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(1)

プラズマ後進波発振器における相対論的

電子ビーム分布関数の研究

(

課題番 号

06680440)

平成

6- 7

年度科学研 究費補助金 (

一般研 究

(

C))

研究成果報告書

a

平成

9

3

研 究 代 表 者 小 椋 一 夫

(

新潟大学工学部助教授)

i

P

(2)

目 次

1 はしがき 2 研究発表 2.1 学会誌等 日 ・- - - ・- - - ・・- ・ 2,2 口頭発表 ・- - - ・・・- - ・ 3 研究概要 3・1 研究の背景 -′p- ・- ・・- .・・- - - - _- - -3.2 研究の 目的 - - ・- - - ・- ・- - ・- - ・t- - ・・.・・ 3.3 研究報告内容 の概要 - - - ・日 日 - - - - ・- - - - ・・ 2 4 実験装置 4.1 実験装置全体の構成 4.2 高電圧パル ス発生装置 4.3 電子 ビームダイオー ド 4.4 電子 ビーム測定系 -5 電子 ビーム発生 ・伝搬実験 5.1 磁場による電子 ビームのガイ ド - - - - ・- - ・ 5.2 集束電極 ・ ・ ・・ ・ -5.3 誘電体 による電子 ビームのガイ ド ・ 6 マイクロ波発生実験 6.1 遅波導波管 ・・- ・・- - - - ・- - ・ 6.2 磁場 を用いた電子 ビームガイ ドによるマイ クロ波発生実験 6.3 誘電体電子 ビームガイ ドによるマイ クロ波発振実験 - ・ 7 X線計測 7.1 X線計測 と電子 ビーム分布 関数 - ・・・- ・・- - ・ 7.2 Ⅹ線検 出器 とデー タ解析 - - 日 - - ・- - - ・ 7.3 Ⅹ線測定結果 ・ -8 まとめと今後の計画 9 添付資料 (主な発表論文) 3 3 5 6 6 7 7 9 9 9 16 17 20 20 20 23 27 27 28 29 34 34 35 38 42 47

(3)

平成

6-7

年度科学研究費補助金 (一般研究

(

C)

)

研究成果報告書

l

1

はしがき

(研 究課題) プラズマ後進波発振器 にお ける相対論的電子 ビー ム分布 関数 の研 究 (課題番号) 06680440 (研 究組織) 研究代表者 小椋一夫 新潟大学工学部 助教授 研究分担者 南 一男 新潟大学工学部 教授 研究分担者 長 照二 筑波大学物理系 教授 (研究経費) 平成6年度 1

,

400千円 平成7年度 500千円 合計 1

,

900千円

(4)

2

研究発表

2.

1

学会誌等

/

1・AnalysisoftheElectrohagneticWavesinan OvermodedFiniteLengthSlow WaveStructure

,

M.R.Ami n,K.Ogura,H.Kitamura,K.Minami ,T.Watanabe,Y.Carmel,W.Main, J.Weaver,W.W.DestlerandV.L.Granatstein

,

IEEETtansactionsonMicrowaveTheoryandTeclm iques,Vol・43

,

noA (1995)p・815-822

2・StartingEnergyandCurremi foraLargeDiam eterFiniteLengthBackward WaveOscillatorOperatedattheFundam entalMode

,

K.Minami,K.Ogura,Y.Aiba,M.a.Amin,X.D.Zheng,T.Watanabe,

Y.Carmel

,

W.W.DestlerandV.L.Granatstein,

IEEETtansactionsonPlasmaScience

,

Vol・23,no.2(1995)p・124-132

3.大 口径プラズマ後進波発振器 の実験

金 元饗, 小椋一夫, 南 一男, 稲 田 治夫, 渡辺 二太 プラズマ ・核融合学会誌,Vol.71,no.9(1995)p.876-889

4.ResonantEnhancementof

R

adiationfrom aBackwardWaveOscillator UtilizingLargeDiam eterCorrugatedMetal Structure

,

Md.R.Amin,K.Minami ,K.Ogura,X.D.ZhengandT・Watan abe

JournalofthePhysicalSocietyofJapan ,Vbl・64,m〇・11

(1995)p・4473-4484

5.ElectromagneticFieldPropertiesofAxialModesinaFiniteLength X-bandSlowWaveStructure

,

M.R.Ami n,K.Ogura

,

T.Kobayash

i

,

Y.SuzukiandT・Watanabe

JournalofthePhysical SocietyofJapan ,Vol・65

,

(5)

6・Experimental DemonstrationofaHigh-PowerSlow-WaveElectron CyclotronMaserBasedonaCombinedResonanceofCherenkovand AnomalousDopplerInteractions f

K.Ogura,M.R・Amin,K.Minami ,Ⅹ・D.Zheng,Y.Suzuki,W.S.Kin,T.Watanabe, Y.CarmelandV.LGranatstein

,

PhysicalReviewE,Vol・53,no・3(1996)p.2726-2729

7・Plasmaln且uenceontheDispersionPropertiesofFiniteLength

CorrugatedWaveguides

A・Shkvarunets,S・KobayaBhi,I.Weaver,Y・Carmel,I.Rodgers,V.L.Granatstein,

W.W.Destler,K.Ogura,K.Minami ,

PhysicalReviewE

,

Vol.53,no.3(1996)_p.R2045-R2048

8.24GHz帯大 口径後進波発振器の設計

金 元壁, 南 一男, 小椋一夫, 稲 田 治夫,渡辺 二太

(6)

2.

2

口頭発表 、

1

・De

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,

19thInternationalCoferenceonInParedandMillimeterWaves,

Se

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1

9

9

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1

4

9

-

1

5

0

2.遅波サイ クロ トロンメーザの線形解析 鈴木康陽,上谷純,桑原正 尚,小椋一夫 第

5

回電気学会東京支部新潟支所研究発表会

(1995

11

月,長岡技術大学),

p.

6

5

3.遅波導波管空洞 にお ける共振モー ドのQ値解析 小林直司, 田形圭,鈴木康陽,小椋一夫 第

5

回電気学会東京支部新潟支所研究発表会

(1995

11

月,長岡技術大学)

p.

7

5

4.ガイ ド磁場 を用いない大 口径後進波発振器の基礎研究 桑原正 尚,塩谷幸史, 田形圭,稲葉基,小椋一夫 プラズマ ・核融合学会第

13

回秋期講演会

(1996

1

0月,新潟大学工学部)

p.

1

2

0

5.誘電体による電子 ビームガイ ドの実験 桑原正 尚,塩谷幸史,稲莱基,関川啓三,小椋一夫 第

6

回電気学会東京支部新潟支所研究発表会

(1996

11

月,新喝工科大学)

p.

61

,

6

2

(7)

3 研究概要

3.

1

研究の背景

相対論的大強度電子 ビームを用いた大電力マイクロ波源の研究は、近年のパルスパ ワー 技術の進歩 に伴い著 しく進展 している

川一同。

これ らのマイクロ波源 では、速波サイクロ トロン共鳴相互作用 とチェ レンコフ相互作用 を用いるものが主である。前者では、サイク ロ トロンメーザまたはジャイ ロ トロンがよく知 られてお り、現在の核融合プラズマ加熱研 究用マイクロ波源 として欠かせない ものである。 後者は遅波マイ クロ波源で、軸方向入射 ビームで駆動できる特徴があ り、大強度相対論 的電子 ビ-ムを用いる場合非常に有利である。遅波マイクロ波源 では、チェ レンコフ相互 作用に加 えて、遅波サイクロン共鳴相互作用を用いることも原理的には可能であ り

[

6

日7

ト この場合 も軸方向の電子のエネル ギーをマイクロ波エネル ギ」 こ変換可能である。 このこ とは、垂直方向の電子エネル ギーが必要である速波サイクロ トロンメーザ とは本質的に異 なる。 従来の、遅波 を利用 したマイクロ波源の研究においてはチェレンコフ相互作用のみが対 象であ り

8

日2

0

ト 遅波導波管の大 口径化、高周波数化を計る場合、相互作用が非常に弱 く な り発振効率の低下す る。 また、オーバサイズ共振器 を用いた場合のモ ー ド競合の問題が ある。 これ らの問題の解決策 として、速波 ・遅波サイクロ トロン共鳴相互作用 を利用でき る可能性がある

[

1

0

日2

1

]

大出力の後進波発振器に関 しては、日本の新潟大学、米国のメ リーラン ド大学プラズマ研 究所、

UC I

r

v

i

n

e

や ロシアの トムスク大電流電子工学研究所な どか ら実験報告

一国

がある り、以下のよ うな問題点が明 らかにされてきた。 1.電子 ビームの電流値が臨界値以上になると、マルチモー ド不安定性のため発振が間欠 的で発振効率の低下が見 られ る

r

1

2

日2

1

その不安定性発生のメカニズムは何か ?

