• 検索結果がありません。

平成24年度 相談支援センター相談員基礎研修(2) 肝がん 国立がん研究センター中央病院 肝胆膵腫瘍科 近藤 俊輔 2 肝がんとは 肝がんとは 転移性肝がんとは 肝がんには大きく分けて 2つ 原発性肝がんと転 移性肝がんがあります 原発性肝がんは 肝臓か ら発生したがんのことで す 肝臓を形作る細胞

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "平成24年度 相談支援センター相談員基礎研修(2) 肝がん 国立がん研究センター中央病院 肝胆膵腫瘍科 近藤 俊輔 2 肝がんとは 肝がんとは 転移性肝がんとは 肝がんには大きく分けて 2つ 原発性肝がんと転 移性肝がんがあります 原発性肝がんは 肝臓か ら発生したがんのことで す 肝臓を形作る細胞"

Copied!
9
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

肝がん

近藤 俊輔

国立がん研究センター中央病院

肝胆膵腫瘍科 肝胆膵内科

(2)

平成24年度

相談支援センター

相談員

基礎研修(2)

国立がん研究センター中央病院

肝胆膵腫瘍科 近藤 俊輔

肝がん

2

肝がんとは

肝臓は、成人で800~1,200gと体内最大の臓器です。

3

肝がんとは

肝がんには大きく分けて

2つ、原発性肝がんと転

移性肝がんがあります。

原発性肝がんは、肝臓か

ら発生したがんのことで

す。肝臓を形作る細胞が

がん化して腫瘍を形成し

たものです。

転移性肝がんとは

4

肝がんとは

94%

4% 2%

HCC CCC Others

原発性肝がんは、

肝細胞がん

(HCC)が約90%、胆管細

胞がん(CCC)が約5%

を占

め、残りには、小児の肝がん

である肝細胞芽腫、成人での

肝細胞・胆管細胞混合がん、

未分化がん、胆管嚢胞腺(た

んかんのうほうせん)がん、

カルチノイド腫瘍などのごく

まれながんが含まれます。

5

肝がんの疫学

CA Cancer J Clin 2005

6

(3)

肝がんの疫学

罹患者数 死亡者数 死亡者数/罹患者数 1 胃 117137 1 肺 62063 1 膵臓 92% 2 大腸 104734 2 胃 50311 2 胆嚢・胆管 89% 3 肺 83881 3 大腸 41097 3 多発性骨髄腫 88% 4 乳房 50695 4 肝臓 34268 4 肝臓 81% 5 前立腺 42997 5 膵臓 22927 5 白血病 81% 6 肝臓 42194 6 胆嚢・胆管 16586 6 肺 74% 7 子宮 25424 7 食道 11182 7 食道 64% 8 膵臓 24799 8 乳房 10721 8 卵巣 54% 9 胆嚢・胆管 18636 9 前立腺 9265 9 口腔・咽頭 52% 10 食道 17496 10 悪性リンパ腫 8580 10 悪性リンパ腫 50% 11 悪性リンパ腫 16991 11 白血病 7283 11 胃 43% 12 膀胱 16477 12 腎など 6132 12 腎など 42% 13 腎など 14642 13 膀胱 6029 13 大腸 39% 14 口腔・咽頭 10915 14 口腔・咽頭 5679 14 膀胱 37% 15 甲状腺 9219 15 子宮 5381 15 脳・中枢神経系 33% 16 皮膚 9140 16 卵巣 4467 16 喉頭 26% 17 白血病 9032 17 多発性骨髄腫 3889 17 前立腺 22% 18 卵巣 8304 18 脳・中枢神経系 1656 18 子宮 21% 19 脳・中枢神経系 5063 19 甲状腺 1470 19 乳房 21% 20 多発性骨髄腫 4413 20 皮膚 1207 20 甲状腺 16% 21 喉頭 4117 21 喉頭 1090 21 皮膚 13%

