木 材 切 削 工 具 の 切 れ 味 測 定 と切 れ 味 評 価 ( ⅩⅩⅠ Ⅴ) *
木材切削 にお ける工具す くい面 の切削応 力分布 お よび摩擦係数 の 変化 に及 ぼす被削材繊維傾斜角 の影響 ( 1)
杉 山 滋
長崎大学教育学部技術教育教室
(平成15年3月14日受理)St udi e so nQua nt i 丘c a t i o no fSe ns uo usSha r pne s sa nd Me c ha ni c a lSha r pne s so fWo o dCut t i ngToo l s .XXI V. *
Ef f ect sofWor kpi eceGr ai n‑ A n gl euponSt r es sDi s t r i but i onand Fr i ct i onalCoef 丘ci entonTわol R a ke‑ Facei nWわodCu 仕 i ng ( 1 )
Shi ger u SUGI Y M A
De p a r t me n to f Te c hn o l o g yEd u c a t i o n, Fa c u l t yo fEd u c a t i o n
,Na ga s a ki Un i v e r s i
ty, Na ga s a k i
852‑8521(ReceivedMarch14,2003)
Abs t r ac t
l nt hewoodc ut t i ngpr oc es s ,i ti si mpor t a ntt oo bt a i nt hea c t ua ls t r es sdi s t r i but i o ns o vert her a kef a c edur i ngc ut t i ng a ndt oi nves t i ga t et hec ha ngeso ft hes t r es s di s t r i but i onsa ndt hef r i c t i ona lc oe f f i c i e nt sde pe ndi ngont hewor kpi e c ec ondi t i ons .I n or de rt oo bt a i nqua nt i t a t i vei nf or ma t i onont he m,t heba s i cor t ho gona lc ut t i ngt es t so f woodwe r epe r f or me da t1 4 4. 9m m/ m i no fc ut t i ngs pe ed,us i ngt hec o nve nt i ona lt oo la nd t hec ompos i t et oo
l.Thedi s t r i but i onso ft henor ma ls t r es s(a)a ndf r i c t i ona ls t r e s s(I)O ve rt her a ke f a c ec a nbee xpr es s edbyEq. ( 4 ) ,a ndt heva r i a t i onso ft heva l ue so ft hee xpone nt sa nd t hec oe f f i c i e nt sus e di nt hi se qua t i onwi t hgr a i na ngl e
(9)1)a r ei l l us t r a t edi nFi gs . 7 a nd8.
1.緒
岩本研究では,工具面 と切屑 あるいは被削材 との接触 の中か ら,比較的広 い接触範囲を示 し,切削応 力分布が比較的測定 し易 く, しか も,木材切削で とくに重要 と考 え られ る工具 す くい面 のみ に着 目し,同面 に働 く切削応 力分布 の測定 を試 みた。即 ち,既報1)で測定 方法な どを種 々検 討 した分割工具 を用 いて,す くい面 に働 く切削応 力分布 を繊維傾斜角の 変化 との関連で究明 を試み,木材切削 にお けるす くい面の切削応 力分布 に関す る基礎的知 見 を得 よ うとした。 また,それ らの結果 に基づ いて,す くい面の摩擦係数 を求 め,摩擦 に 関す る知見 も得 よ うとした。
*本研究は,研究課超 〔木材切削工具の切れ味評価法 (感覚切れ味 と機械切れ味の定量化)に関する研究)の続報である。なお,本研究 を 「学校教育における木材加工 (木工 ・工作を含む)学習指導のための技術的基礎研究 (第28報)TechnicalandFundam entalStudies onEducationofWoodWorkingTechnicalEducationLessonsofSchool,XXVIII.」とする。上記の研究 (第27報)および標記の研究 (Ⅹ ⅠⅠⅠ)は,長崎大学教育学部紀要 一自然科学一 第68号 15‑21(2003.6)に掲載。
34
杉 山 滋
2. 実 験 方 法
既報1)で測定方法な どを種々検討 した分割工具を用いて,木材切削における工具す くい 面に働 く切削応力分布の測定 を行 う。分割工具の構造,同工具による切削応力分布の測定 原理 と方法,切削実験装置な らびに同装置による実験方法などは,既報1)と同様である*1。
