、河川網に整備されている ポンプ場や閘門などの施設を通じて、排水を排水区外の水域に排除する。この排除 方式が郊外区域を中心に採用され、1年に1 回の確率降雨量に対する排水比流量が 1~3 m3/s/km2となっている。 上海市の地勢が平坦で、市内河川が外海の潮位の影響を受けやすいため、市中心 部の排水区の多くは、「排水区を囲んで、排水を強制的に排除する」という排除方 式が採用されている。したがって、排水システムの建設費と維持管理コストが比較 的に高い。 図-3-1-16 上海市の排水排除方式 図 3-1-16 には、上海市の強制排除方式の代表例を示す。図に示されるように、 市内道路の地表高が 3m 程度で、外灘(バンド:黄浦江沿岸)の堤防高が 6.9m、 観測史上最高水位が 5.72m となっているため、ポンプ場を利用して排水を河川に 放流しなければならない。

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3.1.5 処理区と下水処理場 上海市では、水道水源地、河岸・灘の機能保全、長江河口の河川整備、水文条件、環 境容量、既存の排水施設などの要素を考慮し、市全域を6 つの大処理区に分割した。6 つの大処理区に53 ヶ所の下水処理場が分布し、1日あたり約 498 万 m3の下水を処理 している。表3-1-4 には、6 つの大処理区の範囲、行政区との関係及び計画下水量を示 している。また、図3-1-17 は各処理区の位置と範囲を示している。 表3-1-4 下水道整備区域内の処理区 大処理区 範囲 行政区域 計画下水量 (万m3/d) 石洞口 合流一期事業対象の北部エリア で、西は宝山区の境目まで、東 北は長江までが含まれている。 宝山区、閘北区、普陀区、 及び嘉定区の南翔、江橋地 区 40 竹園 石洞口処理区より南のエリア で、浦西の蘇州河、浦東趙家溝 及び合流一期工事エリアより北 の区域(一部の合流一期工事エ リアを含む) 杨浦区、虹口区、黄埔区、 闸北区、普陀区、静安区、 长宁区及び浦東新区 220 白竜港 竹園処理区より南のエリアで、 西は闵行区の境目まで、南は南 汇周祝道路まで、東は長江まで。 黄埔区、静安区、卢湾区、 徐汇区、长宁区、闵行区、 浦东新区 210 杭州湾沿岸 上海市の南東部で、杭州湾沿岸 地区 金山区、奉贤区、南汇区の 三区(南汇区が昨年に浦東 新区に吸収合併) 66 嘉定及び黄 浦江上流 上海市の西部区域で、江蘇省 と浙江省と隣接するエリア。 青浦区、松江区、金山区、 嘉定区 104 長江三島 長江河口に位置する崇明島、 長興島と横沙島 崇明县、宝山区 26 合計 676 上海市の下水処理の基本方針は、集中処理と分散処理を有機的に結合することとして いる。市中心部は基本的に集中処理方式が採用されている。各排水区からの下水は遮集 管(下水排除幹線)で郊外に輸送され集中処理を行う。上記の石洞口、竹園と白竜港処 理区は、集中処理対象区域となっている。これらの処理区に対応して、石洞口下水処理 場(40 万 m3/d)、竹園下水処理場(170 万 m3/d)と白竜港下水処理場(210 万 m3/d) がそれぞれ建設されている。一方、杭州湾沿岸、嘉定及び黄浦江上流、長江三島の郊外 区域の処理区では、現地型の分散処理方式が採用されている。また、遮集管(下水排除 幹線)への排除が困難な市中心部の一部の排水区では、高度処理を導入する現地型分散 処理方式となっている。表 3-1-5 と図 3-1-18 には、上海市下水処理場の一覧とその分 布を示している。

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図3-1-17 処理区の位置と範囲 沪 路 杭 公 路 公 卫 亭 车 公 路 亭 沪 南 公 路 公 路 辛 奉 路 曹 安 公 路 沪 嘉 高 速 龙 东 大 道 东 大 道 远 蕴 川 路 路 共 和 新 沪 公 路 青 平 公 路 朱 枫 亭 枫 公 路 南 奉 公 路 南 奉 公 路 川 路 公 陈 海 竹园片区- - - -石洞口片以 南, 浦西 州河苏 、 浦东 赵 家沟以北地区及原合流一 期服务范围。 分属杨浦、 虹口、 黄埔、闸北、 普陀 、 静安、长宁区及浦东新 区。 白龙港片区- - - -竹园片以南, 西至闵行区界, 南为闵行区 界及南汇周祝公路,东至长 江。 分属黄埔、 静安、卢湾、 徐汇、长宁、闵行区、 浦东 新区及南 区汇 。 石洞口片区- - - -合流一期以 北地区, 西至宝山区界、 东 北为 长江、 分属宝山区、 闸 北、 普陀及嘉定的南翔、 江 地区 桥 。 嘉定及黄浦江上游片区 -- --分属青浦、 松江、 金山 及嘉定区。 杭州湾沿岸片区 -分属金山、 奉贤、 南汇区。 江三 片区 长 岛 - - - -分属崇 明县、 宝山区。 石洞口処理区

