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新潟リハビリテーション大学 作業療法学専攻

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Academic year: 2021

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新潟リハビリテーション大学 作業療法学専攻

〒958-0053 新潟県村上市上の山 2 -16 Tel:0254-56-8292

Fax:0254-56-8291 E-mail:[email protected]

高次脳機能障害者の就労可否とウェクスラー記憶検査の下位検査成績との関連

-システマティックレビューとメタアナリシスによる検討-

Relationship between employability of higher brain dysfunction and their test scores in Wecheler Memory Scale:

A systematic review and metaanalysis

北 上 守 俊

1 )*

・八重田   淳

2 )

1 )新潟リハビリテーション大学 作業療法学専攻 2 )筑波大学大学院 人間総合科学研究科

〔受付:平成29(2017)年10月 9 日〕

〔受理:平成29(2017)年11月20日〕

キーワード:高次脳機能障害,就労支援,神経心理学的検査,メタアナリシス,ウェクスラー記憶検査

要旨 作業療法士(以下,OT)が高次脳機能障害者の就労支援の一環として,対象者の認知特性を把握す ること等を目的に神経心理学的検査を用いることが少なくない.近年,筆者らは高次脳機能障害者の就労支 援に有用な神経心理学的検査についてメタアナリシスを行った結果,ウェクスラー記憶検査(以下,

WMS-R)が重要であることを明らかにした.本研究では,高次脳機能障害者の就労の可否を予測する

WMS-R 下位検査を明らかすることを目的とし,システマティックレビューとメタアナリシスを行った.そ

の結果,図形の記憶(視覚性記憶),言語性対連合Ⅰ(言語性記憶),精神統制(注意 / 集中力),視覚性再

生Ⅱ(遅延再生)の 4 つが就労の可否の予測に有用である可能性が示唆された.神経心理学的検査から対象

者の得意な作業課題を明らかにし,得意な面を就労に結び付け,強みを活かして生き生きと継続して働ける

ように支援することが OT に求められる役割の 1 つであると考える.

(2)

1 .はじめに

高次脳機能障害者に対する就労支援を実施している 医療機関は2005年の調査では13.2%であり,そこから 10年経過後の2015年の調査では20.0%とやや増加傾向 にあるが,まだ一部の医療機関に限られている

1 )

.ま た,近年の障害者の雇用政策の動向として,障害者雇 用促進法の改正に基づき2016年 4 月から企業が障害者 に合理的配慮の義務化が求められ,障害者の障害特性 に合わせた配慮が求められるようになった.さらに 2018年 4 月から精神障害者保健福祉手帳所持者の雇用 義務化も決定しており

2 )

,今後ますます高次脳機能障 害者が働く現場で出会う機会が増えていくことが予想 される.

これらの背景の中で,作業療法士(以下,OT)が 高次脳機能障害者の就労支援の一環として,対象者の 認知特性を把握すること等を目的に,神経心理学的検 査を用いることが少なくないと推察する.筆者らは,

高次脳機能障害者の就労支援に有用な神経心理学的検 査についてメタアナリシスを行った結果,ウェクス ラー記憶検査(以下,WMS-R)の「注意 / 集中力」

と「遅延再生」の指標で就労している群(以下,就労 群)と就労していない群(以下,非就労群)に有意差 を認めたことを明らかにした

3 )

.また,近年の研究で は WMS- Ⅲの作業記憶の指標が 2 年後の就労を予測 することも明らかになっている

4 )

.そのほかに,記憶 力と就労に関する先行研究として,就労群と非就労群 で記憶力に差があったとする報告

5 -11)

だけでなく,差 がなかったとする報告

12-14)

もあり,統一された見解が 示されていない.

2 .目 的

本研究では,高次脳機能障害者の就労の可否の予測 に有用な WMS-R 下位検査を明らかにすることを目的 とした.本研究での「有用」とは,就労群と非就労群 の 2 群間の WMS-R 下位検査の成績を統合した結果に 有 意 差 が あ っ た 場 合 に, 就 労 の 可 否 を 予 測 す る WMS-R 下位検査として有用であると判断した.

3 .方 法

( 1 )研究選択と適格基準

対象とする研究の適格基準は以下の通りである.① 脳損傷者を対象としている,② WMS-R の検査成績を 用いて就労群と非就労群に分けて検証が行われてい る,③就労群および非就労群の WMS-R 下位検査の成

績の平均値と標準偏差,例数が示されている,④学会 誌を除き学術雑誌に論文が掲載されている,⑤人種や 社会保障制度の相違等の統制を図るため,概念的異質 性を考慮し日本語の論文を対象とした.

