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B 林野をめぐる権利関係の特殊性

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(1)林野をめぐる権利関係の特殊性 黒. 木. 三. B. 良. 林野をめぐる権利関係の特殊性. 噌輔五︵一一五︶. それはむしろ﹁前近代社会から後近代社会へのプロセスとして歴史的に把えられた法﹂および﹁近代的資本制社会に. 法への内在的批判として︑それを法社会学的且つ歴史的に把えなければならないことが主張されている︒すなわち︑. るための私的所有権の絶対的性質︵および法的人格・契約との三者一体化︶をその合理性の側面からのみ把握する方. 近時︑近代的土地所有権の概念把握の方法として︑従来のような論理的整合性︑すなわち商品交換法秩序へ適応す. f林野をめぐる所有および利用権の特殊性i. 問題の提起. 今後の課題. 入会権と村落共同体. 利用関係の法律的性質. 所有および利用の権利主体. 問題の提起ー林野をめぐる所有および利用権の特殊性ー. 五 四 三 二 一.

(2) 論. 説︵黒木︶. 一噂六︵一一六︶. 適合的な形態・内容を備えた法﹂として法社会学的に認識しなければならないと同時に︑﹁明治民法の制定によって. 成立した所有権の規定は︑真に近代的土地所有権ではない︑借地法や農地法こそを近代化法として把えるべきだ﹂と. いう主張である︒そして︑それはまた﹁ゲルマン法的なものからロ1マ法的なものへの転換﹂として﹁封建的なもの. から近代的なものへの発展進化﹂として統一的に把握さるべぎであることの指摘となり︑﹁ゲルマン法的な諸制度の ︵1︶ 克服の上に段々と・ーマ法的な商品交換の基礎法として近代所有権法が成立してくる﹂という主張である︒. しかし︑わが国における林野法の沿革のなかに従来果してこのような近代化法の展開をみることができたであろう. か︒明治初年に相次いで実施された土地の官民有区分︑地租改正︑地券制度︑そしてまた中期にみられる土地登記制. 度︑市制町村制の施行︑さらに明治末期以後昭和一四年までの長期にわたってくりひろげられた部落有林野統一政策. 等々のなかで展開された林野政策のいずれにおいても︑宅地の利用における一連の借地法の体系および農地の利用に. みられる地主陸小作調停法から戦後農地改革における近代的自作農主義を経た農地法の体系と比較して︑真に林野に ︵2︶. おける近代化法といい得る法体系は存在しない︒林野における所有権と利用権の権利義務関係については︑基本的に ︵3︶. は民法典以外になんら規制する法律はない︒しかも広大な半封建的私的所有と非社会的な国有林野を抱えたままいっ. こうに所有内容の近代化は果されていない︒ただ今日問題となるのは︑昭和四一年に制定された入会林野近代化法が ヤ. ヤ. ヤ. 約二〇〇万ヘクタールといわれる入会林野の所有と利用の権利関係に近代化の息吹きをふきこんだことである︒すな. わち︑それは林野をめぐる集団的権利と個人的権利が従来は部落における共同体的統制のもとに入会権という権利形. 態として融合されていたけれども︑資本制社会の展開のなかで個人的権利の伸長とともに次第に共同体的統制が崩れ.

(3) ︵4︶. てめき︑立木所有権の林野地盤からの剥離︑林野地盤利用権の分割およびその移転︑林野をめぐる所有および利用権. の価値増殖に伴う商品流通体系への浸透などによって︑すでに漸次入会権の解体現象は進行しつつあった︒やがてそ. れは昭和四一年入会林野近代化法による整備事業を実施することによって︑決定的にその村落共同体的集団性は︑そ ︵5︶. の構成員自らの意思と責任によって崩壊され︑入会権のもつ前近代的性格は︑入会権の消滅と同時に新たに所有権お よび地上権等の個別的権利形態として近代化される途が開かれたのである︒. 二. 所有および利用の権利主体. ︵1︶ 昭和四三年一〇月一二月私法学会︵於明治大学︶における甲斐道太郎教授の報告および同﹁近代的土地所有権の比較法的 考察﹂︵比較法学四巻二号︶︒ ︵2︶ 中尾英俊﹁林野関係法﹂講座﹁日本近代法発達史﹂第一〇巻︵動草書房︶四一頁︑同・林業法律︵農林出版︶四三頁以下︒ ︵3︶ 鈴木尚夫・林業経済論序説︵東大出版会︶は以上の認識をふまえて論究された概説書である︒ ︵4︶ 川島・潮見・渡辺編・入会権の解体−五皿︵岩波書店︶︑渡辺洋三・入会と法︵東大出版会︶その他数多くの戦後研究がある︒ ︵5︶ 黒木三郎・現代農業法と入会権の近代化︵敬文堂︶参照︒. ④個人 ︵1︶. 林野における個人所有形態は︑明治民法以前における封建的領有と資本蓄積に伴う半封建的所有といずれの場合も. 含めて︑戦後の一貫した民主化政策にも拘らず全く改革されていない︒したがって︑昭和三五年林業センサスによれ. ば︑山林保有面積五町未満の林家数二︑三八九︑二一〇戸︵九一・七四%︶に対して︑一〇〇町以上の林家数は二︑. 一一七︵一一七︶. 二三〇戸︵○・〇九%︶であり︑そううち前者には一反以上三反未満八九一︑八二〇戸︵三四.二四%︶が含まれ︑ 林野をめぐる権利関係の特殊性.

(4) 論説︵黒木︶. 一一八︵一一八︶. ︵2︶ 後者には五〇〇町以上の林家が一九〇戸︵○・〇一%︶含まれており︑零細な農民的所有と半封建的または資本家的. 村落共同体. 所有とが極端な形で併存していることに特徴がある︒. @. 林野の権利主体として最も特徴をもつものとして村落共同体がある︒これは地域共同体Oo目①ぼ留としての仲 ︵3︶. 間共同体であり︑ギールケのいわゆる実在的総合人O窪o器窪8冨津すなわち総手的団体O窪oωω窪零ぎ津N畦. 鴨器ヨ冨昌頃薗呂である︒明治民法は入会権についての規定を設けはしたもののそれはわずかに二ヵ条にすぎず︑し. かも共有の節と地役権の章に分けてそれぞれ一ヵ条ずつを規定し︑ともに﹁慣習二従フ﹂外は﹁本節ノ規定ヲ適用. ス﹂および﹁本章ノ規定ヲ準用ス﹂と規定したことは︑入会慣習の弛緩を予定し︑個人的権利への転化を予測したも. のかもしれない︒ただ民法がこのように入会権1←共有権・地役権と規定し︑あくまでも私有財産上の権利として尊 ︵4︶. 重しようとしたにも拘らず︑林野政策の面では明治初期以来の官有地化政策は︑中・末期以降は公有地化政策となっ. てくりひろげられたのである︒昭和三〇年の調査によると︑部落有林野は少なくとも二︑二〇七千町以上とされ︑そ. のうち私有形態をとっているものは六五・八%であるが︑市町村有となっているものが実に二六・○%あり︑さらに ︵5︶ 財産区有が八・二%となっていることが注目される︒これらのうち公有形態のものは︑実質的には︑部落有でありな. がら形式的には公有であるということを意味する︒法制度の面では市町村その他地方公共団体の所有する財産として. 公法的規制に服せしめられながら︑社会的実態としては部落的統制が存続し︑入会慣習も従来のまま残存するものが. 多い︒また︑戦後になり一方的な行政的解釈によって財産区とされ︑住民の利用権を旧慣使用権︵地方自治法二三八.