2

.

高い発振効率を維持 した上で高周波数化

1

5

jは可能なのか ?

3

.

蓮波サイクロ トロン共鳴相互作用

2

2

]

,

はマイクロ波発振 に利用できるか ? 4.遅波領域でのチェレンコフ相互作用 と速波 ・遅波サイ クロ トロン共鳴相互作用の関 係

[

2

4

日2

5

】,さらにそれ らが同期す る領域 [7]でのマイクロ波発振原理は ? このよ うな電子 ビーム と電磁波 との基本的相互作用を調べ るためには電子分布 関数 につ いての情報が欠かせないが、これまでは、実験が困難であったためか、電子分布関数 にっ ての報告は非常に少ない

[

2

7

日2

9

]

実際、相対論的電子 ビームの電流値が大きい時のマルチモ ー ド不安定性お よびそれ によ る発振効率低下は、後進波発振器以外の ミリ波マイクロ波源であるジャイ ロ トロンや 自由 電子 レ-ザでも見 られ る

[

1

]

このよ うな発振管において電子 ビームの分布関数 を求めるこ とは構造上、非常に困難 と思われ る。後進波発振器 の場合、磁場 を用いず発振が可能であ り

、磁場を用いた場合で も構造が他に比べて非常に簡単なため、発振実験に近い条件

(8)

3.

2

研究の 目的

本研究においては、後進波発振器の動作特性 を調べ るため実験に使用 されている電子 ビームダイオー ドか ら発生 したビームを、制動X線 を測定 して実験的に調べる。 この方法 では、実際の発振実験に近い状態で電子 ビーム分布関数の測定が可能 となる。 まず、発振実験用の電子 ビームダイオー ドを用いて、電子 ビームの発生 と伝搬の特徴を、 ビーム転流、カ ソー ド印加電圧および電子 ビーム焼き付 けパター ンなどか ら実験的に調べ ていく 。 次に、マイクロ波発生実験によ り電子 ビームパ ラメータと後進波発振器動作の関 係 を明 らかにす る。特に、チェレンコフ発振に対す る発振条件お よび遅波サイクロ トロン メーザ動作 との関係、プラズマの効果について調べてい く。 ここで、遅波サイクロ トロン メーザは従来に無い新 しいタイプの大電力マイクロ波源である。 最後に、実験で用いた電 子 ビームについて、Ⅹ線計測により調べてい く。 制動X線を測定するため、電子 ビームが プラズマ中を伝搬す る必要がある。 このため、Ⅹ線測定はプラズマ後進波発振器が対象で ある。 X線制動放射 を用いた電子 ビームの分布関数の実験的評価方法は、高温プラズマの電子 分布関数の研究に用い られている[30日 33】。この方法は能動的な計測法であ り、測定結果 か らは一意的な電子分布関数の決定がほとん ど不可能であるが、電子 ビーム分布関数 を特 徴 を実験的に評価できる。特に、Ⅹ線制動放射断面積の角度依存性 を利用すれば、X線計 測により、電子のエネルギー分布のみでな く、電子の運動量分布の評価 も可能 となる点が 特徴である【30J。

3.

3

研究報告内容の概要

本研究で対象 となる電子 ビームは、時間的に100ns以下で変化する。このような電子ビー ムを扱 うためは、数

n

s

の時間分解能で

X

線の測定が必要 となる。検出器および信号処理系

の応答時間を考えると、この時間スケ」ルでⅩ線波高値解析

(

Ⅹ-

r

a

yPu

l

s

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h

tAna

ly

s

i

s

,

PHA)

は、 (現在の技術 レベルでは)不可能 と思われ る。 本研究では、半導体検出器であるシ リコン表面障壁型検出器 を使い、X線波高分析でな く、電流モー ドで測定を行 う[31トcitePX4。 これは、Ⅹ線の光子一つ一つのエネルギーで なく、Ⅹ線エネル ギー強度を測定す ることに対応す る。以下に、本研究の概要 と第2章の 研究発表論文 との関係 をまとめる。 本研究で、新たに製作 した装置、改良 した測定系については、第4章にまとめた。第 5 章では、後進波発振器に用いる電子 ビームの発生伝搬実験について報告する。 発振実験に近 い条件で、X線 を測定 し電子分布関数 を評価す るのが 目的であるため、発振実験に用いて いる電子 ビームダイオー ドによる電子 ビーム発生実験お よび ビーム伝搬実験を行い、 ビー ムのパラメータ (カソー ド印加電圧、ビーム電流、ビーム形状)を調べた。[発表論文3

,

4,6 口頭発表1,4,5] 第6章に、後準波発振器の動作原理を調べた発振実験について報告する。電子 ビームパ ラメータと後進波発振器の発振動作の関係 を明 らかにした。後進波発振器に用いる遅波導 波管モー ドの特徴 を解析 し、プラズマの効果についても調べた。後進波発振器では、チェ

(9)

レンコフ相互作用による発振が始まるスター ト電流 とスター トエネルギーが存在する。 前 者は、すでに調べ られてお り、他の発振器でも報告 されている。 しか し、スター トエネル ギーにっては定量的評価は本研究がは じめてである。電子 ビームエネルギーがスター トェ ネルギー以下では、 ビーム電流値を上げても発振は起 こらない。本研究では、遅波サイク ロ トロンメーザ動作により、このようなェネルギー領域でも大電力の発振が起 こることを、 実験的に証明 した。 [発表論文

1

,

2

,

3

,

4

,

5

,

6

,

7

,

8

口頭発表

1

,

2

,

3

,

4

]

Ⅹ線計測による電子 ビームの分布関数評価については、第7章に報告 した。プラズマ後 進波発振器に用いる電子 ビームによるⅩ線 を、シ リコン表面障壁型検出器を用いて測定 し た。電子 ビームが放射する制動X線の角度依存性、検出器のⅩ線感度を取 り入れて解析す る。誘電体によりガイ ドされた電子 ビームのエネルギーの実験的評価を行った。 この場合、 誘電体ガイ ドに沿って電子 ビームによりプラズマが生成 されている。

線計測によると、 数

k

e

V

の電子が生成 されてお り、′そのⅩ線強度が比較的強かった。 この電子は、電流に寄 与 してお らず、 ビームではなく、プ ラズマ成分 と考えられる。 このプラズマによるⅩ線が 強すぎ、かつ電子 ビームによるX線は比較的弱かった。そのためビームによるX線を測定 するためにはターゲットが必要であった。 この予想外に高いエネルギーのプラズマのため、 当初予定 していたⅩ線角度依存性の測定は行えなかった。 また、装置の都合で実験計画が 遅れたため、Ⅹ線計測の公表は現在準備中である。 [口頭発表 5] 本研究を遂行 していく上で、当初予定 していた永久磁場を用いた電子 ビームエネルギー 解析は、真空排気系の都合により、実施不可能 となった。 しか し、従来、高電圧電源の一 部で しか測定できなっかたためカ ソー ド印加電圧の正確な評価が困難であった点を改良 し て、正確な値が出せるように した。また、電流値 も、直接 ビーム電流が測定できるように 測定計を準備 した。 これにより、電子 ビームエネルギーや電流 と後進波発振器の動作の関 係を調べることが可能になった。

(10)

4

実験装置

4.