( 2 )研究資料の収集

高次脳機能障害者の就労の可否の予測に有用な WMS-R 下位検査の検査成績を用いて検証が行われた 論文を,医学中央雑誌(1977),CiNii Articles(2005)

にて検索した.また,文献データベースでの検索に加 えて,論文を網羅的に収集するためにハンドサーチを 行った.検索語は,高次脳機能障害に起因する疾病と して “ 脳卒中 ”“ 脳損傷 ”“ 頭部外傷 ”“ 脳血管障害 ”“ 脳 血管疾患 ”“ 脳外傷 ”“ くも膜下出血 ”“ 脳梗塞 ”“ 脳出 血 ”“ 脳炎 ”“ 低酸素脳症 ”“ 脳腫瘍 ”“CVA”“CVD”,そ して就労に関連する用語として “ 復職 ”“ 就職 ”“ 雇用 ”

“ 職場復帰 ”“ 社会復帰 ”“ 職業復帰 ” を組み合せて検索 した.検索日は,2017年 3 月 3 日に実施した.

( 3 )研究資料の質的評価

分析対象論文の質的評価は,妥当性と信頼性が確認 さ れ て い る The Risk of Bias Assessment tool for Non-randomized Studies( 以 下,RoBANS) を 用 い た

15)

RoBANS の判断基準に従い,「A:参加者の選択」,

「B:交絡変数」,「C:曝露の測定」,「D:アウトカム の盲検化」,「E:不完全なアウトカムデータ」,「F:

選択的アウトカム」の 6 項目について,バイアスを評 価 し た.“High ⊖”,“Low ⊕”,“Unclear ⃝

?

” で 評 価 し,“Low ⊕” が多いほど,論文の質が高いことを意 味する.

( 4 )データの統合

就労群と非就労群の 2 群の WMS-R 下位検査の検査 成績(平均値と標準偏差)と例数の数値データが入手 できた論文を対象に Review Manager 5.3(RevMan)

Version 5.3.5(The Nordic Cochrane Centre,The Cochrane Collaboration)を用いて有意水準 5 %で検 定を行った.連続変数の検査成績を本研究の対象とし たことから,効果量の尺度として平均差を用いた.

データ統合のための統計手法は,本研究の結果が他の 集団の予測にも有用なデータとなり得ることを考慮 し,変量効果モデルである DerSimonian-Laird 法を用 いてメタアナリシスを行った.

( 5 )感度分析の検討

統合データ全てについて,固定効果モデルと変量効

果モデルによる有意性の検定結果を Comprehensive

Meta-Analysis Version 3(Biostat Incorporated) を

(3)

用いて比較した.結果が一致した場合,感度において 問題なしと判断し,統合の対象とした.異なる結果が 出た統合データは感度において問題ありと判断し,メ タアナリシスの対象から除外した.

また,Review Manager 5.3 Version 5.3.5を用いて 統計学的異質性の検定を行い, I

2

統計量を算出した.

Higgins らが提唱する数値

16)

を参照し, I

2

統計量が 50%以上を異質性が高いと判断した.

4 .結 果

( 1 )論文の収集と選択

文献データベースでの検索の結果,1,150編の論文 が抽出された. 各文献データベースでの内訳は,

CiNii Articles で693編,医学中央雑誌で457編であっ た.1,148編は適格基準に該当しなかった.最終的に 研究選択の適格基準に合致した 2 編

17,18)

を分析対象 とした(図 1 ) .

( 2 )採用した論文の特徴

研究デザインは症例対照研究が 1 編,前向きコホー ト研究が 1 編であった.対象者の疾患は,頭部外傷や 脳血管障害が多くを占めた.また,福祉的就労のデー タの扱いが 2 編の分析対象によって異なり,用稲ら

17)

の論文では非就労群,赤嶺ら

18)

の論文では就労群に 福祉的就労のデータが含まれていた(表) .分析対象 論文の質的評価は「参加者の選択」,「交絡変数」,「曝 露の測定」,「選択的アウトカム」の 4 項目は全ての論 文が “Low ⊕” であった.アウトカムの盲検化は,全 ての論文で記述がなく,どの程度アウトカムに影響を 与えているか不明なため “Unclear ⃝

?

” とした.不完 全なアウトカムデータは, 1 編の論文内に記述がなく 不明なため “Unclear ⃝

?

” とした.

