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退行性疾患モデル動物の開発と栄養化学的解析に関 する研究

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

退行性疾患モデル動物の開発と栄養化学的解析に関 する研究

西園, 祥子

九州大学農学研究科食糧化学工学専攻

https://doi.org/10.11501/3180514

出版情報:Kyushu University, 2000, 博士(農学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

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退行性疾患モデ、ル動物の開発と栄養化学的解析 に関する研究

西 圏 祥 子

2001

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目次

第1章 序論 1

第2章

アレルゲン誘発性動脈硬化モデルラットの開発

6

第3章

ラットにおけるストレプトゾトシン誘発性糖尿病の発症と食事抗

21

酸化剤による改善

第4章

老化促進モデ、ルマウスにおける消化管機能の解析及び食事リン脂 質の効果

第1節

月齢の異なるマウスでの食事脂肪の吸収を指標とした消化管機

38

能の解析

第銀行

食事スフィンゴミエリンとホスファチジルコリンの効果

77 第3節

食事ラクトシルセラミドの効果

126

第5章

ApoE欠損マウスにおける消化管機能の解析

136

第6章 総括 142

後記 146

文献 147

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第1章 序論

高齢化社会をむかえるにあたり、 動脈硬化症や糖尿病などの生活習慣病や病的老 化の予防と改善が重要な課題となっている。 動脈硬化症や糖尿病および病的加齢変 化などの退行性疾患には、 遺伝的要因に加えて、 生活習慣が深く関与していると考 えられており、 生活習慣の見直しが必要である。 また、 世界各国における平均寿命 は年々延長していることから、 生活習慣病や病的加齢変化を防止し、 健やかな生活 を長期間維持するための対策が必要である。 そのためには、 適切な栄養素の選択や 摂取をはじめとする栄養環境の整備が最重要課題である。 生活習慣病や病的加齢変 化は、 ヒトでは生活習慣の長年の影響を受けて発症することから、 ヒトを用いてそ れら疾患の発生や予防について調べるのは、 時間や手技的に制約がある。 ラットや マウスなどの小動物を用いた疾患、モデ、ルは、 発症までの期聞が比較的短く、 疾患病 態の解析と発症機構の解明、 生体内の諸組織における細胞の構造と機能の変化なら びに疾患の発症と進行に影響する因子の解析など多方面から検討することが可能で ある。 本研究では、 動脈硬化、 糖尿病および病的加齢変化のモデ、ルをラットやマウ スを用いて確立し、 いくつかの食事成分の効果を評価した。

まず、 Brown Norway (BN)ラットを用いて、 動脈硬化における免疫担当細胞の 役割を評価することのできるモデ、ルを確立した。 心臓や脳などの血管に見られる動 脈硬化性の傷害は、 血祭中のコレステロール濃度、 とくに低密度リボタンパク質 (LDL)濃度が上昇すると起こりやすくなることから、 血竣コレステロール濃度を 調節する試みが数多く行われている。 実験動物の免疫学的観察から、 動脈硬化病変 の形成には、 マクロファージによるLDLの取り込みが重要な役割を果たしているこ とが報告されている。 近年、 動脈硬化病変中には単球やマクロファージに加えてリ ンパ球や炎症性物質を放出する肥満細胞が多く存在していることが明らかとなり 動脈硬化発症における免疫系の役割が多大の関心を集めるようになってきた。 免疫 担当細胞が関与する炎症反応が動脈硬化病変形成の一因であるならば、 食事成分に よりコレステロール濃度を制御するだけでなく、 局所的な免疫炎症反応を制御する ことも、 動脈硬化を予防する上で重要であると思われる。 現在までのところ、 コレ

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ステロ ー ル 摂食 動物や外因性高コ レ ステロ ー ル(e豆oge n ousl y hyper cholesterolemic、 E冠王C)ラットなど、 コレステロール濃度を指標とした動 脈硬化のモデ、ルが報告されているが、 動脈硬化における免疫担当細胞の役割を評価 しうるモデ、ルは確立されていない。BNラットは免疫担当細胞の活性化を評価できる ラットであり、 免疫担当細胞の一つである肥満細胞が脱頼粒化に伴い放出するキマー ゼの血中濃度を指標として、 免疫系の活性化を評価することができる[1・3]。 この BNラットに、 多量のビタミンD2投与とコレステロールおよびコール酸ナトリウム を添加した食事を与えて動脈硬化を発症させ、 動脈硬化における免疫担当細胞の役 割を評価しうるモデルの作製を試みた[4]。

次に、 ラットを用いてインスリン依存性糖尿病のモデ、ルを作製し、 食事抗酸化剤 の効果を調べた。 糖尿病は遺伝的要因が強く関与している疾患の一つであるが、 こ れに過食、 ストレス、 運動不足などの生活習慣要因が加わって発症すると考えられ ており、 その予防には食習慣の再構築が必要である。 インスリン依存性糖尿病の発 症には、 食品成分あるいは化学物質から生じるフリーラジカルやウイルス感染によ る勝臓p細胞の特異的な損傷が関与していることが明らかになってきた[5-7J。

St repωzotocin (STZ)はカビに由来する抗生物質の一つで、 その糖尿病発症作用が Rakieten らにより初めて報告されて以来、 インスリン依存性糖尿病モデ、ル作製の 的に多く用いられている[8J。 ラットにSTZを投与する前に、 ビタミンEを腹腔内 に、 またはスーパーオキシドジスムターゼを尾静脈に投与すると、 耐糖能や勝臓の インスリン合量などが改善された[9、 10]。 また、 マウスにSTZを投与する前に、

ヒドロキシルラジカルのスカベンジャーとして知られるジメチルウレアを腹腔内に 投与すると、 高血糖および勝臓ランゲルハンス島の炎症が改善された[11]。 これ らの報告から、 抗酸化剤の摂取がインスリン依存性糖尿病の発症に有効である可能 性が考えられる。tert.Butyl hydroquinone(TBHQ)はKeらにより合成され、 抗酸 化能が強く、 米国栄養学会によりげっ歯類の食事への添加が推奨されている[12、

13]。 クルクミンはフリーラジカルを消去することにより抗酸化活性を示すととも に、 リボキシゲナーゼやシクロオキシゲナーゼ阻害活性を有することが報告されて いる[14、 15J。 本研究では、 食事TBHQおよびクルクミンが、 STZ誘発性糖尿病 に対して有効であるかどうか調べた。

2

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加齢に伴って、消化管機能や栄養素の吸収能は変化すると考えられているが、そ の作用機作は明らかではない。 とくに、脂質はそのほとんどが消化管より吸収され、

エネルギー源として、また必須脂肪酸の供給源や脂溶性ビタミンの担体として重要 な栄養素である。 現在までのところ、加齢に伴う消化管機能の変化や栄養素の吸収 変化を捉えることのできる動物モデ、ルは構築されておらず、老齢動物を用いた研究 だけで は限界が あり、 一定 の見解は得られてい な い 。 老化促進モデ、ル マウス (senescence-accelerated mice、SAM)はAKR/J系統を起源とする近交系マウス で、老化の進行が速く、平均寿命が約40%短縮している[ 16J。 また、加齢に伴い 学習記憶能障害、老年性骨粗集会症、老年性アミロイド症、免疫機能障害など、 ヒト の老年性疾患と同様の病態を自然発症する[17-20]。 このマウスを用いて、食事脂 肪の吸収・輸送を指標とした消化管機能の解析を行った。

近年、脂肪酸代謝に関連するタンパク質がいくつか同定され、脂肪細胞や肝細胞 内での脂肪酸輸送について明らかとなってきた。 しかし、小腸粘膜細胞内での脂肪 酸輸送は、他の組織とは異なるため、不明な点が多い。 小腸での脂肪酸代謝に関連 する遺伝子の発現を調べ、加齢に伴う小腸粘膜細胞内での脂肪酸輸送や代謝の変化 について検討した。 P eroxisome PI叫iferator-activated receptor (PP AR)はリガン ドである脂肪酸によって活性化される核内レセプターであり、α、δ、Yの3種類のサ プタイプ遺伝子が発見され、小腸でもその発現が確認されている[21J0 Fatty acid仕組slocase (FAT)は形質膜に特異的に発現し、脂肪酸の細胞外からの取り込 みに関与している[22] 0 Fatty acid binding protein (F ABP)は脂肪酸に結合す るタンパク質として同定され、その分布からadipose tissue-FABP (A-FABP)、

heart and skeletal-FABP (H・FABP)、liver-FABP (L・FABP)、intestinal­

FABP (I-FABP)があり、脂肪酸の細胞内輸送に関与すると考えられている[23]0 TIeal bile acid binding protein (1-BABP)は胆汁酸によって転写レベルで制御され ることが報告されており、FABPのスーパーファミリーに属することが知られてい る。