1

実験装置全体の構成

実験装置の全体を図 1に示1.高電圧パルス発生装置 としてのマル クスジェネ レータ、

矩形短パルス形成用のパルス形成線路 (PulseFormingLine‥以下 PFL)、電子 ビームを発 生する電子 ビームダイオー ド、及び遅波導波管等を真空に保つ真空装置で 構成 されてい る。 この他にマル クスジェネ レータの動作タイ ミングをとるシーケンスコン トローラが装 置から離れた位置にある。 動作の順は、まずマル クスジェネ レータか ら発生 したインパルス電圧でPFLを充電す る。次にPFLが規定の充電電圧に達 した所でギャップスイ ッチが閉 じて、矩形パルスが カ ソー ドに印加 される。そ してカ ソー ドか ら電界放出により・電子が飛び出し電子 ビームが 発生する。 電子ビームのガイ ドに磁場を用いる場合、真空容器の外側に、厚 さ50mm、内径 ¢150mm、 外形 ¢400Ⅱ皿 の水冷式 ソレノイ ドコイルを 10個程度配置 し、カソー ドか ら電子 ビーム 伝搬区間全体 (距離は約 500mm)で磁場が一様になるようにした。また、磁場を用いな い場合、誘電体による電子 ビームガイ ドを行った。 最長で約 300mmのポ リカーボネイ ト1 (Polycarbonate)のパイプの内側を電子 ビームが伝搬す る。 図2はマイクロ波発振実験の装置を示 している。 誘電体ガイ ドを用いる場合、遅波導波管

(

sws)

の内側にポ リカーボネイ トパイプを挿入する。テフロン (フッ素樹脂、Es-2.25) 製の出力窓を透過 してきたマイクロ波をホーンアンテナで受信 している。同軸導波管変換 器により伝送線路を矩形導波管か ら同軸線路に変換する。伝送 されたマイクロ波は、減衰 器によって検波器が測定できる電力まで減衰 される。そのあとで、検波器で検波 された電 圧信号をデジタルオシロスコープで測定 している。 同軸線路には、ノイズ防止のためにセ ミリジッ ドケーブルを用いている。 このような大電力パルスを使用する実験では、ノイズ 対策が、実験の正否を決定す るくらい重要である。

4.

2

高電圧パルス発生装置

インパルス電圧発生装置 として使用 したマルクスジェネ レータには、オイル コンデンサ-(0.5FLF)を 10個使用 してお り、抵抗を介 して、その 10個を並列に接続 して充電を行って いる。充電完了後、コンデンサーを直列に接続することで高電圧を得ることができる。直 列に接続 した時のマルクス ・ジェネ レータの全容量は0.05岬 である。 並列充電終了後のコンデンサーの直列接続には、通常は真空ギャップ スイッチが用い られ ているが、本装置では電磁石で駆動する機械式の球ギャップスイッチが用い られ て いる。イ ンパルス電圧の立ち上が りの早さは劣るが、動作の安定性、再現性は真空ギャップスイ ッチ に比べて優れている。マルクスジェネ レ」タ単体での出力波形の立上 り時間は 1∼2FLSeC、 立ち下が り時間は 50FLSeCとなっている。マルクスジェネ レータ出力電圧は、付属の分圧 1ポ リ炭酸エステル:寸法安定性 ・透明性がよく、特に耐衝撃性に優れた素材、理化学辞典では ES-2.51、 今回用いた材質では E8-2.9

(11)

MARXGENERATOR

VACUUM PUMP

図 1:実験装置外観図

(12)

抵抗によって測定 してお り分圧比は1万分の1である。図3は、充電電圧 とマルクスジェ ネ レータ出力電圧の関係であ り、効率が約

8

0

%

であることを示す。マルクスジェネ レータ の放電時の経路は、容量か らインダクタンスを介 して負荷- と電圧が印加 されるRLC放 電である。 しか し、コンデンサー間には

2

0

r

lの抵抗が

1

0

本、計

2

0

0

n

の抵抗が直列に入っ てお り、ここで電圧は分圧 される。出力 としては、 VMG

-

1

1

6

0

1

1

6

0

+

2

0

0

×

V

c

c

y0.

8

V

c

とな り、較正 とほぼ等 しい利用効率 となっている。 ここで、VMGはマルクス出力、Vcは 充電電圧である。計算ではL分を除いた式 となっているが、放電波形を見ても立上 りが 1 psec程度 と比較的緩やかでL分の影響はごく僅かである。下表に使用 したマルクスジェネ レータの仕様をまとめる。 マルクスジェネ レータの仕様 全容量

0.

0

5

.(〃 F) 公称電圧

2

0

0

(

k

V)

利用率

8

0

(

%)

倍電圧充電方式 機械短絡方式 マルクスジェネ レータからのインパルス電圧を圧縮 ・成形 し高密度の電力すなわちパル スパ ワーを発生 させ るため、今回

PFL

として、内部誘電体が純水の円筒型同軸線路を設 計 ・製作 した。断面図及び外観を図 5に示+.内部導体は両端のポ リカーボネイ ト製の絶 縁 フランジで支えられている。外部導体の上下対角線上に水の循環 口を設 け、ポンプで下 か ら上-常に純水を循環 させている。そ して循環 している純水をフィルターでろ過 し、 P

FL

の性能が落ちないようにしている2。

PFL

の静電容量は、マルクスジェネ レータの静電容量 と等 しい場合にエネルギーの転 送効率が

1

0

0

%

となる。実際には

PFL

の材料 となるステンレス管に規格品を用いてお り、 規格サイズ及び高電圧耐圧設計のために、使用できる

PFL

寸法に制限が付いている。制 限内で最 も容量の大きい

PFL

を製作 した。寸法はそれぞれ外部導体の内径

¢2

6

1

.

4

m

m、 内部導体の外径

¢2

1

6.

3

m

m、全長

1

m

、である。円筒型同軸線路の分布容量

C

は、

(

!

= 2

7

T

E

l

m

(

b

/

a

)

で与えられる。また、分布インダクタンスLは、

L-

h芸 で与えられ る。 これから、特性インピーダンス量 は、 2循環器系は貯水タンク、ポンプ、フィルターで構成される

(13)

0

0

6

4

1

1

0

0

0 0

0

0

2

0

8 6

4

2

ii

Ll

S q ) ト ⊃ d ト ⊃

× 正 V

10

20

30

40

CHARGEDVOL

TAGE(

k

V)

図 3:マルクスジェネ レータの充電電圧 と出力電圧の関係 : 図の充電電圧はコンデンサー 2個分のもので全体の充電電圧は、この 5倍である。

(14)

z

c

-据

-去躍 h芸

で表 され る. ここで、bは外部導体内径の半径 b-130.7mm、aは内部導体外径の半径 a-108.15mm である。Eと 両 まそれぞれ内部誘電体の誘電率及び透磁率である。内部誘 電体である純水の特性を下表にまとめる。 純水の特性 比誘電率 es 81 比透磁率 〃β 1 比抵抗 β 2.5×105 (

Q/

m)

また、PFLPFLの特性を下表にまとめる。の特性 分布インダクタンス L 38.1 (nH/m) ここでPFLの特性インピーダンス左 は、高電圧で大電流を取 り出せるように、通常よ り非常に小 さくなっている。 またPFLの容量CpFLは、マル クスジェネ レータの容量CMG

-

50nFのほぼ半分 と なっている. PFLの最大充電電圧は、 マル クスジェネ レータの充電電圧 Vcを用いると、

V

cである。 このときのPFLの持っているエネルギー WpFL と最初にマル クスジェネ レータが蓄積 していたェネルギーWMG より、エネルギーの転送効率は、

WpFL_

去CpFL(きVc)2 WMG∼ iCMGVc2 _ 至cto.99 と約90%で、損失は10%だけとなってお り、マル クスジェネ レータと等 しい容量のとき とほぼ同等の性能を発揮できると考えて良い。それに、PFLの充電電圧はマルクスジェ ネ レータ出力電圧の1.33倍であり、昇圧の効果が期待できる。 このPFLか ら発生す る矩形パルスのパルス幅 Tは、

T=

21挿 -21

廷垂 =

C 60ns where

(:

I 室 iJ m

-

●3×108m/S である。誘電体に用い られている純水の誘電率は、他の誘電体 と比べて非常に大きく、か つ耐圧 も高いのでPFLを小型化することが可能である。

(15)

しか し、抵抗率が他の絶縁体 と比べて数桁小 さく自然放電の時定数が非常に短い、よっ て純水 を誘電体にもつ

PFL

の充電はインパルス電圧で行 う。 自然放電の時定数は、 p

E

- 2 ・

5

× 105

×

8

1

× 8・8 5

5

× 10- 12

=

ゴ 180FLSeC で表 され る。 よって充電時間右耳pEより短 くする必要がある。実際の波形の充電時間はお よそ 10psecで pEより短 くなっている。 ここで、充電をインパルス電圧で行 うとき充電 時間が出力パルス幅 よりも十分長 くないと、

