• 検索結果がありません。

地下鉄における新たなレール塗油手法の検証

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "地下鉄における新たなレール塗油手法の検証"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

地下鉄における新たなレール塗油手法の検証

東京地下鉄(株)  ○正会員  武藤  義彦 東京地下鉄(株)      小林  実  東京地下鉄(株)      星野  雅彦

1.はじめに

  当社は、8路線183.2kmの営業路線を有するが、各路線は東京都心の地下鉄道網のため、用地等の理由に

より半径800m未満の曲線が約40%を占めている。曲線では、レールと車輪フランジ接触によるレール側面

摩耗とフランジ直立摩耗の抑制を目的として、昭和2年の銀座線開業当時から人力による塗油作業(油の手 付け)を開始し、昭和 29 年頃にこれを曲線進入部の外軌レール側にアラジン塗油器を設置することにより 自動地上塗油とした。その後、レール塗油器の機種も改良され、現在では摩耗抑制用として外軌側、きしみ 音抑制用として内軌レール側に設置している1)

  今回、曲線で発生する摩耗及びきしみ音発生の要因である車輪とレール間における摩擦に着目し、摩擦力 の低減を目的とした横圧低減について検討した結果を報告する。

2.横圧発生のメカニズム

横圧(フランジ反力)

横圧(横クリープ力)

縦クリープ力 進行方向 アタック角

-5.0 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0

kN

カント 外軌 内軌 R=255

C=83 S=4 ECC BCC

CCL=93m

BTC ETC

進行方向

塗油器

横圧 カント

80

40

60

20

-5.0 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0

kN

カント 外軌 内軌 R=255

C=83 S=4 ECC BCC

CCL=93m

BTC ETC

進行方向

塗油器

横圧 カント

80

40

60

20 -5.0

0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0

kN

カント 外軌 内軌 ECC

BCC

CCL=93m

BTC ETC

進行方向

塗油器

最大横圧

横圧 カント

80

40

60

20 R=255

C=83 S=4

-5.0 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0

kN

カント 外軌 内軌 ECC

BCC

CCL=93m

BTC ETC

進行方向

塗油器

最大横圧

横圧 カント

80

40

60

20 R=255

C=83 S=4

曲線を通過する際の前輪軸は操舵不足により、車輪フラ ンジと外軌レールの間にアタック角と呼ばれる角度が付く。

アタック角は車輪とレールの間に横方向のすべりを横方向 を発生させ、これが横圧をもたらす。(図−1)

3.走行試験による横圧の確認

  進行方向、最後尾車両の前軸に輪重・横圧(PQ)測定 ゲージを取付け、夜間試験走行を実施したところ横圧の高

い地点が確認された。(図−2)この箇所の軌道条件は60        図−1  車輪からレールへの作用力 kgレール、R=255、C=83㎜、塗油器は曲線進入部の摩耗

抑制用として外軌側、きしみ音抑制用として内軌側に設置 されている。また、測定結果から横圧の高い地点での内外 軌レールの横圧を比較すると、外軌側より内軌側の横圧が 高いことが確認された。

横圧の発生要因であるレールと車輪に発生する摩擦力を 低減させるためには、内軌レール頭頂面への潤滑が効果的

であるとされていることから2)、外軌側塗油器を停止させ      図―2  横圧測定結果 内軌側塗油状態での夜間走行試験を行い横圧の変化を確認

したところ、内外軌レールの横圧が低減することが確認さ れた。(図−3) 最大横圧値が確認された位置で比較する と外軌レールでは19.9kNから1.8kNと91%減少し、 内 軌レールでは22.9kNから1.5kNと93%減少した。

また、車軸に発生するネジリ力も同時に測定し、内軌塗 油状態ではネジリ力の低減も確認された。       

      図−3  内軌塗油状態での横圧測定結果 キーワード  レール塗油器、内軌レール塗油、横圧、摩擦係数

〒110-8614  東京都台東区東上野3-19-6  東京地下鉄(株)TEL03-3837-7092 FAX03-3837-7171 土木学会第60回年次学術講演会(平成17年9月)

-209- 4-105

(2)

4.地上測定

  連続して通過する車両の横圧発生状態を確認するために

BIT

ETC ECC

EIT CCL=36m R=160 C=36 S=8

塗油器 進行方向

R=500

C=12 S=0 横圧測定位置

42m

地上側のレールに横圧測定ゲージを取り付け、測定を実施 した。この箇所の軌道条件は60kgレール、R=160、C=60

㎜、塗油器の状態は摩耗抑制用として外軌側に設置されて いる。(図−4) 内外軌それぞれの塗油状態の効果を明ら かにするために、始めに外軌塗油状態で測定し、その後、