次に、SAMの加齢に伴う消化管機能の変化に及ぼすスフィンゴミエリン、ホスホ コリンおよびラクトシルセラミドの効果について調べた。 スフインゴミエリンは、

ほ乳類特有のリン脂質であり、主として細胞膜の外層にスフインゴ糖脂質とともに

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存在する。 近年、 スフインゴミエリン由来のセラミドが、 細胞の分化やアポトーシ スに関わるシグナル分子であることが多く報告されている[24、 25]。 加えて、 食 事スフィンゴミエリンは大腸ガンの腫場形成を抑制するとともに、 消化管において、

胆汁酸塩による界面活性 作用が誘導する細胞毒性を防ぐことが報告されており、 消 化管機能に影響する可能性が考えられる[26、 27]。 スフィンゴミエリンは消化管 腔内でアルカリ性スフィンゴミエリナーゼによりホスホコリンとセラミドに加水分 解される。 そこで、 スフィンゴミエリンの脂肪吸収に対する効果をホスホコリン基 を有するホスファチジルコリンおよびセラミド基を有するラクトシルセラミドと比 較した。

最後に、 アポリボタンパク質(apo)Eノックアウトマウスが、 消化管での脂肪の 吸収に及ぼすapoEの役割を評価するモデルとなりうるか調べた。 ApoEは主に、 肝 臓などの組織で合成され、 超低密度リボタンパク質(VLDL)と中間密度リボタン パク質(IDL)をLDLレセプターを介して、 またカイロミクロンをLDLレセプター やカイロミクロンレムナントレセプターを介して肝臓ヘ取り込む際のリガンドとし て作用する。 Apo Eの対立遺伝子多型(apo E2、 E3、 E4)のうちapo E4をもっヒ トでは、 コレステロール吸収が高いという報告から、 apo Eは消化管における食­

脂肪の吸収にも影響する可能性が考えられる[28]。 そこで、 apo Eノックアウト マウスとそのwildタイプマウスを用いて、 消化管での脂肪吸収に及ぼすapo Eの役 割について調べた。

以上、 ラットやマウスを用いて、 動脈硬化、 糖尿病および病的老化に伴う消化管 機能の変化を捉えるモデ、ルを確立し、 これら退行性疾患を改善する食事成分を調べ た。 本研究は、 生活習慣病および病的加齢変化を予防、 改善するための食習慣を確 立していく上で有効な動物モデルを提案するとともに、 有用な食事成分についての 基礎的な知見を提示すると考える。

なお、 本論文では以下の略号を用いた。

ABTS; 2,2'・azino-bis-(3・ethylbenzothiazoline-6・s叫fonic acid)diammonium salt、

AIN;米国栄養学会、 apo;アポリボタンパク質、 BN; Brown Norway、 BSA;牛 血清アルブ、ミン、 CHAOS ; Cambridge Heart Antioxidant Study、 CoA;コエンザ

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イムA、 DEPC; diethyl pyrocarbonate、 DGAT;diacylglycerol acyltransferase、

DMSO ; dimethyl sulfoxide、 EDTA;ethylenediaminetetraacetic acid、 ELISA;

enzyme-linked immunosorbent assay、 ExHC;外因性高コレステロール血症、

FABP ; fatty acid binding protein、 FAT; fatty acid translocase、 GTC;

guanidine thi ocyana te、 HD L ;高密度 リボタンパク質、 HE PES;2・[4・(2・

hyd ro玄yethyl)・1・piperazinyl]eth anesulfonic acid 、 HR PO; horse radish peroxi.dase、 1-BABP ; ilean bile acid binding protein 、 IDL;中間密度リボタンパ ク質、 Ig; immunoglobulin、EαB; Krebs Ringer bicarbonate 、 LDL;低密度リ ボタンパク質、 MGAT; monoacyl glycerol acyltrans ferase、 MOPS;3・(N­

morpholino )propanesulfonic acid、 OVA;卵白アルブミン、 PLSD; protected least significant difference、 PPAR ; peroxi.some proliferator-activated recepωr、

RMCPll ; rat mast cell protease n、 SAM;老化促進モデ、ルマウス、 SDS;sodium dodecyl sulfate、 SD; Sprague Dawley、 STZ; streptozotocin、 TBHQ; tert­

butylhydroquinone、 Tris; tris(hydro勾rmethyl)aminomethane、 VLDL;超低密 度リボタンパク質

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第2章 アレルゲン誘発性動脈硬化モデルラットの開発

緒言

ヒト動脈硬化病変中には、 Tリンパ球やマクロファージなどの免疫担当細胞が多 く存在することが知られている[29]。 コレステロール摂食ウサギなどの動脈硬化 症実験モデルでは、 実験食摂食開始7日自には、 Tリンパ球や単球が動脈上皮に付着 し、 2ヶ月目までにはマクロファージやTリンパ球からなるfatty streakに似た病変 がみられることが報告されている[30、 31]。 これらのことから、 T細胞の浸潤と マクロファージの増殖が動脈硬化病変の発達に関与する可能性が示唆されている [32]。 最近の免疫組織学的観察では、 ヒトの大動脈や冠動脈の動脈硬化病変に肥 満細胞が合まれることが明らかとなった[33]。 肥満細胞は皮膚や粘膜表面でのア レルギ一反応において重要な役割を果たすことが知られており、 ヒスタミン、 ヘパ リンおよびキマーゼをはじめとする中性プロテアーゼを合む分泌頼粒が細胞質中に 存在している[34]。 肥満細胞の活性化により放出されるこれら細胞の分泌頼粒は、

リボタンパク質代謝に影響すると考えられており、 実際に培養細胞を用いた研究で は、 分泌された肥満細胞頼粒はLDLを腹腔内マクロファージに輸送し、 泡沫細胞の 形成を誘導することが示唆されている[35]。 さらに、 アンギオテンシン11は脈管 組織の再生誘導に重要な役割を果たしていることから、 キマーゼ依存性の アンギオ テンシン11形成経路が動脈硬化の発症 と関係している可能性が指摘されている [34]。 ウサギやラットでの報告ではないが、 ヒトやサルでは、 高コレステロール 食を摂食させると、 キマーゼが効率的にアンギオテンシン11を産生すること、 また サルの動脈中におけるキマーゼmRNA量が有意に高い値を示すことが報告されてい る[35] 0 Schwartzらの報告によると、 一例だけではあるが、 別のタイプの肥満細 胞由来プロテアーゼであるトリプターゼが、 急性心筋梗塞患者で高かった[36J。

しかしながら現在までのところ、 これらの病態生理学的仮説は、in vivoでの動物実 験系では評価できていない。

動脈硬化発症における免疫担当細胞の役割と食事の影響を明らかにするためには、

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ラットやマウスなどの小動物が適していると思われる が、 ウサギと比較して、 ラッ

トやマウスは動脈硬化を発症し がたいことが報告されている[37J。 以前の研究で、

多量のビタミンD2投与およびコレステロールとコール酸ナトリウムを合む食事 の摂 食により、 ラットでも動脈硬化が 発症することが示されている[4J。 また、 別の研 究では、 BNラットに食物アレルゲンを反復投与することにより、 肥満細胞の脱頼粒 化に伴い放出されるキマーゼの一種で、あるrat mast cell protease TI (RMCPTI) の 血清濃度が上昇することが示されている[1・3J。 そこ で、 BNラットに多量のビタ ミンD2投与およびコレステロールとコール酸ナトリウムを合む食事を摂食させ、 食 物アレルゲンを反復投与することにより、 動脈硬化発症に及ぼす免疫担当細胞活性 化の影響について検討した。

実験方法

実験試薬

ビタミンD2、 オリーブ油、 コレステロール、 コール酸ナトリウム、 ヤシ油、 カゼ イン、 L-シス チン、 塩化ナトリウムおよびジエチルエーテルはナカライテスク(京 都)から購入した。 サフラワ一泊は リノール油脂(東京)から入手した。 また、 αー コーンスターチおよびコーンスターチは日本食品加工(愛知)、 煎糖は第一糖業(東 京)、 セルロース、 ミネラル混合(AIN-93G-:MX)およびビタミン混合(AIN-93圃 vx)は日本農産工業(東京)、 重酒石酸コリンは和光純薬工業(大阪)、 TBHQは 関東化学(東京)、 水酸化アル ミニウムおよび卵白アルブ ミン(OVA)はSigma Chemicals (米国)からそれぞれ購入した。