7

肝がん年齢調整死亡率

8

肝細胞がんのリスク因子

HCV抗体 陽性 64% HBV抗原 陽性 17% HCV + HBV陽性 3% 非B 非C 16%

B型肝炎ウイルスのキャリアー

(肝細胞がんの発症率 > 0.2%/年)

アジア人 男性 >40歳 以上

•(肝細胞がんの発症率 0.4-0.6%/年) •

アジア人 女性 >50歳

•(肝細胞がんの発症率 0.2%/年) •

肝硬変の合併あり

•(肝細胞がんの発症率 3-5%/年)

肝硬変

(肝細胞がんの発症率 >1.5%/年)

C型肝炎 (肝細胞がんの発症率 3-5%/年)

アルコール性肝硬変

原発性胆汁性肝硬変

遺伝性ヘモクロマトーシス

α1-アンチトリプシン欠乏症

9

肝細胞がんのリスク因子

急性肝炎

慢性肝炎

肝硬変

肝がん

6‐8割

3‐4割

6‐8割

5‐15年

約20年

25‐30年

2‐4割

治療

3割

感染

自然治癒

治癒

C型肝炎の経過

輸血や刺青、薬物濫用などを介しての感染が原

因でおこり、多くは慢性肝炎へ移行する。

そして、25-30年の経過で肝硬変/肝がんへと

移行する。

10

肝細胞がんのリスク因子

免疫異常時のみ

治癒

治療

2-3割

急性肝炎

自然治癒

成人感染

9割

母子感染

肝がん

肝硬変

慢性肝炎

B型肝炎の経過

慢性肝炎は、ほとんど母子間感染で、出産時に感染する。

現在は出産時にワクチン投与などで予防が可能となっている。

急性肝炎は、輸血や性行為などを介しておこる。

多くは一過性の感染で、3ヶ月以内に完治する。

まれに、重篤な劇症肝炎へ進行することがある。

11

肝細胞がんの予防 慢性C型肝炎の治療法

IFN単独24週 Peg-IFN48週 •IFN/リバビリン併用治療 48週

•Peg-IFN/リバビリン併用治療 48週 IFN/リバビリン併用治療 24週

2%

16%

20-30%

40-50%

0

10

20

30

40

50

(%)

効果が得られにくいIb, 高ウイルス量でのウイルス排除割合

ウイルスを排除する治療 •インターフェロン療法 •ペグインターフェロン療法 •ペグインターフェロン+リバビリン併用療法 炎症や肝炎の進行を抑える治療 •強力ネオミノファーゲンC •ウルソ

12

(4)

肝細胞がんの予防 慢性B型肝炎の治療

B型慢性肝炎に対するラミブジン

(抗ウイルス薬)は、肝硬変への

進展を遅らせ、発癌や肝不全のリ

スクを減少させる。

B型慢性肝炎に対するエンテカビ

ルはラミブジンと比べて組織学的

改善度、ウイルスの低下率、肝機

能障害の正常化率で有意に良好な

成績であった。

慢性B型肝炎の治療法

Liaw YF, et al. 2004

Chang TT, et al. 2006

13

肝細胞がんの臨床的特徴

肝細胞がんの臨床像

肝がんは通常無症状なことが多く、肝硬変によ る症状が目立つことの方が多い。

肝硬変に伴う症状

• 腹水 • 肝性脳症 • 黄疸 • 静脈瘤の破裂

肝細胞がんによる症状

• 上腹部の痛み • 体重減少 • 腹部膨満感 • 腫瘤の触知 • 黄疸 • 下痢 • 骨転移による腹痛 • 腫瘍の破裂による出血 • 発熱

傍腫瘍症候群による症状

低血糖

多血症

高カルシウム血症

水溶性下痢

皮膚症状

皮膚筋炎

落葉状天疱瘡

14

肝細胞がんの診断

CT所見

腫瘍マーカー

α-フェトプロテイン(AFP)

PIVKA-II

肝動脈相

平衡相

15

腹部超音波検査

主にスクリーニングに使用される

危険因子を有する症例が対象

2~6ヶ月毎 (腫瘍マーカーと併用)

小肝細胞癌では造影超音波が有用

(ペルフルブタン (ソナゾイド®) etc.)

