4. Vale: Companhia Vale do Rio Doce
(ヴァーレ社: 旧略称 CVRD)
1.企業概要 本社 ブラジル・リオデジャネイロ 主要事業〔鉱種〕 鉄鉱石、非鉄金属鉱山、運輸(鉄道・港湾)、水力発電 〔鉄鉱石,Cu,Al,Au, Mn,Ni,Co,PGM,カオリン,カリウム〕 従業員数 52,646 人(2006 年末-連結ベース) 決算日 12 月末日 主要関連会社 ・Vale Inco(100%,ニッケル・銅・PGM・コバルト鉱業)※2006 年 10 月買収 ・Caemi(100%,鉄鉱石・ペレット・鉄道) ・Samarco(50%,鉄鉱石・ペレット) ・Nibrasco(51%,ペレット)※新日鉄,住金,JFE,神鋼,日製,双日 ・Kobrasco(50%,ペレット)※POSCO ・Hispanobras(51%,ペレット)※Arcelor ・Usiminas(22.99%,鉄鋼)※日本ウジミナス ・Azul(100%,マンガン鉱業) ・Urucum(100%,マンガン鉱業,鉄鉱石) ・MRN(40%,ボーキサイト鉱業) ・Alunorte(61.74%,アルミナ生産) ・Albras(51%,アルミ精製) ・Valesul(100%,アルミ精製) ・Salobo(100%,銅山探鉱開発) ・PPSA(85.57%,カオリン鉱業) ・Shandong Yankuang Int. Coking Co.Ltd(25%,コークス,中国)※Yukuang G.,伊藤忠 ・Henan Longyu Energey resources Co.Ltd(25%,原料炭,中国)2.財務状況 (mUS$:US GAAP 米国会計基準ベースによる。)
年度 2006 2005 2004
売上高 Revenue〔①〕 19,651 12,792 8,066
当期純利益 Total net income〔②〕 6,528 4,841 2,573
売上高利益率〔③=②/①〕 33.2% 37.8% 31.9% 資産 Total assets〔④〕 60,954 22,644 15,715 流動資産 Current assets 12,940 4,775 3,890 負債 Total liabilities〔⑤〕 38,470 9,449 7,536 流動負債 Current liabilities 7,312 3,325 2,455 純資産 Net assets〔⑥=④-⑤〕 22,484 13,195 8,179
探鉱費 Exploration Spending Totals ※ 224.2 159.1 85.8
※探鉱費は Major Company Exploration Profile (Metals Economics Group 2005)による。
財務状況の推移: CVRD 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 16,000 18,000 20,000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 売上高 当期利益 利益率 (mUS$)
3.主要鉱産物の生産・開発状況 〔※鉱山名(所在国,権益比率):生産量は権益分〕 年度 2006 2005 2004 備 考 鉄鉱石(kt) 271,069 240,413 218,010 第 2 位(15.6%)企業として第 1 位 Southeastern System 96,630 90,326 79,987 Itabira 47,069 45,724 43,592 Mariana 29,519 25,479 18,980 Minas Centras 20,042 19,123 17,415 Southern System 84,323 69,897 18,827 MBR 64,596 50,362 Minas do Oeste 19,727 19,535 18,827 Carajas 81,762 72,489 69,376 Urucum 1,437 1,139 735 Caemi 42,344 Samarco 6,917 6,563 6,742 ペレット(kt) 33,376 36,376 35,313 高炉向け 63%、直接還元 36% マンガン鉱(kt) 2,243 3,032 2,732 第 3 位(10.7%)企業として第 2 位 Azul(Pará 州,100%) 1,692 2,236 2,008
Urucum(Mato Grosso do Sul 州,100%)) 362 389 369
その他 188 406 355
フェロアロイ(kt) 534 563 570 供給過剰による生産調整
ニッケル鉱(kt) 251 222 第 2 位(17.6%)
Ontario(加 ON,100%) 93 97
Manitoba(加 MA,100%) 35 49
Voisey's Bay(加 NE,100%) 36 0