長江三ツ島エリア

嘉定及び黄浦江 上流処理区 竹園処理区 白竜港処理区 長江三島処理区 杭州湾処理区

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図3-1-18 下水処理場の分布

郊外下水処理場 中心部下水処理場

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表3-1-5(1) 上海市下水処理場一覧 NO 処理場名 処理能力 (万 m3/d) 建設 時間 処理場の分類 備考 1 上海市東区下水処理場 3.5 1926 国有 1989 年に拡張・改造を実施。上海市排水有限公司が主管。 2 上海市閔行下水処理場 5.0 1961 (TOT) 株式 陽 晨 投 資股 份 有限 公 司が 主管。 3 上海石化工業股份有限公司環境保護センター(下水処理場) 18.8 1976 国有 株式 石油化学工業区が主管 4 上海市閔行区下水処理場 4.0 1979 国有 2006 年に拡張・改造を実施。閔行区水務局が主管 5 上海市松江下水処理場 13.8 1979 国有 松江区水務局が主管 6 上海市曲陽水質浄化場 6.0 1984 国有 上海城投汚水処理有限公司が主管 7 上海市竜華水質浄化場 10.5 1986 TOT) 株式 陽晨投資股份有限公司が主管 8 上海市天山水質浄化場 7.5 1987 国有 上海城投汚水処理有限公司が主管 9 上海市南匯周浦水質浄化場 1.25 1988 国有 南匯区水務局が主管 10 上海市長橋水質浄化場 2.2 1991 (TOT) 株式 陽晨投資股份有限公司が主管 11 上海市呉淞水質浄化場 4.0 1991 国有 上海城投汚水処理有限公司が主管 12 上海市青浦下水処理場 3.5 1991 国有 青浦区水務局が主管 13 上海市奉賢排水運行管理センター(南橋下水処理場) 1.0 1991 国有 奉賢区水務局が主管 14 上海市泗塘水質浄化場 2.0 1992 国有 上海城投汚水処理有限公司が主管 15 上海市桃浦下水処理場 6.0 1997 国有 上海城投汚水処理有限公司が 主管 16 上海市青浦第二下水処理場有限公司 12.0 1998 (TOT) 株式 2008 年に拡大改造され、 上海城建有限公司が主管 17 上海市白竜港水質浄化場 200.0 1999 国有 2008 年に拡大改造され、上海城投汚水処理有限公司が主管 18 上海青浦練塘下水処理場 0.6 2002 国有 青浦区水務局が主管 19 上海安亭国際自動車城 下水処理場 10.0 2003 株式 青浦区水務局が主管 20 上海市石洞口城市下水処理場 40.0 2003 国有 上海城投汚水処理有限公司が主管 21 上海松東水環境浄化有限公司(下水処理場) 7.0 2003 国有 松江区水務局が主管 22 上海化学工業区中法水務発展有限公司(下水処理場) 2.5 2003 中外 合弁 化学工業区管理委員会が主管 23 上海友聯竹園第一下水処理投 資発展有限公司(竹園第一下 水処理場) 170.0 2004 株式 陽晨投資股份有限公司が主管 24 上海大衆嘉定下水処理有限公司(下水処理場) 10.0 2004 中外合弁 陽晨投資股份有限公司が主管 25 上海松江西部水環境浄化有限公司(下水処理場) 5.0 2004 国有 松江区水務局が主管 26 上海城投徐泾下水処理有限公 2.5 2005 (BOT) 株式 上海城投汚水処理有限公司が主管 27 上海嘉定新城下水処理場 5.0 2005 国有 嘉定区水務局が主管

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表3-1-5(2) 上海市下水処理場一覧 NO 処理場名 処理能力 (万 m3/d) 建設 時間 処理場の分類 備考 28 上海朱家角下水処理建設有限公司(下水処理場) 1.5 2005 国有 青浦区水務局が主管 29 上海市松申水環境浄化有限公司(下水処理場) 7.0 2005 国有 松江区水務局が主管 30 上海南匯排水公司南匯下水処理場 20.0 2005 国有 南匯区水務局が主管 31 上海金山楓泾水質浄化有限公司(下水処理場) 1.4 2005 国有 金山区水務局が主管 32 上海城投亭南下水処理有限公 1.2 2006 BOT) 株式 上海城投汚水処理有限公司が主管 33 上海臨港供排水発展有限公司(臨港下水処理場) 5.0 2006 国有 臨港管理委員会が主管 34 上海楓亭水質浄化有限公司(下水処理場) 3.0 2006 (TOT) 株式 中鉄第十一局及び国通会社 35 上海城投緑衍下水処理有限公司(華新下水処理場) 1.7 2007 (BOT) 株式 上海城投汚水処理有限公司が主管 36 上海青浦白鶴下水処理有限公司(白鶴下水処理場) 1.0 2007 (BOT) 株式 上海城投汚水処理有限公司が主管 37 上海城投亭南下水処理有限公司(葉榭下水処理場) 1.7 2007 (BOT) 株式 上海城投汚水処理有限公司が主管 38 上海城投亭南下水処理有限公司(柳港下水処理場) 0.4 2007 (BOT) 株式 上海城投汚水処理有限公司が主管 39 上海崇明城橋下水処理場 2.5 2007 (BOT) 株式 上海城投汚水処理有限公司が主管 40 長興島下水処理場(一期工事) 2.5 2007 (BOT) 株式 上海城投汚水処理有限公司が主管 41 上海城建竹園下水処理発展有限公司(竹園第二下水処理場) 50.0 2007 (BOT) 株式 上海城建集団有限公司が主管 42 上海奉錦環境建設管理有限公司(東部下水処理場) 12.0 2007 (BOT) 株式 上海環保集団有限公司が主管 43 上海奉賢西部下水処理有限公司(西部下水処理場) 10.0 2007 (BOT) 民営 上海復旦水務工程技術有限公司が主管 44 上海金沢下水処理有限公司(下水処理場) 0.25 2007 国有 青浦区水務局が主管 45 上海金沢下水処理有限公司西岑支社(下水処理場) 0.25 2007 国有 青浦区水務局が主管 46 上海金山新江水質浄化場 5.0 2007 国有 金山城投公司が主管 47 上海崇明陳家鎮下水処理場 0.2 2007 国有 金山城投公司が主管 48 上海金山廊下下水処理有限公司(下水処理場) 1.0 2008 BOT) 株式 上海城投汚水処理有限公司が主管 49 上海金興水質浄化有限公司 1.0 2008 国有 金山区水務局が主管 50 上海崇明堡鎮下水処理場 1.25 2009 (BOT) 株式 2009 年末に完成、使用開始 上海城投汚水処理有限公司が 主管 51 上海崇明堡鎮下水処理場 0.5 2009 (BOT) 株式 2009 年末に完成、使用開始。 上海城投汚水処理有限公司が 主管 52 鵬鷂下水処理場 2.5 2008 (BOT) 民営 金山水務局が業務主管