16

造影MRI検査

Dynamic studyが必須 (Gd-EOB-DTPA etc.)

動脈相での腫瘍濃染→遅延相でのwash out→肝細胞相での取り込み低下

典型像を呈すれば確定診断が可能

動脈相

遅延相

肝細胞相

17

肝細胞がんの病期分類

TNM分類

T: 原発巣

N: リンパ節

M: 遠隔転移

CLIPスコア

Child-Pugh分類

腫瘍の形態

AFP値

門脈腫瘍栓の有無

TNM分類

T

T1

単発で脈管浸潤なし

T2

単発、脈管浸潤あり/多発(いずれ

も長径5cm未満)

T3a 多発(いずれかが5cm以上)

T3b 門脈や肝静脈の主要分枝への浸潤

T4

隣接臓器(胆嚢以外)への直接浸潤

もしくは漿膜外浸潤

N

N0

所属リンパ節転移(-)

N1

所属リンパ節転移(+)

M

M0

遠隔転移(-)

M1

遠隔転移(+)

Stage I T1 N0 M0 Stage II T2 N0 M0 Stage IIIA T3a N0 M0 Stage IIIB T3b N0 M0 Stage IIIC T4 N0 M0 Stage IVA Any T N1 M0 Stage IVB Any T Any N M1

(5)

肝がんのサーベイランス

肝細胞がんの高リスク群で

は少なくとも6か月に一度

はエコーなどの画像検査と

αフェトプロテインの測定

が必要である。

Surveillance for HCC have been issued by the AASLD

19

肝がん治療のアルゴリズム

肝細胞がん

肝障害度*

腫瘍数

腫瘍径

治療

塞栓 化学療法 移植 緩和

2, 3個

4 個

A, B

C

1~3個

4 個以上

切除 局所療法

単発

切除 局所療法

<3cm

切除 塞栓

≧3cm

3cm以内

*肝機能のよし悪しを分類するのが「肝障害度」分類です。「肝障害度」は、A、B、Cの3段階に分けられます。

20

治療法選択に伴う問題点

慢性肝炎・肝硬変を背景とすることが多い

• 肝予備能により選択可能な治療法が異なる

(時に、肝硬変が予後により大きく影響する)

• 脾機能亢進による汎血球減少のため血球

減少を伴う治療が行いにくい

• 多発・再発をおこしやすい

21

肝がんの治療:治療指針

不良

腫瘍径/腫瘍数

肝予備能

経動脈的治療

穿刺療法

切除

腫瘍の状態と肝予備能の両面から治療法を考えることが重要

腫瘍径,腫瘍数と肝予備能からみた治療法の適応

22

肝細胞がんに対する外科的切除

長所

大きな腫瘍でも、確実な

治療効果が期待できる。

短所

肝機能が悪い例では、切

除できない。

切除後に肝臓の予備力が

低下する。

社会復帰に時間がかかる。

23

穿刺局所療法

経皮的エタノール注入療法

PEIT: percutaneous ethanol injection therapy

経皮的マイクロ波凝固療法

PMCT: percutaneous microwave coagulation therapy

ラジオ波熱凝固療法

RFA: radiofrequency ablation

(6)

肝がんの治療:局所壊死療法

(ラジオ波焼灼術:RFA)

適応基準

1. がん結節は3cm、3個以下。

2. 超音波で描出可能

適応外基準

1. 心臓、胆嚢、横隔膜、主要脈管

(2次分枝まで)に近接している。

2. 出血傾向がある。

血小板数:5.0万/mm

3

未満

PT:50%未満

3. 穿刺経路に腹水がある。

4. 門脈に腫瘍栓がある。

25

症例 (ラジオ波焼灼術:RFA)

治療前

治療後

26

肝がんの治療:局所壊死療法

(エタノール注入療法:PEI)

RFAはPEIに比べて、有意

に良好な生存期間が得られ

ている。

適応基準

1.