PFL

中の電圧分布が各場所で一定にな′らな いため、出力波形が矩形波にな らない場合がある。一般には充電電圧はパルス幅の5倍程 度で行われる例が多い。本装置では、充電時間は 10FLSeCであ り、パルス幅 100nsec程度 よりも十分長 くなっている。 本装置では、

PFL

-の充電効率は、約

6

0

%

であった。 理論的に行えば、

pFL

の充電 効率は先程の計算か ら

9

0

%

であるが、実際にはマルクスジェネ レータ内の抵抗 と負荷が介 されてお り、損失が増加 している。 ここで、マル クスジェネ レータ内の抵抗は安全面か ら 取 り外すことは出来ないが、負荷の方は取 り外 しても構わない。負荷を取 り外せば

pFL

-の充電効率はもう少 し改善できる。 充電が完了した後のスイ ッチングには、自爆型の気中ギャップ スイ ッチを用いてお り、マ イクロメータによりギャップ間隔を変えて自爆電圧を決定 している。ギャップは真鎗製で、 ギャップスイ ッチ中にはガスを封入できるように設計 してある。

PFL

を用いたことにより、短パルスの大電力が真空容器内に導入 され瞬間的に真空容 器 自体がグラン ドか ら浮いて しまい、容器のフランジ等の接合部分で放電が起 きている。 最悪の場合、真空装置が破壊 されるおそれがある。実際、拡散ポンプのヒーターが 2度程 ショー トした。これを防ぐため、

PFL

と真空容器の間に上 と左右の

3

方向か ら厚 さ

5mm

の銅板 を渡 し、 リターンカ レン トが確実に

PFL

に戻るような措置を施 した。ギャップス イ ッチの直後にマ ッチング抵抗を接続 し

PFL

との整合をとっている。 分圧抵抗で測定 した

PFL

出力電圧 (カソー ド印加電圧)は図

9

に示 している。この時の マ ッチング抵抗は40で、パルス幅はおよそ200nsecとなってお り理論値 よりも長 くなっ ている。設計 ・制作段階では、大電流を得るために

PFL

の特性インピーダンスを 1.260 に設定 したが、実際にこの抵抗値で整合をとった場合、

PFL

とマ ッチング抵抗間の線路 インダクタンスの影響で出力波形が大きく振動 して しまった。 そ こで実験では装置-の影 響を考えて抵抗値を大きくして振動を抑えることにした。

(16)

外部導体の内径 - ¢261.4mm 内部導体の外径 - ¢216.3mm 全長 = 1m

図4:パル ス形成線路 の断面図

(17)

4.

3

電子 ビームダイオー ド

実験で用いた電子 ビームダイオー ド

(

El

e

c

t

r

o

nBe

a

m Di

ode

)

は、冷陰極

(

Ca

比ode

:

カ ソー ド)と陽極

(

Ano

de

:

アノー ド)か ら構成 されている。 円筒殻状電子 ビームを得 るため、 カソー ドは円筒型の土台に三角形の刃が付いた形状を′′している。図6にダイオー ドの断面 を示す去カ ソー ドに負の高電圧パルスが印加 されると刃の先端に電界が集 中し、電界放出 により電子が放出され円筒殻状の電子 ビームが発生する。カソー ドとアノー ド間は可変で き、適 した距離を実験より決め る。 ANODE CATHODE

A

n

o

d

e

D

i

a

m

e

t

e

r

C

a

t

h

o

d

e

D

i

a

m

e

t

e

r

二 ⊥

Cathode-AnodeDistance:Ca-An 図 6:電子 ビームダイオー ド断面図 磁場を用いる場合 と用いない場合で、カソー ドとアノー ドの構造 と配置を変える必要が あった。磁場を用いる場合には、カソー ド径 ¢

5

1m

m、アノー ドは径 ¢

5

5

.

6Ⅱ

の円環で、 比較的容易に電子 ビームが取 り出せた。 磁場を用いない場合、当然、磁場による絶縁効果は期待できないため、放電によるダイ オー ド部でのプラズマ発生が問題 となる。まず、電子 ビームダイオー ド部の真空容器 を口 径の大きなものに取 り替えた。次に、カソー ドは径

4

,

5

1mm

で磁場あ りのときと同じであ るが、図

6

の円筒型の土台の部分を

5

0m

m 程長 くし、その先を刃型 (鋭角の三角形) と した。 これによりダイオー ド部でのプラズマ発生はかな り抑えることができた。アノー ド には、メッシュアノー ドを用いた。 使用 した電極の材質は、カソー ドが全てアル ミニウム製、円環状アノー ドがステンレス 製、メッシュアノー ドが銅製 となっている。

(18)

4.

4

電子 ビーム測定系

カソー ド印加電圧は分圧抵抗で測定する。図7には、・PFL、ギャップスイッチ\マ ッチ ング抵抗 とカソー ド印加電圧測定用分圧抵抗の位置関係 を示 した。マ ッチング抵抗の高電 圧側は、厚 さ

1m

m、幅

1

0

0

mm の銅板でギャップスイ ッチのグラン ドに接続 される。同 じ銅板にカソー ド印加電圧を測定す るための分圧抵抗を取 り付けた。図 8に分圧回路を示 +.抵抗 Rlは、高電圧用のセラミック抵抗を用いている。BNCケーブル両端はそれぞれ、

R

2

+R3C

tR4+R5〇

ゴ5

00

で整合をとり反射を抑えている。また、抵抗はシール ドケース の中に入れてノイズを防止 している。分圧比は、i志 である。 図 9にカソー ド印加電圧 と PFL充電電圧波形を示す。上の波形がカソー ド印加電圧、下の波形はPFL充電電圧で ある。図の下の波形のようにPFLが充電され、ある電圧 (ここではおよそ50kV)でギャッ プスイ ッチが閉 じて上の波形のような電圧 (およそ27kV)が発生する。 図7:マ ッチング抵抗 と分圧抵抗器の配置 電子 ビームの伝搬は、ビームヲレクタと呼ばれる銅製の円板を真空容器内に設置 し、そこ で受けとめた電子 ビームの電流値 をロゴスキーコイル

(

Ro

g

o

ws

k

iCo

i

l

)

によって測定する。 電流値は、 ビームコレクタの他にアノー ドの直後などにもロゴスキーコイル を置いて測定 している (図

1

0

)

ここで使用 したロゴスキーコイルは、外部積分型で、実験の進行 とと もに少 しずつ改良されてきた。典型的なもの声ま、大径

1

0c

m

、小径

1c

m

2

0

回巻でイ ンダクタンスは計算より

0.

3

8F

L

H

である(図

1

1

)

積分回路は、シール ド・ケースに入って お り、抵抗 lkn 、コンデンサ- 1nF により構成 されている。また、ロゴスキーコイル と 並列に入っている抵抗 47

n

はBNCケーブルでの反射を防止 している。 伝搬 している電子 ビーム形状は、ビームの焼き付けパターンを、位置を変えて取った. 直 径約¢75

mm

の電子 ビームコレクタに感熱紙を張 り、1つの焼き付けパターンにつき、数

1

0

ショッ トずつ焼き付ける。

(19)

)

)

ヽノ

)ー

C:

CZ

C ;

C:C;

、k

(

(

((

れ川ト川_

.

5

0

9

7

3

4

1

3

4

3

R

I c dcq

c

deQ 私 粘 shildcase

1

図 8:分圧抵抗器 l_ _ __ _ _ _ 」 shildcase l l Q rort.rqqqer-1HO3C--巧りtN rlC聖P.りE^.5

8

H

i

m

∩-

S

O

/

N

d

1

/ U I-ト-1

1_→一一一 ㌔ \ / `ヽ一一ノ l l 図9:カ ソー ド印加電圧 (上) とPFL充電電圧 (下)波形

(20)

図 10:ビーム電流測定系 rogowskicoi一

4

7

E

31

n

F

n■iZ nrh H一一 iZg ∩-h u 岬 匝 .L 仰 2。 印 直 o ・ -8 数 径 径 巻 大 小 エ ′ し 図 11:ロ ゴス キー コイルの

(21)

5 電子 ビーム発生 ・伝搬実験

5.