光学顕微鏡標本作製および大動脈内膜肥厚の測定に用いた20%中性緩衝ホルムア ルデヒド液は和光純薬工業、 キシレン、 グリセリン、 チモールおよび塩酸はナカラ イテスク、 パラフイン(Pa raplast plus tissue embedding media)はSigma Chemicals、 オルセイン、 ヘマトキシリン染色液および カナダパルサムはMerck(ド イツ)からそれぞれ購入した。

分析に用 い た エパンスブルー、 炭酸ナトリウム、 炭酸水素ナトリウム、

7

(12)

Tween 20、 リン酸二水素ナトリウム、 リン酸ー水素ナトリウム、 クエン酸、 クエン 酸三ナトリウム、 ethylenediaminetetraacetic acid (EDTA)、 臭化カリウムお よびアジ化ナトリウムはナカライテスク、 F(ab')2 合agment rat immunoglobulin

(Ig)

G (#55744) およびrat IgGはCappel(米国)、 fish gelatin、 牛血清 アルブ

ミン(B SA 、 フラ クションV)およびortho-phenylene diamineはSigm a Chemicals、 goat anti-rat IgG peroxidase co吋ugateはZymed(米国)、 30%過酸 化水素水は三菱瓦斯化学、 2,2'-azino・bis-(3・ethylbenzothiazoline-6・sulfonic acid)diammonium salt (ABTS)は和光純薬工業、 シュウ酸はキシダ化学(大 阪)、 RMCPII enzyme-linked immunosorbent assay (ELISA)キットはMoredum Institute (イギリス)からそれぞれ購入した。 RMCPII ELISAキットには、

monoclonal mouse anti-RMCPII、 RMCPII standa rdおよびsheep anti­

RMCPlI-horse radish peroxidase (HRPO) conjugateが合まれていた。

試薬調製

OVA投与溶液の調製はJuらの方法に従った。 アジュパント溶液は3%水酸化アル ミニウムー生理食塩水 溶液 を用いた。 OVA投与溶液は、 アジュパント溶液に5 0 0 μg/ml OVAを添加した。 そして、 370Cで3時間、 振とうして調製した。

TPBSは0.2 Mリン酸緩衝食塩水(pH 7.2) にTween 20を0.05%添加して調製し た。 OVA特異的血清IgG濃度の測定に用いたブロッキング溶液は、 TPBSにfish gelatinを0.1%添加して調製した。 また、 基質溶液は0.006%過酸化水素添加0.2 Mク エン酸緩衝液(pH 4.0)、 超純水および6 mg/ml ABTSを10:9:1の割合で混合し 使用直前に調製した。

血清キマーゼ濃度の測定に用いた基質溶液は、 0.1 Mクエン酸24.3 ml、 0.2 Mリ ン酸ー水素ナトリウム溶液25.7 ml、 超純水50 mlを混合した溶液に、 0.04% 0此hか phenylene diamine 40 mgと30%過酸化水素水4 0μlを溶解し、 使用直前に調製し た。 血清リボタンパク質画分の調製に用いた生理食塩水の塩化ナトリウムは、 比重 を正確にするために、 前もって 1100Cの乾燥機で乾燥させた。

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実験動物

ラットは7週齢雄のBNラット(SPF、 セアッ ク吉宮、 福岡)を用いた。 ラットは 1匹ずつアルミ製のケージに入れ、 市販固形飼料(NMF、 オリエ ンタル酵母工業、

東京)と脱イオン水を自由摂食させ3日間予備飼育した。 ラットは室温22土lOC、 12 時間の明暗サイクル(08:00点灯、 20:00消灯 )の管理下で飼育した。 150,000 IUIkg 体重のビタミンD2を0.5 mlのオリープ泊に溶解し、 栄養カテーテノレ4Fr(外径1.35 mm、 長さ40 cm、 アトム、 東京)および1 ml注射器(テルモ、 東京)を用いて、 4 日間経口投与した[4]。 ビタミンD2の投与量については、 同じ週齢のBNラットを 用い、 予備実験を行った。 100,000、 150,000および200,000 IUIkg体重のビタミン D2を投与したところ、 200,000 IU/kg体重では、 4日間の経口投与後2日自には全滅 し、 100,000および150,000 IUIkg体重では10日間観察したところ、 生存した。 この 結果より、 ビタミンD2の投与量を150,000 IUIkg体重に決定した。 ビタミンD2を投 与したラットを2群に分け、 コレステロールとコール酸ナトリウムをそれぞれ1%お よび0.250/0合む動脈硬化食で13週間飼育した。 食事は 2日おきに交換した。 また、 食 事は米国栄養学会(American Institute of Nutrition、 AIN)・93G組成に基づく純 化食を調製した[38]。 その食事組成(g/kg)は、 ヤシ泊96、 サフラワ一泊4、 カ ゼイン200、 αーコーンスターチ 13 2、 東糖100、 セルロース5 0、 ミネラル混A (AIN-93G-MX) 35、 ビタミン混合(AIN-93・VX)10、 Irシスチン3、 重酒石酸コ リン2.5、 TBHQ 0.014およびコーンスターチ367.5とした。 ラットはControl群と OVA群の2群に分け、 純化食摂食開始1、 4、 7および10週自に、 OVA群にはOVA投 与溶液を、 Control群にはアジュパント溶液をそれぞれ 1 mlずつ腹腔内投与した。 Ju らはBNラットへの500μgのOVA投与により、 血清キマーゼ濃度が有意に上昇す ることを報告している[ 1・3J。 アジュパント溶液およびOVA投与溶液の投与はJu

らの方法に従った。 摂食開始2および8週日には尾静脈採血を行った。 飼育終了一 4時間絶食後、 エーテル麻酔下で10 ml注射器(テルモ )および22GX1ν'2"針(ニ

プロ )を用いて大動脈採血した。 血液は20分間室温で放置後、 氷に浸け、 40C、

1,500Xgで20分間遠心分離し、 その上清を血清として-200Cで保存した。

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光学顕微鏡標本作製と大動脈内膜肥厚の測定

光学顕微鏡標本は、 Sakonoらの方法に従って行った[4J。 大動脈採血後、 心臓 から生理食塩水20 mlを25 m1注射器(テルモ)および22Gx 1 1/2"針を用いて注入 し、 港流した。 その後、 20%中性緩衝ホルムアルデ、ヒド液20 mlを注入 して固定し た。 大動脈弓を摘出し、 標本作製時まで 20%中性緩衝ホルムアルデヒド液中に保存 した。 軽く水洗後6等分し、 ティシューテックユニカセット(バイエル・三共、 東京) に入れ、 30分ごとに水を換えて2時間浸した。 70、 80、 95、 99および100%エタノー ル、 キシレン中にそれぞれ30分ずつ浸した。 100%エタノールおよびキシレンは、

溶液を換えて2回浸した。 600Cの恒温槽中で、 キシレン・ パラフイン(1:1、 v/v)お よびパラフィンに1時間ずつ浸し、 さらに別のパラフィンに一晩浸した。 その後、 パ ラフイン包埋し、 ミクロトーム(HM325、 カールツアイス、 東京)を用いて、 厚さ 5μmの切片を作製した。 切片は500Cのウォーターパスで伸張し、 卵白グリセリンを

コートし、 風乾させたスライドガラスに載せ、 370Cで固定した。 卵白グリセリンは、

軽く泡立てた卵白をガーゼで鴻過し、 等量のグリセリンを混合して調製した。 防腐 剤として、 チモ ールを少量加え、 40Cで保存した。 卵白グリセリンコート後のスライ ドガラスは室温で保存し、 1週間以内に使用した。 作製したスライドガラスは、 キン レンに4分浸し、 キシレン、 100、 99、 95、 90、 80および70%エタノール、 水にそ れぞれ2分浸して脱パラフィン化した。 オルセイン染色液に5分間浸し、 弾性繊維染 色後、 30分水洗した。 オルセイン染色液はオルセイン19を70%エタノーノレ100 mlに

溶解し、 1 ml塩酸を添加して調製した。 その後、 ヘマトキシリン染色液に1分浸し その後30分水洗した。 70、 80、 90、 95、 99および100%エタノールにそれぞれ1分 ずつ浸し、 さらに100%エタノールとキシレンにそれぞれ2分ずつ浸した。 キシレン は溶液を換えて、 2回浸した。 カナダパルサム で 包埋し 、 倒立型研究用顕微鏡

αX70、 オリンパス光学工業、 東京)を用いて100倍で観察し、 写真撮影を行った。

スライドフィルムはNikon Coolscan IIでスキャンし、 Nll王image 1.57PPCのソフ トを用いて解析し、 大動脈内膜肥厚が最も形成されている部位の厚さを計測した。