がん結節は3cm、3個

以下。

2.

超音波で描出可能。

3.

RFAが適応外。

27

RFAの現状

RFAが外科切除の治療成績を上回るとの根拠は乏しい。

RFAの生存期間、無再発生存期間は、PEIに比べ良好で

あることが報告された。

RFAは低侵襲、入院期間短縮などの利点もあり、現在広

く実施されている。

28

肝がんの治療:肝動脈塞栓療法(TACE)

カテーテルの挿入

血管造影検査

29

肝がんの治療:肝動脈塞栓療法(TACE)

血管造影

塞栓療法後

動脈

門脈

肝癌

動脈

門脈

肝癌

30

(7)

肝動脈化学塞栓療法 (TACE)

発表者

症例数

補助療法

Control

P-value

Lin DY

1988

42

TAE

>

5-FU

<0.005

Pelletier

G

1990

42

TACE(DOX)

=

無治療

NS

Trinchet JC

1995

96

TACE(CDDP)

=

無治療

0.13

Pelletier G

1998

73

TACE(CDDP)

=

TMX

0.77

Bruix J

1998

80

TAE

=

無治療

0.72

Lo CM

2002

79

TACE(CDDP)

>

無治療

0.002

Llovet JM

2002

75

TACE(DOX)

>

無治療

0.009

Meta-analysis

Llovet JM

2003 545

TACE

>

無治療

0.017

31

肝動注化学療法

全身の薬剤濃度を低く抑えることにより、

全身化学療法に比し毒性を軽減

• 化学療法抵抗性

• 化学療法に対する忍容性が低い

高濃度の薬剤が肝内に到達することにより、

全身化学療法に比し高い抗腫瘍効果を期待

32

肝動注化学療法

抗癌剤

症例数 報告者 奏効割合 1年生存割合 生存期間 報告年

Epirubicin

45

Ikeda

9

6.0

20

2007

Cisplatin

67

Court

37

NA

10.7

2002

Cisplatin

80

Yoshikawa 34

67.5

NA

2008

Low dose FP 21

Toyoda

14

61.1

NA

1995

Low dose FP 48

Ando

48

45

10.2

2002

CDDP+IFN

19

Chung

33

27

4.4

2000

5FU+IFN

116 Obi

52

81

NA

2006

高い治療効果が得られたとする報告もあるが、標準的な

レジメンは定まっておらず、延命効果も証明されていない

(%)

(%)

(月)

33

全身化学療法(細胞障害性薬剤)

これまでいくつかのRCTの報告があるが、確立された標準治療はなかった

報告者

報告年

症例数

治療法

Control

P値

Lai

1998

106

Doxorubicin >

BSC

0.036

Lai

1989

75

IFN

= Doxorubicin

n.s.

Lai

1993

71

IFN

>

BSC

0.0471

Llovet

2000

58

IFN

=

BSC

0.14

Ishikawa 2001

56

UFT

>

BSC

<0.01

Guan

2003

48

Gem

=

FDR Gem

n.s.

Yeo

2005

196

PIAF

= Doxorubicin

0.83

Gish

2007

444

Nolatrexed < Doxorubicin 0.0068

34

肝細胞がんの化学療法

PDGF VEGF EGF/HGF Proliferation Survival Mitochondria EGF/HGF HIF-2 Autocrine loop Apoptosis ERK RAS ME K RAF Sorafenib Nucleus RAS

Endothelial cell or Pericyte

Angiogenesis: PDGF-b VEGF VEGFR-2 PDGFR-b Paracrine stimulation Mitochondria Apoptosis Nucleus ERK MEK RAF Differentiation Proliferation Migration Tubule formation Sorafenib

Wilhelm S et al. Cancer Res. 2004

ソラフェニブはいわゆる分子標的治療薬である。

35

進行肝細胞がんに対するソラフェニブの成績

ハザード比(S/P): 0.69 (95% CI: 0.55, 0.88).

