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遊びの中で生まれるロボットの心

渡辺恒夫(Tsuneo Watanabe

(東邦大学理学部生命圏環境科学科)

「生命記号論とロボットの心」(渡辺、2009)では、その体幹の中に<自己>を無 意識裡にシミュレーション可能な特徴を備えたロボットを作り、そのロボットに心を 感じる幼児が成長し多数を形成して社会的合意ができることが、即、ロボットに心が 生まれることであると論じた。そのような日の遠くないことを予想させる経験的研究 はすでに存在する。

◆小嶋秀樹・仲川こころ・安田有里子

(2008):ロボットに媒介されたコミュ

ニケーションによる自閉症療育(『情報 処理』49 (1)36-42)。アイコンタク ト や 共 同 注 意 の で き る ロ ボ ッ ト

Keepon, Infanoid)による自閉症療 育の試み(左図)。自閉症児はfiltering

不全のため刺激に圧倒され現実の子供の他者としての特徴を抽出できず、遊べない。

<特徴>のみに特化したシンプルなロボットとなら遊ぶことがわかった。

◆藤崎亜由子・倉田直美・麻生武. (2007). 幼児はロボット犬をどう理解するか:発話 型ロボットと行動型ロボットの比較から(『発達心理学研究』18, 67-77

子どもたちがロボットをどう理解しているかを調べるため、5~6歳児を対象に、

5分間ロボット犬と遊ぶ課題を行い、後、ロボット犬に対する生命認識と心的機能の 付与を調べるためインタビュー調査を行った。二つの興味深い結果:

①6歳児では、「生きていない」と答えた子どものかなりの数が、ロボットに心的状態 を付与している。⇒ロボットが「生きていない」「機械だから」という認識と、「心が ある」という認識は、両立する。

②個人差が大きい。ロボット犬に深く感情移入し、生き物に接するように関わる子が いれば、極めて機械的にロボット犬を操作する子もいる。

①より⇒いつか、人類社会は、ロボットを心ある仲間として受け入れるだろう。

②(個人差が大きい)より⇒この社会的合意に従わない少数派も一定数現れる。

少数派1:ロボットの心を認めようとしない人々の一部は、反ロボットテロリストと なって、ロボットを破壊して(殺して)回るようになるだろう。

少数派2:隠れ独我論者が増えるだろう。ロボットを友として育った子供が、ある日、

心無い大人に、ロボットには心がないと教えられる。その子供にとって、人間/ロボ ットでなく、自己/他者が唯一の二分法の場合、他者であるロボットに心がないなら、

他者である他人にも心がないと推論し、独我論的体験を生じるだろう(参考:渡辺恒 夫(2009『自我体験と独我論的体験』北大路書房)

参照

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