レアギン活性

レアギン活件.はJuらの方法に従ってSprague Dawley (SD)ラットへの受身皮

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アナフィラ キシーテストにより測定した[lJ 0 10週齢、 雄のSDラットの背中の毛 をバリカンで刈り取り、 生理食塩水 で1、 2、 4、 8および16倍に希釈した血清0.1 mlを、 1 ml注射器と26Gx 1/2"針(ニプロ)を用いて皮内投与し、 48時間放置し た。 その問、 ラットには市販固形飼料と脱イオン水を自由摂食させた。 ジエチルエー テル麻酔下で、 1 mg OVAを合む0.5%エパンスブルー生理食塩水溶液を、 1 ml注射 器と26Gx 1/2"針を用いて右後肢サプエナ静脈より投与し、 20分後屠殺した。 皮 の内側表面に見られた青い点の直径を測定した。

OVA特異的血海rgG濃度

OVAi特異的血清IgG濃度は、 Juらの方法に従いELISAにより測定した [lJ 0 50 mM炭酸緩衝液(pH 9.6)に0.5 mg/mlとなるようにOVAを溶解し、 96穴プレート (Nunc、 東京)に150μlずつ注入し、 40Cで一晩インキュベートした。 スタンダー

ドのウェルには、 50 mM炭酸緩衝液(pH 9.6)で1000倍希釈したF(ab')2合agment rat IgGを100 μl注入した。 各ウェルに1回当たり300 μlのTPBSを注入して3回洗浄 後、 プロッキング溶液300μlを注入し、 370Cで1時間インキュベートすることによっ てブロッキングを行った。 各ウェルを3回洗浄後、 1000倍にTPBSで希釈した血清50 μlを注入した。 スタンダードのウェルには、 0、 10、 20、 40、 50、 80および100 時J凶となるようにブロッキング溶液で希釈したrat IgG抗体50μIを注入した。 370C で1時間インキュベート後、 TPBS で3回洗浄した。 TPBSで1000倍に希釈したgoat anti-rat IgG peroxidase conjugate 100μlを注入し、 370Cで1時間インキュベートし た。 TPBSで3回洗浄後、 基質溶液100 μ1を注入し、 370Cで15分反応させた。 1.5%

シュウ酸100 μlを注入することで反応を停止し、 プレートリーダー(ImmunoMini NJ・2201、 ナルジェヌンクインターナショナル、 東京)を用いて、 415 nmで吸光 度を測定した。

血清ーゼ、濃度

血清 キマーゼ濃度の指標として、 血清RMCPII濃度を測定した。 血清RMCPII濃 度の測定協Juらの方法に従い、 ELISAキットを用いて測定した[lJ 0 96 穴プレー トにO.lM炭酸緩衝液(pH9.6)で希釈した1μg/mlmonωlonalmouse anti-RMCPII

11

(16)

50μ1を注入し、 40Cで一晩インキュベートした。 プレートを 6回TPBSで洗浄し、

TPBSで調製した4% BSA 300 μ1を注入し、 室温で30分インキュベートすることに より、 ブロッキングした。 TPBSで1回洗浄後、 RMCPTI standardまたは希釈した血 清サンプル50μ1を注入した。 500μg/ml RMCPTI standardは、 正常ラット血清で250 倍に希釈後、 20 ng/mlとなるように、 4% BSAを合むTPBSでさらに100倍に希釈し た。 そして、 0.5、 1、 2、 � 8、 10および12 ng血1 RMCPTIスタンダード溶液を調 製した。 血清は4% BSAを合むTPBSで200倍に希釈した。 プレートをTPBSで6回洗 浄後、 4% B S Aを合むTPBSで400倍に希釈したsheep an ti.RMCPII-HRPO conjugate 50 μlを注入し、 室温で1時間インキュベートした。 TPBSで6回洗浄後、

50μ1の基質溶液を注入し、 室温で10分反応させた。 2.5 M硫酸溶液25 μ1を注入して 反応停止後、 プレートリーダーを用いて、 492 nmで吸光度を測定した。

血清リボタンパク質画分の調製

血清リボタンパク質の調製はHavelらの方法に従い、 VLDLおよびLDL画分を 分 離した[39]。 血清(d =1.006 )3.5 mlに0.01%となるよう にEDTAを添加し、

12PAシールチューブ(日立工機、 茨城)に入れ、 生理食塩水でチュープを満たし、

混合した。 チュープシー ラー(ベックマン ・ コールタ一、 東京)を用いてふた をし た。 RP55Tローターおよび目立分離用超遠心機(目立工機)を用いて 、 1 00C、

105,400 Xgで16時間超遠心分離した。 チュープの上から約1 cm をチュープスライ サーを用いて切り、 5 ml注射器(テルモ)および22G X 1 1/2"針を用いてそれぞれ メスシリンダーに取った。 切ったチュープも少量の生理食塩水で洗い、 メスシリン ダーに取り、 量を測定した。 上部の画分をVLDL画分とし、 量は3.30'"'v 4.00 mlで、

あった。 下部の溶液を別のシールチュープに入れ、 生理食塩水で10 mlにし、 飽和 臭化カリウムを用いて、 密度を1.063に調整した。 飽和臭化カリウムは、 十分混和後、

比重計を用いて比重を測定した。 添加する飽和臭化カリウム量は次の式に従って算 出した。

1.006 XA+aB=1.063 (A+B)

A;比重1.006の下部画分の溶液量(ml、 本実験では10 ml) a ;飽和臭化カリウムの比重(本実験では1.393)

(17)

B;添加する飽和臭化カリウム量(ml )

本実験での飽和臭化カリウムの比重は1.393 であったので、 飽和臭化カリウムは 1.73 ml添加した。 飽和臭化カリウムと生理食塩水から調製した比重1.063溶液を用 いて、 メスシリンダーを洗い、 シールチューブを満たした。 同じローターと超遠心 機を用いて、 100C、 105,400Xgで18時間超遠心分離した。 チューブの上から約2cm でスライスし、 1回目と同様にメスシリンダーに生理食塩水で洗い込んだ。 溶液量を 測定したところ、 上部のLDL画分は3.30'" 4.00 ml、 下部の高密度リボタンパク質 (HDL)を合むbottom岡分は7.86"'8.99 mlであった。 LDLおよびbo枕om画分は透 析膜36/32(三光純薬、 東京)に入れ、 両端を純綿水糸で縛った。 その際もメスシリ ンダーは生理食塩水で洗った。 透析膜は4%炭酸水素ナトリウムで1時間煮沸し、 脱 イオン水で洗浄後、 50%エタノールに30分浸け、 0.01%アジ化ナトリウムを合む生 理食塩水中で冷蔵保存したものを用いた。 透析膜に入れたLDlJ3よびbo抗om画分は、

氷冷した0.001% EDTAを合む生理食塩水2 Lで、 1時間ずつ3回および一晩透析し た。 透析した溶液をメスシリンダーに少量の生理食塩水で洗い入れ、 溶液量を測定 した。 透析後のLDL画分量は5.19"'6.17 ml、 bo抗om画分は10.30"'12.85 mlであっ た。 それぞれの画分は-300Cで保存した。

血清および各リボタンパク質画分の脂質濃度の測定

血清および各リボタンパク質画分の総コレステロール、 トリグリセリドおよびリ ン脂質濃度は、 それぞれコレステロールC・テストワコー、 トリグリセライドGテス トワコー、 リン脂質B・テストワコー(和光純薬工業)を用いて、HDLコレステロー ルはHDL-C.2 r第一J (第一化学薬品、 東京)を用いて測定した。

統計処理

有意差検定はStudent's t-testにより行った[40J。

(18)

実験結果

成長、 摂食量および肝臓重量

Contt叫ラットおよびOVA投与ラットの成長、 摂食量および肝臓重量をTable 2・1 に示す。 これらの項目におい て、 両群聞に差は見られなかった。

Table 2・1. Growth parameters in Brown Norway rats immunized with adjuvant alone (Contt-ol) or adjuvant pl凶ovalbumin (OVA)

Groups Con仕01 OVA

Initail body weight (g) 142:t3 139:t4

Body weight gain (g) 140土4 129:t8

Food intake (g/day) 11.2:tO.2 10.7:tO.2

Liver weight (g) 13.1土0.4 12.2土0.3

Data are mean土SEM of 7 rats in出e Control group and 8 rats in the OV A group. Data were analyzed by Student's t-test.

大動脈内膜肥厚

大動脈弓の代表的な病変をFigure 2-1に示す。 Con仕01群では病変がほとんど確認 されなかったが、 OVA群では中膜に弾性繊維を伴う内膜の肥厚やカルシウム沈着を 伴う泡沫細胞の形成が確認された。 先の研究で、 E冠王Cラットに多量のビタミンD2 を投与し、 コレステロールとコール酸ナトリウムを添加した食事でちヶ月間飼育する と、 より進行した動脈硬化病変を形成することが報告されている[4J。 本実験では、

BNラットに多量のビタミンD2投与および動脈硬化食の摂食を行ったにも関わらず、

E冠王Cラットのような進行した動脈硬化病変は観察されなかった。

大動脈内膜肥厚の高さをTable 2・2に示す。 Con仕01群と比較して、 OVA群では大 動脈内膜肥厚の高さが3倍高かった。

(19)

-

A

1∞μm 1∞μm

..