P=0.00058*

1.00

0

0.75

0.50

0.25

0

8

16

24

32

40

48

56

64

72

80

*O’Brien-Fleming threshold for statistical significance was P=0.0077. 0 274 241 205 161 108 67 38 12 0 Patients at risk ソラフェニブ: 0 276 224 179 126 78 47 25 7 2 プラセボ: 299 303 ソラフェニブ 中央値 46.3週(10.7 ヶ月) (95% CI: 40.9, 57.9) プラセボ 中央値: 34.4週 (7.9ヶ月) (95% CI: 29.4, 39.4)

36

(8)

ソラフェニブの副作用

対象疾患

肝細胞がん

肝細胞がん

肝細胞がん

腎細胞がん

腎細胞がん

Phase II (n=137) Phase III (n=451) Phase III (n=297) Phase II (n=202) Phase III (n=451) Any Grade (%) Grade 3-4 (%) Any Grade (%) Grade 3-4 (%) Any Grade (%) Grade 3-4 (%) Any Grade (%) Grade 3-4 (%) Any Grade (%) Grade 3-4 (%) すべての皮膚障害

-

-

-

-

-

-

93

17

72

8

HFSR

30.7

5.1

21

8

45

10.7

62

13

30

6

Rash/desquamation

16.8

0.7

1

0

20.1

1

66

2

40

1

脱毛

10.2

0

14

0

24.8

0

53

0

27

1

皮膚乾燥

-

-

8

0

-

-

23

0

19

1

Flushing

-

-

-

-

-

-

16

0

8

1

Dermatology/skin, other

-

-

13

1

-

-

43

0

-

-

JCO.

2006 NEJM. 2008 Lancet Oncol. 2009 JCO. 2006 NEJM. 2007

37

ソラフェニブによる手足皮膚反応

皮膚変化なし

疼痛を伴わない軽微な皮膚の変化または皮膚炎

:紅斑

機能障害のない皮膚の変化,または疼痛

:角層剥離,水疱,出血,腫脹

潰瘍性皮膚炎または疼痛による機能障害を伴う皮

膚の変化

G 1 G 2 G 3 Acta Oncol. 2008

38

化学療法におけるチーム医療の重要性

患者(家族)

担当医

・体調が悪いなあ….。 ・この薬はどう飲めば いいのかしら。 ・○○はしても大丈夫 かな?

看護師・薬剤師

相談・回答 回答 カルテ記載・診察 電子カルテで情報共有

副作用や内服に対する

高額な療養費に対して

• ソラフェニブ(商品名:ネクサバール)の標準的な費用は約63万4000円

(1回200mg5426.20円×2錠、1日2回投与×平均的な入院期間29.2日とした場合)

予測される治療後の体制について

• ソラフェニブ不応後はホスピスケアとなる可能性が高い。

• 代替治療の相談が増える。

社会的や経済的な医療体制の整備が必要。

39

新規治療開発のタイミング

外科切除

局所壊死療法

(ラジオ波・エタノール注入)

肝動脈塞栓術(TACE)

進行肝細胞がん・TACE不応

術後補助療法

術後補助化学療法

新規塞栓剤開発

全身化学療法

術後補助化学療法

40

肝がんの治療:化学療法開発の現状

第III相臨床試験として実施

Targets

Reference

Phase

Child-Pugh

Brivanib

FGF1

VEGFR2

Sorafenib

III

A

Brivanib

(Sorafenib不応患者

に対する)

FGF1

VEGFR2

placebo

III

A

Sorafenib-erlotinib

VEGFR

RAF

+

EGFR

Sorafenib

III

A

Sorafenib-doxorubicin

VEGFR

RAF

Sorafenib

III

A

Linifanib

VEGFR

PDGFR

Sorafenib

III

A

RAD001

(Sorafenib不応患者

に対する)

mTOR

placebo

III

A

Ramucirumab

(Sorafenib不応患者

に対する)

VEGFR2

placebo

III

A or B

41

新規抗がん剤治療例(分子標的薬A)