Indonesia 70 74
External Source 17 2
ニッケル地金(kt) 198 第 2 位(14.6%)
Copper Cliff (Sudbury)Refinery(加,100%) 124 Clydach Ni Refinery(英,100%) 38 Matsuzaka Nickel Refinery(日,63%) 37
コバルト鉱(t) 2,040 1,660
Ontario(加 ON,100%) 633 1378
Manitoba(加 MA,100%) 415 282
Voisey's Bay(加 NE,100%) 680 0
External Source 312 0
銅鉱(kt) 267 107 73第 14 位(1.8%)企業として第 13 位
Sossego(Pará 州,100%) 117 107 73‘04 年 6 月、生産開始
Ontario(加 ON,100%) 109 126
Manitoba(加 MA,100%) 1 0
Voisey's Bay(加 NE,100%) 28 4
External Source 11 0 PGM(t) Ontario(加 ON,100%) 11.228 12.286 プラチナ(t) Ontario(加 ON,100%) 4.759 5.381 第 5 位(2.2%) パラジウム(t) Ontario(加 ON,100%) 6.470 6.905 第 5 位(2.5%) 金(t) Ontario(加 ON,100%) 2.426 2.488 ボーキサイト(kt)MRN(40%) 7,100 6,884 6,700第 8 位(3.9%)企業として第 7 位 アルミナ(kt)Alunorte(57.03%) 3,939 2,570 2,548第 7 位(5.5%) アルミニウム(kt) 550 538 487第 16 位(1.6%)企業として第 12 位 Albras(51%) 456 446 435操業技術向上による増 Valesul(100%) 94 93 52 カオリン(kt) PPSA,Cadam 1,352 1,218 1,210過去最高量を記録 カリウム(kt) Taquari-Vassouras 732 641 63805 年 9 月、能力増 600→850
4.沿革 CVRD は、1942 年 6 月、大戦中の米国、英国に対する鉄鉱石供給を目的とした国営企業として設 立された。その後、非鉄金属、紙・パルプ製品、アルミニウムなどを対象に事業を展開し、1990 年代 には株式売却による民営化が実施された。ラテンアメリカ最大の鉱山会社であり、世界最大(2004 年 生産量)の鉄鉱石とマンガン鉱の生産者である。 1891 年:・共和国憲法下で外国企業も含めて土地の所有者に地下資源の所有を認めたこと、同州 内で大規模な鉄鉱床が発見されたことから欧米企業の参入が始まった。
1903 年:・Doce 川流域の開発を目的として英国人により設立された Itabira Iron Ore 社もそうした企 業の一つであった。
1919 年:・同社は同地域で鉄鉱石の生産・輸出の独占権を得ようとした米国企業 Percival Farquhar 社に買収された。
1930 年:・Getulio Vargas 政権が誕生すると、独裁体制下で中央集権化が図られ、天然資源の国有 化が図られた。このため、Percival Farquhar 社は現地資本と提携して Itabira Iron Ore 社を ブラジル企業化し、円滑な運営を企図した。
1942 年:・3 月、米・英企業のブラジル国内における鉄鉱生産・輸出を認める「Washington 合意」が 3 国間で取り交わされた。同合意に基づいて英国は Itabira Iron Ore 社を買収し、これをブラ ジル政府に譲渡した。 ・6 月、ブラジル政府は Itabira 鉱山を母体として国営企業 CVRD 社を設立した。 1970~80 年代:・外国企業との JV にも積極的に乗りだし、新規鉱山・プラントの開発、企業買収によ って事業規模を大きく拡大した。 1971 年:・CVRD は探鉱子会社として Docegeo 社を設立、7 年間に 82 mUS$の探鉱費を投じて 35 の新鉱床を発見した。その中には世界最大規模の鉄鉱石埋蔵量が確認された Carajás (カラジャス)鉱床も含まれる。 1990 年代:・ブラジル政府は財政再建策の一つとして国営企業の民営化に着手した。 1995 年:・3 月、Cardoso 大統領が政権に就いた直後に CVRD 社の民営化が発表された。 ・6 月、民営化計画の対象企業リストに CVRD 社を追加する大統領令が公布された。 1997 年:・3 月、第一回入札が官報に公示された。入札の結果、ブラジル最大の鉄鋼メーカーCSN