(5) 条の六︶や︑地上権︑分収権︑賃借権︑使用権等の契約に基づく権利とされるものなどがあり︑管理面で地方公共団 ︵6︶ 体の公的コント・ールに服せしめられているものも多い︒. の営利法人. 林野の所有主体として最も資本主義的な所有形態である財閥資本やパルプ資本等の株式会社が所有するもののある. ことも農地と異なる重要な点である︒しかしまた︑部落有的実態をもちながらも所有形態としては合名・合資・株式. 等各種の会社形態をとるものも少なくないことが注目される︒最近の激しい民間ディヴェpッパーによる土地の集積. は前者の傾向に拍車をかけるものであるが︑後者はすでに大正年間に部落有林野の公有地への統一を避けるため実質 ︵7︶. 的な入会権者を出資者または株主とする会社形態を出現せしめており︑このことは林野所有の集団性を示す重要な特. 公益法人. 徴となっている︒. ◎. 部落有財産の収益を公益のためのみに支出することを目的として︑財団または社団の公益法人を設立することもま. た︑林野の所有形態としての特質をあらわしている︒財団法人とするか社団法人とするかはとくに区別されているわ. けではないが︑前者については理事の専横を防ぐため各小組代表の評議員会等でチエックしようとし︑後者について. は部落在住を条件とする入会権者を社員として従来の慣習を近代的集団による所有形態として維持しようとしている. のである︒ただこの形態をとると︑収益の配分を予定することができず︑否むしろ個人配分を排斥する目的で設立し. 一一九︵一一九︶. たのであるから︑林業経営に対する意欲はきわめて消極的にならざるを得ない︒したがって︑比較的小規模の林野に 林野をめぐる権利関係の特殊性.

(6) 論. 説︵黒木︶. 一二〇︵一二〇︶. 隈っては有効であるが︑大規模面積をかかえ収益の増収が見込まれるような林野においては︑公益法人形態ではかえ. 中間法人および任意組合. って部落住民または入会権者自身に還元さるべき利益を自ら排斥するため︑今日そのことが間題となっている部落は ︵8︶ 和歌山県等に多くみられ︑近代的権利形態としては問題を投げかけている︒. ㈹. 農民的仲間による林野の所有形態としてあげられるものには農業協同組合︑農事組合法人︑農業生産法人等である. が︑このほか森林組合︑生産森林組合等もあり︑海辺村落では漁業協同組合や漁業生産組合が林野を所有する場合も. 珍しくない︒これらの所有形態をとりながらも問題になるのは入会権の存否であろう︒近代的集団として法人や組合. の形態をとっていても︑入会権を他の個人的権利として転化したかまたは消滅せしめたことの明らかでない場合に ︵9︶. は︑依然として入会権の存続を認めなければならない事例が多い︒ここでも集団的権利と個人的権利の分離または統. 地方公共団体. 一が不明確なままで存在する︒. @. 林野の所有形態で最も特徴を示すものとしてさぎに村落共同体によるものを挙げたが︑そのなかで実質的には部落. 有でありながら形式的には市町村または財産区等の公有形態をとるもののあることを指摘した︒しかし︑もとより公. 有林野のすべてが今日でもなお実質的には部落有林野であるといいきれるものでないことはいうまでもない︒昭和三. 〇年一二月農林省統計調査部と林野庁とが行なった調査によると︑民有林野総面積一七︑六八九千町歩のうち都道府. 県有は八六七千町歩︑市町村有は二一〇七千町歩︑財産区有は六四六千町歩で︑この三者を合計した面積は三︑六二.

(7) ︵10︶. ○千町歩となり︑民有林野の二〇・五%を占める︒以上民有林野の二割以上を占める公有林野のうち都道府県有林野 ︵11︶. は︑北海道の約六三万町歩と山梨県の約一六万町歩に集中し︑共に特殊の事情によるものであり︑その他の府県につ. いては面積が小さい︒わけても市町村有林野は︑公有林野のうち中心的地位を占めており︑調査時期における林野所. 有の市町村数は三︑六一〇ヵ市町村となっており︑当時における市町村総数四︑八八一の七四%に達している︒この. ような市町村有林野の形成過程は︑主として江戸時代旧村持山であったものが明治以降の公有林野政策の結果によっ. ︵12︶. たものが多い︒とくに明治二二年の市制︑町村制施行とともに従来の入会林野を市町村有林野とし︑わずかに公法上. の規制のもとに旧慣使用権としてのみ認めようとする態度を示そうとしたことも重要である︒さらに明治四二年に始. まり昭和一四年に終る部落有林野整理統一事業は彪大な公有林野を形成せしめたが︑同時にそれは入会林野に重大な. 変化を与えた︒すなわち︑部落有林野整理統一事業に対する各部落の対応の仕方によって無条件的に入会権を放棄し. たり︑消滅させたりして市町村有に統合したものや財産区を設定したものがあり︑また所有権の主体は市町村として. 統合するが従来の部落による慣習的運営を尊重することの条件を付けて入会権を存続せしめたものがあり︑且つまた. 統合に絶対反対し公私有の明確でない部落有林野の実態を廃止して完全に私有化したもの︑あるいは登記名義を私権 ︵13︶. 的に代表者名義または記名共有とし︑実質的には従来と変わりない慣習によって共同体的統制のもとに入会林野とし て管理・運営しようとしたもの等である︒. 以上のように公有林野の形成過程は︑主として国の公有林野政策によるものが多いけれども︑地元住民による入会. 二二. ︵二二︶. 権がそのまま保障または存置されているとみられるものや︑地上権︑借地権︑分収権︑毛上採取権等の権利形態に変 林野をめぐる権利関係の特殊性.

(8) 論. 説︵黒木︶. 一二二︵一二二︶. 化しつつ部落住民に利用されているものも多い︒なお︑財産区有林野については市制︑町村制の施行に際し旧村持山. を市町村に統合し得ないため﹁市町村の一部﹂たる﹁区﹂による所有を制度上認めざるを得なかった旧財産区と︑戦. 後の町村合併促進法によって新市町村に旧市町村有財産が統合されることを排して地方自治法上の財産区として設置. 国. されたものの二種類があるが︑とくに前者に関しては公有林野として公法上の規制を受けるべきものであるかどうか ︵14︶ 疑わしいものも多く︑厳密にはむしろ地方自治法上の財産区ではないと判断されるものが多い︒ ㊦. つぎに︑林野所有の主体として国が重要な意味をもって登場する︒国有林野の総面積は七五二万町歩に及び︑うち. 人工造林の面積は二〇万町歩に達している︒国有林野の形成について主要な原因は明治初年の土地官民有区分によ. るものであった︒すなわち︑藩制下ではもともと所有権が成立しておらず︑藩主の所有とも農民の所有とも判断のつ. かぬ林野であったものに対して︑人民の所有たることを立証でぎなければ直ちに官有にしてしまうという政策であっ ︵15︶. たため︑本来は民有とさるべき部落有入会地の多くが官有地に編入されてしまった︒その後︑人民の激しい抵抗にあ. ったため︑その調整策として官民有区分の是正を行なうこととなったが︑明治二三年行政裁判所の開設と同時に﹁土. 地官民有区別の査定に関する﹂紛議は行政裁判所の担当事項となり︑さらに明治三二年国有土地森林原野下戻法が制. 定せられ︑下戻の申請を翌三三年六月末までに行なわしめ︑最終的には行政裁判所の判決によらしめることとなっ. た︒下戻の申請件数二万六百七十五件︑その面積は二百七万町歩に達した︒しかし︑そのうち許可されたものは一︑. 三三五件で六・五%にすぎず︑不許可数一九︑三四〇件のうち行政訴訟を起したものは僅か一割弱の一︑九二六件で.