3. 実 験 結 果 お よ び 考 察
3.1
繊維傾斜角9 1による切削現象の変化分割工具による切削実験 に先だち,通常工具による切削実験 を行 い,切削現象の観察 と 測定 を行 った.それ らの中か ら,切屑接触長 さ
P
kおよび切削抵抗の測定例 を示す。まず,R k
の測定結果の一例 (レッ ドラワン被削材の場合)をFig.3に示す。また,切削抵抗の水 平分力FHおよび垂直分力Fv
の測定結果 に基づいて,切削角 0を用 い, (1)式 によ り垂直 力Nおよび摩擦力Fを求めた。 レッ ドラワンを一例 として,その結果 をFig.4に示す。N‑ FH
S i n O+
FvcosOF‑F
HC OSOIFvs i n
Oまた,次式によ り,す くい面の摩擦係数LLを求め,その結果 をもFig.4に示 した。
L L
‑F/N FHCOSOIF
vsi nO
FHS i n O+ Fvc osO
(1)
(2)
(2)式の
L
Lは,切削加工 におけるクー ロン法則 と呼ばれる式であ り,木材切削では,そ の適用範囲については,これまでに論 じられていないが,金属切削では,刃先先端付近の高 温 ・高圧力下 においては,( 2)
式の適用は無意味であることが古 くか ら指摘 されている2'。 即ち,金属切削では,切屑 と工具面 との接触が軽負荷の場合で, 〟が一定 となるような場 合のみ (2)式が適用できる3), とされている。本研究では,次報で,(2)式の 〟が木材切 削で どのような意味をもつかを検討する。事1 工具す くい面の応力分布 を測定するための分割工具 による切削実験 とは別 に,工具刃先を分割 していない通常=具 による切削実験 をも行 った。通常工具による実験では,切削現象 (す くい面 と切屑 との接触長 さ,切屑轡曲状態,切屑生成形態の変化および切削加 工面あ らさ)の観察 を主 目的 として行 ったが,切削抵抗の測定 も同時に行 った。通常工具による切削抵抗の測定値 は,後述するよ う に,分割工具による切削抵抗の測定値 と対比させ,分割工具による実験結果 を判断す る場合の補助 として用いた。それ らの工具によ って測定 され る切削抵抗 を,Fig.1に模式的に示す。図のよ うに,分割工具は,その切れ刃 となるT2ナイフのす くい面長 さ Acが切 屑接触長 さ Akの範囲内で種 々異な り,T2のみに加わる切削抵抗の垂直力Nまたは摩擦 力Fが測定 される。一方,す くい面長 さが Rk よ り充分長 い,いわゆる通常工具では,工具面に加わる切削抵抗の水平分力FHおよび垂直分力Fvがそれぞれ測定 される。
分割工具,通常工具いずれ も材質はSKH 2で,切れ刃となる刃先角は250で,逃げ角は50一定 とした。切込量は0.8mm一定 とし, 二次元低速切削 (被削材の送 り速度は144.9mm/min)を行 った。
供試材 には, レッ ドラワンRedlauan(Shoreaspp.)の心材部,平均気乾比重0.52,含水率12.5%,板厚10‑ 12mmの柾 目材 あるいは若干追柾 目気味の材料 (Fig.2において,Oo≦9)3≦ loo)およびベイツガwesternhemlock(TsugaheteroPhyllaSARG.) の心材部,平均気乾比重0.49,含水率11.9%,平均年輪幅1.1m ,晩材率54.0%,板厚9‑ 12m の柾 目材あるいは追柾 目材(Fig.2 において, Oo≦iP3≦ 200)を用 いた。
上記各供試板材か ら,Fig.2のように,繊維傾斜角91(木材の繊維走向 と切削方向の交差角度)が00‑ 1800の範囲で,Ooか ら50 間隔おきに変化す る1組3‑ 5個の試験片 を木取 りした。 したがって,9)1‑ 00, 1800はそれぞれ材の木表面,木裏面か ら繊維走向 と平行 に切削す る縦切削 を意味 し,また,Oo<iPl< 900はJ憤目切削,9)1‑ 900は木 口切削,900<9)1< 1800は逆 目切削をそれぞれ 意味す るOなお,試験片の切削幅bの大 きさは,工具刃先 (とくに,分割工具のT2ナイ フ)の剛性保持 に影響 を及ぼす。 この研究 では,刃先の剛性 を保持できるbとして,6‑ 12mmの範囲を採用 した。
分割工具のセ ッティングおよび各種す くい面長 さ AcをもつT2ナイ フの鋭利性 を,一定の状態 に保つ ことは極めて難 しい。 これ ら の不良な状態で切削 を行 うことは,実験結果 の変動 を著 しくす る。 この研究では,つぎの方法 によ り一定の測定精度 の N または F を採 り出 した。即ち,既報 1)と同様 に,分割工具によるN または Fの測定 と同時 に,両ナイ フによって被削材 に加え られ るFHおよ びFvの測定 を,八角形弾性 リング荷重装置 によって行 った。 これ らのFHおよび ダVを,通常工具 による切削実験で工具に加わるFH およびFvと比較検定 を行 い、有意差のある場合 には,そのときの分割工具によるN または Fの測定値 を削除 し,Tl,T2の再セ ッ ト またはT2の再研磨を行 って実験 を繰返 した。
