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論 文 審 査 の 要 旨

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Academic year: 2021

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別紙1 論 文 審 査 の 要 旨

報告番号 甲第2792号 氏 名 中脇 貴俊

論文審査担当者

主査 教授 上條 竜太郎 副査 教授 中村 雅典 副査 教授 代田 達夫

(論文審査の要旨)

学位申請論文「Mandibular volume using cone-beam CT image among vertical skeletal pattern.」について、上記の 主査1名、副査2名が個別に審査を行った。

現在,矯正歯科臨床においてその診断や治療計画立案・評価等に側面頭部X線規格写真(セファロ)分析 法における線分析・角度分析が用いられている。しかし、セファロ分析の線分析・角度分析は顎骨の体積な どの三次元情報は加味されていない。そこで、セファロ分析法による顎顔面形態分析とコーンビームCT 像(CBCT)より計測した下顎骨体積との関連性について検討することを本研究の目的とした。本研究では 昭和大学歯科病院矯正歯科を受診した日本人成人213人を対象とした。全身疾患、あるいは唇顎口蓋裂など の先天性疾患を有するものは本研究対象者から除外した。セファロ分析は通法に従い、側面頭部X線規格写 真の透写図を作成し、距離・角度計測を行った。CBCT画像は歯・顎顔面用コーンビームXCT装置、CB

MercuRay、3D eXamにて撮影した.下顎骨体積の計測は、画像処理ソフトウェア(AnalyzeTM)を用いて歯

頸部にて歯冠部と下顎骨体を分離し、三次元構築を行い計測した。その結果、下顎骨の全体量としての下顎 骨体積とセファロ分析による形態計測値においてはANB、SNBによる前後的関係では相関は認められなか った。しかし、性差を認めるものの下顎下縁平面角による垂直的評価では下顎下縁平面 角が小さい

hypodivergentのタイプで下顎骨体積は大きい傾向が認められた。以上より、下顎骨体積と垂直的骨格型が相

関することが示唆された。

本論文の審査において、副査の中村委員および代田委員から多くの質問があり、その一部とそれらに対す る回答を以下に示す。

中村委員の質問とそれらに対する回答:

1. 下顎下縁平面角による垂直的評価と下顎骨体積が相関するのはなぜか。

(Hypodivergentタイプの方が、咬合力が強いとされている。また、強い咬合力、それを生み出す咀嚼筋 により下顎骨体部頬舌径は厚みを増すことが知られている。その結果、下顎骨体部頬舌径の厚みが、下 顎骨体積を大きなものにしていると推察する。)

2. 下顎骨体部頬舌径との間に関連性は認められないか。

(本研究では下顎骨体部頬舌径は計測していない。しかし過去の報告では、下顎骨体部頬舌径と下顎下 縁平面角との関連が報告されている。従って、下顎骨体積は下顎骨体部頬舌径と関連性が存在すると推 察する。

3. HypodivergentではなくHyperdivergentあるいは正常の場合に相関は認められるか。

(本研究では、下顎下縁平面角と下顎骨体積に負の相関を明らかにした。Hypodivergent群、Hyperdivergent

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群あるいは正常群内における相関については、対象者数の観点から検討していない。

代田委員の質問とそれらに対する回答:

1. 下顎下縁平面角が小さい Hypodivergent タイプでなぜ下顎骨の体積は大きくなるのか,下顎骨形態の三 次元的な特徴などを踏まえて説明せよ。

(従来より、Hypodivergentタイプの方が、咬合力が強いとされている。さらに強い咬合力、それを生み 出す咀嚼筋により下顎骨体部頬舌径は厚みを増すことが報告されている。この下顎骨体部頬舌径の厚み が、下顎骨体積を大きなものにしているものと推察する。

2. 下顎骨体積を計測する際に,歯の体積はどのように扱ったのか。

(本研究では歯頸部にて歯冠部と下顎骨体を分離し、三次元構築を行い計測したため、歯の体積は下顎 骨体積に含まれないように設定した。

3. 本研究で確立された下顎骨体積を計測する手法は今後の研究にどのように展開させることが出来るか。

(今現在CBCTを用いて218サンプルの下顎骨を三次元解析した報告は世界でもまだなく、極めて有用 であると考えられる。今回用いた体積はもちろんのこと、三次元的な距離計測、角度計測を用いること で、より正確な下顎骨形態の解明に寄与し、また小児期の成長予測や顎整形力を付与する矯正治療の治 療効果を推定きると考える。)

両副査は、上記を含めた質問に対する回答が、いずれも満足のいくものであることを確認した。

主査 上條委員の質問とそれらに対する回答:

1. 下顎枝と下顎骨体部を分けて測定するとどうなるか。

(過去の報告では、下顎骨体部の頬舌径がHypodivergent(短い顔)で大きな値を示しました。このことか ら下顎骨体部ではHypodivergent(短い顔)の体積がより大きくなるのではないかと考える。一方、下顎枝 部の体積においては現在、下顎枝のみの体積に関する報告は認められない。また本研究計測項目から下 顎枝の体積を推論することは困難であることから、今後検討する必要があるものと考える。)

2. 皮質骨と海綿骨を分けて測定するとどうなるか。

(過去の報告より咬合力などで皮質骨の厚みが厚くなるという報告がある。このことから、咬合力の強 いHypodivergent(短い顔)の皮質骨体積は大きな値を示すと考える。海綿骨において、下顎骨体部頬舌 径の厚みが皮質骨に由来するのであれば、下顎下縁平面角と海綿骨の体積は相関しないのであろうと考 える。)

主査の上條委員は、両副査の質問に対する回答の妥当性を確認するとともに、本論文の主張をさらに確認 するために上記の質問をしたところ、明確かつ適切な回答が得られた。

以上の審査結果から、本論文を博士(歯学)の学位授与に値するものと判断した。

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