治療開始前

治療後CT

64歳 男性 Child-Pugh 5点、肺転移、骨転移を有する進行肝細胞がん

(9)

新規抗がん剤治療例(分子標的薬B)

治療開始前

治療後CT

68歳 男性 HCV陽性 Child-Pugh 8点、TACE不応、ソラフェニブ不応

43

新規抗がん剤治療例(分子標的薬C)

治療開始前

治療後CT

47歳 男性 ウイルス陰性 Child-Pugh 7点、TACE不応 シスプラチン動注不応

44

末期肝細胞がんの合併症および管理

合併症

肝予備能(肝硬変)の低下

腹水

静脈瘤破裂

肝性脳症

黄疸

転移巣による症状

骨転移に伴う痛み

肺転移に伴う呼吸困難感の出現

脳転移に伴う出血や意識障害

管理

患者や家族に対する病状の説明

静脈瘤の破裂に対する急変の可能

性や緊急時のバックアップ体制の

構築する。

緩和ケアの体制を構築する。

45

肝移植の適応

肝移植の適応は下記のMilan

基準を満たす症例である。

しかし、日本では脳死肝移植

はドナーの不足のため、肝細

胞がん患者に提供されること

は期待できない。

肝予備能が不良で、肝切除、

経皮的治療、TAEなどが十

分に行えない患者に、親族を

ドナーとした生体肝移植が行

われることが多い

Milan基準

腫瘍は単発で5cm以下

もしくは

3cm、3個以下。

血管浸潤を伴わない。

遠隔転移を伴わない。

46

肝がんの治療:化学療法

日本での化学療法の現状

細胞障害性薬剤(フッ化ピリミジン製剤や白金製剤な

ど)を点滴投与したり、肝動脈から注入する治療を行う

施設が多い。しかしながら、有効性(延命効果)につい

ては証明されていない。

標準治療として治療効果が証明されている薬剤はソラ

フェニブのみである。

外科切除や局所壊死療法(RFAやPEIT)の術後に化学療

法を追加することは有効性が証明されておらうず、推奨

されない。

47

まとめ

肝臓が原発である悪性腫瘍が肝がんである。

⇔多臓器のがんが肝臓に転移したものとは別である。

肝がんのほとんどが肝細胞がんであり、日本人では肝炎ウイルスの感染

を背景としたものがほとんどである。

⇒中でもC型肝炎ウイルスが多く、近年はB型肝炎ウイルスが増えている。

肝臓がんの治療には肝予備能の評価が重要である。

⇒肝硬変の進行した場合には治療できないこともある。

ガイドラインに沿った治療が重要である。

⇒治療患者の多くに質の高い治療を提供できる可能性がある。

化学療法に関しては臨床試験が盛んになっている。

⇔施設が限定され、若干ハードルは高い。

48

参照

関連したドキュメント

肝細胞癌は我が国における癌死亡のうち,男 性の第 3 位,女性の第 5 位を占め,2008 年の国 民衛生の動向によれば年に 33,662 名が死亡して

肝臓に発生する炎症性偽腫瘍の全てが IgG4 関連疾患 なのだろうか.肝臓には IgG4 関連疾患以外の炎症性偽 腫瘍も発生する.われわれは,肝の炎症性偽腫瘍は

詳細情報: 発がん物質, 「第 1 群」はヒトに対して発がん性があ ると判断できる物質である.この群に分類される物質は,疫学研 究からの十分な証拠がある.. TWA

 がんは日本人の死因の上位にあり、その対策が急がれ

MIP-1 α /CCL3-expressing basophil-lineage cells drive the leukemic hematopoiesis of chronic myeloid leukemia in mice.. Matsushita T, Le Huu D, Kobayashi T, Hamaguchi

こうしゅう、 しんせん、 ふぉーしゃん、 とんがん、 けいしゅう、 ちゅうざん、

 我が国における肝硬変の原因としては,C型 やB型といった肝炎ウイルスによるものが最も 多い(図

春から初夏に多く見られます。クマは餌がたくさんあ