切削抵抗の測定では,オシログラフに描かれた抵抗波形の中央部 (切削長 さ60mmの中央部付近の約10mm長 さ) について,波形 の極大高さをそれぞれ測定 し,それ らの平均値で表 した。 したがって, このような測定方法では,切削によ り,被削材内部 に,先割 れあるいは勢断すべ りが発生す る直前の切削抵抗 を対象 とす ることになる。
( a)Cor nposi t et ool( b)Convent i onal t ool
Fig.1.Toolsusedinthisstudyandcuttingforcesmeasured.Ac:rakefacelengthofT2‑knife;Ak:aCturaltool‑chipcontact length;9)I:anglemadebetweencuttingdirectionandgrain orientationofwoodbeingcut(grainangle);N,F:normal andfrictionalforcesactingonT2‑kmifeofcompositetool dividedintotwopartsorconventionaltool;R:resultantforce ofcuttingforce;FH,Fv:hoizrontalandverticalcomponents ofcuttingforce.
o00432
(UJ
u )
n0 30 60 90 120 150
f l (degree)
180
Fig.3.Relationbetweentool‑chipcont
a
ctlength (Ak)andgrain angle(y)1). 0510(uJE\曾)山 5051.1.0.
(∈LiJJg)N 「
「.I
.ト.■LLL■lLRed lauan
lr‑0.40nT.m
t。三2.35mm
0 30 60 90 120 150 180
?
1 (degree)30 60 90 120 150 180 fl (degree)
Fig.5.Vdationofcuttingforcewith grainangle(y)1)inwood cuttingwith compositetool.
N,FandAc:refertoFig.1(a).
・
、
十 ∴ ヾ ・Fig.2.Relativegrainorientationoftestspecimentocutting directiom.
9 1 :refertoFig.1;b:Widthofcut;9 3 :anglemade betweenannualringsoftestpieceandsurfacecut.Arrows inthe五gureshowthecuttingdirectionoftheto
o
l.1.5 EEl.0
6!!
〇一 .二r z O・5 LL
O0 30 60 90 120 150 1 tPl (degree)
0.8 0.6 0.41 0.2
Fig.4.Variationofcuttingforcewithgrainangle(
y ) I )
inwoodcuttingwithconventionaltool.
material:redlauan;N,F:refertoFig.1(ち);LL:
f r i
ctionalcoefficientcalculatedfromEq.(2). (ig.(.uE・晋)音.
(N
g÷∈∈・ぎ)ND 5050Red Lauan
†
∫ ‑ ● l
N● ● ̲■
ノ
Ⅵ
●ハ■● ̲
●.●●■ ●
0 30 60 90 120 150 180
や1
(degree)Fig.6.Relationbetweenvaluesofcoef丘cients(
恥
,αF)in Eq.(3)andgrainangle(iPl).A
kおよびN,Fの測 定 結 果 (Fig.3お よび
Fig.4)な どに基づいて,9)1の変化 に伴 う切削現象の主な変化 を要約す ると,つぎ の とお りである。なお,特記 のない限 り,レッ ドラワン,ベイツガ両被削材共通 に現 れる切削現象である。
(1)順 目角度 の小 さな範 囲 (
9).‑ 00 ‑300 )
では,刃先前方 に生 じた先割れが,切削 の進行
に伴 い刃先 の斜 め上方 の繊維 走 向へ と成長 し,
切屑は短小な折れ型 とな る。
y)
1が大 にな るに し
たが い,切屑 の接触長 さお よび曲率半径 は次第
に小 となるが
,N,Fは次第 に増加す る。
36
321000
さ、王ご(itJ‑11∈E・g
Vせ .(・ V‑7‑u ,∈ ・g )I. p
杉 山 滋
0
30 60 90 120 150 1 tPl (degree)Fig・7・ReinEq.latio(nbe4)andgrtween.alVnaluesoanglefe(Plxpo).nents(BN・βF)inEq・(3)orexponents(βo
・
βr)Red lauan
I
43
2 1
0000 00 30 60 90 120 150
rl (degree)
bt1̲〜.tDE
・Bq)lP
.(n i.u JE ・g Yぜ
321
00 0 0
Western hemlock
0
30 60 90 120 150 180や1 (degree) Fig.8.RelationbetweenvaluesofcoefflCients(αO,αT)inEq.(4)andgrainangle(y)1).