( 3 )WMS-R 下位検査の有用性 1 )情報と見当識

2 編をデータ統合した結果, 2 群間で有意差を認め な か っ た( 平 均 差 =0.74[95% CI ,-0.24-1.73],

p =0.14) . 統 計 学 的 異 質 性 は 確 認 さ れ な か っ た

( p =0.92, I

2

= 0 %)(図 2 ) . 図 1  文献検索と選択のフローチャート

図 2  WMS-R「情報と見当識」の就労群と非就労群のメタアナリシスの結果 表 メタアナリシスで用いた文献の特性

著者 年 研究デザイン 疾患名と対象数 平均年齢

(標準偏差) 男 / 女 発症後期間

(標準偏差) 用いられた

神経心理学的検査 就労者数

就労群 / 非就労群 用稲ら17) 2008 症例対照研究 頭部外傷26,脳血

管障害 6 ,低酸素

脳症 3 ,脳腫瘍 3 36.0(11.3) 29/ 9 35.3(63)ヶ月 WAIS-R,WMS-R,RBMT,

TMT,仮名ひろいテスト,

CAT,BADS 20/18※ 1 赤嶺ら18) 2015 前向きコホート研究

頭部外傷18,脳血 管障害 9 ,脳腫瘍

1 ,低酸素脳症 1 32.1(10.7) 20/ 9 41.7(57.1)ヶ月 WMS-R,WAIS- Ⅲ,WCST,BADS 10/19※ 2 WAIS-R( Ⅲ ):Wechsler Adult Intelligence Scale-Revised( Ⅲ ),WMS-R:Wecheler Memory Scale-Revised,RBMT:The Rivermead Behavioral Memory Test,TMT:Trail Making Test,CAT:Clinical Assessment for Attention,BADS:Behavioural Assessment of the Dysexecutive Syndrome,WCST:Wisconsin Card Sorting Test

※ 1 :福祉的就労は非就労群に含まれている

※ 2 :福祉的就労は就労群に含まれている

(4)

2 )言語性記憶

論理的記憶Ⅰは, 2 編をデータ統合した結果, 2 群 間で有意差を認めなかった(平均差 =3.62[95% CI , -0.73-7.96], p =0.10)( 図 3 a) . 言 語 性 対 連 合 Ⅰ は,

2 編をデータ統合した結果, 2 群間で有意差を認めた

( 平 均 差 =2.87[95% CI ,0.43-5.31], p =0.02)( 図 3 b) .統計学的異質性は,論理的記憶Ⅰ( p =0.96,

I

2

= 0 %),言語性対連合Ⅰ( p =0.64, I

2

= 0 %)共に 確認されなかった.

3 )視覚性記憶

図形の記憶は, 2 編をデータ統合した結果, 2 群間 で有意差を認めた(平均差 =1.00[95% CI ,0.03-1.98],

p =0.04)(図 4 a) .視覚性対連合Ⅰは, 2 編をデータ 統合した結果, 2 群間で有意差を認めなかった(平均

差 =1.06[95% CI ,-1.32-3.45], p =0.38)(図 4 b) .視 覚性再生Ⅰは, 2 編をデータ統合した結果, 2 群間で 有意差を認めなかった(平均差 =3.54[95% CI ,-1.90- 8.98], p =0.20)(図 4 c) .統計学的異質性は,図形の 記憶( p =0.69, I

2

= 0 %),視覚性対連合Ⅰ( p =0.21,

I

2

=37 %) は 確 認 さ れ な か っ た が, 視 覚 性 再 生 Ⅰ

( p =0.05, I

2

=75%)は統計学的異質性が確認された.

4 )注意 / 集中力

精神統制は, 2 編をデータ統合した結果, 2 群間で 有意差を認めた(平均差 =0.75[95% CI ,0.11-1.40],

p =0.02)(図 5 a) .視覚性記憶範囲は, 2 編をデータ 統合した結果, 2 群間で有意差を認めなかった(平均 差 =1.66[95% CI ,-0.34-3.66], p =0.10)(図 5 b) .数 唱は, 1 編しかデータが得られなかったため分析を行

図 3  WMS-R「言語性記憶」の就労群と非就労群のメタアナリシスの結果

図 4  WMS-R「視覚性記憶」の就労群と非就労群のメタアナリシスの結果

(5)

わなかった.統計学的異質性は,精神統制( p =0.88,

I

2

= 0 %),視覚性記憶範囲( p =0.77, I

2

= 0 %)共に 確認されなかった.