社(Companhia Siderurgica Nacional)を中心とする VALEPAR コンソーシアムが、ブラジル 最大の企業グループ Votorantim 社、AAC 社(現 Anglo American 社)、日本企業グループ などで構成される VALECOM コンソーシアムなどに競り勝ち、政府の公示した最低価格を 20%上回る 3.33 bR$(当時のレートで約 3.14 bUS$)で落札、議決権付き普通株 41.7%を 取得した。 2000 年:・6 月、New York 証券取引所に上場するなど、グローバル化を進めるとともに、鉱業、運輸 及びエネルギー部門をコア事業として位置付け、非中核事業の売却を進めている。最近 の好業績によって獲得した豊富な資金をもとにコア事業分野での企業買収を推進した。 2004 年:・カナダ Noranda 社の買収合戦に失敗したが、ブラジル国内での鉄鋼プラントへの資本参 加も積極的に検討している。 ・6月、Carajás 地域において銅鉱床の探鉱・開発を推進してきたが、Sossego 銅山(初期投 資額 430mUS$)で銅精鉱生産を開始した。
・12 月、Sossego の精鉱を対象に CESL 式加圧酸化法による SX-EW プラント(初期投資額 58mUS$,2007 年第 2 四半期試験操業開始で2年以内に予定)の建設計画を発表。 2005 年:・7 月、Para 州の Vermelho ニッケル鉱山の開発(※)を決定し、ニッケル生産事業に参入。
(※初期投資額 1.2bUS$、生産能力 Ni46kt/年・Co2.8 kt/年、生産開始予定:2008 年第 4 四半期)
・10 月、Carajás 地域の第 2 の銅鉱山開発事業となる Project 118 の開発(36kt/年、OP+ SX-EW、初期投資額 232mUS$、生産開始 2008 年上期、ライフ 11 年)が決定された。 ・11,12 月の 2 ヶ月に亘って、Canico 社(カナダ)の株式 99.2%を買収(726mUS$、900 億円
相当)し、Para 州 Onca Puma ニッケル鉱床を取得。
・子会社である Caemi は所有していた QCM の保有株全株を Dofasco に 122mUS$で売却 (04 年にも Companhia Siderurgica Tubarao(CST)を売却し、売却益 222mUS$を計上) 2006 年:・1月、25%の権益を 86.3mUS$にて取得した Longyu 社(Henan Longyu Energy Resources
社:中国、05 年生産量 2.68mt)から初の無煙炭 40ktの出荷を受けた。
・2 月、Canico 社(カナダ)の株式の残り 0.8%の株式も取得(6mUS$)し、100%子会社とし、 Para 州に開発待ちの Onca Puma ニッケル鉱床を獲得。
・10 月 17 日、Para 州 Carajas で 200 人の武装した原住民らが同社からの援助増額を要求 し鉱山施設を占拠した。その後、19 日、住民らは撤廃に合意。 ・10 月 24 日、Inco の 75.66%株式(約 15bCan$(約1兆 6 千億円相当))で取得し事実上買 収したと発表。更に全株を 19.9bCan$で買い取る意向を株主に提示。 2007 年:・1 月 4 日、特別株主総会にて Inco 社の完全子会社化の手続き完了。 ・1 月 26 日、2007 年度投資額を発表。総額 6334mUS$の内、非鉄金属 2550(前年 463) は 40%を占め、前年度の 5.5 倍と強化される。
・2 月 26 日、豪 Hunter Valley(New South Wales 州)、Bowen Basin(Queensland 州)の 2 つ の良質な石炭鉱区をもつ AMCI HA 社(豪州)の買収(656mUS$)を発表、石炭部門の強 化を図る。(中国の産炭企業 Longyu の 25%権益を既得)
・4 月 20 日、AMCI HA 社(豪州)買収終了。権益分の石炭生産量 8mt、埋蔵量 103mt を獲 得。
・6 月 5 日、マンガン関連事業に集中すべく São João Del Rei Minas Gerais 州)の炭酸珪素 工場及び仏ダンケルクに所在する合金線工場を売却。
・6 月 23 日 Hydro 社と合弁で Barcarena(Pará 州)に新しいアルミ精錬所を設立す ることを発表、建設開始は 2008 年半ばを予定。生産能力は当面 1.85mt、4 段階の設備 投資を経て最終的なアルミナ生産能力を 7.4mt とし、ボーキサイトは Paragominas 鉱山よ り供給する計画。
・8 月 23 日、中国最大の鉄鋼会社である宝鋼集団(Bao Steel Group)と合弁で(出資比率 20:80)鋼片工場(粗鋼ベースで 5mt/y)を建設すると発表。 ・10 月 11 日、2008 年の設備投資計画を発表(総額 11bUS$、非鉄 3618mUS$は 33%、対 前年比 42%増。鉄道・物流インフラ及びエネルギー関連に重点投資) 当該投資により、最大の生産メニューである・11 月 21 日 韓国電炉メーカーである東国 製鋼と合弁で Ceará 州の Pecém 工業地域に製鋼工場を設置する旨発表。投資額は第一 段階で 2 億 m$、生産能力は粗鋼ベースで当初 250 万 t/年、最終的には 500 万 t/年 を計画。