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3.1.6 排水区の整備状況 2002 年に策定された「上海市城鎮雨水排水システム専門計画」では、市全域を 361 の排水区に分割した。全部の排水区の計画サービス面積が844km2で、計画ポンプ排水 能力が4,140m3/s となっている 市全域の 361 の排水区のうち、市中心部(外環道の内側)の計画排水区が 281 とな っている。市中心部の計画サービス面積が617km2で、ポンプ排水能力が3,270m3/s で ある。表3-1-6 には、市中心部排水区の整備状況をまとめている。 表3-1-6 市中心部排水区の整備状況 状況 分類 数量 (箇所) 比率 (%) サービスエリア 面積 (km2) ポンプ排水 能力(m3/s) 数量 (箇所) 計画 現状 整備済 193 68.7 429 2,404 2,227 整備中 18 6.4 43 218 12 整備予定 53 18.9 128 580 単独(整備済) 13 4.6 19 47 31 単独(整備予定) 4 1.4 合計 281 100 617 3,270 2,270 注:単独排水区は、敷地の大きい大型企業や元飛行場など、公共下水道範囲外の排水区のこと。 193 箇所の整備済排水区は、合流式が 65 箇所、分流式が 128 箇所となっている。ま た、整備済排水区は、そのポンプ場と管路システムの整備基準達成状況によって、完全 整備、不完全整備と低整備基準の排水区に分類されている(表 3-1-7)。既に整備済の 193 所の排水区には、完全整備排水区が 74 箇所、不完全整備排水区が 109 箇所、低整 備基準排水区が10 箇所とそれぞれなっている。表 3-1-8 には、市中心部(外環道の内 側)排水区の一覧を示す。また、図3-1-19 から 3-1-24 は、市中心部の各排水区の位置、 完全整備排水区、不完全整備排水区、低整備基準排水区、建設中の排水区、単独排水区 をそれぞれ示しているものである。 表3-1-7 市中心部整備済排水区の概況 状況 分類 内環道路内側(個) 内環道~外環道路(個) 総計 合流式 分流式 小計 合流式 分流式 小計 完全整備 14 7 21 9 44 53 74 不完全整備 25 8 33 7 69 76 109 低整備基準 6 0 6 4 4 10 合計 45 15 60 20 113 133 193

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表3-1-8 排水区の一覧 NO 完全整備 合流式 不完全整備 合流式 分流式・完全整備 分流式・不完全整備 低整備基準 1 三门 吴淞 泗塘 漕河泾 宝工东 大场南 花木东 大光复 2 国和 张华浜 临汾花园 曹溪 宝工西 真江东 花木西 普善 3 宜川 武宁 嫩江 陆家嘴 祁连新村 苗圃西 由由新村 大定海 4 宜昌 叶家宅 真光 陆家浜 长临 铜川 云莲 新师大 5 灵石 沪太 真如 张家浜 彭浦西 曹丰 六里 万航 6 和田 广肇 永和北 塘桥 民主 北新泾南 华泾北 曹杨 7 溧阳 汶水 永和南 周家渡 彭浦新村 江场 上海大学 周塘浜 8 大柏树 彭江 大宁灵石 南码头 江杨 吴中 葑村 松潘 9 四平 民晏 江湾西 金桥张江西 张庙 虹南 井亭 周家嘴 10 五角场 华昌 江湾东 长桥 凇南 交通北 虹井 11 长白 福建北 东体育会 耀华 高镜 交通南 平吉 12 复兴岛 十名 曲阳 行西居住区 泰和 岚皋北 平阳 13 木渎 广中 营口 康健 国权北 岚皋南 合川 14 凯旋 武进 控江 梅陇 新江湾城 志丹 平南 15 南站 古北 北虹北 张华浜东 真南北 金桥一期 三林 16 蒲汇堂 虹镇 朱家浜 三林东块 真江西 寿阳 莲花 17 江苏 汉阳 居家桥 罗秀 真南 大武川 锦秋加州 18 小木桥 鞍山 北新泾北 民星北块 交通西 东陆新村 真大路 19 宛平 昆明 花园广场 龙水南 大场老镇 沪东新村 华泾南 20 龙华镇 大连 虹延 徐浦大桥 潼港 金桥新村 宝工南 21 成都 惠民 龙柏 航华 高桥镇 径西 华泾西 22 延安东 林家巷 北虹南 二客站及石龙 桃浦工业区 花木北块 张江科教东区 23 陆家浜 中山西 芙蓉江 张江科教西块 外高桥一期 上海动物园 24 肇家浜 上川路北块 杨高南路东块居住 区 外高桥二期北块 金桥东北东 张江居住区南块 25 新开河 26 复兴东 上川路南块 张江中试产业西区 上海高桥石油化 工公司 金桥二期 世博动迁基地 27 文庙 28 中央商务区 桂平 外高桥二期南块 金桥东北西 张江中试产业东区 29 凤城 30 华阳 31 新昌平 32 鲁班