(9) ︵16︶. ︵1︶. 林業の基本問題と基本対策︵解説版︶二三六頁︒塩谷・黒田編・林業の展開と山村経済︵お茶の水書房︶. 潮見俊隆編・日本林業と山林社会︵東大出版会︶とくに二〇九頁以下︒. あり︑そのうち二八二件︑五五︑七九〇町歩には許可されたが︑ 大部分は敗訴になっている︒. ︵2︶. 二一二頁以下に. 川島武宜編・注釈民法の︵有斐閣︶五三一頁︒なお︑村落共同体における形式的平等性および閉鎖性を論じたものに川島. は一九六〇年世界農林業セソサスに基く詳細な分析がおこなわれているが︑かなり統計数字はこれと異なっている︒. ﹁﹃ゲルマン的共同体﹄における﹃形式的平等性﹄の原理について﹂川島・松田編・国民経済の諸類型︵岩波書店︶および同. ︵3︶. 明治初期から中期にかけて展開された官有地への囲い込み政策は︑農民のつよい抵抗を受け︑明治三二年国有土地森林原. ﹁共同体分析のための若干の問題提起﹂川島・住谷編・共同体の比較史的研究︵アジア経済研究所︶がある︒. 一例を挙げればつぎのごとくである︒岐阜県吉城郡上. 野下戻法の制定をみるに至ったが︑すでに民有地たる立証資料のほとんどは提出したまま農民の手許から失われていたた. ︵4︶. め︑行政訴訟による農民側の勝訴を実現することは困なんであった︒. 宝村大字平湯外十七大字においては︑明治三七年五月一二日付を以て村内の全国有地を対象として下戻訴訟を提起したが︑. ﹁飛騨国二在リテハ検地ヲ受ヶ林役若ハ林銀ヲ定納シ又ハ特二民有二帰シタル山林二非サル山林ハ御林山即官有山林二属シ. 昭禰三年二月一四日付を以て︑左記のごとぎ簡単な理由によって地元側が敗訴している︒. 人民ハ或条件ノ下二山稼ヲ為シ或ハ毛上ノ採取ヲ為シ得タルニ過キサルモノト認ムヘキコトハ大正八年十二月二十三日宣告. ハ係争ノ山林二付検地ヲ受ヶ林役又ハ林銀ヲ定納シ其他特二民有二帰シタルコトヲ証スルニ足ル何等ノ証拠ヲ提出セサルカ. 当庁明治三十七年第八百四十二号国有林下戻不当処分取消請求事件ノ判決二於テ当裁判所力判示シタル所ノ如シ而シテ原告 故二其請求ハ之ヲ採用スルニ由ナシ﹂︵行判昭和三・二・一四︑行録三八輯一五六頁︶. なお︑右と同旨の判決二件︵行録三八輯一五一頁には岐阜県大野郡白川村大字尾神外十四大字︑一五三頁には同県同郡清. 見村大字森茂外五大字︶も︑旧幕藩体制下の飛騨の官山はすべて官有地であるという単純な推論に基づくものにすぎない︒. 一二三︵一二三︶. なお︑小林三衛・国有地入会権の研究九三頁以下には︑国有林野下戻しの実態について詳細な分析がおこなわれており︑. その不当なることは他の国有地と同様︑すでに多くの戦後の諸研究が実証している︒. 林野をめぐる権利関係の特殊性.

(10) ︵8︶. 説︵黒木︶. 一二四︵一二四︶. 一一四頁︒部落有林野の定義は必らずしも容易ではないが︑村落共同体によ. 和座一清﹁入会集団の営利法人化と株式会社. 公益法人の形態をとる林野のうち入会権の存在が認められるむのとそうでないものとがある︒入会林野の所有管理の権利. ︵7︶ 入会林野の管理主体として会社形態をとるものの実態と問題点については 形態﹂金沢法学一二巻一二一号参照︒. ︵6︶ 川島・潮見・渡辺編・入会権の解体皿は︑公有形態をとっている入会林野についてその実態と法律上の問題点を明らかに している︒渡辺洋三編著・入会と財産区︵勤草書房︶参照︒. ることを意味する︒福島正夫﹁入会林野の法と権利意識﹂プリント版参照︒. る規制を受けている入会林野であると考えれば形式的には公有であっても明らかに私権としての入会権の存在する林野であ. ︵5︶ 前掲︑林業の基本間題と基本対策︵解説版︶. 地券記載どおり︵旧︶村や大字の名義のままにしたものなど多種多様である︒古島敏雄編・日本林野制度の研究八八頁以下︒. の記名共有にしたり︑社寺有にしたり︑各種の法人形態にしたり︑あるいは所有権の保存登記をせずに放置し︑土地台帳上も. 部落住民がつよく反対し︑あくまでも私有権的意識を貫こうとした部落においては︑登記名義を代表者にしたり︑全権利者. いては︑それぞれの部落毎で従来の慣習的な部落共同体による規制が継続することになった︒しかし︑これらの統一政策に. 村有に統一された林野は︑その後部落住民の入会慣習が否定され市町村の直営地とされたが︑条件付で統一された林野につ. 部落の入会慣習を存置することを条件としてもなお市町村有に統一するための勧奨がおこなわれた︒そのため無条件で市町. る市町村の財政的基礎を固めるため市町村有として統一する政策がとられ︑でぎるだけ無条件で︑それがでぎない場合は各. に関する基本方針が農商務内務次官通牒﹁公有林野整理開発二関スル件﹂によって明示され︑部落有林野をそれらを管轄す. ただし︑民有地に区分処分された林野はもはや国有地に編入することはできなかった︒しかし明治四三年部落有林野統一. び岐阜県史・通史篇︵近代・中︑下︶には岐阜県における官有林設定の経過について詳述されている︒. れている︒また︑丹羽邦男コ畏木曾における官林設定過程﹂徳川林政史研究所紀要︵昭和四五年度︶二三乃至六四頁︑およ. 川善介・林野所有の形成と村の構造四四頁以下には︑飛騨における全山御林の実態が領主権力と百姓所持との関連で述べら. 様である︒さらに︑福島・潮見・渡辺編・林野入会権の本質と様相七九頁以下には︑岐阜県下における下戻のの概況が︑西. 岐阜県については一一一件の下戻し申請中九九件が却下され︑二一件が未決となっているが︑これらも後に取下げられた模. 論.

