Vol. 2, (1963)
ン酸による防食効果
田中浩史,
文 秀 水
士 ︑ 山
中村勝一,
丹羽健夫
燃料被覆材 Al のリ
004
A n t i c o r r o s i o n E f f e c t o f P h o s p h o r i c A c i d o n The C l a d d i n g M a t e r i a l Al
By Katsuichi NAKAMURA, Hidebumi SHIMIZU, Hiroshi T ANAKA and Takeo NIW A.
Corrosion of the cladding material, aluminum, of the fuels of UTR‑B had became in J uly 1962.
In order to prevent the growth of the corrosion
,
we had added n‑phosphoric acid to the moderator in concentration of 10‑100 ppm.From continuous measuring of pits' dimensions, it was observed that the corrosion growth was prevented.
十日﹁│一E02NL
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﹁三 宮口 守お
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一自
近畿大学原子炉UTR‑Bに使用している燃料被覆 材 (Al)に1962年7月,腐食現象が発生した。
腐食の進行を防ぐために1O"‑'100ppmの正リン酸を 減速材(軽水)中に加え,その後の腐食の進行状態を 測定し防食効果を確認した。以下これについて報告す る。
緒
燃料板は90%濃縮ウランを用いたMTR型で,燃料 1枚あたりの235Uの含有量は約22.5gである。 235U はA14Uの形で,Al中に一様に分散している,これ をさらにAlで被覆している。これが減速材の軽水中 に浸しである。液温は常温で170"‑'280C,減速材は循 環せず,かっ上部は開放されている。
燃料板が減速材に浸してあった時間は1961年11月9 日燃料装荷より, 1963年9月17日に至るまで約11060 時間であった。また原子炉の運転時間数は687時間,
リン酸を加えるまでの原子炉の運転時間数は123時間 で,浸水時間数は566時間である。
燃料板のようすをFig.1~乙示す。
料 板
燃Fuel plate
報文がある。腐食の進行を防止する目的で,減速材中 に正リン酸を加えた。加えた正リン酸の量は最初は 1脚 pmであったo pH は3,電界伝導度は 8同 /cm であった。これでは酸性が強いので現在では10ppm, pHが5ぐらいになるようにしている。電気伝導度は 10,,‑,20μ
。
/cmである。法
腐食の進行状況は,被覆材表面に発生している腐食 孔の大きさの変化を継続的に測定するととにより観察 した。腐食孔の大きさの測定は,原子炉の運転を停止
‑ 21‑
~.lIJ 定
百 リ ン 酸 の 添 加
1962年7月燃料被覆材表面に著るしい腐食現象の発 生を見た。原子炉燃料被覆材の腐食については若干の
而皿
近畿大学原子力研究所年報
,た後,約20時間後燃料仮を取山し,克巳約50時間放 ぶ,乙のととから,肉食孔の大きさの分布はほぼ正規
t
したものを顕微鏡観察した。測定時の燃料表面にお 分布型となるととが分った。 (Fig.2) トるγ線の総量率は2'""'‑'10mrjhrであった。測定に用いた顕微鏡はユニオン光学
KK
製シヤテリ;の反射型金属顕微鏡で,その佑ー率は10倍の対物レン fと10倍の接眼レンズを組合せ100倍である。
腐食孔の形状は不規則な形であるので,視野におけ i最大径と,これにiLIfy方向の最大径の大きさを別々 :説みと PJate 1 Microphotograph of pit ),その
1枚の燃料板の表側又は裏側について腐食孔の個数 は片側で,肉眼で観察できるもの約20個であった。そ の大きさを大きさの il~l}ょに並べ, 横軸 lζ 孔の径(ミ ク ロン)をとり縦軸に頻度パーセントをとり,また縦軸 の目盛を確率関数目盛で目盛ると,ほほ直線上になら
‑22‑
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企孔の Eとした アルミ ニウ ム 表 富は酸化 皮膜!と覆1つれてお り,腐食 FL LI休は 硯察しに くいので との実験 では,肉} 食孔を中 心とした 表面の黒 色又は褐 色lと若色 した部分 の大きさ を測定し 7こ。Pla‑ te.11こ!肉 食孔の顕 微鋭写tI
を示す。
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腐食孔の大きさの分布 および時間的変化
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Fig.2‑b Pit size distribution (CDZ‑24 back)
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察
Fig.3から明らかなとおり,アルミニウム被覆材の 軽水中における腐食は リン酸を軽水中に添加するこ とにより,ほとんどその進行が防止できる。腐食孔の 大きさが, リン酸添加前にくらべて小さくなったこと から考えて,被覆材表面に或る種の被膜が形成せられ たものと考えられる。この被膜の厚さは,腐食孔の大 きさの変化から推定すると,約50ミクロンであり,一 般の含水酸化アノレミニウム被膜より,厚いように思わ れる。おそらく,これは, リン酸アノレミなどの生成に よるものと考えられる。とのことはFig.3において,
リン酸添加後電気伝導度が,漸減することからも示唆 される。乙の点については,今後さらに追求する予定 で あ る 。 ( 1S64年3月31日受理)
H 考
Vo1.2, (1963)つぎに径の平均値及び標準備差の時間的変化をプロ ットすると, Fig.3のようになる。リン酸添加後の腐 食孔の大きさは約 290ミクロンで, リン酸添加によっ てその径には殆んど変化がなくなり,したがってアル ミニウムの腐食の進行が全く防止された事が確認され た。また標準偏差は約200ミクロンであった。なお参 考のために, リン酸添加前後における減速材のpHお よび電気伝導度の値をFig.3a, 3b!と示した。
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終りに,御協力下さった原因武夫助教授に厚く御礼 申し上げます。
(1) ]. K. Dawson : Chemical Aspects of Nu‑
clear Reactovs, Vol. 2, 212, Butterwor‑
ths.
(2)野村末雄:原子力学会誌, 2, No. 6, 337(1960). (3)野村末雄:原子力学会誌, 2,No.8,468(1960). (4)野村末雄:原子力学会誌,2,No.10, 603(1960). (5)野村末雄,他:第3回原子力シンポジウム報
告集,
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‑18,131 (1959).( 6) R. K. Hart : Trans. Farad. Soc, 50,269 (19 54).
(7) R. K. Hart : Trans. Farad. Soc, 53, 1020(19 57).
(8)軽金属協会編:原子炉用アノレミニウム合金に関 する研究, 137 (1960).
(9)川崎正之,他:金属学会 (1960).
(10) R. A. V. Huddle : Al comf
,
411 (1955).一 参 考 文 献 ‑
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A. Ayres, et all : ibid, 15, 1430(1958). (12) J. E. Draley, W. E. Ruther : ibid, 15, 714(1958).
(13) F. H. Krenz, A. E. Hunton : AECL, 758 ( 1958).
(14)長谷川正義,他:原子力工業,
60).
(15)長崎隆吉:原子力工業, Vol. 6, 11 (1960). (16)伊藤伍郎:原子力工業, Vo1. 6, 18 (1960).
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