5 )遅延再生

論理的記憶Ⅱは, 2 編をデータ統合した結果, 2 群 間で有意差を認めなかった(平均差 =3.51[95% CI , -1.21-8.22], p =0.15)( 図 6 a) . 視 覚 性 対 連 合 Ⅱ は,

2 編をデータ統合した結果, 2 群間で有意差を認めな かった(平均差 =-0.10[95% CI ,-0.88-0.68], p =0.80)

(図 6 b) .言語性対連合Ⅱは, 2 編をデータ統合した

結果, 2 群間で有意差を認めなかった(平均差 =0.90

[95% CI ,-0.11-1.91], p =0.08)(図 6 c) .視覚性再生

Ⅱは, 2 編をデータ統合した結果, 2 群間で有意差を 認めた(平均差 =7.21[95% CI ,1.58-12.83], p =0.01)

(図 6 d) .統計学的異質性は,論理的記憶Ⅱ( p =0.65,

I

2

= 0 %),視覚性対連合Ⅱ( p =0.39, I

2

= 0 %),言 語 性 対 連 合 Ⅱ( p =1.00, I

2

= 0 %), 視 覚 性 再 生 Ⅱ

( p =0.86, I

2

= 0 %)共に確認されなかった.

図 6  WMS-R「遅延再生」の就労群と非就労群のメタアナリシスの結果

図 5  WMS-R「注意 / 集中力」の就労群と非就労群のメタアナリシスの結果

(6)

5 .考 察

適格基準を満たした 2 編から WMS-R 下位検査の図 形の記憶(視覚性記憶),言語性対連合Ⅰ(言語性記 憶),精神統制(注意 / 集中力),視覚性再生Ⅱ(遅延 再生)の 4 つが就労の可否の予測に有用な可能性が示 唆された.

図形の記憶(視覚性記憶)に関して,倉持ら

5 )

は 就労にあたり,目で見て覚える記憶の重要性を述べて おり,本研究でも同様の結果を示した.一方,就労群 と非就労群で有意差を認めなかった報告

12)

も存在し,

今後さらにデータの蓄積が必要である.言語性対連合

Ⅰ(言語性記憶)は,就労の可否に有用であるとの報 告が国内外

6 - 9 )

で蓄積されており,本研究でも改めて 就労の評価で重要な項目であることが明らかとなっ た.精神統制は,これまでに有用であるとの報告はみ られなかったが,本研究で有用である可能性が示唆さ れた.また,精神統制の記憶指標である注意 / 集中力 の観点から論述すると,松葉ら

19)

は聴覚的注意の高 さが就労に関連することを明らかにしている.しか し,WMS-R 下位検査の数唱の課題が聴覚的注意に該 当するが,本研究では数唱の分析対象が 1 編しか存在 しなかったため,本研究では聴覚的注意が就労に影響 を及ぼす根拠を明らかにすることは出来なかった.一 方,視覚的注意に関しては,WMS-R 下位検査の視覚 性記憶範囲の課題が該当するが,本研究では有意差を 認めなかった.さらに,先行研究

3 )

で視覚的注意の 評価に向いている Trail Making Test について,就労 群と非就労群の 2 群間をメタアナリシスで処理した結 果,有意差を認めなかった点を踏まえても,視覚的注 意が就労に影響を及ぼす根拠を示すには至らなかっ た.視覚性再生Ⅱ(遅延再生)は,就労の可否に有用 であるとの報告が国内外

9 ,20)

で少しずつ蓄積されて おり,本研究でも就労の評価で重要な項目であること が明らかとなった.

本研究では神経心理学的検査の 1 つである WMS-R を取り上げて分析を行ったが,Le Blanc ら

21)

や先崎 ら

22)

は神経心理学的検査成績のみに終始しては,良 い支援が提供出来ないことを述べている.神経心理学 的検査の実施場面は,個室の空間で,机上で作業課題 を実施することが多く,就労場面とは合致しないこと が多い.その点を考慮して神経心理学的検査成績を解 釈し,可能な限り実際の就労場面や模擬的な業務場面 を設定した中での行動観察の評価も合わせて実施する ことが重要であると示唆する.また,神経心理学的検

査から対象者の得意又は不得意な作業課題を明らかに し,得意な面を就労に結び付け,強みを活かして生き 生きと継続して働けるように支援することも OT に 求められる役割の 1 つであると考える.

6 .研究の限界と今後の展望

本研究の限界は,福祉的就労について論文により基 準が異なっている状況が伺えた.福祉的就労を「就労 した」と判断するのか,「就労していない」と考える のか,当事者や専門家等,立場によって判断が異なっ ていた.高次脳機能障害者の就労の現場で,福祉的就 労を目標にリハビリテーションや職業訓練に取り組ま れる対象者に出会うことは少なくない.また近年,就 労継続支援 A 型または B 型の事業所が増加している 動向からも,今後一般就労と福祉的就労のデータを分 けて蓄積していくことも重要な視点ではないだろう か.