(11) 主体を公益法人とし︑収益はもっばら部落の共益公共費に支出することを定款や寄附行為に事業目的として掲げているもの. ても差支えない︒これらの公益法人は大正年間に設立されたものも多いが︑戦後になって設立されたものも決して少なくは. もあるが︑実態が入会集団による共同体的規制を受けている場合には︑公益法人を解散して私益を目的とする経営を行なっ. 北海道函館市銭亀沢町白崎部落では︑大正元年払下名義人たる石井弁蔵外五名の登記を行なったが︑その後合資会社石崎. あ︑近時はとくに入会林野近代化法の適用によって整備している事例が多い︒. ない︒ただし︑称歌山県のごとく入会林野の多くが公益法人化されている地域では︑入会収益の個人配分が困なんであるた. ︵9︶. 実行組合外六組合の名義に変更し︑翌二三年以来今日まで石崎農業協同組合の名義にしているが︑入会権の得喪等に関する. 植林組合として移転登記し︑さらに石崎漁業組合となり︑昭和一九年石崎部落会と名義を変更し︑昭和二二年石崎第一農業. 二三頁︒. 北海道は封建体制下においてすでに内地から﹁和人﹂が移住し村落共同体を形成したが︑その際彼らは内地の生活上不可. 公有林野調査会編・公有林野の実態とその問題点. 慣習上の規約は厳格に守られている︒川島・黒木・小林・武井・中尾共著・北海道部落有林野調査報告書二二頁︒. ︵11︶. ︵0 1︶. 地方制度が布かれたため内地と同様に論ずることはできない︒川島ほか︑前掲書二頁︒. 欠とされた部落集団組織をもちこみ再現しようとしたため︑入会権の成立を認めることはできるが︑同時に明治以後特殊な. セ. 二二一乃至二. また︑山梨県の場合は明治四四年広大な国有林野が県有に編入され︑その際帝室林野管理局は知事宛に﹁入会地上の権義. 関係は引渡当時の現況に依り継承せらるべき事﹂とする覚書を手交している︒川島ほか編・入会権の解体皿 む. 九二頁︒北条浩・御料林と農民︵宗文館︶参照︒. 市制︑町村制の施行は︑従来のむら持林野を地方公共団体としての市町村の管理所有に移管することを企図したが︑なお. 旧慣による林野の管理運営を無視することはできなかった︒町村制第八三条は﹁旧来ノ慣行二依リ町村住民中特二其町村有. ︵2 1︶. ノ土地物件ヲ使用スル権利ヲ有スル者アルトキハ町村会ノ議決ヲ経ルニ非レバ其旧慣ヲ改ムルコトヲ得ス﹂と規定し︑さら. に明治四四年次のように改正した︒すなわち︑第九〇条﹁旧来ノ慣行二依リ町村住民中特二財産又ハ営造物ヲ使用スル権利. 二一五︵二一五︶. ヲ有スル者アルトキハ其ノ旧慣二依ル旧慣ヲ変更又ハ廃止セムトスルトキハ町村会ノ議決ヲ経ヘシ﹂とし︑さらにこの規定 林野をめぐる権利関係の特殊性.

(12) 論. 説︵黒木︶. 一二六︵一二一C. る権利を有する者があるときは︑その旧慣による︒その旧慣を変更し︑叉は廃止しようとするときは︑市町村の議会の議決. は︑戦後の地方自治法に継承され︑同法第二三八条の六第一項は﹁旧来の慣行により市町村の住民中特に公有財産を使用す. を経なければならない﹂と規定している︒このように旧慣によって公有財産を使用する権利が︑その性質上市町村の住民た. の廃止さえできることとなる︒しかし︑慣習によって林野を部落住民が使用できる権利は︑その林野の所有が町村のもので. ることによって当然認められる権利であるという解釈をとれば公法上の権利となり︑また議会の議決によって一方的に旧慣. に公法上の手続たる議会の議決を経ただけでは可能でない︒旧慣使用権と呼ぶか否かに拘らず実質上は入会権に外ならない. あろうと私人のものであろうと民法上の入会権にほかならない︒したがって﹁旧慣を変更し︑叉は廃止しようと﹂しても単. から慣習を変更又は廃止するときは︑入会集団の決議機関︵通常は全員一致を原則とする総会︶の議決を要するものであ. る︒なお︑旧慣使用権に対して公権説と私権説を折衷しようとする見解も近時は行政機関内部の解釈としてあらわれてい. る︒久世公尭﹁旧慣と入会権について﹂地方財務四八号四九頁︒しかし︑行政実務家の見解は﹁旧慣による使用権は︑市町. その権利を喪失するものであるから︑入会権その他の権利とは性質を異にする︒従って︑仮りに︑入会権その他私法上の権. 村の住民たることにより認められる権利であって︑その性質は公法上の権利であり︑当該市町村の住民でなくなれば︑当然. ・組等の台帳名義になっていた林野に対し︑市町村条例を以て財産区を設置するとした事例が多い︒これらの財産区につい. 戦後の地方自治法は︑財産区に関する規定をその第四章︵第二九四乃至第二九七条︶に設けたので︑従来の大字・字・区. 潮見編︑前掲書一四五頁以下︒. ︵長野士郎・逐条地方自治法︵学陽書房︶五九六頁︶に代表される︒. 利と同様な内容を有するものであっても︑それは旧慣によるものである限り純然たる私法上の権利とすることはできない﹂. ︵13︶. ︵14︶. ては︑単に市町村や地元部落で財産区と自称しているだけで地方自治法の適用はないのが原則である︒. 小林三衛・国有地入会権の研究︵東大出版会︶参照︒. 自治省財政局調査課﹁財産区の概況︵昭和三八年四月現在︶﹂参照︒. 黒木﹁公有林野と入会林野近代化法﹂黒木・前掲書一〇三頁以下および前掲渡辺編著・入会と財産区参照︒. ︵15︶.

(13) ︵6 1︶. 利用関係の法律的性質. 川島ほか編︑前掲書五二頁以下︒. 三 ④ 利用権設定契約. 土地をめぐる所有権と利用権の対抗関係において︑土地所有権は次第に地代収取権と化し︑逆に利用権は次第に強. 化されるごとき立法政策が進展する過程のなかで︑土地所有権体系の近代化が展開されるという考え方のあることは. すでに述べた︒林野についてはどうであろうか︒林野については借地立法のように利用権を強化する立法政策はとら. れていないから︑林野の所有権者はそのまま林業経営者になっており︑所有と経営の分離は行なわれていないのでは ︵1︶ ないか︑という疑問が提出されたことがある︒しかし︑林業投資や林野利用の対象は︑必ずしも林野における土地所. 有権の取得に限られてはいない︒むしろ逆に︑林野における集団的利用慣行としては︑土地の所有権が誰に帰属しよ. うと地元村落住民は共同して天然生産物を採取する権利が保障されておればよいのであって︑農民生活上のかかる利 ︵2︶ 用権の保障こそは︑生活権と密着した重要な権利でさえあったのである︒もちろんこのような地元村落住民の利用権. は︑村山・村受山・庄山・村持秣草入会山・稼場・惣山などの呼称をもつ村持総有地として藩政時代にすでに確立し. ていたものが多い︒しかしまた︑耕地の附属地と考えられた農用林は面積が狭険であり︑隣村間の利用慣行が接触・. 交錯したため各地で入会紛争が激化した︒そこで︑各村の総代や村役間の協定によって村々入会が確立し︑林野入会. 一二七︵二一七︶. や水利をめぐって組合村を形成させたり︑一村入会地を貸借関係によって他村に開放する札山・卸山・請山・預山と 林野をめぐる権利関係の特殊性.