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図3-1-19 市中心部(外環道内側)排水区一覧 ( 凌兆) 浦 河 浦 黄 吴 淞 州 江 河 苏 蕴 藻 泗 塘 浦 江 浦 浦 黄 藻 浜 泗 塘 江 黄 黄 州 江 河 苏 浦 河 浦 黄 吴 淞 懿德新村 耀华 北蔡工业区 思 杨 东块 思 杨 镇 御桥工 区业 六里 南码头 云莲 周家渡 新区文化公园 北 蔡 安 建 居 住 区 路 站 龙东 车 沟 龙 北蔡东 由由新村 代 区 孙桥现 农业开发 江南部 展用地 张 扩 江科教 张 东块 居家桥 花木东 家浜 张 塘桥 家嘴 陆 家渡 陆 西 泾 花木北块 花木西 江中 张 试 江 部 展 用 地 张 东 扩 花园 龙东 江 居 住 区 南 张 块 金桥东北西 新村 东陆 金桥新村 金桥生活区 新村 沪东 上川 路南 块 金桥东北东 金桥一期 金桥二期 上顾 坡苑 东 朱家浜 金光 高行 高新村 华 外高桥二期南块 潼港 高南 高西 高化 修造 船厂 高 东 镇 1 上海高桥石油 高桥镇工业区 理厂 处 水 污 厂 电 高桥镇 港口 Pd18 外高桥一期 化工公司 造 船 厂 沪东 上港八区 上港 二区 港 机 厂 新机厂 外 交 通 用 地 对 御 居桥 住区 康桥 新世纪经济城 高 南 路 居 住 区 杨 东 块 金桥- 江西张 云间小区 浜小区 张 小区 杨镇 三桥小区 臣高 夫 汤 尔 努力 新民 小 孙 桥 Pd70 Pd125 江居住区北 张 块 前 进 球影城 环 三林东块 高东镇2 上海船厂 西 泾( 北块) 沟片东 三岔港片 家浜片 张 三林片 北蔡片3 北蔡片4 家浜片 张 沟片东 北蔡片2 堂 钱 浦 区 产业东 ( 西南) 金珠 小区 三岔港片 外高桥二期北块 上川 路北 块 江中 张 试 西区 产业 江科教西 张 块 ( 三林城) 世博动迁基地 ( 金光) 三林 其昌栈 高桥热电厂 泾东

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図3-1-20 整備完全の排水区一 (凌兆) 浦 河 浦 黄 吴 淞 州 江 河 苏 蕴 藻 泗 塘 浦 江 浦 浦 黄 藻 浜 泗 塘 江 黄 黄 州 江 河 苏 浦 河 浦 黄 吴 淞 懿德新村 耀华 北蔡工业区 思 杨 东块 思 杨 镇 御 工桥 业区 六里 南码头 云莲 周家渡 新区文化公园 北 蔡 安 建 居 住 区 路 站 龙东 车 沟 龙 北蔡东 由由新村 代 区 孙桥现 农业开发 江南部 展用地 张 扩 江科教 张 东块 居家桥 花木东 家浜 张 塘桥 家嘴 陆 家渡 陆 泾西 花木北块 花木西 江中 张 试 江 部 展 用 地 张 东 扩 花园 龙东 江 居 住 区 南 张 块 金桥东北西 新村 东陆 金桥新村 金桥生活区 新村 沪东 上川 路南 块 金桥东北东 金桥一期 金桥二期 上顾 坡苑 东 朱家浜 金光 高行 高新村 华 外高 二期南桥 块 潼港 高南 高西 高化 修造 船厂 高 东 镇 1 上海高桥石油 高桥镇工业区 理厂 处水 污 厂 电 高桥镇 港口 Pd18 外高 一期桥 化工公司 造 船 厂 沪 东 上港八区 上港二 区 港机 厂 新机厂 外 交 通 用 地 对 御 居桥 住区 康桥 新世纪经济城 高 南 路 居 住 区 杨 东 块 金桥- 江西张 云 小区间 浜小区 张 小区 杨镇 三 小区桥 臣高 夫 汤 尔 努力 新民 小 孙 桥 Pd70 Pd125 江居住区北 张 块 前 进 球影城 环 三林东块 高东镇2 上海船厂 西 泾( 北块) 沟片东 三岔港片 家浜片 张 三林片 北蔡片3 北蔡片4 家浜片 张 沟片东 北蔡片2 堂 钱 浦 区 产业东 ( 西南) 金珠 小区 三岔港片 外高 二期北桥 块 上川 路北 块 江中 张 试 西区 产业 江科教西 张 块 (三林城) 世博 迁基地动 (金光) 三林 其昌栈 高桥热电厂 泾东 分流式・完全整備 合流式・完全整備

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図3-1-21 不完全整備排水区の一覧 (凌兆) 浦 河 浦 黄 吴 淞 州 江 河 苏 蕴 藻 泗 塘 浦 江 浦 浦 黄 藻 浜 泗 塘 江 黄 黄 州 江 河 苏 浦 河 浦 黄 吴 淞 懿德新村 耀华 北蔡工业区 思 杨 东块 思 杨 镇 御 工桥 业区 六里 南码头 云莲 周家渡 新区文化公园 北 蔡 安 建 居 住 区 路 站 龙东 车 沟 龙 北蔡东 由由新村 代 区 孙桥现 农业开发 江南部 展用地 张 扩 江科教 张 东块 居家桥 花木东 家浜 张 塘桥 家嘴 陆 家渡 陆 泾西 花木北块 花木西 江中 张 试 江 部 展 用 地 张 东 扩 花园 龙东 江 居 住 区 南 张 块 金桥东北西 新村 东陆 金桥新村 金桥生活区 新村 沪东 上川 路南 块 金桥东北东 金桥一期 金桥二期 上顾 坡苑 东 朱家浜 金光 高行 高新村 华 外高 二期南桥 块 潼港 高南 高西 高化 修造 船厂 高 东 镇 1 上海高桥石油 高桥镇工业区 理厂 处水 污 厂 电 高桥镇 港口 Pd18 外高 一期桥 化工公司 造 船 厂 沪 东 上港八区 上港二 区 港机 厂 新机厂 外 交 通 用 地 对 御 居桥 住区 康桥 新世纪经济城 高 南 路 居 住 区 杨 东 块 金桥- 江西张 云 小区间 浜小区 张 小区 杨镇 三 小区桥 臣高 夫 汤 尔 努力 新民 小 孙 桥 Pd70 Pd125 江居住区北 张 块 前 进 球影城 环 三林东块 高东镇2 上海船厂 西 泾( 北块) 沟片东 三岔港片 家浜片 张 三林片 北蔡片3 北蔡片4 家浜片 张 沟片东 北蔡片2 堂 钱 浦 区 产业东 ( 西南) 金珠 小区 三岔港片 外高 二期北桥 块 上川 路北 块 江中 张 试 西区 产业 江科教西 张 块 (三林城) 世博 迁基地动 (金光) 三林 其昌栈 高桥热电厂 泾东 分流式・不完全整備 合流式・不完全整備