(2)
91
‑300‑400では,切削中に刃先か ら斜め上方 に向う勢断力の方向と,被削材の繊維走向 と がはぼ一致 し,切屑は容易に勢断すべ りを生 じて分離 しは じめる。 これが原因して, この角度では, 切削抵抗が特異な低下 を示す ことが,低速切削4'・5',高速切削6'・7'ともに報告 されている。 しか し, 本実験のような追柾 目面が比較的多い木材切削では,材質的な特性,即ち, レッ ドラワンでは交錯木 理のため,ベイツガでは努断破壊 に対 して強い晩材層の存在のため,努断すべ りが妨げられ, この角 度で N,Fの著 しい低下がみ られない。一方,切屑の接触長 さおよび曲率半径は, この角度で最小値 を示す。この順 目角度 (9)1‑300‑400)は,順 目切削における折れ型切屑形態か ら,木 口の切屑形態 (切れ刃に対 して縦方向に配列する繊維の直接切断,ないし繊維群の破壊)への変移点 とみな し得る。( 3)
この変移点 を越えると,Fは,ほぼ一定 (レッ ドラワンの場合)か,または漸増 (ベイツガ の場合)の傾向,また,Nは,次第に増加の傾向を示 し,y ) 1
‑900‑1100でN,Fは最大値に達する.一方,切屑の接触長 さおよび曲率半径 も次第 に増加 し,91‑1100‑1200で最大値 に達する。
(4)さらにy)1が大になるにしたがい
,N,F
および切屑の接触長さ,曲率半径は次第に低下するが, 再び 9)1‑1300‑1500で極大値 を示す。9 1‑1500を越えると,切屑は折れ型切屑形態 に変わる。 こ の逆 目角度 (91
‑1500)は,木 口の切屑形態か ら,逆 目切削における折れ型切屑形態への変移点 とみ なし得る。3.2 繊 維 傾 斜 角 9)1によ る す くい面 の 切 削応 力分 布 の 変 化
分 割 工 具 に よ る切 削 実 験 に よ り, 測 定 され たTlナ イ フ に加 わ る垂 直 力 Ⅳ お よ び 摩 擦 力 Fの一 例 を,Fig.5に示 す (図 は , 煩 雑 にな る こ とを防 ぐた め , す くい面 長 さ
R
。の代 表 例6 L .
ど (kg/mm') で示 した)。 同図よ り明 らかな よ うに,9)1の変化 に伴 うN,Fの変化 の傾 向は, 先 に 示 し た 通 常 工 具 に よ る そ れ ら
( Fi g. 4)
と同様 な傾 向 を示 して いる。切 削応 力分布 を求 め るた め ,N,Fを それぞ れ
R
cの関数 として求 め る と,次 式 のよ うに表 し得 る。L(nm)
N
‑ αN・
PCB"F
‑ αF・
Ac
βFFig.9.Anexampleofstressdistributionsovertoolrakeface.
Ak,91:refertoFig.1;i:depthofout;
A:
distanceonrakefacefrom tooledge;0,で:nOrmalandfrictionalstressesovertoolrakeface.)