外軌の塗油器を取外し、外軌レールに付着した油を除去後      図−4  地上測定区間線形図

外軌レール横圧

0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0 45.0

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

kN 外軌塗油

内軌塗油

塗油器を内軌に設置して横圧の測定を行った。

  始電から連続して20本(5時〜9時)の通過列車の横 圧を測定し、比較した。外軌レールでの外軌塗油状態の横 圧値は最大値40.8kN.最小値11.4kN.平均値25.7kN であ り、内軌塗油状態では最大値12.2kN.最小値5.2kN. 平均

値8.3kNに低減した。(図−5)内軌レールでの外軌塗油

状態では最大値29.9kN.最小値7.8kN.平均値19.0kNあり

内軌塗油状態では最大値7.7kN.最小値2.7kN.平均値4.7k        図−5  外軌レールの横圧比較

内軌レール横圧

0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0 45.0

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

Nと低減した。(図−6)     

5.摩擦係数の調査

  レールトリボメータを使用してレール摩擦係数の変化を

を調査した。測定は列車通過直後に行い、内軌ではレール 外軌塗油

内軌塗油

kN

頭頂面の接触位置、外軌ではゲージコーナー部で測定した。

内軌レールでの摩擦係数を塗油状態で比較すると内軌塗 油状態での摩擦係数の低下が確認された。(図−7) また

外軌レールでの摩擦係数は内軌塗油時において外軌レール        図−6  内軌レールの横圧比較 に塗油をしていないのにも関わらずゲージコーナー部には

0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0

22:01 22:11

22:30 22:44

22:50 23:02

23:11 23:24

23:31

摩擦係

外軌塗油 内軌塗油

22:00 22:30 23:00 23:30

時刻 0.0

0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0

22:01 22:11

22:30 22:44

22:50 23:02

23:11 23:24

23:31

摩擦係

外軌塗油 内軌塗油

22:00 22:30 23:00 23:30

時刻

通過する車両からの油の持込により付着したため、摩擦係 数の変化はなかった。

6.まとめ

  今回の調査は車両側と地上側から横圧の低減について調 査を実施したところ、内軌レールにおける車輪とレール間 に発生する摩擦力を塗油により低下させることで内外軌レ

ールに発生する横圧の低減が実現されることが確認された。      図−7  内軌レールの摩擦係数比較 今後の課題として、地上側における塗油を含めた安定し

た潤滑材の供給方法やアタック角の変化、車輪の滑走スリップ、横圧低下がレールに与える効果等の調査を 実施する必要がある。

また、レール及びフランジ摩耗の抑制、波状摩耗の抑制効果等の評価を行い、従来の車輪とレールの接触 による摩耗抑制を目的としたレール塗油管理から横圧の低減を目的とした潤滑材管理手法の確立に向けた検 討を行う必要がある。

【参考文献】

1)  桜庭隆:“地下鉄におけるレール塗油”新線路(1996.5)

2) 国土交通省鉄道局技術企画課、財団法人鉄道総合技術研究所:“急曲線における低速域での乗り上がり

脱線等の防止に関する検討会報告書”103−106(2004.3)

土木学会第60回年次学術講演会(平成17年9月)

-210- 4-105

参照

関連したドキュメント

4.点検箇所および点検方法 点検箇所図を図-4 に示す.点検対象である川崎航路トンネル 7 継手及び多摩川トンネルの 10 継手の内,各 2

新型コロナウイルス感染症に係る緊急の改訂 等があり、稼働に関して十分な検証が行えな かったために不具合などの修正対応が発生

急勾配海底条件下における防波堤の法止めブロックの 耐波安定性に関する検討 Stability of Toe Protection Blocks for Breakwaters under Steep Foreshore Conditions

DMG3 については RCV において計測されたデータをそれぞれ 訓練データとした.なお,帰無仮説の妥当性を検証するため INT および RCV のそれぞれについて一個抜き交差検証法によって 得られた

2 レール長手方向載荷試験 レール長手方向荷重に対する道床コンクリートの耐力を確認するため、図 2bに示すまくらぎ 4

The most utilized flood runoff model for engineering applications in Japan is based on the storage- discharge function of the type S=kQ p. The parameters p and k vary

従来工法は,工場でスパイラル状に加工した高張 力鉄筋(SBPD 1275/ 1420)を用いて既設柱に人力で 巻立てる工法である.鉄筋の継手が重ね継手のため

[r]