1

磁場による電子 ビームのガイ ド

均一磁場中の電子 ビーム伝搬の様子を、図 12と 13に示す.直径¢52.6mm のコール ド カソー ドを用い、カソー ド電圧は約 40kV、 ビーム電流値は約 200Aで、磁場が-様な範 囲では、ほぼ一定であった。図 12は、電子 ビーム焼き付けパターンでカソー ドからの距離 が 100Ⅱ皿 、150mm、200mm のものである。真空の場合は、 ビーム直径は約 50mmで カソー ド直径 とほぼ一致 している。また、ビーム円環の幅は約 2∼3mm で、電子のラー マ半径の約 4倍 となっている。 軸方向には、ビーム形状がほぼ同 じままで伝搬 している。 Heガスを注入 し、そこに電子 ビームを入射 した場合は、真空中の伝搬 にくらべ、焼き 付 けの形状がはっきりしているし、高い磁場にもかかわ らず円環の幅が広がっている。 こ れは、ビームによりHeガス が電離 されプラズマが生成 されたためと思われる。 ビームエ ネルギーがプラズマに渡 り、そのプ ラズマのエネルギーを吸収 して感熱紙が変色 したため、 広 くてはっきりした焼き付けパターンとなったと推定 される。ここで、Heガスを注入 した 場合の焼き付けパターンと同 じような、広 くてはっきりしたパターンが、磁場ゼ ロで高真 空の場合にも見 られた。詳 しくは、後に述べる。

デ -

1

-J

r1,

G

.一

B ヽヽ

t

.

- ∫

1・

1 -l l.J H一

了 仁

i

-

- 巾ヽ

恥ヽ

I. 0 9 ニ 0 日 1cm ・ 再 ノ 1事竺:二中主こ 図 12:磁場を用いた電子 ビーム伝搬 :焼き付けパターン

5.

2

集束電極

ガイ ド磁場に変わ り、電場によって電子 ビームを絞 り込む役 目をす るのが集束電極であ る。カソー ドか ら放出された電子は電場に沿って加速 され る。 よって、電子 ビームを絞る ためにカソー ドの電子放出面の脇に電場を内側に向けるような電極 (集束電極)を取 り付

(22)

電子 ビームをまっす ぐ直線に伝搬 させ るには、電子流の縁から67.50の角度で集束電極 を配置するのが理想的である。 しか し、これは電子放出面が平面かそれに近い形状の場合 の角度であり、我々が用いるカソー ドの形状ではその角度は自ず と変わってくる。そこで、 核融合科学研究所の協力により電子 ビームの軌道解析計算 コー ドEGNを用いて最適な角 度を求めた。カソー ドは径¢16mm丸型、アノー ドには径¢30T,m 円環アノー ドを用いた。 図 13に解析 した結果を示+. 円筒殻状電子 ビームを得 るために、カ ソー ドの内側にも電 極を入れてある。 3 2 1 (tm l) S .LX e L 4 0 kV 0V 口 1 0川‥‥--L""…■2-6…"-"-■''"'■4bJ'''_■'"J‥■''"6Ib'-''■■■''

'

`

''

-

l

C

)

-

-

"丁■

-

…"-

i

r

°

zaxis(mm) 図 13:集束電極を用いた電子 ビームの軌道解析結果 角度は、 Z軸に対 して外側は 63.40内側は 68.20である。この角度で集束電極をステンレ スで制作 し、実験を行ったが、数 cm 以上の電子 ビームの伝搬は確認できなかった。 しか し、アノー ドのカ ソー ド側表面に感熱紙を張 り、電子 ビームを焼き付け拡が りを観察 した ととろ、図 14のような焼き付けパターンが生 じた。同図右の集束電極が無い場合 と比べ て、集束電極が有 る場合は円環付近が均一に焼き付いてお り、アノー ド位置では電子は期 待通 り集束 したように思われ る。 伝搬が確認できなかった原因 として、電流密度が解析 よりもかな り大きな値 となった結 果、電子 ビーム自身の空間電荷の影響によりビームが外側に拡が り、ほとんどがアノー ド に吸収 されたものと考えられ る。そこで、 どのようにして空間電荷の影響をなくすかが問 題 となる。

(23)

集束電極がある場合

集束電極がない場合

(24)

5.

3

誘電体による電子 ビームのガイ ド

誘電体により電子 ビームのガイ ドを行った。 磁場は全 く使用 していない。誘電体ガイ ド は、沿面放電を積極的に利用 したものである。沿面放電は、耐圧が低 くなり高電圧実験で は本来望ましくないものであるが、逆に考えると、真空中よりも電子が伝搬 し易い状態 と なってお り、電子 ビーム伝搬に適 していると思われる。 電子 ビームは、誘電体の表面と平行に伝搬 させる。誘電体の表面近 くを電子が通過する ことで、周辺が電離 されてプラズマ化 される。誘電体は真空中に置かれているので、その 周囲の不純物濃度は出ガスなどにより周 りの自由空間よりも高くなりプラズマ化 され易い と考えられる。それに、電子が誘電体に衝突することによってもプラズマが形成 されると 考えられる。 これ らの考えから、電子 ビームが誘電体表面に薄いプラズマの層を形成 しつ つ伝搬 し、プラズマによる荷電中和 ・電流中和によって伝搬 し易 くなることが期待 される。 誘電体ガイ ドをカソー ドから円環アノー ドを通って遅波導波管の内部全体に配置 した場 合、カソー ドからの電子 ビームは、円環アノー ドに達することなく、遅波導波管- と伝搬 していける。 しか し、一応はマイクロ波出力は検出されたが、この配置では以下のような 問題が生 じた。 1.放電が不安定 で、放電が遅れた り、または放電が起きない場合がある0 2.放電プラズマの影響 で、プラズマ電流が大きくなり過ぎる。それにより装置-のダ メージが大きくなる。 3.再現性が悪 く 、ビーム電流が流れてもマイクロ波が発振 しない場合がある。 安定 したビームを得 るために、図15に示す配置で実験を行った。 問題点1の原因は、カ ソー ド・アノー ド間が誘電体ガイ ドで遮断 され、両極間でイオンや電子の交換がなくなる ことと思われる。そこで、誘電体ガイ ドはアノー ドの直後か ら配置 した。 ビームの発生が 電界放出によるものであれば、カソー ド・アノー ド間に何があろ うと関係なく、問題点1 は起こり得ない。実験では、カソー ド表面の電場は、金属か らの電界放出を起こすには桁 違いに小 さいため、異なった機構で電子が取 り出されていると考えられる。 さらに、PF Lで整合をとり印加電圧を短パルス化することで、1,2の問題点は、かなり緩和 された。 カソー ドは、刃の形状を鋭角にした三角型カソー ドを用い、さらにカソー ド・アノー ド 間は約5.6Ⅱ皿 と少 し (磁場がある場合に比べて)近づけた。そ うすることで、カソー ド表 面の電界が強くな り電子が放出され易 くなる。アノー ドには、メッシュアノー ドを用いた。 メッシュか ら誘電体ガイ ドの外側に電流が逃げてしまうことを防 ぐために、メッシュのカ ソー ド側面に誘電体ガイ ドの内径 と同じ径の円穴を開けたマイラー(Mylar)を張 り付けた。 図15の配置での電子 ビーム伝搬の実験結果を図16に示+.磁場による電子 ビームガイ ドと比べ、減衰が大きいが100mm のオーダで電子 ビームが伝搬 している。 得 られた電子 ビームは、カソー ド印加電圧約35kVで、アノー ドか らの距離 100mm の 位置で、およそ20Aであ り、磁場を用いた時の電子 ビーム35kV、 150Aと比べると、 電流が約 1桁小 さい値である。

(25)

ANODE 63mm

G

U

I

D

E

/r

BEAM COLLECTOR Anode-BeamCo‖ecto r:d istance 図 15:電子 ビームダイオー ド及び誘電体ガイ ドの配置図

WithoutvelvetMeshAnode Ca-An:5.6mm

(u v v。 g f) 〇 一 ト V ∝ _L N 山 ∝ tj ⊃ U ANODE-BEAM COLLECTOR(mm)

(

a

)

電子 ビーム伝搬実験 M U g 一 ト N 山 ∝ tj ⊃ U に ○ ト 0山 1 J O O 三 V u E l 0 withoutvelvet 層 眉 t O 0 0 5 0 ∴ L.i (宜 u V I ト N 山∝ ∝ ⊃U M V 山 皿_ L ⊃ d N r Ca-An:5.6mm 200 400 TIME(n党C) 600 (b)電子 ビームの代表的な波形 図 16:誘電体による電子 ビームガイ ド