Figure 2-1. Cross sections of the ascending aorta prepared合om Brown Norway rats immunized with adjuvant plus ovalbumin.

The internal elastic lamina is indicated by創刊ws. Magnification is 100.

Table 2・2. Intimal thickness ofthe ascending aorta in Brown Norway rats immunized with the adjuvant alone (Control) or adjuvant plus ovalbumin (OVA)

Groups

Initial thickness (μm)

-ti nuO疋-可i

&

ρu-dT ヮ“ OIVA

76.4:t19.0*

Data are mean土SEM of 7 rats in the Control group and 8 rats in the OV A group. *Significantly different from the Control group at P<0.05 by Student's t-test.

(20)

血潮gGおよびキマーゼ濃度

血清19Gおよびキマーゼ濃度をTable 2-3に示す。 OVA投与により、 血清IgGおよ びキマーゼ濃度はそれぞ、れ、 53および2.4倍増加した。 データには示さないが、 キマー ゼの92%はHDLを多く合む画分に存在した。 また、 各リボタンパク質画分でのキマー ゼの分布パターンは、 両群で類似した。 OVA特異的レアギン活性は、 摂食開始2週 間目および 8週間目において、 Control群では検出されなかったが、 OVA投与群では 2週間目で7匹中3匹、 8週目で1匹においてレアギン活性が検出された。 また、 摂食

開始13週間目では両系統のマウスで検出されなかった。

Table 2-3. Concentration of serum

IgG

and chymase in Brown N orway rats immunized with adjuvant alone (Con廿01) or adjuvant plus ovalbumin (OVA)

Groups

Serum IgG(μglml) Serum chymase

(ng/m1)

Con廿01 86.9::t:16.6

456土48

O'VA 4605::t:237*

1116::t:29 4*

Data are mean土SEM of 7 rats in the Control group and 8 rats in the OV A group. *Significantly different仕om the ContI叫group at P<O.05 by Student's t-test.

ラットキマーゼ濃度と大動脈内膜肥厚との相関

ラットキマーゼ濃度と大動脈内膜肥厚との相関 をFigure 2・2に示す。 キマーゼ濃 度と大動脈内膜肥厚との問に正の相関が見られた。

(21)

200

s g

旦ヨ

唱,..,..

g a

50

。 。

y = 10.026 + 0.005x R = 0.762 (P<0.0016)

1000 2000

Rat chymase (nglml)

3000

Figure 2・2. Correlation between serum rat chymase and intimal thickness

血清および各リボタンパク質画分の脂質濃度

血清および各リボタンパク質画分の脂質濃度をTable 2・4およびTable 2・5に示す。

血清コレステロール濃度は摂食開始2、 8および13週間目において、 両群で血清コレ ステロール濃度に差は見られなかった。 また、 13週間目での血清トリグリセリドお よびリン脂質濃度にも差は見られなかったo 各リボタンパク貧困分でのコレステロー ル、 トリグリセリドおよびリン脂質濃度にも差は見られなかった。 トリグリセリド はそのほとんどがVLDL画分に存在した。 リン脂質はbottom画分(d>1.063)に最 も多く存在した。 コレステロールの回収率は76---86%であった。

(22)

Table 2・4. Serum cholesterol concentration in Brown Norway rats immunized with adjuvant alone (Control) or adjuvant plus ovalbumin (OVA)

Groups Control OVA

mg/dl

2week 22fu:12 246::t:22

8 week 196土15 184土8

13 week 162::t:9 170::t:7

Data are mean土SEM of 7 rats in the Control group and 8 rats in the OVA gr・oup. Data were analyzed by Student's t-test.

Table 2・5.Lipid levels of serum and individual lipoprotein仕action in Brown Norway rats immunized with adjuvant alone (Control) or adjuvant plus ovalbumin (OVA)

Groups Control OV A

Total cholesterol Serum

VLDL LDL d>1.063 Triglyceride

Serum VLDL Phospholipid

Serum VLDL LDL d>1.063

162土9

37.7::t:3.0 60.5::t:6.2 64.5土4.4

51.7土7.6 44.5::t:5.1

127土3

21.5土1.5 30.0::t:2.4 76.2土2.1

mg/dl

170土7

39.0土1.4 69.7::t:4.1 61.2土2.4

46.8土4.3 38.3土3.9

124土7

20.5土1.3 34.7::t:1.6 73.2土1.9 Data are meaIl:t:SEM of 7 rats in the Control group and 8 rats in the OVA group. Data were analyzed by Student's t-test.

(23)

考察

ビタミンD2を投与し、 その後、 コレステロールとコール酸を添加した食事を摂食 させたBNラットに、 アジュパントである水酸化アルミニウムとともにOVAを感作 すると、 大動脈内膜肥厚が増加した。 OVAを投与したラットでは、 中膜に弾性繊維 を伴う内膜の肥厚や泡沫細胞の形成が観察され、 動脈硬化症の初期段階であること が確認された。 E冠王Cラットに多量のビタミンD2を投与し、 その後、 同様にコレス テロールとコール酸を添加した食事を摂食させると、 より進行した病変が確認され たにもかかわらず、 本実験では、 粥腫性プラークのようなより進行した病変は観察 されなかった[4J。 本実験では、 BNラットは中度の高コレステロール血症しか示 さなかったため、 ExHCラットの示す高コレステロール血症との差が、 このような 病変の違いを生じたと思われる。 以前の報告から、 ウサギへのタンパク質感作が大 動脈および冠動脈に病変を生じることが示されている[41、 42J。 ウサギはラット に比ベ、 容易に動脈硬化を発症するからであろう。 一方、 免疫感作と動脈硬化病変 の関係をラットを用いて研究した報告はない。 本研究は、 OVAを用いたラットへの 感作が動脈硬化病変を増加させるという最初の報告である。

OVAJ感作はl,n Vl,VOにおける肥満細胞の活性化の指標である血清キマーゼ濃度を 昇させた。 加えて、 キマーゼ濃度は大動脈内膜肥厚と正の相関を示した。 このこと は、 肥満細胞の活性化がラットにおける動脈硬化病変の発達に関与していることを 示唆している。 初期動脈硬化病変における肥満細胞の役割について、 Kovanenらが 報告している[33J。 その報告では、むDL1òよぴHDLのリボタンパク質は修飾され、

活性化された肥満細胞との相互作用によりマクロファージに取り込まれることがノj、

峻されている。 また、 正常なヒトの大動脈内膜における肥満細胞とTリンパ球の比 は2:1であり、 動脈硬化病変中には一部が脱頼粒化した肥満細胞が、 T細胞とほぼ同 様に存在すると報告している。 これらのことから、 ヒトや動物の大動脈内膜には肥 満細胞も多く存在すると考えられる。

ラットはキマーゼIとキマーゼEの創重類のキマーゼを有することが知られている。

キマーゼIは結合組織の肥満細胞に由来し、 キマーゼ11は粘膜の肥満細胞に由来する [43J。 ラットにおいて、 血清キマーゼ11濃度の上昇は小腸での粘膜肥満細胞の活

19

(24)

性化と脱頼粒化を示唆している。 結合組織の肥満細胞もまた、 タンパク質の感作に 反応し、 活性化され、 キマーゼを放出する[44J。 これらのととから、 動脈壁に存 在する肥満細胞がOVA感作の反復により活性化され、 脱頼粒化により放出されたキ マーゼにより、 修飾されたLDLがマクロファージに容易に認識されたた可能性が考 えられる。

本研究では、 免疫担当細胞が媒介する炎症反応の過程が、 血清コレステロール濃 度に影響することなしに、 ラットでの動脈硬化病変を誘導しうることを示した。 こ の動物モデ、ルは、 動脈硬化症の進展において、 LDLがマクロファージにより取り込 まれる過程を捉えた希少な動物モデ、ルであり、 血清コレステロール濃度とは独立し て、 動脈硬化の予防に関する研究を行うのに有用であると期待される。 また、 動脈 硬化発症に及ぼす免疫担当細胞活性化の役割と食事の影響を評価するための有用な モデ、ルであることが示された。