(14) 論. ︵3︶. 説︵黒木︶. 一二八︵一二八︶. 呼ぽれるものが成立した︒また︑これとは逆に︑林業の先進地帯では大和吉野地方にみられるごとき借地林業が行な. われ︑立木一代限とか六〇年︑九九九年︑永代等の有期または無期限の地上権を設定し︑地代は立木伐採後換価の時. 期に地元の地主と借主との間で分収するという方法がみられた︒吉野林業では収益の分収率は造林者が八乃至九割を ︵4︶ 収受し︑地代は歩口金と称してきわめて低いものであったが︑天竜林業においては五分五分の分収率であった︒この ような方法は︑明治︑大正においても各地で同様に行なわれている︒. また公有林野政策の遂行上︑部落有林野を市町村有または財産区等の公有地として統一したうえで慣習上の入会権. 者に対して地上権を設定させることもあった︒愛知県における公有林整理政策は明治三四年の公有林整理一五力年計. 画案の作成にはじまるが︑明治三八年五月二日各市郡長宛に通牒を発し︑﹁⁝⁝自治体の輩固を図る必要より見るも︑. 大字有及び区有に属する山林はその所有権を移すか︑または地上権を設定して︑町村をして経営せしむるを最も適当. なる措置と存候⁝⁝﹂とし︑さらにその後数年にわたり数回の部長通牒を以って公有林政策を強行に遂行するととも. に︑民間では﹁往々公有林の分割を企図するもの有之﹂といった事情を緩和するため公法的規制のもとに地上権・賃. しとせず﹂と指摘し︑﹁斯くの如きは全く公共財産た. 借権の設定を認めていった︒しかし明治四一年八月二九日内務部長の郡長宛通牒において﹁爾来尚往々濫りに公有林 の売却または分割等を企て︑これが処分の議を届出づるもの. る森林に対する根本義を曲解し︑これが整理施設の精神に相背馳する不合理なる企図と称せざるべからず﹂として︑. 強く﹁これ等を指導し訓諭し完全なる整理を遂行する﹂よう命じている︒したがって愛知県においては各部落の入会. 権者が公有地上に地上権を設定した事例が多く︑近時はこれが入会権たる性質をもっていることを確認した上で近代.

(15) ︵5︶ 化法による整備を切望する声も多い︒. つぎに︑分収造林契約として農民的利用権者が土地所有の如何に拘らず部分林を設定して立木を仕立てる方法があ. る︒この方法は︑すでに藩制時代の中期頃から林政に意を注いだ諸藩においてかなり重視された制度であり︑鹿児島. の部一山︑人吉の五歩指山︑飯肥の三部一山︑熊本の百姓植立山︑高知の植立林︑水戸の部一植立山︑南部の取分. 山︑秋田・仙台・会津諸藩の植立山︑盛岡の取分植立山などであった︒この部分林契約の法律的性質は︑近代法のも. とでは組合類似の債権上の無名契約とみられるが︑今日国有林野においてみられる部分林契約は︑一方の当事者が地. 元住民で慣行上の権利者と思われるものに対して締結されており︑それは国有林林産物の商品化に伴い地元住民に縁. ︵6︶. 故特売し︑または競争入札による売払いを行なって︑被収奪者たる彼らの不満を緩和する一連の政策によるものであ った︒. また一方︑林野の所有権は明らかに民有としての部落入会権者集団であるのに︑自主的造林のための資力も労働力. も欠くため放置せざるを得ない地方にあっては︑造林事業を国が行ない収益を地元住民と分収する方法として官行造. 林が行なわれている︒この官行造林においては︑国が地上権を設定しているが︑植栽した立木は国と土地所有者の共. 同所有と解されるため︑伐採木による収益の分収金は地代とはみられない︒なお︑近時︑官行造林は公団造林に︑地 ︵7︶ 方公共団体による造林は公社造林に切り替えられつつある︒ ω 入会権とその近代化. 一二九︵一二九︶. 入会権は慣習による村落共同体的統制によって林野を集団的に管理・運営する権利であり︑とくに共有的入会権に 林野をめぐる権利関係の特殊性.

(16) 論. 説︵黒木︶. 一三〇︵二二〇︶. おいては︑入会地盤における所有権と利用権が未分化の状態のままゲヴェーレ的に占有され利用されている権利形態 ︵8︶. であるから︑資本制社会における生産・流通に都合のよい権利形態としてはpーマ法的な所有権・地上権・賃借権等. の個人主義的近代的権利形態に転化せしめることが社会的にも法制度的にも要請される︒農民的利用権としての入会. 権は︑明治以降の資本制経済の発展によってその利用形態に著しい変化を来たし︑一方では公有地化政策が進行する. とともに︑他方ではこれに抵抗するため代表者や記名共有による登記名義によって私有財産的意識を公示し︑入会林. 野を私権として擁護しようと努力した︒しかし︑農業生産や生活様式の近代化は︑次第に入会的利用に急激な変化を ︵9︶. 加え︑さらに入会集団の統制的管理も集団構成員たる入会権者の範囲を包括的に把握することができなくなり︑集団. と個人との利害が対立するに至り︑いわゆる入会権の解体現象が生ずるようになった︒とくに昭和三五年以降におけ. る経済の高度成長は︑農民的生活を激変させ︑もはや入会権をそのままの前近代的権利形態で存置するよりもむしろ. 近代的権利としての所有権または地上権・賃借権等に転化した方が︑よりいっそう権利者の利益を安定せしめること ︵鉛︶. になるという認識に基づいて部落有林野をめぐる権利関係の近代化をはかる政策が進められ︑昭和四一年七月︑入会. 戒能通孝・入会の研究︵一粒社︶は︑とくに幕末および明治初期における入会権の行使が農民の生活権と密着していたこ. 前述の私法学会における広中俊雄教授の問題提起︒. 林野等に係る権利関係の近代化の助長に関する法律が制定されるに至った︒ ︵1︶. とについて多くの判例や紛争事例を収録している︒. ︵2︶. 林野庁編﹁徳川時代における林野制度の大要﹂︵林野共済会︶参照︒. ︵4︶ 潮見編・前提書三四三乃至三六四頁︒. ︵3︶.