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図3-1-22 低整備基準排水区一覧 (凌兆) 浦 河 浦 黄 吴 淞 州 江 河 苏 蕴 藻 泗 塘 浦 江 浦 浦 黄 藻 浜 泗 塘 江 黄 黄 州 江 河 苏 浦 河 浦 黄 吴 淞 懿德新村 耀华 北蔡工业区 思 杨 东块 思 杨 镇 御 工桥 业区 六里 南码头 云莲 周家渡 新区文化公园 北 蔡 安 建 居 住 区 路 站 龙东 车 沟 龙 北蔡东 由由新村 代 区 孙桥现 农业开发 江南部 展用地 张 扩 江科教 张 东块 居家桥 花木东 家浜 张 塘桥 家嘴 陆 家渡 陆 泾西 花木北块 花木西 江中 张 试 江 部 展 用 地 张 东 扩 花园 龙东 江 居 住 区 南 张 块 金桥东北西 新村 东陆 金桥新村 金桥生活区 新村 沪东 上川 路南 块 金桥东北东 金桥一期 金桥二期 上顾 坡苑 东 朱家浜 金光 高行 高新村 华 外高 二期南桥 块 潼港 高南 高西 高化 修造 船厂 高 东 镇 1 上海高桥石油 高桥镇工业区 理厂 处水 污 厂 电 高桥镇 港口 Pd18 外高 一期桥 化工公司 造 船 厂 沪 东 上港八区 上港二 区 港机 厂 新机厂 外 交 通 用 地 对 御 居桥 住区 康桥 新世纪经济城 高 南 路 居 住 区 杨 东 块 金桥- 江西张 云 小区间 浜小区 张 小区 杨镇 三 小区桥 臣高 夫 汤 尔 努力 新民 小 孙 桥 Pd70 Pd125 江居住区北 张 块 前 进 球影城 环 三林东块 高东镇2 上海船厂 西 泾( 北块) 沟片东 三岔港片 家浜片 张 三林片 北蔡片3 北蔡片4 家浜片 张 沟片东 北蔡片2 堂 钱 浦 区 产业东 ( 西南) 金珠 小区 三岔港片 外高 二期北桥 块 上川 路北 块 江中 张 试 西区 产业 江科教西 张 块 (三林城) 世博 迁基地动 (金光) 三林 其昌栈 高桥热电厂 泾东 低整備基準・改造 低整備基準

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図3-1-23 建設中排水区一覧 (凌兆) 浦 河 浦 黄 吴 淞 州 江 河 苏 蕴 藻 泗 塘 浦 江 浦 浦 黄 藻 浜 泗 塘 江 黄 黄 州 江 河 苏 浦 河 浦 黄 吴 淞 懿德新村 耀华 北蔡工业区 思 杨 东块 思 杨 镇 御 工桥 业区 六里 南码头 云莲 周家渡 新区文化公园 北 蔡 安 建 居 住 区 路 站 龙东 车 沟 龙 北蔡东 由由新村 代 区 孙桥现 农业开发 江南部 展用地 张 扩 江科教 张 东块 居家桥 花木东 家浜 张 塘桥 家嘴 陆 家渡 陆 泾西 花木北块 花木西 江中 张 试 江 部 展 用 地 张 东 扩 花园 龙东 江 居 住 区 南 张 块 金桥东北西 新村 东陆 金桥新村 金桥生活区 新村 沪东 上川 路南 块 金桥东北东 金桥一期 金桥二期 上顾 坡苑 东 朱家浜 金光 高行 高新村 华 外高 二期南桥 块 潼港 高南 高西 高化 修造 船厂 高 东 镇 1 上海高桥石油 高桥镇工业区 理厂 处水 污 厂 电 高桥镇 港口 Pd18 外高 一期桥 化工公司 造 船 厂 沪 东 上港八区 上港二 区 港机 厂 新机厂 外 交 通 用 地 对 御 居桥 住区 康桥 新世纪经济城 高 南 路 居 住 区 杨 东 块 金桥- 江西张 云 小区间 浜小区 张 小区 杨镇 三 小区桥 臣高 夫 汤 尔 努力 新民 小 孙 桥 Pd70 Pd125 江居住区北 张 块 前 进 球影城 环 三林东块 高东镇2 上海船厂 西 泾( 北块) 沟片东 三岔港片 家浜片 张 三林片 北蔡片3 北蔡片4 家浜片 张 沟片东 北蔡片2 堂 钱 浦 区 产业东 ( 西南) 金珠 小区 三岔港片 外高 二期北桥 块 上川 路北 块 江中 张 试 西区 产业 江科教西 张 块 (三林城) 世博 迁基地动 (金光) 三林 其昌栈 高桥热电厂 泾东 建設中排水区