・11 月 27 日、ANP(Agência Nacional do Petróleo, Gás Natural e Biocombustíveis :石油天 然ガス事業公団)から、天然ガスの 9 探査鉱区(Santos ベーズン(南東海岸地区):3 鉱 区、Pará – Maranhão ベーズン:4 鉱区、北東部 Parnaíba ベーズン:2 鉱区、Ptrobras など 他社との合弁を含む)を落札。
・11 月 29 日、社名を“Vale:Companhia Vale do Rio Doce”に変更。 2008 年:・1 月 16 日ブラジル独占禁止当局が宝鋼集団との合弁事業を認可。
5.事業内容 Vale は、世界最大の鉄鉱石生産者であるとともに資産規模でブラジル最大の企業である。ブラジ ル国内に鉄、金、マンガンなどの鉱山を所有するほか、鉄鉱山と統合した 2 つの鉄道網、JV によるア ルミニウム、鉄鋼製品部門に権益を保有していたところ、2006 年の Inco 買収によりカナダ、インドネシ ア、ニューカレドニアにおけるニッケルと随伴するコバルト、PGM、金など鉱業資産を手中にした。 業績好調な鉄鉱石部門での収益をベースに銅、ニッケルなどの非鉄金属部門や石炭、電力への 参入による多角化を積極的に展開している。以下に、事業部門別 2006~08 年投資見通し、主要鉱 産物見通しを示す。鉄鉱石の生産については 2007 年見込み 3 億tが投資完了年である 2012 年には4.22 億tに達すると見込んでいる。 Vale:事業部門別 2006~08 年投資見通し(2007 年 10 月 11 日発表データに加筆、単位:mUS$) 部門 2006 年 2007 年 2008 年 '08 年割合 伸び倍率('08/'06) 鉄鉱石 1,994 1,635 3,251 29.6% 1.6 非鉄金属 463 2,550 3,618 32.9% 7.8 アルミ 850 811 755 6.9% 0.9 物流 649 720 1,870 17.0% 2.9 石炭 83 209 390 3.5% 4.7 電力 92 101 470 4.3% 5.1 鉄鋼 114 114 81 0.7% 0.7 その他 256 197 565 5.1% 2.2 総計 4,500 6,334 11,000 100% 2.4 Vale:事業部門別 2006~08 年投資見通し Vale:主要鉱産物生産量見通し(2007 年 10 月 11 日発表データに加筆) 生産物 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2012 2012/min 鉄鉱石 (mt) 186 218 240.4 271 300 325 422 2.3 ペレット (mt) 13.0 20.0 20.4 15.5 17.6 20.0 33.0 2.5 アルミナ (mt) 2.3 2.5 2.6 3.9 4.3 5.3 8.2 3.6 石炭 (mt) 2.9 7.6 15.2 5.2 ニッケル (kt) 251 260 280 507 2.0 銅 (kt) 267 290 300 592 2.2 ※斜体文字は Vale 見通し 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 2006年 2007年 2008年 その他 鉄鋼 電力 石炭 物流 アルミ 非鉄金属 鉄鉱石 (mUS$)
2006 年のセグメント(鉱種・品目別売上高)を下表に示す。参考まで 2005 年の CVRD+Inco を “2005+”として併記する。Inco 買収によりニッケル、銅、貴金属・コバルト・その他金属が大幅に増強 された。鉄鋼関連は 62%と Vale 内部の割合は若干低下したものの毎年着実に増産されており、基 幹部門として変わりない。次いでアルミ部門が 11.6%、ニッケル 11.5%、運輸部門 6.7%、銅 5.3%、カ リウム・カオリン 1.8%、基金属その他 0.6%の順となっており、非鉄金属(ニッケル+銅+貴金属・コ バルト・その他金属)は 17.4%で鉄鋼関連に次ぐ部門に一気に発展した。 