(17) 潮見俊隆﹁国有林の法律問題﹂同・基地と農村の法社会学︵岩波書店︶︒. 中尾英俊﹁分収林契約﹂契約法大系N︵有斐閣︶︑同﹁分収造林制度の法律的性格﹂佐賀大法経論集八巻二号︒. 林野庁・日本林業発達史上巻 六四六頁以下︒. 黒木三郎﹁入会権と入会林野近代化法﹂黒木・前掲書五五頁以下︒. ︵5︶. ︵8︶. ︵7︶. 黒木﹁入会林野近代化法制定の意義﹂黒木・前掲書一頁以下︒. 渡辺洋三﹁解体する入会権﹂同・入会と法︵東大出版会︶︑潮見編・入会権の解体と農林業︵農政調査委員会︶参照︒. ︵6︶. ︵10︶. 入会権と村落共同体. ﹁慣習二従フ﹂の意味. 四. ︵9︶. ω. 入会権は︑民法第二六三条および第二九四条の双方の条文において﹁各地方ノ慣習二従フ﹂と規定しているが︑同. 時に︑前者においては﹁⁝⁝外本節ノ規定ヲ適用ス﹂︑後者においては﹁⁝⁝外本章ノ規定ヲ準用ス﹂と規定する︒. すなわち︑入会権については各地方の入会集団に慣習があれば当然それに従うが︑もし慣習が不明確であったり︑慣 ︵1︶. 習が消滅していれば︑前者については共有に関する民法第二編第三章第三節の規定を︑後者については同第六章地役. ︵2︶. 権の規定を︑それぞれ適用または準用する︑としている︒しかし︑入会権の存否にとって慣習は必要要件であるか. ら︑慣習のない入会権は存在しないこととなり︑共有または地役権の規定を適用または準用する余地はない︒ただ慣. 習が弛緩して不明確になることは︑入会権の解体現象が進捗すれば当然に生じるが︑入会権の存在は入会集団を必要. コ一= ︵二一二︶. 要件とするから集団総会の決議は弛緩した慣習を再確認または改正変更する権能をもっており︑﹁慣習二従フ﹂とは︑ 林野をめぐ る 権 利 関 係 の 特 殊 性.

(18) 論説︵黒木︶. 一三二︵一三二︶. ︵3︶ 全員一致の原則による総会の決議に従うことをも意味するものと考えられる︒. ⑭ 集団権と個別権 ︵4︶ 従来︑入会権は総有の性質をもつものであるから集団構成員の持分は存在しない︑というのが通説であった︒しか. し︑例えば︑分割利用権の譲渡が制限的に認められたり︑収益配当請求権が存在したりすることは︑入会集団構成員. の個別的権利︑すなわち持分権と考えてよい︒かくて入会権の総有的特質は︑まさにかかる個別権︑すなわち持分権 ︵5︶ が集団の入会財産に対する管理運営および処分に関する決定権と完全に融合している点にもとめられる︒. の 利用形態と利用目的の変化 ︵6︶. 入会林野に対する利用形態の変化は︑従来指摘されたように古典的利用形態から集団直轄利用形態・分割利用形態. ・契約利用形態へ変化してきた︒しかし同時に︑最近の顕著な事実は︑入会林野の利用目的が農林業利用から非農林. 業利用へと変化しつつあるということである︒そしてこの点は︑入会権の権利としての性質に重大な変化を与えるか. 否かの検討を迫まられている︒すなわち︑従来もっばら農林業の利用目的を自明の理としてきた入会林野が最近の経. 済高度成長の煽りをくって宅地・別荘・観光施設等に衣替えする現象がかなり一般化してぎたということである︒. 例えば︑従来の農林業用入会林野をそのままそっくリゴルフ場や観光施設等に貸し付けて賃料収入を目的とするよう. になったが︑なお集団は存続し︑集団による管理・運営は従来どおり継続しているものの集団構成員はすでに個別的. にも農林業世帯とはいい得ないという経済的変化がある場合︑彼らを入会権者と呼び︑すでに完全に非農林業利用に. 変化した土地を入会林野と称することができるであろうか︒ただこの場合もなお総有的性質は継続していると考えら.

(19) れるから︑敢えて入会権・入会集団・入会林野という用語を用いることなくしても︑入会権と同義的な総有権の存続. ︵諦. を認めることはできるのであるから︑これを入会権と呼ぶか否かの問題にとどまり︑権利としての性質に変わりはな. 林野をめぐる権利関係の特殊性. ち. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヘ. ち. ヤ. ヤ. 一三三︵二三5. ノ﹂であるから﹁其ノ名二於テ訴へ又ハ訴ヘラルルコト﹂が認められるのを原則としているが︑近時︑入会集団を構 ︵8︶ 成する入会権者全員の参加でなければ効力がないとする固有必要的共同訴訟説をとる判例が出現しているため︑訴訟. 今日︑入会集団は民事訴訟上の当事者能力としては民事訴訟法第四六条を準用し﹁代表者叉ハ管理人ノ定アルモ. 政単位としての権限を部落に与えないということとは必ずしも矛盾するものではない︒. 上の地方制度と私法上の財産制度とは質を異にするから地域的共同体たる村落に財産権の主体性を認めることは︑行. ヤ. て林野政策もまた村落共同体に対して林野の所有権等財産権の主体性を認めようとしなかったことに帰因する︒公法. なわち村落に主体性を認めず︑中央集権行政制度の必要上明治二一年の市制町村制の成立をみるに至り︑同時に併せ. 会集団が︑登記法上の登記能力を認められていない以上︑入会林野に対する財産権の主体としては地域共同体たる村 ヤ う 落名で登記をすることがでぎない︒それは明治中期以来の地方行政制度が徳川時代の地域的生活共同体たるむら︑す. 的財産権たる入会権の主体としての入会集団とは明らかに異なる︒しかし︑法人格をもたない村落共同体としての入. 区等でもない︒ただ区域的にはとくに後者と一致することもあるが︑地方自治制度︑すなわち公法上の行政単位と私. 入会権の主体たる村落共同体は︑普通地方公共団体としての市町村ではなく︑また特別地方公共団体としての財産. ◎ 村落共同体の法的性格と登記. ㌧.

(20) 論 説︵黒木︶. 二二四︵一三四︶. をめぐって構成員間に利害が対立する場合︑村落共同体の統一的意思や利益が害されるおそれがでてきている︒必要 ︵9︶ 的共同訴訟を以って入会権確認訴訟の当事者能力を論ずることは入会権紛争の実態に即さない議論というほかない︒. 入会集団たる村落共同体は︑入会権の主体である︒にも拘らず登記能力としての法的人格は与えられておらず︑且. つ入会権もまた登記をなし得る権利とはされていないから︑入会権の公示を登記に求めることはできない︒しかし︑. 入会林野の所有権が誰にあるかは当然に公示さるべきであるから︑入会集団の代表者たる個人名義または数名の共有. 名義としたり︑登記申請時期における入会権者の全員にょる記名共有としたり︑社寺名義︑名種の法人名義︑あるい. は大字や区等の名義で登記が認められていたり︑古くは旧村名義のものもあり︑またやむなく財産区にしたものや現. 在の町村名義を借りたもの等もあり︑さらに入会山の持色を示すものとしては︑例えば︑三重県菰野町に所在するも. のに千種村外ニケ村五ケ大字一二名で登記されており︑持分一万分の二六四〇︑一万分の二二七〇︑一万分の一一〇. 等と記載されているなど入会林野の登記名義は実に多様をきわめている︒したがって︑登記に関する限り︑現在の登. 記制度では入会林野の所有主体としての公信性はなく︑たかだか登記の時期における管理運営上の慣習を推測する手. がかりを与えるにすぎない︒これらの問題も︑村落共同体に対して法人格を認めるか︑または法人でなくても権利公. 示の主体としての登記能力を認めることによって︑入会地盤の所有権については公示が可能となる︒しかし︑入会権. は集団性と個別性が融合した権利であって楯の両面のごときものであり︑且つ入会権そのものの登記は認められてい ︵10︶ ないから︑地盤所有権の登記のみを入会集団に認めるとしても︑入会権を登記上公示したことになるわけではない︒. ㈹ 村落共同体の解体と権利者集団の再編成.