小括

免疫担当細胞が媒介する動脈硬化について、 食事の役割を評価する動物モデ、ルの 構築を行った。 BNラットに4日間、 多量のビタミンD2を投与し、 その後、 コレステ ロールとコール酸を合む食事で13 週間飼育した。 その問、 ラットにはOVA+水酸化 アルミニウム(OVA群)または水酸化アルミニウムのみ(Control群)を3週間おき に投与した。 多量のビタミンD2投与およびコレステロールとコール酸を合む食事の 摂食により、 BNラットは動脈硬化病変を呈した。 動脈硬化病変は主に泡沫細胞で形 成されており、 OVA群で病変が大きかった。 OVA特異的IgGおよび肥満細胞脱頼粒 化の指標である血清キマーゼ濃度は、 OVA群で顕著に上昇した。 血清キマーゼ濃度 と大動脈弓内膜肥厚との聞には正の相関が見られた。 OVA感作は血清脂質濃度に影 響しなかった。 これらの結果は、 肥満細胞が動脈硬化発症の初期段階で重要な役割 を果たすという仮説を支持するとともに、 この動物モデ、ルが動脈硬化発症に及ぼす 免疫担当細胞活性化の役割と食事の影響を評価するための有用なモデ、ルであること が示された。

(25)

第3章 ラットにおけるストレプトゾトシン誘発性糖尿病の発症と 食事抗酸化剤による改善

緒言

酸素フリーラジカルはさまざまな細胞機能に関与していることが知られている。

それらは必須であるとともに細胞に対して毒性を示し、 さらに、 糖尿病を合む疾患 の発症にも関与している可能性がある[45J。 勝臓P細胞の障害はインスリン依存 性糖尿病の発症因子であり、 酸素フリーラジカルがP細胞死と関与していると考えら れている[5-7J。 酸素フリーラジカルによって惹起された初発の傷害が引き金とな り、 勝臓p細胞は細胞障害性Tリンパ球による分解またはマクロファージやヘルパ­

T細胞によるサイトカインを介した分解をうける[5・7J。 とれらのととから、 抗酸 化剤の添加はインスリン依存性糖尿病の発症予防およびその改善に有効である可能 性が考えられる。 STZはカピに由来する抗生物質の一つで、 インスリン依存性糖尿 病の実験動物モデルを作製する目的で、 広く用いられている[8J0 STZによるイン スリン依存性糖尿病の発症は、 フリーラジカルによる勝臓P細胞の特異的な損傷によ るものであるとされている。 ラットにSTZを投与すると、 血清リボタンパク質画分 の脂質ペルオキシドが上昇し、in vitroでリボタンパク質の細胞毒性を測定すると、

細胞毒性が上昇することが報告されている[47J0 STZ誘発性糖尿病の発症後に、

ビタミンEやプロブコールを与えると、in vitroにおけるリボタンパク質の細胞毒性 は減少した[47J。 また、 STZ誘発性糖尿病のモデル動物を用いた研究では、 抗酸 化剤投与が生体内酸化ストレスの指標である血竣8・epi-prostaglan必n F2α濃度の 昇を抑制した[46J。 しかしながら、 これらの実験では、 高血糖や腸管膜の脈管内 皮機能不全は改善されなかった。 これらの結果から、 糖尿病の発症後は、 抗酸化剤 は酸化ストレスを軽減するにも関わらず、 血糖値や脈管機能などの糖尿病の症状に は影響しないことが示唆された。

栄養学的観点から、p細胞の障害を防ぎ、 その機能を維持する効果的な方策を見 いだすことは重要である。 これまでの報告から、 ラットにSTZを投与する前に、ビ

21

(26)

タミンEを腹腔内またはスーパーオキシドジスムターゼを尾静脈投与すると、 耐糖 能や勝臓のインスリン合量が改善された[9、 10J。 また、 マウスにSTZを投与する 前に、 ヒドロキシルラジカルのスカベンジャーとして知られるジメチルウレアを腹 腔内に投与すると、 高血糖およびランゲルハンス島の炎症が改善された[llJ。 こ れらの報告から、 抗酸化剤の摂取がインスリン依存性糖尿病の発症に有効である可 能性が考えられる。 TBHQはKeらにより合成され、 抗酸化能が強く、 米国栄養学会 によりげっ歯類の食事への添加が推奨されている[12、 13J。 ターメリックやカレー の黄色色素であるクルクミンはフリーラジカルを消去することにより、 抗酸化活性 を示し、 また、 リポキシゲナーゼやシクロオキシゲナーゼを阻害する[14、 15J。

Bleichらの報告によると、 12・リポキシゲナーゼ遺伝子ノックアウトマウスはコント ロールマウスと比較して、 STZ依存性糖尿病に対して高い抵抗性を示し、 血清のイ ンスリン濃度が高かった。 この研究は、 リポキシゲナーゼ阻害剤の経口投与がSTZ に対する抵抗性に有用である可能性を示唆している[48J。 また、 Sajithlalらの報 告では、 200 mg/kg体重のクルクミンの経口投与は糖尿病ラットにおける血清の酸 化状態を減少させることが示されている[49J。 そこで本研究では、 食事TBHQと クルクミンが、 ラットにおけるインスリン依存性糖尿病に対して有効であるかどう か調べた。

実験方法

実験試薬

ミネラル混合(AIN-76・MX)およびビタミン混合(AIN-76・VX)は日本農産 業、 DL-メチオニン、 硫酸、 メタノール、 ヘキサン、 アセトン、 水酸化カリウム、 ク ルクミン、 塩化カリウム、 リン酸二水素カリウム、 硫酸マグネシウムおよびグルコー スはナカライテスク、 ハイオレイックサフラワ一泊は味の素(東京)、 カルボキシ メチルセルロースおよびSTZはSigma Chemic als、 2・[4・(2・hy droxyethyl)・1・

piperazinyl]ethanesulfoniæcid (HEPES)および塩化カルシウムは和光純薬工業 コラゲナーゼは新田ゼラチン(大阪)、 組織培養用ハンクス液(炭酸水素ナトリウ

22

(27)

ム不合)は日水製薬(東京)、 Ficoll 400はPharmacia Biotech (スウェーデン)、

Conray 400は第一製薬(東京)からそれぞれ購入した。

試薬調製

0.05 Mクエン酸 緩衝液(pH 4.5)は0.22μm の滅菌フィルター(Millipore、 英 国)を用いて滅菌した。 STZ溶液は、 STZを16 mglmlとなるように0.05 Mクエン酸 緩衝液(pH 4.5)に溶解して、 使用直前に調製した。 ハンクス緩衝液(pH 7.4 )は 4.8 mM炭酸水素ナトリウム、 20 mM HEPES、 10 mglml BSA (フラク ションV) および0.5 mg/ml コラゲナーゼで調製した。 そして、 95% 02-5% C02ガスを通気 し、 pHを調整した。 Krebs Ringer bicarbonate (1包B)緩衝液(pH 7.4 )は、

0.154 M塩化ナトリウム1 Lに、 0.154 M塩化カリウム40 ml、 0.11 M塩化カルシウ ム30 ml、 0.154 Mリン酸二水素カリウム10 ml、 0.154 M硫酸マグ ネシウム10 ml、

0.154 M炭酸水素ナトリウム210 ml を 添加して1.3 Lとし、 10 mMとなるように HEPESを添加後、 95% ü2・5% C02ガスを通気した。 比重1.100のFicoll・Conray液 は16.6% Ficoll 400と33.4% Conray 400 を等量混合して調製し、 比重1.050のFicol1- Co町aY1液は比重1.100 のFicoll-Conray液を2倍希釈して調製し 、 比重1.075のFicoll­

Conray液は比重1.100のFicoll-Conray液と比重1.050のFicoll-Conray液を等量混ム して調製した。 インキュベーション液は0.2% BSA、 3.3 mMグルコース添加E偲B緩 衝液を氷冷して使用した。

実験動物

ラットは5週齢の雄Sprague・Dawley(SD)ラット(SPF、 セアック吉富)を用 いた。 ラットは2章と同様に純化食摂食開始まで予備飼育を行った。 食事はAIN-76 組成に基づく純化食を調製した[50J。 その食事組成(g/kg)は、 食事脂肪100、

カゼイン200 、 コーンスターチ150、 セルロース50、 ミネラル混合(AIN-76-l\α) 35、 ビタミン混合CAIN-76・VX)10、 DL-メチオニン3、 重酒石酸コリン2および燕 糖450とした(Con廿01食)0 TBHQ食には、 Con仕01食にTBHQを0.028 g/kg添加し た。 食事脂肪はヤシ油、 ハイオレイックサフラワ一泊およびサフラワ一泊を混合し、

飽和脂肪酸、 モノ不飽和脂肪酸および高不飽和脂肪酸の比を等しくした[51J。 ま

23

(28)