(26)

発生 した電子 ビームの形状を調べるために、 ビームの焼き付けパターンを取った。 径 ¢75mm のビームコレクタに感熱紙を張 り、アノー ドメッシュとビームコレクタ間 2mm に固定 してビームを焼き付けた。図17に焼き付けパターンを示す。1パターンにつき、充 電電圧30kVで10shotずつ焼き付けた。 カソー ドは、全て径 4,51(mm)三角型カソー ドを 用いた。設定は上から順に、カソー ド・メッシュ間5.6(mm)でベルベ ットあり、同じくカ ソー ド・メッシュ間5.6(mm)でベルベットなし、カソー ド・メッシュ間3(rrm )でベルベ ッ トなしである。 a)のベルベットがある場合、焼き付けパターンの一棟性は良くなっている. b)のベルベッ トがない場合、ある場合 と比べて一様性は悪いが、磁場による電子 ビームガイ ドと比較す ると、広がっていることは明らかである。

C

)

はベルベ ッ トはなく、カソー ドをメッシュに 近づけてパターンを取った場合であり、b)のパターンと比べて偏 りはあるものの一様性は 良くなった。 しか し、この設定セはカソー ドとメッシュがす ぐに短絡 して しまい、印加電 圧 を上げることが出来なくなって しまった。 、 」

(27)

a)withvelvet Ca_Mesh:5.6mm b)withoutvelvet C)withoutvelvet -∼一〉 ∼一一一、 -Ca-Mesh:5.6mm 撃 落 〟●-、_ CarMesh:3mm ヽ、ヽ

(28)

6

マイクロ波発生実験

6.

1

遅波導波管

本研究で用いた遅波導波管は正弦波状の周期的 コルゲー ト管壁 を有 し、その構造は3つ のパ ラメー タで決 まる (図 18)。 す なわち、平均半径 R.、 コル ゲー ト周期長 Z。お よび コルゲー ト振幅 hである。 図 18:周期的 コル ゲー ト遅波導波管 表 1:周期的 コルゲー ト遅波導波管

Ov

e

r

s

i

z

e

dBWO Ⅹ-

B

a

ndBWO

托e

q

u

e

n

c

y(

G

Hz

)

24.09 8.49

S

l

o

wWa

v

e

R

0-3.00

A-

1A45

S

t

r

uc

t

ur

eS

i

z

e

Z0-0.34 Z0

-

1.670

(

c

m)

h=0.17 h=0.445

Cu

r

r

e

n

t(

k

A)

0.5 2 表 1に、 これ までのⅩバ ン ド後進波発振器実験 と本研 究の大 口径後進波発振器実験 に用 い られてい る遅波導波管 とそのパ ラメー タを示すと

(29)

各々の分散特性は、図 19のようになる。図には、軸方向入射 した軸対称電子 ビームとの 相互作用できる

TM

モー ドのみを示 している。 ここで、周期構造を有する遅波導波管の場 合の電磁場はフロケの定理を満足する必要があるため、多 くの空間高調波で構成 されてお り、直管円筒導波管の場合 とは異なるものである。

TM伽 (

n-1

,

2

- )の表記は、周波数の 低いモー ドから順に番号を付けたものである。 これまでのⅩバン ド後進波発振器実験では、草本モー ドである

TM

olモー ドが主に用い らてきた。高い周波数帯での発振を目的 とする場合、第-に、図 19に示すTM.2、TM。

3

の高次モー ドを利用することが考えられる.第二に、大 口径遅波導波管のように平均半径 R。、コルゲー ト周期長 Z。、コルゲー ト振幅hを調節することがある。それぞれの遅波導 波管パ ラメータ変化に対 し、分散特性は特徴のある変化をする。 これを利用 して、平均半 径 を大きく保ったままで、高い周波数での発振を得ることが可能である。 高周波教化の方法の一つ として、プ ラズマを用いることが考えられる。遅波導波管中に プラズマが存在すると分散曲線は全体的に上に移動するか らである。 しか し、プラズマ後 進波発振器では、高々数 GHz程度周波数増加が報告 されているにすぎない。本研究におい てのプラズマ後進波発振器 も、同様の結果であ り、高周波数化に対 しては遅波導波管パラ メータや高次モー ド利用の方が、今のところ、有利である。 しか し、発振効率に対 しては、 プラズマ効果による向上が見 られたが、この機構の解明はまだである0 図19の

(

a

)

に示す大 口径後進波発振器の場合、Ⅹバン ド後進波発振器の

R0

-1.445cm に比べ、大 口径後進波発振器では.

私-3.

0

cm と約 2倍なのに対 し、発振周波数は

2

0

GHz 帯であるL。大 口径後進波発振器の遅波導波管の特徴は、Z。 と hが非常に小 さいことであ る。このとき、電子 ビームと導波管モー ドのチェレンコフ相互作用は非常に弱 くなるため、 Ⅹバン ド後進波発振器 と比べて発振条件が厳 しく、後に述べる遅波サイクロ トロン共鳴相 互作用などの利用が必要 となる。

6.

2

磁場を用いた電子 ビームガイ ドによるマイクロ波発生実験

表1の大 口径後進波発振器 を用いて、24GHz帯のマイクロ波発生実験行った。 真空の 場合 と遅波導波管中にプラズマが存在する場合について実験を行った。磁場は、大 口径遅 波導波管領域 と電子 ビームダイオー ド部を含めた領域で約2%の精度で均一で、0- 1T の範囲で可変である。 真空の場合の真空度は約1∼ 3×10-5torrである。マイクロ波出力窓には、遅波導波管 中のプラズマの効果を調べるため、- リュウムガス充填用のポー トを付けている。- リュウ ムガスを充填すると電子 ビームにより電離 されプラズマが生成 され る。 マイクロ波は図 2 に示す検出系により測定する。マイクロ波出力窓と受信用電磁ホーン間の結合度はネ ッ ト ワークアナライザを用いて較正 した。電磁ホーンか らの信号は方向性結合器により三つに 分けられる。一つは直接検波 され、もう一方は導波管より成 る遅延線路を通 した後、検波 され る。二つの信号の時間差か ら周波数を測定する。 典型的なマイクロ波出力波形の一例を図

2

0

に示すも 図の上側が遅延線路入 り口の波 形、下側が遅延線路を通った後の信号である。 遅延時間より、発振周波数は約

2

1

GHzで

(30)

波出力の放射パターンを測定によると、発振モー ドはTM。1であった。 真空大 口径後進波 発振器では、遅波導波管長が50× Z。やそれ以下ではチェレンコフ発振は起 こらず、70× Z。 で、初めて後進波発振動作が見 られるが、発振は再現性が悪 く、また出力電力は 100W 程 皮 (発振効率は 0.01% 以下) と非常に小 さい。 これに対 して、プラズマ大口径後進波発 振器では、真空の場合に比べ 数倍 - 10倍程度 (発振効率 0.17% 程度)発振出力が上昇 し、 kW 程度であった。 さらに、70× Z。以下でもチェレンコフ発振が起 こってお り、遅波導波 管長が長 くなるとともに発振出力は大きくなった。 プラズマの効果は大きいが、物理的機 構は現時点では解明できていない。 上に述云た実験では、電子 ビームエネルギ弓 ま約 40keVと見積 もられ、電流は約 200A である。 この場合、電子 ビーム電流が 100A以上 と比較的大きいのに、大電力のチェレン コフ発振は観測 されない。 しか し、電子 ビームが約 50keVを越 えるとマイクロ波出力は 数 100kW (発振効率約4%)のレベルになった。 大 口径後進波発振器では、電子 ビームと遅 波導波管モー ドの相互作用が弱 くチェレンコフ発振条件は、従来のスター ト電流値だけで は決まらない。本研究成果 (第2章)の発表論文 2において、発振スター トエネルギーを 予測 した。予測値は約 70keV程度であった。実験的には、スター トエネルギーは約 50keV で、これ以上だとマイクロ波出力は100kW レベルに上昇 し、再現性も良くなる。理論予測 は、非常に簡単化 したモデルを用いているが、実験結果 と4割程度以内で一致 した。 これ は、本研究で考えた発振機構 とそれか ら予測 される発振開始に必要なスター トエネルギー との実験的検証である。 図 21に大 口径後進波発振器のチェレンコフ発振出力の磁場依存性を示+.チェレンコフ 相互作用による発振であり、原理的には磁場には依存 しないはずである。 しか し、実験で は、約 0.5

