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角柱橋脚隅角部の板組みと固有内在きず(1)

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Academic year: 2022

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角柱橋脚隅角部の板組みと固有内在きず(1)

首都高技術センター 正会員 小西拓洋 東工大教授 フェロー三木千寿 首都高技術センター 正会員 山田敦 首都公団 正会員 青木敬幸 1.概要

首都高速道路の鋼製橋脚隅角部に疲労亀裂が発見され,詳細な調査と補修補強の方法が検討されている.約2200 の鋼製橋脚のうちの566 脚の隅角に損傷が発見され,損傷溶接部の切削,穿孔,製作過程の調査を含む詳細調査 が行われ,亀裂は隅角の溶接部に内在する未溶着,不完全溶込みなどの空隙,溶接内に残されたメタルタッチを 起点として広が特徴が明らかとなった.これら調査結果に基づき損傷データベースが作成され損傷データの体系 的な分析が行われた.その概要を報告する.

2. 板組みと固有内在きず

隅角部の損傷は1997年頃から報告が上がりはじめ,98年より2011基の脚の集中的な調査が開始され,566脚 になんらかの亀裂損傷が発見された.この結果に基づいて損傷の分析,補修方法の検討がなされたが,本報告で は20以上の橋脚板組み形式のうち,代表的な2種の板組みに発生する亀裂を取り上げる.これら損傷の特徴は亀 裂の起点が溶接の表面ではなく内部である点がこれまでの鋼橋の亀裂損傷と大きく異なり,調査の結果亀裂起点 は溶接内部の不完全な溶込みである可能性が高い.これらの不完全溶込みは,必ずしも不完全な施工により生じ るわけではなく,板組み,溶接手順,開先形状などの設計製作条件により生じてしまう「本質的内在きず」と考 えることが出来る.首都高速の鋼製橋脚隅角部の分類を表-1 に示す.標記の英字は,柱梁の順でコバの見える部 材(勝ち部材)を示し,例えば WFは柱のウェブ,梁のフランジの板コバが見える板組みであることを示してい る.隅角部の板交差部に角鋼(スクエアバー)を使用した板組みも存在し,Sで標記する.

3.角柱橋脚の隅角部損傷事例 (1)WWタイプ

WWタイプの板組みの隅角部亀裂と切削結果を図-1に示す.亀裂の原因究明にあったってっは,亀裂を研削し亀 裂の起点を調査している.図-1 の亀裂は溶接内部の空隙状の欠陥を起点として進展したものである.隅角部コー ナーは応力集中が高く活荷重応力が大きければ小さな溶接欠陥からでも亀裂が発生する.図-2 は表面の亀裂を切 削した結果,開先の組み合わせにより生じる未溶着部に達した事例である.WWの板組みにおいては図-3の模型 で示す三角柱状の未溶着が3溶接線の交差部に残され,これを特にデルタゾーンとよぶ.デルタゾーンは溶接の 始終端に位置し,溶接欠陥が多く,応力集中箇所であることから,角柱における主要な亀裂の発生箇所ととらえ ている.図-4にWWタイプに発生する亀裂パターンとその割合を示すが,デルタゾーン周辺に亀裂損傷が集中し ていることが分かる.このようなデルタゾーンの形状,広がりは板組みと溶接開先により変化するため,製作方 法,組み立て手順によりさまざまな未溶着形状が残されると考えられる.

(2)WFタイプ

図-5に示すWFタイプの隅角部で梁フランジ,ウェブに磁粉探傷による指示が見られた.補強材を取り付け,

ウェブ面を4mm切削したところ梁フランジの板コバが表れた(図-5右).本隅角では開先をほとんど取らず,フ ランジのルートフェースをウェブコバに面接触させる構造としたことから,この未溶着部分から亀裂が進展した と考えられる.本事例ではウェブの切欠き部から母材方向にも亀裂が進展していることが確認できている.図-6 は別事例でウェブ面を切削すると開先部の大きな未溶着が出現した.本事例では梁内面側にも亀裂は進展してい た.デルタゾーンの未溶着は隣接する十字溶接,角溶接などのルートと連続しており亀裂は全方向に広がる可能

キーワード:鋼製橋脚,疲労き裂,板組み,未溶着

連絡先:(財)首都高速道路技術センター(東京都港区虎ノ門3-10-11虎ノ門PFビル tel 03-3578-5757)

土木学会第58回年次学術講演会(平成15年9月)

‑843‑

I‑422

(2)

性がある.WF タイプの板組みでは図-3 右に示すように,梁フランジとウェブに挟まれた開先の溶接が困難とな り,新たなデルタゾーンが生じる.

4.まとめ(鋼製橋脚隅角部亀裂の特徴)

①デルタゾーン,面接触部など,板組み,組み立て手順に固有な内在未溶着が,隅角コーナーに存在し隅角部疲 労亀裂の大きな原因となっている.②内在未溶着から発生する亀裂は,表面に表れた時点では内部で更に大きく 広がっている.③補修を考えた場合に,亀裂先端を完全に除去しなければ小さな応力でも,亀裂は進展を続ける ことから,調査では内在未溶着と亀裂の範囲を特定することが重要となる.④首都高の橋脚に対する詳細調査結 果は他論文に投稿中である.

図-1: WW 亀裂の切削(梁上フランジ側)

-4(a): WW亀裂パターン

図-4(b): WWパターン別亀裂発生率

図-3: WW ・WFタイプ内在未溶着

-6: WF亀裂部の切削事例2 -5: WF亀裂事例1

2: WW 亀裂部の切削(梁下フランジ側)

WWタイプ(124隅角215例)

6%

23%

18%

46%

3%

3%

1%

1.角溶接 2.ウェブコバ余盛 3.Δ-角溶接 5.Δ-フラン ジ側 6.前面ビ ー ド止端 7.前面ビ ー ド上 12.突合せ面

①角溶接

⑤Δ-FLG側

②WEBコバ余盛

③Δ-角溶接

⑥⑦前面ビード ①角溶接

①角溶接

⑤Δ-FLG側

②WEBコバ余盛

③Δ-角溶接

⑥⑦前面ビード ①角溶接

土木学会第58回年次学術講演会(平成15年9月)

‑844‑

I‑422

参照

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