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カーボンナノチューブ担持金属触媒の調製法及び触 媒特性に関する研究

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

カーボンナノチューブ担持金属触媒の調製法及び触 媒特性に関する研究

井口, 敏行

https://doi.org/10.15017/1398362

出版情報:Kyushu University, 2013, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:Fulltext available.

(2)

(別紙様式2)

論 文 要 旨 区 分 氏 名 井 口 敏 行

論文題名 カーボンナノチューブ担持金属触媒の調製法及び触媒特性に関する研究

論 文 内 容 の 要 旨

カーボンナノチューブ(CNT)は,その構造に由来する特異な物理的・化学的特性を有しており,物理,化学など 幅広い分野でその研究が進められている.本論文ではCNTの触媒化学への応用を検討した.

CNTを触媒に応用する際,

CNT表面に触媒活性種となる金属や金属酸化物が担持される.このCNTに担持された金属触媒が他の担体を用いた触

媒と比較して,優れた触媒作用を示すことが報告されている.例えば,アルミナ,シリカなどの担体上に担持された 触媒を用いてα,β―不飽和アルデヒドの水素化を行うと,飽和アルコールが生成するが,CNT担持貴金属触媒上で は不飽和アルコールが生成する.また,現行の固体高分子形燃料電池(PEFC)では電極触媒としてカーボンブラック 担持Pt触媒が利用されているが,この触媒に比べCNT担持Pt触媒は高い発電性能と耐久性を示す.このようにCNTを担 体とした触媒は特異な触媒作用を示す.CNTを担体に利用するには,CNTの外表面にナノサイズの金属粒子を担持し なければならない.しかし,CNT表面は化学的に不活性なグラフェンで構成されるため,CNT表面に金属ナノ粒子を 固定化することは難しい.そこでCNT上に金属ナノ粒子を担持するために,CNTを酸化することでその表面に官能基 が導入される.しかし,これによりグラフェンに欠陥が生じるため,

CNT本来の特性が損なわれることが懸念される.

CNTに官能基を導入させることなく金属ナノ粒子とCNTを複合化させる方法が求められる.

また本論文では固体高分子形燃料電池電極触媒を開発した.PEFCはアノードで水素の酸化,カソードで酸素の還元 が進行することで発電するが,両極で炭素担持Pt触媒が用いられる.アノードでの水素酸化に比較し,カソードでの酸 素還元の反応速度は遅いため,カソードで多量のPt触媒が使用されている.Ptは高価であるため,PEFCの本格的普及 に向け,カソード触媒の非Pt化が求められている.しかしPEFCのカソードは高い正電位,酸性雰囲気,酸素雰囲気な どの厳しい環境にさらされるため,ほとんどの金属種は溶解-溶出する.このためカソードの非Pt化は困難となってい る.

本論文では,CNTと金属ナノ粒子の新規複合化法を開発すると共に,生成したCNTと金属ナノ粒子複合材料の触媒 作用を検討した.またCNTと遷移金属種を利用したPEFC新規カソード触媒を開発した,本論文の第2章では,担持Pt 触媒上でのエチレン分解によりPtとCNTから構成される複合材料の生成法を検討した.第3章では,

2章で調製したCNT

とPtから成る複合材料の化学的特性を検討すると共に,それらの触媒作用を検討した.また第4章ではCNTと遷移金属 から構成される複合材料のPEFCカソードへの応用と,この複合材料の耐久性向上を検討した.

本論文は以下の5章で構成される.

第1章は緒論であり,本研究の研究背景と目的を述べるとともに,本研究に関わる既往の研究を示した.

第2章はCNT とPt ナノ粒子を複合化することを目的に,担持Pt触媒上でのエチレン分解によりCNT 生成を検討した.

種々の担体(カーボンブラック(CB),MgO,Al2

O

3,SiO2

)上に担持されたPt

触媒上でエチレン分解を行ったところ,い ずれの触媒上でもCNT が生成した.また,担持Pt 触媒上でのエチレン分解により均一な直径のCNT を生成させるこ とを目的に,Pt/CB を厚さ数nm のシリカで被覆した.その結果,エチレン分解中に進行するPt粒子のシンタリングが 抑制され,均一な直径(約 10 nm)のCNTを選択的に高収率で得ることに成功した.

第3章はエチレン分解で生成したPt とCNT から構成されるコンポジット材料(CNT@Pt)の触媒作用を検討した.

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CNT@Pt, Pt/CNTおよびPt/MgO上でシクロヘキセンの水素化を行ったところ, CNT@Ptが最も高い活性を示した.また,

α,β-不飽和アルデヒドであるシンナムアルデヒドの水素化ではCNT@Pt上で最も高選択的に不飽和アルコールであ るシンナミルアルコールが生成した.

CNT@Pt

の特異な触媒作用は,

CNT

とPt の強い相互作用によりCNT からPt 電子が遷移しているためと結論した.

第4章はCNT担持遷移金属触媒のPEFCカソード触媒への応用を目的に,シリカ被覆Fe触媒を調製し,その触媒の電 極活性及び耐久性を評価した.

Fe/CNTをシリカ層で被覆することで, PEFCカソード条件でのFe種の溶出を抑制するこ

とができた.シリカで被覆されたFe触媒では0.70 V(vs RHE)以下の電位で酸素還元活性を示すとともに優れた耐久性を 有していることがわかった.

第5章は本論文の結論であり,本研究で得られた知見を総括した.

参照

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