T

以上で、出力 レベルは大きく変化 していないが、磁場の増加に伴い徐々に上昇 している。 これは、本実験でのビームを伝搬の困難 さにある。電子 ビームを遅波導波管の 管壁す ぐ近 くに入射 してお り、1mm 以内の入射精度がいる。磁場が高 くなると環状 ビー ムの厚みが薄 くな り、それだけ伝搬が改善 される。磁場が 0.5Tより低い と、導波管壁に 衝突す る電子 ビームが増 し、発振は起 こらない。 チェレンコフ発振に対するスター トエネルギー以下では、先に述べたようにマイクロ波 出力は低いが、磁場を適当に選ぶ と100kW レベルに共鳴的に上昇する (図 22)。このよう な磁場に対 しての共鳴的なマイクロ波発振は、チェレンコフ相互作用では説明不可能で別 の機構が必要である。図22は遅波サイクロ トロン波 と大 口径導波管モー ドの一次の空間高 調波 との異常 ドップラーサイクロ トロン (っま り遅波サイクロ トロン)共鳴相互作用を考 えると、実験での共鳴磁場を 10% 程度の範囲内で説明ができた。遅波導波管を直円筒導 波管に交換すると、図の三角印ようにマイクロ波発振は観測 されなかった。 これは、ジャ イ ロ トロンなどで用い られている速波サイクロ トロン共鳴相互作用は、この発振には寄与 していないことを示1.遅波サイクロ トロンメーザ動作は本研究で (世界で)初めて予測、 実証 された。従来に見 られない新 しいタイプのマイクロ波源の可能性を示す もので非常に 価値ある成果である。 遅波サイクロ トロン共鳴相互作用では、電子は垂直方向にエネルギーは得 るが全体 とし てはエネルギーをマイクロ波に与えることができる。従って、チェレンコフ相互作用の場 合 と同様に、軸方向のみのエネルギーを持った電子 ビームでマイクロ波発振が可能である。

(31)

通常の速波サイクロ トロン共鳴相互作用では、マイクロ波を励起するには、垂直方向の初 期エネルギーが必要である。 大電流や高エネルギー電子 ビーム発生を考えると、軸方向入 射のビーム源は非常に有利である。 しかも、本研究の遅波サイクロ トロンメーザは、チェ レンコフ発振が不可能など-ムエネルギー領域でも動作可能で、大変有望な大電力マイク ロ波源 と思われ る。

6.

3

誘電体電子 ビームガイ ドによるマイクロ波発振実験

5.3節の誘電体による電子 ビームガイ ドで波発振実験を行った。磁場は全 く用いていな い。代表的実験結果を図 23に示+.上から、ビーム電流、カソー ド印加電圧、マイクロ波 出力である。入射 した電子 ビームは、ビームエネルギー 40keV、 ビーム電流値 2/;6A、入 射電力 800kW である。マイクロ波の出力は、お よそ 100W 程度 (発振効率は0.01%程 皮)である。 この結果は図 21の磁場ゼ ロの位置に示 してある。図 21の 0.5T 以上の磁場 領域や 22の遅波サイクロ トロンメーザの100kW レベルの出力に比べ、今回の出力は 3桁 ほど低 くい。 しか し、ビームェネルギーがチェレンコフ発振に対す るスター トエネルギー 以下であることや ビームの電流密度が低いこと及び ビームの一棟 性が悪いことを考えると、 驚 くべき結果である。 理由として次のようなものが考えられる。まず、誘電体ガイ ドにおいては電子 ビームによ りプラズマが生成 されるが、このプラズマによる効果が考えられる。そ して、先に述べたよ うに磁場ゼ ロではチェレンコフ相互作用 と遅波サイクロ トロン共鳴相互作用 (速波サイク ロ トロン共鳴相互作用も含めて)とは縮退 し区別が付かない。このような相互作用は、今の ところ研究 されていない。実験的には、これまでのプラズマ後進波発振器実験の報告のな かに-つあるが、報告の中では磁場無限大のチェレンコフ相互作用 として扱っている

[

2

6

]

本研究において、磁場ゼ ロでは、従来のチェレンコフ相互作用ではな く、チェレンコフ相 互作用 とサイクロ トロン共鳴相互作用 とが縮退 した新 しい相互作用 を考える必要があるこ とを指摘できた。そ して、図 23はこの新 しいタイプでの発振を実証 したことになる。電 子 ビームの電流密度 と、一様性をよくすれば、磁場を用いた後進波発振器 より性能の良い 後進波発振器 となる可能性がある。

(32)

(Z 工

5

〓 > O N 山 ⊃ 0 山 tj j 0 0 5 10 15 wAVENUMBER k(cm-1) (a)大 口径後進波発振器遅波導波管の分散 特性 (> ∈ ) 山 5 V ト 」 ○ > 凸 山 ト U u 卜 山 Q (Z H C) ) ] 3 U3 nb 巴 山 0 0 ′n Y つ上 / \ ′ \ ′ TMO・r \ / \ \ ′ \ ′ Y

′ \

′ \ ′ \ - ′ \ ′ \ ′ \ ′ \ ′ Y

/一

一一ワ 「

-

聖二

, k Liか 、 \ / mIC \ .2.0 0 2.0 W.lVCnMnbcr(cm'l) 1.0 (ち)Ⅹバ ン ド後進波発振器遅波導波管の分散 特性 図 19:遅波導波管の分散特性 0 0 0 0 1 2 1 I

0

100 200 300 400 DELAYTIME(ns) 図20:マイクロ波出力波形 (磁場による電子 ビームガイ ドの場合)

(33)

(星

に 山

O d 山 > V 三 〇 に U I m 誘電体による 電子 ビーム ガイ ドの場合 千 ゐI IP -● ; . I. 心 一

T/2-妄一・●与 i一里 1 0 1 10 10 o l ー

車---J

4

T

,

,2

il

0 2 4 6 8 10 MAGNETICF旧LD (kG) 図21:後進波発振器 (チェレンコフ発振)の磁場依存性

(≡

) ∝

山≧

O d 山

><

○ ∝ U ≦ 6 5 0 0 ii_ iiI 4 3 0 0 1 1 0 0 ii Ll 2 1 0

l J

l

王.∫左 幸

L

2

Z

o

Ⅳ-要 _2

0

.

0

卜ノノ

要一

.

o

2

b

j

∠二

0

0

n

s

e

c

/

d

i

v

0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 MAGNETIC F旧LD (T) 図22:遅波サイクロ トロンメーザ実験

(34)

(V

)U

f

N 山 江 に ⊃ C ) に ○ ト U u 」 1 O C) ∑ V 山 E ]

0

0 0 2 4

l

J L d > 山 9 V ト 」 ○ >

0

0

0

1

2

1

hLu)

に 山 ≧ O d

> V ≧ ○

じ 一 三

200

400

600

TI

ME(

n

s

∝)

図22:磁場を用いない後進波発振器のマイクロ波出力実験結果

(35)

7

X

線計測

7.

1 X

線計測 と電子 ビーム分布関数

電子 ビームの分布関数を、それが放射するⅩ線か ら推定することが出来る。電子 ビーム とプラズマ (正)イオン、電子 とが衝突する時、主に次の過程でⅩ線が放出され る。 1.電子一正イオン間のクー ロン衝突による制動放射

2

.