ず、 それぞれの油を少量ネジ口試験管に取り、 硫酸ーメタノール(1:115、 vlv)2 ml を加え、 アルゴンガスを封入後、 800Cで2時間加熱し、 トランスメチル化した。 そ の問、 15分ごとに撹持した。 その後、 常温まで放冷し、 飽和塩化ナトリウム溶液2 mlを加えた。 ヘキサン2 mlを添加し、 5分間シェーカーで振とう後、 遠心分離して ヘキサン層をガスクロチューブに回収した。 この抽出を3回繰り返し、 10% Silar 10C (Chromosorb W、 AW-DMC S、 メッシュ80---100、 クロマトテック、 東京) を充填したガラスカラム(内径2.6 mm、 長さ2 m、 島津製作所、 京都)を用いて、

脂肪酸メチルエステルとしてガスクロマトグラフィーにより脂肪酸組成を分析した。

キャリアガスは窒素を用いた。 ガスクロマトグラフはGC・8A(島津製作所)、 デー タの解析はChro maωpac C-R6A (島津製作所)で行い、 インジェクタおよびディテ クタ温度は2500C、 カラム温度は2100Cであった。 ガラスカラムは充填剤が変色した ら、 再度充填した。 まず、 充填剤をアスピレーターで取り除いた。 カラムの内側は、

10%アルカリ洗剤を入れ煮沸し、 洗浄した。 超音波洗浄後、 アスピレーターで吸引 しながら アセトン100 mlで洗い、 2%水酸化 カリウム溶液を満たし、 15分間放置し た。 メタノール洗浄後、 シリコナイズ(富士システムズ、 東京)し、 水洗して100 ---1500Cで乾燥させた。 シリコナイズは 700C前後の蒸留水で40---50%に希釈したシ リコナイズ溶液に10秒程度浸して行った。 片方にシリカウール(島津製作所)をー め、 アスピレーターで吸引しながらロートを用いて、 充填剤 を入れた。 その際、 カ ラムを軽くたたいて隙聞ができないように充填した。 左右同じ高さまで詰め、 もう 一方にもシリカウールを詰めた。 カラム温度 2300Cで3日間エージングを行った。 シ リカウールを詰める際には、 Gla ss woo l puller/inserter (Supe lco、 米国)を用 いた。 脂肪酸組成の分析結果から、 ヤシ油、 ハイオレイックサフラワー油およびサ

フラワ一泊の混合重量比を7.10:1.00:4.25とした。

SDラットを用いて、 2つの実験を行った。 実験1では、 純化食また はTBHQ添加 食を与えた。 食事は毎日交換した。 TBHQはAIN-93G組成に推奨されている添加

の2倍量とした。 実験2では、 純化食を毎日交換して摂食させ、 1.5%カルボキシメチ ルセルロースで乳化した26.7 mg/mlクルクミンを200 mglkg体重となるように毎日

胃内投与した。 Control群には1.5%カルボキシメチルセルロースのみを体重あたり の投与量が等しくなるように毎日胃内投与した[52J。 胃内投与は3 ml注射器(テ

(29)

ルモ)と栄養カテーテルを用いて、 第2章と同様に行った。 クルクミンは食事に添加 すると摂食量が低下するので、 胃内投与とした。

摂食開始1週間後、 16時間絶食し、 STZ?容液を調製後5分以内に40 mglkg体重とな るように、 1 ml注射器および27GX13 mmアトム針(アトムメデイカル、 東京)を 用いて尾静脈投与した。 ラットの尾は、 静脈を拡張させるために370Cの湯に浸けた。

STZ投与後、 それぞれの食事でさらに1週間飼育した。 7時間絶食後、 1 ml危g体重の ネンブタール注射液(大日本製薬、 大阪)を1 ml注射器と26GX1/2"針を用いて 腹腔内投与し、 ネンブタール麻酔下で10 ml注射器と22GX1 1/2"針を用いて心臓採 血した。 飼育終了日には、 尿を採集した。 血清は2章と同様に分離した。

勝臓ランゲルハンス島の単離

勝臓からのランゲルハンス島の単離はコラゲナーゼ法により行った[53、 54J。

使用するガラス器具はすべてシリコナイズして使用した。 心臓採血により十分に脱 血を行ったラットから、 横隔膜以下の腹部内臓を切り離した。 胆管の十二指腸部位 を糸できつく結び、 総胆管開始部付近で胆管の周辺組織を完全に剥縦した。 そして 10 ml注射器と27Gx13 mmアトム針をつないだポリエチレンチューブ(内径0.28 mm、 外径0.61 mm、 Becton Dickinson、 米国)を胆管の中に入れ糸で結んで同定 し、 ハンクス緩衝液6�7 mlを注入し、 勝臓を膨らませた。 膨らんだ勝臓を周辺組 織から剥離し、 50 mlビーカーに入れ、 95% 02・5% C02ガスを満たし、 パラフィル ムで密封して370Cで21分間静置した。 その後、 駒込ピペットを用いて氷冷したE句B 緩衝液35 mlに分散し、 50 mlの遠沈管に移した。 40C、 400Xgで30秒遠心し、 上清 を捨て、 氷冷したKRB緩衝液に分散させ2回洗浄した。 400Xgで'30秒遠心し、 上清 をデカントし、 比重1.100となるように調製したFicoll-Conray 400混合液(Ficoll­

Conra�液) 4 mlに懸濁した[ 55 J。 その上に比重1.075および 1.050のFicoll・

Conray液をそれぞ、れ3 mlおよび 2 ml重層し、 40C、 800Xgで10分遠心した。 遠心 後、 比重1.075および1.050の境にランゲルハンス島が観察されたので、 それらを氷 冷したKRB緩衝液を入れたシャーレに回収し、 2�3回洗った。 シャーレはランゲル ハンス島が容易に確認で きるように外側を黒くしたものを用いた。 実体顕微鏡 (SZ40、 オリンパス光学工業、 東京)下で200μlのマイクロピペットを用いて、 大

(30)

きさのそろったランゲルハンス島を吸い集めた。 ランゲルハンス島は50 mlの遠沈 管に回収し、 400Xgで2分遠心した。 上清を傾斜除去し、 20 mlの氷冷したインキュ ベーシヨン液に懸濁後、 400Xgで2分遠心した。 遠心後、 上清を除き、 再度インキュ ベーション液20 mlに懸濁し、 95% 02・5% C02ガスを充填して密栓した。 遠沈管を 少し傾けて固定し、 370Cで3D?士問、 ゆっくり振とうしてプレインキュベートした0 400Xgで2分遠心し上清を除去後、 インキュベーション液を加え、 駒込ピペットで 懸濁した。 ランゲルハンス島を再度、 外側を黒くしたシャーレに入れ、 200 μlのマ イクロピペットを用いて大きさのそろったランゲルハンス島財団を拾い、 200μ1にし てパッチパイアル(外径16.5 mm、 高さ40 mm)に入れた。 ランゲルハンス島から のインスリン分泌量の測定はパッチインキュベーション法を用いた[54J。 ランゲ ルハンス島倒固とインキュベーション溶液200μ1の入ったパッチパイアルに、 濃度を 変えたグルコース溶液800 μlを添加し、 インスリンの分泌を促した。 予備実験とし て、 STZを投与していないSDラットからランゲルハンス島を単離し、 グルコース濃 度がそれぞれ、 3.3、 8.3、 11.1および16.7 mMとなるように、 グルコース溶液を添 加した。 パッチパイアルに95% 02・5% C02ガスを充填し、 370Cで30分間、 振とう しながらインキュベートし、 ランゲルハンス島からのインスリンの分泌を促した。

氷冷して、 分泌反応を止め、 実体顕微鏡下でランゲルハンス島の数を確認した。 上 清を200 μ1ずつ3本に小分けし、 インスリン濃度の測定まで-300Cで保存した。 この 時のインスリン分泌量をFigure 3・1に示す。 インスリン分泌量は、 これまでの報止 と同様にグルコース濃度依存的に増加し、 16.7 mMの時に最大であったo この結 果から、 インキュベーション液中のグルコースの濃度は3.3 mM (分泌無刺激)およ び16.7 mM (分泌刺激)とした。 ランゲルハンス島からのインスリンの分泌実験 は、 各サンプノレ2から5本ずつ行った。

(31)

150

nu

nU AU

にu

唱i (Egoso-mqhMえ)ωmg-gロ判官富岡

d

3.3

5

8.3 lLl 16.7

10 15 20

Glucose (mM)

Figure 3・1. Glucose-stimulated insulin release仕om islets of non-diabetic rats Each value is the mean土SEM, n=5. abcdDifferent letters show a significant difference atP<0.05 by Scheffé method.