(21) 入会林野をかかえる村落共同体は︑明治以来︑資本主義の発展に伴って漸次に個人主義的傾向を強めると同時に生. 活様式の面でもイデオ・ギーの面でも共同体的集団性は弱化し︑入会林野の管理運営は無償賦役・公益費支出の原則. から次第に有傾労働︑収益の個人分配・持分の明確化とその譲渡性という傾向を強めてゆき︑集団的統制を弱めるに. ︵11︶. 至ってぎた︒これらの傾向を反映して︑入会紛争の特徴もまた入会林野の利用面をめぐる村落対村落の対立から︑次. 第に毛上および地盤の経済的価値をめぐって集団内外の個人と村落集団とが対立し紛争する事例が増加している︒こ. れは入会権が前近代的社会生活を反映した集団性と個別性の両面を同時に包含するという法的性格をもつことに起因. する︒したがって︑今目︑資本制社会における近代市民法の体系のなかにおいては︑林野の社会性に着目して社会法. 的構成を創出しなければならず︑そしてそれは前近代的性格をもつ入会権を消滅させて個人的権利に転化し︑その集. 団的側面を近代的な組合や法人として再編成するという方向をとらざるを得ない︒入会権の社会的な解体現象は︑好. むと好まざると︑また賛成すると反対するとに拘らず現実的に進行しており︑その結果︑集団権と個別権の統一的権. 利としての入会権は次第にその両者に分解しはじめており︑これを放置することによっては︑却って入会林野の利用. 川島編・前掲書五一〇頁︒. 我妻栄・物権法︵民法構義五︶ 二九四頁︒. 一三五︵一三五︶. 価値においても担保価値においても︑権利者に不利益を生ずることとなり︑且つその商品価値においては集団にとっ ︵皿︶ ても個人にとっても︑甚しい損失をもたらすことになるであろう︒. ︵1︶. 中尾英俊・入会林野の法律問題 ︵勤草書房︶九〇頁︒. ︵2ノ ︵3︶. 林野をめぐる権利関係の特殊性.

(22) 川島武宜・民法1︵総論・物権︶︵有斐閣︶二六⁝頁は前説を批判し改説している︒なお川島編.前掲書五一五頁︒. 松坂佐一・民法提要物権法一五二頁︒舟橋諄一・物権法四八八頁︒川島武宜・所有権法の理論︵岩波書店︶二〇三頁︒. ︵一三山ハ︶. ︵4︶. 輔#エハ. ︵5︶. 石田文次郎・土地総有権史論︵岩波書店︶︑中田薫﹁徳川時代に於ける村の人格﹂﹁明治初年に於ける村の人格﹂﹁明治初. 川島ほか編・入会権の解体1︵岩波書店︶参照︒. 説︵黒木︶. ︵6︶. ︵8︶. 黒木﹁入会権と入会林野近代化法﹂同︑前掲書八○頁︒. 川島ほか編・解体皿五三八頁以下︒五十部豊久﹁必要的共同訴訟と二つの紛争類型﹂民事訴訟雑誌一二号︒. 最高裁判昭和四一年一一月二五日民集二〇巻九号一九一二頁︒. 黒木﹁入会権近代化の前後における若干の問題点﹂潮見・渡辺編・法社会の現代的課題︵岩波書店︶. ジャ!ナル一号五一頁︒. 一四六頁︒. 中尾英俊﹁入会権と裁判﹂日本法社会学会編・現代日本社会と法二頁︒川島武宜﹁最近における入会紛争の特質﹂現代法. ︵9︶. ︵箪︶. ︵11︶. ︵10︶. 有金整理と村落構造の展開!千葉県安房郡三芳村の場合ー﹂村落社会研究第八集八四頁以下︒. るから︑客体あるいは利用目的の変化によって入会権符総有権は相互移行の関係にあるとみるべきであろう︒白井宏明﹁共. ことは可能であろう︒入会権は農林業上の利用に供された土地に対する法概念であるが︑なおその権利の性質上総有権であ. る︒そして︑その金銭で全く新しく別の林野を買収し農林的利用をはじめた場合︑その林野に対して入会権の存在を認める. ることに変りはなく︑ただ客体たる土地が金銭に転化したにすぎないから︑その金銭は従来の権利主体に総有的に帰属す. 合︑もはや権利の客体は土地ではないから入会権の概念を適用することはできない︒しかし︑権利の主体が村落共同体であ. た場同︑入会権の概念をそのまま認める必要があるであろうか︒また︑入会地を売却し金銭として部落集団が総有する場. うものはない︒しかし︑入会権の客体が非農林的利用例えばゴルフ場等に供されたり数十年問も放置されたり︑宅地化され. 年の入会権﹂同・法制史論集第二巻︵岩波書店︶参照︒入会権が総有的性質をもっていることは今臼の学説.判例ともに疑. ︵7︶. 論.

(23) 五. 今後の課題. ︵1︶ 昭和四一年に制定された入会林野近代化法の意義と実施上の課題については他に論じたから割愛する︒入会権の解. 体現象を法的側面から促進する機能をもった入会林野近代化法の適用によって︑入会権のもつ総有的集団性は消滅. し︑近代的個人的権利に転化する︒しかし︑前近代的生活様式を脱却しない部落集団においては︑生産森林組合︑有. 限会社等々の近代的法形態に衣替えはしたものの従来同様に農林業利用の自営的能力を欠き︑また法制度上の客観的. 条件にも乏しいため︑非農林業的に利用したり︑未利用状態が放置したり︑せいぜい造林公社等に委託して植林する ︵2︶ か︑揚句の果ては民間ディヴェ・ッパーに貸与または売却するという事態の起こり得ることも推測できょう︒近代化. 法の実施を経済的に保障するためには長期無利子の造林資金を融資するか︑または造林補助金を支出して近代法的な ︵3︶ 集団形態に農林業を自営せしめるための強力な政策を期待せざるを得ない︒しかしさらに問題となるのは︑近代化法. は各集団ごとに入会権者全員の合意によってのみその適用を受け得るのであって︑総有的性質をもつ入会権の権利者. の意思を尊重しているとはいうものの︑集団内に前近代的非合理的対立感情があったり︑非農林業上の利用目的とし. たり︑売却を目的とする権利の近代化であったりする場合においては︑近代化法の適用は受けられないわけであるか. ら︑法による助成を受けることなく自力で権利を近代化する道を辿らざるを得ない︒けだし近代化法が農林業上の経 ︵4︶. 営を安定させ︑入会林野の高度利用を目的としている限り当然のことであろう︒近代化法を適用して入会権を近代化. ニニ七︵ニニ七︶. する入会集団は年々増加しつつある︒しかし︑ここ数年以内に全国の入会林野に適用されるという保障はないし︑近 林野をめぐる権利関係の特殊性.