電子一電子間のクー ロン衝突による制動放射 3.電子一正イオン間の放射再結合による放射 4.正イオンや原子か らの線スペク トルX線の放射 過程 1∼ 3で放射 されるⅩ線は、連続スペク トル を持ち、プラズマ電子の速度分布関数 の評価に用いられる。特に、高温プラズマの電子温度やその空間分布の測定によく用い ら れている。過程4は電子衝突により、イオンや原子が励起 されて後、基底状態にもどると き放出され るⅩ線である。 これはプラズマ中のイオンや原子に対する情報を与えるもので ある。 電子がイオンあるいは電子 とクー ロン衝突すると軌道が曲げられ る (加速度 を受ける)0 その時、電子は光子を放出する。 これを制動放射 とい う。本研究では制動放射 (過程1と 2)を用いる。線スペク トルⅩ線や再結合放射は、実験での測定するX線エネルギー領域か らみて無視できると思われる。 プラズマがZi価のイオンとバル ク電子か ら成っていて、そこに電子 ビームが入射すると する。それぞれの密度をni、ne、nbとする.また、ビームの入射方向をZ軸方向にとる。 Z軸 方向は、導波管の軸で、ガイ ド磁場はこの方向である。それ と垂直にxy面をとる (図24)。 X線の放射 される方向を図の様に0(Z軸 となす角)と4,(zx面 となす角)で表れ 単位時間 当り、立体角dO-sinedOd¢内に電子 ビームが放出するエネルギー hL,から hL

/

+

dhL/の (連続)

線光子数 N(hL,)dhL,は

(36)

MAjOMUM VALUEOFCROSSSECTION-2.6E-25

NORMALISEDCROSSSECTION

図 25:微分断面積 U。i: 50keVの電子が左か ら入射 した場合

MAXIMUM VALUEOFCROSSSECTIONI3.1E-26

NORMALISEDCROSSSECTION

(37)

N(

h

L

,

)

-Nei(hL/)+Nee(hL,) dndhuNd

(

h

u

)-

dOdh

u

/

n

p

n

b

V

f

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(p)Zi

q

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i

d

p

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O

dh〝

N

ee

(

h

u

)-d

Od

h

u/

npnb

V

fb(p)qeedp (1)

こ で

Nei(hL,)は電子 ビームとプラズマイオン衝突による制動放射 Nee(hL,)は電子 ビームとプラズマ電子衝突による制動放射 qeiは電子-イオン衝突における制動放射微分断面積 o・eeは電子一電子衝突における制動放射微分断面積 V、pはそれぞれ電子 ビームの速 さと運動量 fb(p)は電子 ビームの速度分布関数 (4,方向には対称) また、バルク電子 とイオンの熱運動は無視する。 Nei(hl/)、Nee(hl/)fま電子 ビームの密度エネルギー、イオンのZiにより相対的大きさが変 わる。

X

線測定結果 を積分方程式 (1)の左辺に代入 して、この方程式を解 くな らば、電 子 ビームの速度分布関数fb(p)が求まることになる。 しか し、解 くべきVolterra形第-種積 分方程式は、運動量空間3次元に対 してであり、かつⅩ線測定精度を考えると、解が一意 的に求まる保証はない。 一般に可能なのは電子のエネルギー評価である。 運動量空間での電子分布関数 を評価す るにはgei、qeeの非対称性を利用する。 qei,qeeは、角度鋸こ関 して対称でなく、さらに、電 子のエネルギーが高 くなると、一方向に偏って (入射電子の運動量pの方向) くる。図 25 と 26に、エネルギー 50keVの電子が向かって左側か ら入射 し、ターゲ ッ ト (イオ ン、電 チ)に衝突 した場合の、qei、0・eeを示1 . 図中の曲線は、外か ら順に、hl/-5、10、15、20、 25、30

・・・keVに対 してである。電子-イオン衝突での制動Ⅹ線放射は双極子放射であり、 電子一電子のそれは四重極子放射である。そ して、入射電子エネル ギー 50keV程度では、 双極子放射のcreiの方が四重極子放射のo・eeより一桁大きい。四重極子放射 (o・ee)は入射電 子エネルギー数 100keV以上で重要 となってくる。微分断面積の角度依存性を利用すること で、図 24の βを変えたⅩ線測定結果 より、電子の運動量空間での分布を調べることが可能 になる 【30】。

7.

2 X

線検出器 とデータ解析

本研究では、時間分解能の制限から、Ⅹ線スペク トルを測定できない。シ リコン表面障 壁型X線検出器により、Ⅹ線強度IDetectを測定 してい く。 検出器の構造は図27に示 してあ る。

線はAl電極 と不感層 (SiO2)を透過 した後、空乏層 (depletionlayer)で吸収 され、

(38)

検出器の空乏層で吸収 され るX線強度IDetectが検出信号であるが、これは以下の式で表 される。 IDeted

-

/

/

F

DetedN(hu)dndhu

(

2

)

積分領域は、nに対 しては検出器の張る立体角、hL'に対 しては検出器のⅩ線感度領域で ある。FDetec握 検出器のⅩ線感度特性である. 検出器のⅩ線感度領域を変えるため、嘩出 器前面にX線吸収体をお く。 吸収体 として用いるポ リエステル とアル ミニウムAlのⅩ線に 対する質量吸収係数を、図 29に示lo図には、検出器材料のシリコンの吸収係数 も示 して ある。 これ らの吸収係数 と検出器空乏層の厚 さより、検出器のⅩ線感度を計算により求め ることができる。電子 ビームが放射する制動Ⅹ線スペ ク トルにこの感度を掛けたものを、 図 30に示+.入射電子 ビームのエネルギーをパラメータとしている。.1電子のエネルギー と Ⅹ線エネルギーは一対一には対応 してお らず、X線スペク トルは低エネルギー領域に広が りをもつ。このことより、エネルギーの高い (数

1

0

k

e

V

以上)電子 ビームの計測に、図

2

7

のような

X

線感度領域が数

k

e

V

の検出器が使用可能 となる。

X

線スペク トル

(

1

)

を一回積分 して得 られるⅩ線強度

(

2

)

の測定から運動量分布関数 fb(p) を正確に導 くことは、事実上不可能である。まず、本研究では、一方向のⅩ線強度IDetectの 測定か ら、電子のエネルギーを評価する。 このため、検出器前面の吸収体の種類を変え、検 出器のX線感度領域 を変えた測定を行 う。吸収体の種類を選ぶことで、精度は劣るが、Ⅹ 線波高分析 (PHA)に対応 した測定が可能 とな り、電子 ビームエネルギーの評価が可能 と なる。 電子 ビームの運動量分布の評価は、以下のように行 う。 1.高速電子速度分布関数 f

b

b)

を仮定 し、数個のパラメタ-で特徴付ける。 。Z軸に垂直方向の平均エネルギー T⊥ ・Z軸に水平方向の平均エネルギーTll ●プラズマ密度に対す る密度比 2.導入 したパラメータを決定するのに十分な方向βとエネルギー領域でX線スペク トル を測定する。 3.仮定 したfb(p)より、X線スペ ク トルの0分布を計算する. 4.計算結果 と測定結果を比較 して、fbb

)

に導入 したパラメータを決定する。 この様にして求まったfb(p)は、実際の速度分布関数 と完全に一致す る保証はないが、そ の特徴は十分 とらえることができる。 実際に、電子 ビームのエネルギーが決まっておれば、Z軸に対 しての入射角の評価が可能 である。図

3

1

に入射電子 ビーム

5

0k

e

V

での計算例を示1.横軸はZ軸に対 して

9

0

度での Ⅹ線強度IDetectに対す る16度でのⅩ線強度IDetectの比である。 X線の測定角度は、実際の 実験装置で準備 した

9

0

度 と16度を選んだ。縦軸は電子 ビームの入射角度である。 ここで、

(39)

図27:シ リコン表面障壁型Ⅹ線検出器 100 101 102 Ⅹ線エネル ギー [keV] [ B J 等 U ] d J TT 慮 墜 竪 W d 寒 X 5 4 0 0 1 ・l 0 0 0 1 1 1 10 「J 2 1 0 10-1 10-1 図 29:Ⅹ線 に対する質量吸収係数 2 01

(u

77 ) ^ 仙 iJ CD 嘩 雨 則 10 印加電圧 による空乏層幅の変化

/

/ -

- / ′ 10-1 100 101 102 検出器-の印加電圧 Vr(V) 図28:検出器バイアス電圧 と空乏層幅 10 20 30 40 50 入射電子 ビー ムによる制動 放射 x線エネル ギー [keV] ′LU 4 0 0 玉 髄 悪 寒 X 図 30:検出器空乏層で吸収 され るX線エネル ギースペク トル

図 1:実験装置外観図
図 4: パル ス形成線路 の断面図
図 1 0: ビーム電流測定系 r ogowskicoi 一 4 7 E 31 n F n■iZ nrh H一一 iZg ∩‑h u岬匝.L仰2。印直o・‑8数径径巻大小エ′し 図 11:ロ ゴス キー コイ ルの 各 素 子 値
図 1 4: アノー ド表面の焼き付けパターン
+6

参照

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