尿グルコースおよび尿タンパク質の判定

屠殺前に採集した尿をプレテスト試験紙(和光純薬工業)に滴下し、 呈した色に より尿グルコースおよび尿タンパク質をそれぞれ5段階で評価した。 尿グルコースは 一、 1+、 2 +、 3+および4+の5段階で評価し、 およその濃度はそれぞれ、 0、 100、

250、 500および2000 mg/dlで、あった。 尿タンパク質は「 士、 1+、 2+および3+の5段 階で評価し、 およその濃度はそれぞれ、 0、 10、 30、 100および300 mg/dlであっ た。

(32)

血清グルコース、 トリグリセリドおよびインスリン濃度、 分泌されたインスリン濃 度の測定

血清グルコース濃度はグルコースCII-テストワコー(和光純薬工業)、 血清トリ グリセリド濃度は2章と同様にトリグリセライドらテストワコー、 血清および分泌 されたインスリン濃度はインスリン ・栄研(栄研化学、 東京)を用いてそれぞれ測 定した。

統計処理

有意差検定はStudent's t-test、 カイ二乗検定またはSchefféの多重比較により行っ す亡。

実験結果

成長、 摂食量および摂水量

実験1および実験2の体重、 摂食量および摂水量をFigure 3・2からFiure 3・4にλ す。 TBHQ摂食ラットでは、 STZ投与後2日目から純化食を与えたラットと比較して 体重が有意に高かった。 クルクミン投与は体重に影響しなかった。 摂水量はSTZ投 与により上昇した。 TBHQ摂食ラットはSTZ投与後の摂水量の上昇が軽減された。

クルクミンを投与したラットではSTZ投与後、 クルクミンを投与していないラット と比較して、 同程度またはそれ以上の摂水量が見られた。 また、 STZ投与により、

過食が見られた。 TBHQ摂食により過食が軽減される傾向にあった。 クルクミン投 与は摂食量に影響しなかった。

(33)

E玄periment 1 Experiment 2 260

一-0一一Control .- TBHQ 240

* 2601

一一合一Control

160

ム Curcumin 240

160

Au nu nu oa AU 06 0G OL 唱i

(凶)判岡山切芯注h句。凶 nu

nu nu oa nU QU OムM OL --

(切)省首芯区h句。凶

140 0 3 6 9

Days

12 15 140

0 3 6 9

Days 12 15

Figure 3-2. Body weight of diabetic rats that received TBHQ or curcumin

Experiment 1: The rats received the purified diet without TBHQ (Con廿01) or the purified diet supplemented with TBHQ (TBHQ). Experiment 2: The rats received the purified diet and

carbo勾rmethylcellulose plus curcumin (Curcumin) or the purified diet and carbo勾methylcellulose alone(Con仕01). Data show the mean土SEM, n=6 for experiment 1 and n=7 for experiment 2.

*Significantly different from the corresponding values at each “me point at P<0.05 by student t-test.

(34)

Experiment 1 E玄periment2

40I 1--0一一Control 40

A Control

T

• TBHQ

δ.f.\_ I

30

、〆-む園J、 、 』bJF\ E

20

1

20

h

8

3

、\

10

ー、\

(

STZ injection

) 〈

STZ injection

。 3 6 9 12 15 。 。 3 6 9 12 15

Days Days

Figure 3・3. Food intake of diabetic rats that received TBHQ or curcumin

Experiment 1: The rats received the purified diet without TBHQ (Con仕01) or the purified diet supplemented with TBHQ (TBHQ). E玄periment2: The rats received the puri白ed diet and

carbo勾'Illethylcellulose plus curcumin (Curcumin) or the purified diet and carbo勾methylcellulose alone(Con仕01). Data show the mean:tSEM, n=6 for experiment 1 and n=7 for e勾erlment2.

(35)

E玄periment1 E玄periment2

300 300

250

一--0一一 Control e- TBHQ

一一合一 Con仕01

AU AU 唱i

』心パヤ信佳3F

..._ Curcumin 250

50 50

nU

AU O

FO OL

唱i

(凶)むぷ吋パ宇回明

� 200

nu nU

5

0 唱i

唱i

。ぷ伺パ甘口明hωパヤ.句詮3F

。 3 6 9

Days

12 15 。

。 3 6 9

Days

12 15

Figure 3-4. Water intake of diabetic rats that received TBHQ or curcumin

Experiment 1: The rats received the purified diet without TBHQ (Con廿01) or the purified diet supplemented with TBHQ (TBHQ). Experiment 2: The rats received the purified diet and

carbo勾rmethylcellulose plus curcumin (Curcumin) or the puri白ed diet and carbo勾rmethylcellulose alone (Control). Data show the mean土SEM, n=6 for experiment 1 and n=7 for experiment 2.

(36)

尿グルコースおよび尿タンパク質の判定

尿グルコースおよび尿タンパク質の判定結果をTable 3・1からTable 3・4に示す。

TBHQ摂食およびクルクミン投与は、 尿グルコースおよび尿タンパク質に影響しな かった。

Table 3・1. Urinary glucose levels in diabetic rats fed the diet containing TBHQ in Experiment 1

U rinary glucose

Groups 1+ 2+

Con廿01 1 1 。

TBHQ 2 1 2

Total 3 2 2

3+ 4+ Total

2 2 6

1 6

3 2 12

Each grade (一, 1+, 2+, 3+ and 4+) shows the concentration of about 0, 100,250,500 and 2000 mg/dl, respectively. Data show the number of rats detected.

Table 3・2. Urinary glucose levels in diabetic rats administered with curcumin in Experiment 2

U rinary glucose

Groups 1+ 2+ 3+ 4+ Total

ContI叫 1 1 2 2 1 7

Curcumin 2 1 2 2 7

Total 1 3 3 4 3 14

Each grade (ー, 1+, 2+, 3+ and 4+) shows the concentration of about 0, 100,250, 500 and 2000 mg/dl, respectively. Data show the number of rats detected.

(37)

Table 3・3. U rinary protein levels in diabetic ra ts fed the diet containing TBHQ in E勾eriment 1

U rinary protein

Groups 1+ 2+

Control 。 1 5 。

TBHQ 1 2 3 。

Total 1 3 8

3+ Total

。 6

。 6

。 12

Each grade (ー, �, 1+, 2+ and 3+) shows the concentration of about 0, 10, 30, 100 and 300 mg/dl, respectively. Data show the number of rats detected.

Table 3・4. Urinary protein levels in diabetic rats administered with curcumin in Experiment 2

U rinary protein (mg/dl)

Groups 1+ 2+ 3+ Total

ContI叫 。 3 2 2 7

Curcumin 1 2 3 1 。 7

Total 1 5 5 3 。 14

Each grade (ー, �, 1+, 2+ and 3+) shows the concentration of about 0, 10,30, 100 and 300 mg/dl, respectively. Data show the number of rats detected.

血清グ、ルコース、 インスリンおよびトリグリセリド濃度

血清グルコース、 インスリンおよびトリグリセリド濃度をTable 3・5およびTable 3-6に示す。 TBHQを合む食事を摂食したラットでは、 血清グルコース濃度が有意に 低かった。 また、 血清インスリン濃度は高い傾向を、 血清トリグリセリド濃度は低 い傾向を示した。 クルクミンを投与したラットでは、 コントロールラットと比較し て血清グルコース、 インスリンおよびトリグリセリド濃度に差は見られなかった。

(38)

Table 3・5. Serum glucose, insulin and triglyceride levels in diabetic rats fed the diet containing TBHQ in Experiment 1

Groups ContI叫 TBHQ

Serum glucose (mg/dl) 433:t58 268土10*

Serum insulin (μU/凶) 17.5:t5.1 27.4土4.2 Serum triglyceride (mg/dl) 341:t90 26fu:78

Data are the mean:tSEM for 6 rats per groups. *Sig凶白cantly different仕om the Control group at P<O.05.

Table 3・6. Serum glucose, insulin and triglyceride levels in diabetic rats administered with curcumin in Experiment 2 Groups

Serum glucose (mg/dl) Serum insulin (μU/ml) Serum triglyceride (mg/必)

Contr叫 401土62 20.7:t5.3 393:t118 Data are the mean:tSEM for 7 rats per groups.

ランゲルハンス島からのインスリン分泌

ランゲルハンス島からのインスリン分泌をFigure 3・5に示す。 3.3 mMグjレコース (分泌無刺激)でのインスリンの分泌は、 TBHQ摂食の影響は見られなかったが、

16.7 mMグルコース(分泌刺激)では、 TBHQ 摂食により有意に高い値を示した。

クルクミン投与では、 3.3 mMグルコース(分泌無刺激)および16.7 mMグルコース (分泌刺激)いずれにおいても、 コントロールラットと比較して、 差は見られなかっ す亡。

参照

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