(24) 療冊. 説︵黒木︶. 二二八︵二二八︶. ︵2︶. 地域開発は︑利用度の低い入会林野を買収の目的として選択し︑別荘地・観光地・ゴルフ場等として収益率の高い非農林. 前掲注に引用した私の論文および﹁入会林野近代化法の実施過程﹂黒木・前掲書二五頁以下︒. 示せば︑次表のごとくである︒. ︵4︶ 入会林野近代化法の適用によって入野林野が整備された実績を昭和四九年三月三一日現在の林野庁資料で年度別地方別に. 何よりも有利な条件による造林融資を保障し︑林業協同経営の保護政策をとることであろう︒. 然的危険性が多く且つ流通経済の景気変動に即応し得ない体質をもった林業経営にとっては︑高度利用の増進目的としては. 目的として権利関係の近代化を助長するための法律であったが︑基幹労働力の乏しい山村で長期の投資を要し風水害等の自. ︵3︶ ﹁入会林野等に係る権利関係の近代化の助長に関する法律﹂︵昭和四一年法律第一二六号︶は︑入会林野の高度利用増進を. 等の便宜的方 法 が と ら れ る こ と も あ る ︒. をおこない競売手続をとることによって第三者に取得せしめ移転登記をおこなった後に︑かかる第三者と︑売買契約をする. なんな場合が多い︒したがって︑例えば公路設営等について地方公共団体や国が買収する場合には︑固定資産税の滞納処分. にも拘らず登記簿上は移転義務者とされるため︑真実の権利者間に有効な移転がなされていても登記上の移転がぎわめて困. 代の相続がおこなわれており︑具つ離村失権の慣習上規約にもとずいて所有名義人の相続人らが多数入会権を喪失している. 有効である︒しかし移転登記に当って︑明治中末期や大正年間に数十名または百数十名で記名共有されているが︑すでに数. 名共有になっている場合である︒売買契約は︑現在の共有的入会権者集団の構成員全員の合意の下に行われた場合もとより. 的利用に転化しているが︑買収に際しての最大の難点は入会地の登記名義が多数の失権者を含む数十年前の所有名義人の記. ︵1︶. 明らかになるであろう︒. し︑当然に法的保障を受け得るのであるから︑近代化された権利と入会権との優劣は具体的事例についてあと数年で. 代化してもその後の実績があがらないとなると︑近代化の延び率は停滞する︒民法の改正がない限り入会権は存在. 芸ム、.

(25) 数. 東. ゴヒ. 原野. 千ha. 千ha. 109,909 1,579.7 16,258. 18,946. 北陸6,767 海. 12,289. 近. 畿. 16,804. 5,956. 九州17,616. 1. 面積 千ha 1,457.7. 592.7. 3,341. 435.7. 29.1. 268.5. 1,975. 192.0. 23.1. 179.5. 1,228. 133.8. 17.1. 184.0. 1,550. 132.2. 35.4. 302.1. 2,926. 219.3. 52.5. 204.9. 1,918. 141.1. 58.2. 4.7. 2.. 国. 2.3. 中国15,326. 事業体数. 慮琶』554。. 200.8. 1.. 軌. 亀. 東. 計. 451.3. 6︒ε. 関東・東山. 1. 山林. 88.5. 241.1. 654 1,946. 39.4 164.3. 四捨五入等の関係から,積み上げの計は必ずしも一致しない。. (2)入会林野等整備の実績. 度 別. 9. 109. 167 197 211. 255. 239 1,187. 622. 北山陸海畿国国州. 東関北東近中四九. 地方別累計. コニ九︵コ ヴ. 数 (爾. 648 500 29 27 15. 計. 九. 件. 市町村数. 束 24 344 54 64 7 8 4 4 東. 年. 区分. 13 229 304 345 408 445 403. 2,147. 121. 面. 積. 1件当り面積. (ah). (ha). 3,560. 274. 23,632. 103. 26,385 35,579. 87 103. 33,832. 83. 42り515. 96. 42,675. 208,178 10,384. 106. 97 86. 5,020. 122. 40. 9,318. 233. 14. 4,607. 329. 47. 3,305. 70. 40. 2,703. 68. 13. 1,406. 108. 87. 5,932. 68. 41. (注) 1.面積の各地方別数と合計とは,必ずしも一致しない。 リ 2.市町村数の計および地方別数は延数である。. OAU. 数. (注). 象. 業の. 総. 四. 対. ちあ. 積. 面. 備. (左のうち1事業体10. 事業体数. 94497366 9 323 115 2166555. 林野をめぐる権利関係の特殊性. 区分. 整. 数. の以. 総. 整佐第. (1)入会林野等整備対象総数内訳.

(26) (3〉整備前の所有名義の状況(累計) 事. 字. 団. 社. 会. 共. 個. 体. 寺. 社. 有. 人. 3. 9 187 29 22 7 1 1 1 0.8 A Q 比率(%)1馴乳6一乳11・1 (1. (注). 200. ワ. 1∩ 匿 10.5. 2.9o り. 名義は土地台帳または登記されている名義により分類した。. (4)整備前後の土地利用目的別面積(累計). 区. 総数 (ha). 分. 26,747. 17,101. 15,415. 1,297. 98gol駄874. L871. 24,376. 102. 1 14 15. 11. 43,577 11,332. 0. 26,738. 389. 16. 0. 23,849. 23,381. 451. 17. 208,178. 198,239. 9,471. 100. 95.2. 4.6. 109. 16,986. 16. 9,874. 398. 23,426. 468 205,541 0.2. 2,526. 98.7. 1.2. 1.「ojは0.5ha未満,「一」は該当しない。. 2.面積の各地方別数と合計とは,必ずしも一致しない。 (5)整備前後の利用および経営形態(累計). 区. 分. 32.5. 37.1. 26.3. ●. 100. 4. 比率(%). 208,178. 整備前の利用形態 共同 直割 分割 契約 77,257 54,885 67,593 8. 整備後の経営形態. 協業1個別 130,670 1 77,508 62,8. 37。2. 四〇︵一四〇︶. 34 1 4. 面積(ha). 総数. その他. 乙1. (注). 26,758. 後(ha). 農用地. 49,231. 47. 1((. 1. 計. 126. 1 13 11. 11,348111,288. 2 1. 7,556. 10q説 璽 朱 ) 5. 43,602. 備. 林地. 論. 84125 6051 1. 北東山陸海畿国国州. 東関東北東近中四九. 51,160. 11;講欝. 比率(%). 整. 整 備 前(ha) 林地i農用地 その他. 計. 77 2,641. 276. 1,338 民1 ( 51.0. 久. そ. の他. 産区. 財. ︵区︶. 市旧 市 区 分町 町 村村4 )OO 件数(延). 務組A口. へ日市町樗. ド.

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