慢性心負荷ラットにおける心筋タリウム‑201摂取比 と心筋重量比との相関に関する研究
著者 谷口 昌
著者別名 Taniguchi, Masashi
雑誌名 博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査
結果の要旨/金沢大学大学院医学研究科
巻 平成8年7月
発行年 1996‑07‑01
URL http://hdl.handle.net/2297/15415
学位授与番号 学位授与年月日 氏名 学位論文題目
医博乙第1368号 平成8年2月5日 谷口昌史
慢性心負荷ラットにおける心筋タリウム-201摂取比と心筋重量比との相関に関する研究
論文審査委員 主査 副査
教授 教授 教授
谷口昂 利波紀久 馬渕宏
内容の要旨及び審査の結果の要旨
タリウム-201(2olT1)心筋シンチグラフィ-は,左室腔の拡大や左室壁肥厚の評価に,また,左/右心筋zo1T1摂 取比から右室圧を推定できる可能性も報告されているが,右室心筋重量の臨床的評価は困難である。慢性心負荷時の 心筋"lT1摂取比の臨床的意義を明らかにすべく,ラットを用いモノクロタリンによる右室圧負荷モデル,手術的に 右室容量負荷(肺動脈弁閉鎖不全),両室容量負荷(下大動静脈吻合),左室圧負荷(大動脈拘拒),左室容量負荷 (大動脈弁閉鎖不全)のそれぞれのモデルを作成し,6週間後,開胸により各種血行動態パラメーターを測定,鮒T1 静注15分後に屠殺,左/右心筋重量比,左/右心筋釦lT1摂取比をコントロール群,それぞれのモデル群について比較
し,次の成績を得た。
1.右室重量/体重比は,右室圧負荷,容量負荷および両室容量負荷群において有意に増加し,左室重量/体重比は 左室圧負荷,容量負荷群で有意に増加した。また,左室重量/右室重量比は,右室圧,容量負荷および両室容量負 荷群で有意に低下,左室圧負荷,容量負荷群で有意な増加を示した。
2.右室収縮期圧は右室圧負荷群,両室および左室容量負荷群で上昇,右室拡張期圧は右室容量負荷群でのみ有意に 上昇した。左室収縮期圧および拡張期圧は両室容量負荷群,左室圧,容量負荷群で有意の上昇がみられた。
3.左/右心筋2o1T1摂取比は右室圧負荷,容量負荷群で有意に低下,左室圧負荷,容量負荷群で有意に上昇した。
4.左/右心筋"T1摂取比と左/右心室圧比は,圧負荷モデルでは良好な相関(r=0.874)を示したが,容量負荷モ デルでは相関は不良(r=0.550)であった。
5.左/右心筋釦lT1摂取比と左/右心筋重量比は,負荷の種類にかかわりなく,極めて良好な相関がみられた
(r=0.982)。
以上の結果は,左/右心筋タリウム-201摂取比が左/右心筋重量比を反映する可能性を示し,臨床的にも,少なくと も2olT1心筋シンチによる右心室の描出が明瞭な場合には,左/右心筋重量比の推定が可能で,他の非侵襲的方法で 得られた左室心筋重量値を組み合わせることにより右心室の心筋重量の推定が可能と考えられる。現在なお,信頼す るに足る小児の右心室心筋重量の推定法の無いことから,本研究は,小児循環器学の発展に寄与するものと評価され
た。
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