また,本研究では分析対象が 2 編と少なく一般化に は限界がある.今後,国外も含めてデータを蓄積し,

検証をしていく必要がある.

7 .結 論

高次脳機能障害者の就労の可否の予測に有用な WMS-R 下 位 検 査 に つ い て, シ ス テ マ テ ィ ッ ク レ ビューとメタアナリシスを行った.その結果,図形の 記憶(視覚性記憶),言語性対連合Ⅰ(言語性記憶),

精神統制(注意 / 集中力),視覚性再生Ⅱ(遅延再生)

の 4 つが就労の可否の予測に有用である可能性が示さ れた.しかし,神経心理学的検査成績のみで就労の可 否を判断するのではなく,可能な限り実際の就労場面 での行動観察も行い,対象者の得意又は不得意を把握 し,対象者の強みを就労につなげていくことが OT に 求められる役割であると考える.

8 .文 献

1 )田谷勝夫,土屋知子,緒方淳:高次脳機能障害者の働き方 の現状と今後の支援のあり方に関する研究Ⅱ,障害者職業総 合センター調査研究報告書,No.129,2016.

2 )厚生労働省:障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を 改正する法律の概要,厚生労働省,(アクセス日:2014年12 月1日 ) .http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/shougaisha_

h25/dl/kaisei02.pdf

3 )北上守俊,八重田淳:高次脳機能障害者の就労支援におけ

る神経心理学的検査の有用性について-システマティックレ

(7)

ビューとメタアナリシスによる検討-,作業療法,37(3),

(印刷中),2018.

4 )Luna-Lario P, Pena J & Ojeda N: Comparison of the Wechsler Memory Scale-III and the Spain-Complutense Verbal Learning Test in acquired brain injury: construct validity and ecological validity, Rev Neurol, 64(8): 353- 361, 2017.

5 )倉持昇,菊地恵美子,本田哲三:脳血管障害による高次脳 機能障害者に対する就労支援とその効果-医療機関での外来 訓練結果より-,認知リハビリテーション2008:19-25,

2008.

6 )Drake AI, Gray N & Yoder S, et al: Factors predicting return to work following mild traumatic brain injury: a discriminant analysis, J Head Trauma Rehabil, 15(5):

1103-1112, 2000.

7 )小川圭太,稲垣侑士,角井由佳,他:高次脳機能障害患者 における就労能力判断基準の検討,国立大学リハビリテー ション療法士学術大会誌,36:17-19,2015.

8 )山本正浩,中島八十一:高次脳機能障害者の就労および健 康関連 QOL に関する追跡調査,国立身体障害者リハビリ テーションセンター研究紀要,28:19-26,2008.

9 )岡崎哲也:高次脳機能障害のリハビリテーションと職場復 帰,脳卒中,35(2):139-142,2013.

10)Twamley EW, Jak AJ & Delis DC, et al: Cognitive Symptom Management and Rehabilitation Therapy

(CogSMART) for veterans with traumatic brain injury:

pilot randomized controlled trial, J Rehabil Res Dev, 51(1):

59-70, 2014.

11)Johansson U, Bernspång B: Predicting return to work after brain injury using occupational therapy assessments, Disabil Rehabil, 23(11): 474-480, 2001.

12)田中淳一,原寛美:職業リハビリテーションへの紹介をは かる高次脳機能障害例の特徴-神経心理学的検査からの分析

-,認知リハビリテーション2006:38-43,2006.

13)Wäljas M, Iverson GL & Lange RT, et al: Return to work following mild traumatic brain injury, J Head Trauma Rehabil, 29(5): 443-450,2014.

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18)赤嶺洋司,平安良次,上田幸彦:高次脳機能障害者の就労 と神経心理学的検査成績との関係,総合リハビリテーショ ン,43:653-659,2015.

19)松葉正子,藤井正子,本木下道子,他:社会参加(就労)

に影響する外傷性脳損傷者の認知機能-特に注意力障害につ いて-,認知リハビリテーション2008:13-18,2008.

20)Cifu DX, Keyser-Marcus L & Lopez E, et al: Acute predictors of successful return to work 1 year after traumatic brain injury; a multicenter analysis, Arch Phys Med Rehabil, 78: 121-131, 1997.

21)LeBlanc JM, Hayden ME & Paulman RG: A comparison of neuropsychological and situational assessment for predicting employability after closed head injury, J Head Trauma Rehabil, 15: 1022-1040, 2000.

22)先崎章,三村將:神経心理学的検査の適応と限界,総合リ

ハビリテーション31:113-120,2003.

参照

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