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結果の要旨/金沢大学大学院医学研究科

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Academic year: 2021

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ヒト骨肉腫におけるFasリガンド発現とその機能に 関する研究 : 腫瘍内浸潤細胞傷害性Tリンパ球に対 するアポトーシス誘導と免疫回避への関与

著者 北野 慎治

著者別名 Kitano, Shinji

雑誌名 博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査

結果の要旨/金沢大学大学院医学研究科

巻 平成16年7月

ページ 20‑20

発行年 2004‑07‑01

URL http://hdl.handle.net/2297/15824

(2)

甲第1600号 平成15年9月30日 北野慎拾

ヒト骨肉腫におけるFasリガンド発現とその機能に関する研究:腫瘍内浸潤細胞傷害性T

リンパ球に対するアポトーシス誘導と免疫回避への関与

学位授与番号 学位授与年月日 氏名 学位論文題目

富田勝 須田貴 向田直

郎司史教授

教授 教授 論文審査委員 主査

副査

内容の要旨及び審査の結果の要旨

Fasリガンド(Fasligand,FasL)は活性化した細胞障害性Tリンパ球(cytotoxicT-lynH〕l1ocyte,

CTL)とナチュラルキラー細胞に発現し,腫瘍免疫において重要な役割を横ずる.最近,様々な腫瘍細 胞でFasLの発現が報告され,その免疫回避への関与が推測されている.本研究では,ヒト骨肉腫組織 と骨肉腫細胞株を用い,骨肉腫細胞におけるFasLの発現を検証すると共に,免疫回避との関連につい て検討した.

生検時に採取した骨肉腫組織20例に対して,免疫染色およびTUNEL法により,骨肉腫組織における FasL発現強度・発現率および組織内のCD8陽性細胞数.アポトーシス細胞数を調査し,これらの因子 と臨床治療成績との関連について検討した.また,20症例のうち新鮮凍結保存が可能だった3例(OS-1, 0s-2,0s-3)とヒト骨肉腫細胞3株(OST,HOS,Saos-2)に対し,ウエスタンプロット法でFasL蛋白 の発現を検討した.更にヒト骨肉H動ロ胞3株においては、RT-PCR法を用いてFasLのmRNA発現の力蜥 を行った.ついで骨肉腫組織(OS-1)の新鮮凍結切片上でFas感受性細胞のヒト白血病細胞である Jurkat細胞を培養し,Jurkat細胞に対するアポトーシス誘導の有無を検討する機能解析を行った.同 様の機能解析をヒト骨肉1劃IHI包(OST,HOS)に対しても施行した.

その結果,骨肉腫組織では17/20例(85%)にFasLの発現を観察した.骨肉腫細胞に発現されるFasL 蛋白の分子量は正常であり,またmRNAには構造異常は認めなかった.機能側蜥において,骨肉腫組織 およびヒト骨肉腫細胞のいずれもFas感受性Jurkat細胞のアポトーシスを増加させ,その効果は杭ヒ トFasL中和抗体により抑制された.CD8陽性細胞数とアポトーシス細胞数には正の相関が認められ

(r=0.746),アポトーシス細胞数とFasL発現率にも正の相関が認められた(r=0.498).

以上より,骨肉腫細胞の大多数はFasLを発現しており,骨肉腫組織に浸潤してきたFas陽性CTL が骨肉腫細胞と直接接触した際に,腫瘍表面のFasLがFas陽性CTLをアポトーシスに導く攻撃を行う ことにより,腫瘍免疫監視機構から回避している可能性が示された.骨肉腫i1lH胞におけるFasLの発現 は,臨床治療成績とは相関しなかったが,FasL発現形質の獲得は骨肉腫発生早期に生じる現象で,骨 肉腫のごく初期の発生段階および転移形成において重要な役割を果たしていると考えられ,学位授与 に値する研究成果と考える.

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