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図3-1-24 単独排水区一覧 (凌兆) 浦 河 浦 黄 吴 淞 州 江 河 苏 蕴 藻 泗 塘 浦 江 浦 浦 黄 藻 浜 泗 塘 江 黄 黄 州 江 河 苏 浦 河 浦 黄 吴 淞 懿德新村 耀华 北蔡工业区 思 杨 东块 思 杨 镇 御 工桥 业区 六里 南码头 云莲 周家渡 新区文化公园 北 蔡 安 建 居 住 区 路 站 龙东 车 沟 龙 北蔡东 由由新村 代 区 孙桥现 农业开发 江南部 展用地 张 扩 江科教 张 东块 居家桥 花木东 家浜 张 塘桥 家嘴 陆 家渡 陆 泾西 花木北块 花木西 江中 张 试 江 部 展 用 地 张 东 扩 花园 龙东 江 居 住 区 南 张 块 金桥东北西 新村 东陆 金桥新村 金桥生活区 新村 沪东 上川 路南 块 金桥东北东 金桥一期 金桥二期 上顾 坡苑 东 朱家浜 金光 高行 高新村 华 外高 二期南桥 块 潼港 高南 高西 高化 修造 船厂 高 东 镇 1 上海高桥石油 高桥镇工业区 理厂 处水 污 厂 电 高桥镇 港口 Pd18 外高 一期桥 化工公司 造 船 厂 沪 东 上港八区 上港二 区 港机 厂 新机厂 外 交 通 用 地 对 御 居桥 住区 康桥 新世纪经济城 高 南 路 居 住 区 杨 东 块 金桥- 江西张 云 小区间 浜小区 张 小区 杨镇 三 小区桥 臣高 夫 汤 尔 努力 新民 小 孙 桥 Pd70 Pd125 江居住区北 张 块 前 进 球影城 环 三林东块 高东镇2 上海船厂 西 泾( 北块) 沟片东 三岔港片 家浜片 张 三林片 北蔡片3 北蔡片4 家浜片 张 沟片东 北蔡片2 堂 钱 浦 区 产业东 ( 西南) 金珠 小区 三岔港片 外高 二期北桥 块 上川 路北 块 江中 张 试 西区 产业 江科教西 张 块 (三林城) 世博 迁基地动 (金光) 三林 其昌栈 高桥热电厂 泾东 単独排水区

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3.2下水道管理体制 3.2.1 下水道管理体制 上海市は、中国で最も早く下水道管理体制を確立した都市でもある。改革・開放政策 の実施に伴い、上海市政府は積極的に下水道管理行政の改革を推進し、旧来型の計画経 済を基に形成されていた行政管理体制からいち早く市場経済に適応できる管理体制へ の転換を図ってきた。表3-2-1 には、1986 年からの 20 年間において、下水道管理行政 改革の主な段階を示している。 表3-2-1 下水道管理体制の発展段階 段階 時間 下水道管理体制の変化 1 1986 下水道料金の徴収。下水道施設の建設や維持管理費用は全額政府財政 負担から国、企業と個人の共同負担への改革 2 1989 「下水道管理方法」を発表。初めて下水道施設の管理、下水道料金の 徴収など下水道管理方法について明確に規定した。 3 1995 城市排水有限公司が設立。城市排水有限公司が元の排水管理行政部門 と合流建設管理行政部門が合併してできた組織である。管理体制も、従 来の役所管理方式から企業経営型に変革。 4 1996 権限移譲。下水道管路維持管理業務の監督権限を上海市政管理処から 各区に移譲し、市と区の二次管理体制となる。市中心部の主要幹線管路 (一部の主本管と郊外本管)、主要ポンプ場と下水処理場は上海市城市 排水公司(市レベル)の管理対象となり、区部の下水道管路施設は、各 区政府の管理監督対象となる。 5 1996 「上海市排水管理条例」が発表。地方立法の形で、下水道管理は企業 経営+政府監督という方式を明確に規定するとともに、市中心部の一部 公共下水道は城市排水公司が独占的に経営することも明記した。 6 2000 下水道関連企業が設立。元の排水公司に対して、資本、管理・運営、 監督責任の分割といった改革を実施。排水公司が資産所有者として資産 管理を行い、排水公司が所管範囲内の下水道施設の運営管理は、子会社 の市中、市北、市南運営会社が実施する。 7 2002 上海市竹園第一下水処理場BOT 事業が開始。上海市水務局は市政府を 代表して、BOT 事業の出資側と「特別許可経営契約」を締結した。市 中心部の一部の下水道施設を対象に、特別許可経営と独占経営を結合し た経営方式がスタートし、その後、郊外の下水処理場や竹園第二下水処 理場も同様な経営方式が採用されている。 8 2004 政府と企業の分離。水務局は、企業性質をもつ自身の一部の管理業務 を上海市城市投資総公司に移譲した。下水道業界の国営企業が資本、行 政、人事面において、政府から完全に分離されることとなる。

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これらの改革段階を経て、上海市の下水道管理体制は以下のような特徴を有する。 ① 下水道料金は、経営性徴収料金の性質をもつものと規定されている。排水公司 は、設立当初から、その主な収入源が徴収した下水道料金と浸水防災料金(政 府の購買行為)であることが明確に定められている。 ② 市中心部の下水道管理業務は、市城市排水公司が独占的その経営を行うものと する。これは、地方法規として、上海市下水道管理条例に明確に定められてい る。 ③ 独占経営方式と特別許可経営方式が混在している。上記のように、市城市排水 公司が一部の市中心部の下水道関連業務を独占して行うのに対して、その排水 処理区内の下水処理場(竹園第1 処理場と第 2 処理場)は、市政府から特別許 可経営権が与えられた民間企業がBOT 或いは TOT 方式で管理する。 図3-2-1 は、上海市下水道管理行政と業務実施の組織図である。また、表 3-2-2 には、組織図の一部行政組織に関する主要な役割や業務内容をまとめている。