(3)こ こで ,
( 3)
式 の係 数αN,αFは,そ れぞれA c ‑1m
mの ときのN,Fを表す。レッ ドラワ ンの場合 を一例 として,9)1
の変化に伴 うそれ らの値を
Fi g. 6
に示す。同図か らも,9 1の変化 に伴 うαN,αFの 変化 の傾 向 は,先 に示 した通常工具 によ るN,Fの変化
( Fi g. 4)
お よび分割 工具 によ る N,Fの変化( Fi g. 5)
と同様 の傾 向 を示 して いる ことがわか るo一方 ,( 3)
式 のべ き指数β N,β Fは
,R
。の変化 に伴 うN,Fの増減 の程度 を表 し,Fi g. 7
に示す よ うな値 を とる。切削応 力分布 の測 定原 理 1'に基 づ いて,(3)式 を
A c
につ いて微分す る と,す くい面 に働 く垂直応 力 oお よび摩擦応 力 Tが求 め られ る。 0, Tは,それぞれ の刃先か ら切 り屑離脱 点 にいた るす くい面 の距離R(≡R c
) の関数 として,次式で表 し得 る。0 ‑α
U・
AβoI‑ αで
・
Aβr) (4)ここで
,( 4)
式のべ き指数 βO,βTは,それぞれ Aの変化 に伴 う 0, 7の増減 の程度 を表 し,Fi g. 7
に示す よ うな値 をとる。Fi g. 7
によれ ば,βO,βTの91に対する変化は,切削現象 (と くに,切屑 の接触長 さ,曲率半径) の変化 と比較的類似 した傾向を示 し, また,βO,βTの 両者 は,9 1の各条件下でB
o≒ βTとみな し得 る。一方,( 4)
式 の係数αO,αでは,それぞれp‑1m
mの ときの O, Tを表 し,Fi g. 8
に示す よ うな値 をとる。得 られた切削応 力分布 の うち,そ の一例 を
Fi g. 9
に示す。 同図 にみ られ るよ うに,切屑 離脱点付近 か ら刃先先端付近 に向 うす くい面上で, 0, Tともに指 数 関数 的 に増加す る。また,9)1の変化 に伴 う O, Tの変化 の傾向は,
Fi g. 8
か ら推定できる。即 ち,Fi g. 8
の ao, αTは,それぞれA
‑ 1mmのす くい面位置で 0, 7を表 して いる。 p
‑ 1mm以外 の他 のす くい面位置 にお ける 0, 日ま( 4)
式 によ り求めなけれ ばな らな いが, 0, TのiPlに位置す る 変化 の傾 向は,αO,α丁の91k対す る変化 の傾向 と同様 とな る筈である。以下では,Fi g. 8
によ り0, 7のiPlに対す る傾向を述べ る。
Oは,y)I‑Ooを基準として次第に増加し,91‑800‑ 900で最大値 (レッドラワンの場合)(ベイ ツガの場合には,極大値)を示す。91‑900を越えると,Oは次第に低下し,9)1‑ 1300‑ 1500(レ ッドラワンの場合) (ベイツガの場合には,9)1‑ 1100‑ 1400)で増加する (ベイツガの場合では, 最大値を示す).一方, Tは,91‑900付近までほぼ一定の傾向 (レッドラワンの場合)(ベイツガの 場合では,漸増する傾向)を示すが,9)I‑ 900およびヂ1‑ 1100‑ 1400で極めて大となる。一般に,
Tはベイツガの場合で大となるが,これは材質的な特性 (晩材層の存在)のため,レッドラワンの場
38
杉 山 滋
合よ り大になる, と解釈されるO以上のように,9)lの大きい順 目切削,木 口切削および逆 目切削で O, Tが極めて大きくなるが, これ らの切削では,前述 したように一種の木 口の切屑形態であるか ら,切 れ刃に対 して斜め方向あるいは直角方向に配列する繊維の直接切断,ないし繊維の破壊 を行 う場合 に は,す くい面に大きな応力が働 くことになる。
4. 結 論
木材切削にお ける工具す くい面 に働 く切削応 力分布 を測定す るため,主 として,分割工 具 を用 いて低速二次元切削 を行 った。 これ によ り,繊維傾斜角の比較的広 い範囲にわたっ て,切削応 力 (垂直応 力 oお よび摩擦応 力T)のす くい面上 の分布 の一般 的傾 向が明 ら か とな った。得 られた知見 を要約す ると,つぎの とお りである。
(1)す くい面 に働 く oお よび では,刃先か ら切屑離脱点 にいた るす くい面 の距離 Aの 関数 として,
( 4)
式で表 し得 た。即 ち, 0, 日 ま,いずれ も刃先 に向 うす くい面上で,指 数関数的 に増加す る傾向を示 した (Fig.7‑9)。(2)繊維傾斜角91の変化 に伴 う 0, 7の変化 の傾向は,91‑00を基準 として次第 に増 加 し,91‑800‑ 900(木 口切削 )お よび9)1‑ 1100‑ 1500(逆 目切削 ) で,極 めて大
となる傾向を示 した (Fig.8)。
文 献
1)杉山 滋 :木材学会誌,23,472 (
1977).2)例 えば,竹山秀彦 :精密機械,21,386 (1955).
3)白樫高洋,白井英治 :精密機械,39,966 (1973).
4)H.A.Stewart:ForProd.Jou
r
,19 (3),43 (1969).5)木下直治 :理化学研究所報告,36 (5),496 (1960).
6)E.Kivimaa:HolzalsR.a.T4(,3 (10),95 (1952).
7)森