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上海国有資産管理委員会 上海城建集団 国資経営公司 上海城市投資総公司 BOT方 式で 竹園 第2処理場と青浦 第2 処 理 場 の 建 設と運営管理 TOT方 式 で 竹 園 第1、竜華、長橋 と闵行等の四つの 処理場の 運営 管 理 上海市排水管理処 上海市下水道協会 全市の下水処理場、ポン プ場 、下水 道管 路施設 の管理と監督 上海市城市排水有限公司 上海城投汚水処理有限公 上海市中心部の一部のポンプ 場と排水幹線管路の維持管 理業務の管理と監督 上海市中心部の7つの処理場 と 上海城投公司のBOT事業として の郊外の8つ汚水処理場の運営 上海市水務局(上海市海洋局) 上海市政府 全市の水道・下水道・利水関連事業の主管部門 各区の下水道管路施 設 の 建設 ・維持 管 理 業務の行政管理機関 政府と企業の間の連携、業 界のサービス、業界の代表、 業界内部の自浄などの働き 市政管理署・ 排水管理所等 維持管理業者 (約144社) 郷鎮管理 機関 直接管理 対象施設 管路施設の 移譲 陽晨投資公司 各区(県)建設交通委員 会・水務局 図3-2-1 上海市下水道管理行政と業務実施の組織図

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表3-2-2 下水道管理行政組織の概要 NO 行政機関・組織 主な役割と構成 1 上海国有資産 管理委員会 国有資産管理体制の改革、国営企業の改革や経営などに対し て監督、人事権の行使など 2 上海市水務局 (上海市海洋局) 上海市政府機関の一つとして、市全域の水関連行政(上下水 道、利水、河川、海洋)を統括する部署として、水関連計画 の策定と実施監督、関連法規・規定・基準等の策定と実施、 水関連事業の許認可、事業の実施の指導と監督など。 3 上海城建集団 上海市最大の国営建設専門の会社(ゼネコン)である。主要 な業務範囲は建築、道路、橋梁や上下水道分野の大型インフ ラ整備事業の設計、施工等となっている。下水処理場のBOT 事業にも参入している。 4 国資経営公司 上海市の国営資産を経営、管理する国営独資有限責任公司で ある。主要な役割と業務は、市政府に授権された一部の国営 資産の活性化を図るために、市場経済の手法で国有資産の売 買、証券化と非証券化企業資産の買収などとなっている。 5 上海城投資総公司 上海市のインフラ整備事業の投資(資金調達)、建設及び運 営管理を行う大型国営会社である。今までの15 年間に累計 2000 億元以上を投資し、道路、橋梁、地下鉄、環境保全、 上下水道、ガス、市営住宅供給事業などの建設を行ってきた。 6 上海市排水管理処 水務局の中に排水(下水・雨水)関連業務を統括する行政機 関で、主な分掌事務には、下水道事業計画の作成と実施監督、 下水道施設関連基準・規定・指針の策定と実施監督、浸水及 び下水道突発被害案件の処理、下水道施設の運転管理及び排 水処理の安全性管理の監督等がある。① 7 上海市下水道協会 下水道と関連する企業、機関及び経済組織が自主的組織した 非営利の社団法人として、トレーニング、資格管理、情報サ ービス、展示会の主催、技術交流、製品紹介、優秀な企業会 員の選定、コンサルティングや仲介業務等を行っている。 8 上海市城市排水 有限公司 上海城投資総公司傘下の市公益性体制の国営有限責任会社 である。上海市中心部の排水幹線管路施設や下水処理場の投 資、建設、運営管理が主な業務となっている。 9 上海城投汚水 処理有限公司 上海城投資総公司傘下の国営企業で、下水処理場の運営管理 が主な業務となっている。 10 各区の下水道管路施 設の建設・維持管理業 務の行政管理機関 市政管理署や排水管理所という役所で、各区の建設と交通関 連業務を統括する行政機関の下の組織で、各区の市政関連業 務(道路と下水道)を管理・監督する行政機関である。

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3.2.2 下水道管路管理体制 1996 年から、下水道管理行政改革に伴い、下水道管路管理行政も大きく変わった。 前述のように、一部の管路管理行政は従来の市レベルから区へ移譲し、集中管理から分 散管理へ、計画経済管理方式から市場経済管理方式への転換を図った。上海市政府の中 に、管路管理の主管部署も従来の市政工程管理局から市水務局に変わってきている。 1996 年 7 月まで、下水道管路管理の主管部署は上海市市政工程管理局の下部組織の 市政工程管理処(部)であった。市政工程管理処は、各区にある下水道維持管理業者を 直接管理し、その維持管理業務の全過程を監督していた。 1996 年 7 月以降、下水道管路管理権限(人事、財政と物)の一部を市から各区に移 譲し、下水道管路管理行政は市レベルと区レベルの二段階管理体制となった。区建設委 員会或いは区建設局が下水道管路施設管理の所管部署となり、上海市市政工程管理処は 全市の下水道管路施設業界に対する管理を行い、具体的な管理監督業務は各区の建設委 員会或いは建設局の下部組織である市政管理部門(市政管理署や排水管理所)に委ねる ことなっている。 権限が移譲された後、各区は下水道管路施設の管理・監督(行政)と具体的な業務の 実施部隊(業者)との分離を図り、各区に下水道管路施設の維持管理業者が設立される ようになった。 2005 年に、水務局の創設に伴い、下水道管路施設業界に対する行政管理部門が上海 市排水管処となった。市レベルの行政改革に伴い、各区にも水務局や排水管理所という 組織が設置された。また、下水道管路施設の維持管理業務の管理に、競争入札など市場 化原理を導入し始めた。表3-2-3 には、上述した下水道管路施設管理行政の変遷を示す。 表3-2-3 下水道管路施設管理行政の変遷 時間 主管行政機関 業務の 管理機関 管理体制 維持管理業務の 実施体制 ~1996. 7 上 海 市 政 工 程 管理局 上海市政工程 管理処 下水道管路施設の維持管理業 者に対して直接、全過程の管 理監督を行う。 管理行政機関と維持管理 業者が同じの公益事業体 の中の組織である。 1996.7 ~2000 ・上海市政工程 管理局 ・区建設委員会 ・上海市政工程管 理処 ・区市政工程管理 部門 市政工程管理処は、全市の管 路施設維持管理業界に対して 管理監督を行い、具体的な業 務管理は、各区の市政工程管 理部門の担当となる。 行政管理と維持管理業務 実施の分離、公益事業体 と企業の分離という方針 で、専門の維持管理会社 が設立されている。 2000~ ・上海市水務局 ・区建設委員会 ・上海市排水管理 処 ・区排水管理部門 市排水管理処は、全市の下水 道管路施設維持管理業界に対 して管理監督を行い、具体的 な業務管理は、各区の排水管 理部門の担当となる。 維持管理業務の入札制度 が導入され、管路維持管 理 市 場 が 形 成し つ つあ る。 図3-2-2 には、下水道管路管理体制を示している。10,558km の下水道管路総延長に

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対して、上海市城市排水公司はその内の約229km の主要幹線管路を管理し、その他の 管路が各区の排水管理機関の管理対象となる。また、市排水管理処は、各区の排水管理 機関を通じて全市の下水道管路施設業界に対する管理監督を行っている。 市城市排水公司の管理対象施設には、石洞口排水区、竹園排水区と白竜港排水区内の 5 本の汚水輸送幹線管路のほかに、幹線管路の大型送水ポンプ場 20 箇所(乾季の設計 送水能力が450 万 m3/d)、雨水ポンプ場 188 箇所(排水能力が 1,938m3/s)が含まれて いる。そのほかに、市城市排水公司の管理対象となる下水処理場が13 箇所、処理能力 が503.6 万 m3/d である。 各区の下水道管路施設管理部門は、所管区内の公共下水道管路施設のほかに、施工中 の管路施設の管理、郷鎮(郊外各区の下の行政単位)所管の施設維持管理業務に対する 管理監督、直接管理対象施設(行政機関が直接管理)の維持管理業務の実施、竣工後の 管路施設の移譲管理などを行っている。 上海市排水管理処の下水道管路施設管理業務一例として、専門の民間管路調査会社に 調査業務を委託し、ソナー調査方法で各区の管路清掃の実施状況を調査する。その調査 結果を基に、各区の排水管理機関が所定の目標に達成したかどうかを確認する。調査で は、市中心部の下水道管路を対象に毎月10 区間、郊外の下水道管路を対象に毎月 5 区 間の管路を不作為で抽出し、管内調査を実施する。 図3-2-2 下水道管路の管理体制 下水道管路総延長 (10,558km) 市中心部排水幹線 (約229km) その他の管路 上海市城市排水有限公司 上海市排水管理処 各区の排水管理機関 維 持 管 理 業 者 郷 鎮 管 理 機 関 直 接 管 理 対 象 施 設 管 路 施 設 の 移 譲

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3.2.3 下水道管理財政 1986 年 12 月に、上海市政府は「上海市城市排水施設使用料徴収に関する暫定規定」 を発表した。1995 年に暫定規定が修正され、正式に「上海市排水施設使用料徴収に関 する管理方法」(以下は管理方法と略す)として発効した。この管理方法においては、 下水道料金が下水道施設の建設、維持管理に使用されることが明記されている。 この管理方法には、下水道料金徴収額は、排水施設の建設や管理にかかる全てのコス トを基に算定するとされているが、実際の料金設定や調整の要素が多くて、実際には建 設費用の極一部しか計上されていない。例えば、下水道施設の建設に世界銀行から大量 な融資を受けていたほかに、城市排水公司も独自で調達した建設資金があり、それらの 融資の返済に多くの下水道料金が使われている。したがって、多くの下水道施設の建設 資金や運転管理費用は、政府の財政投入や政府系企業の専用資金の投入で賄われている のが現状である。 下水道料金の使用用途が明確に定められているほかに、その収入と支出も厳格に管理 されている。即ち、徴収した下水道料金が全て政府財政の専用口座に預けて、使用時に 財政予算計画及び建設プロジェクトや事業の実施状況に応じて、所定の許認可を経てか ら使用される。下水道料金の主な用途は、①融資返済、②蘇州河の整備事業、③下水処 理場の維持管理、④下水処理関連の建設事業の資金の一部となっている(図3-2-3)。表 3-2-4 には、下水道料金の徴収額を示す。 図3-2-3 下水道料金の徴収と使用 下水道料金 世銀からの融 資の返済 下水道関連の 建設事業 市民から徴収した下水道料金 企業からの徴収料金 水道料金と一緒に徴収 市財政専用口座 上海市財務局の管理下で、所定の許認可で 蘇州河整備 事業 下水処理場の 運転管理 排水公司が単独で徴収

図 3-1-5  改革・開放政策実施後の下水道整備  合流2期工事管路(Φ3600mm) 合流2期工事管路(3300×3000mm)  合流3期工事に使用したコンクリート管(Φ3000mm) 合流2期工事ポンプ場 合流3期工事管路 合流3期工事川越施設(Φ1500mm)
図 3-1-9  市内の合流式と分流式下水道排水区の基本構成 1.  都市境界  2.  排水区境界線 3.  汚水枝管 4.  汚水本管 5.  汚水主本管 6.  雨水枝管 7
図 3-1-11  矩形マンホールの構造
図 3-1-12  扇形マンホールの構造
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参照

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