Vale :セグメント(鉱種・品目・分野別売上高) 年度 割合 2006 2005 (+Inco) 2005 2004 2003 2006 2005 (+Inco) 2005 鉄鋼関連 12,659 10,050 10,050 5,844 3,849 61.9% 56.1% 75.0% 鉄鉱石 10,027 7,396 7,396 3,995 2,662 49.0% 41.3% 55.2% ペレット 1,979 2,083 2,083 1,148 793 9.7% 11.6% 15.5% マンガン・合金鉄・その他 563 571 571 701 394 2.8% 3.2% 4.3% アルミ 2,381 1,408 1,408 1,250 852 11.6% 7.9% 10.5% アルミ地金 1,244 823 823 727 296 6.1% 4.6% 6.1% アルミナ 1,108 531 531 458 495 5.4% 3.0% 4.0% ボーキサイト・その他 29 54 54 65 61 0.1% 0.3% 0.4% ニッケル 2,360 3,655 11.5% 20.4% 銅 1,079 854 391 201 5.3% 4.8% 2.9% 貴金属・コバルト・その他金属 124 400 0.6% 2.2% カリウム・カオリン 361 326 326 288 190 1.8% 1.8% 2.4% カリウム 143 149 149 124 94 0.7% 0.8% 1.1% カオリン 218 177 177 164 96 1.1% 1.0% 1.3% ロジスティクス 1,376 1,216 1,216 877 604 6.7% 6.8% 9.1% 鉄道 1,011 881 881 613 373 4.9% 4.9% 6.6% 港湾・船舶輸送 365 335 335 265 231 1.8% 1.9% 2.5% その他 113 14 14 19 50 0.6% 0.1% 0.1% 合計 20,453 17,923 13,405 8,479 5,545 100% 100% 100%
Vale :セグメント(鉱種・品目・分野別売上高)(参考まで”2005(+Inco)”として Inco の実績を合わせて示す。)
0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 9,000 10,000 11,000 12,000 13,000 2003 2004 2005 2005(+Inco) 2006 鉄鋼関連 ニッケル アルミ ロジスティクス 銅(精鉱) 貴金属・その他金属 カリウム・カオリン その他 (mUS$)
(1) 鉄鋼原料部門 ① 鉄鉱石・ペレット
CVRD のブラジルにおける鉄鉱石採掘・ペレット製造は、それらを輸送する鉄道と港湾設備を統合 して事業が行われており、南部システム(Southern System)と北部システム(Northern System)に分 けられている。南部システムは Minas Gerais 州及び Espírito Santo 州の鉱山と同州の Vitória を結ぶ 鉄道及び港湾設備から成り、北部システムは Pará 州と Maranhão 州に跨る Carajás 地域の鉄鉱山と Maranhão 州の São Luís を結ぶ鉄道及び港湾設備からなる。2001 年 4 月に、Minas Gerais 州に 2 鉱 山を保有する Ferteco 社を独 Thyssen Krupp 社から買収した。鉄鉱石は、南部システムの Itabira 地 区(Conceição 鉱山、Cauê 鉱山など:2005 年生産量 109.9 mt、平均鉄品位 54.1%)、北部システムの Carajás 鉱山(2005 年生産量 72.5 mt、鉄品位 66.6%)を中心に採掘されており、これに下記ペレット 生産を加え 2005 年の生産量は 240.4 mt であった。05 年 4 月の Mariana 鉄鉱山の Fabrica Nova 鉱 の生産開始が寄与し、昨年比 36.9mtの増産となっている。
なお、現在稼行中の鉄鉱山は全て露天掘であり、可採鉱量(Proven & Probable)は 4.46 bt、平均 品位は Fe 58.4%とされている。ペレット製造のほとんどは南部システムで行われており、Espírito Santo 州の Tubarão complex に 9 つのプラントを有する。うち 3 つは自社プラントであるが、残る 6 つ は日本企業を含む外国企業との JV によって運営されている。2005 年のペレット生産量は 36.4 mt で ある。 Vale:鉄鉱石・ペレットの出荷先国 (mt) 出荷量(kt) 年度 2006 2005 2004 2003 ‘06 年度 割合 4 ヵ年間の 伸び倍率 ブラジル 58.9 57.6 55.7 47.1 21.3% 1.25 中国 75.7 54.2 41.0 29.5 27.4% 2.57 日本 27.9 24.8 20.8 18.1 10.1% 1.54 ドイツ 22.0 24.2 24.5 19.8 8.0% 1.11 その他欧州 20.4 21.2 17.5 8.8 7.4% 2.33 フランス 11.2 11.3 11.4 8.8 4.1% 1.27 韓国 10.1 10.1 9.6 7.5 3.7% 1.34 イタリア 8.1 8.8 8.2 5.6 2.9% 1.45 ベルギー 6.6 7.7 8.0 6.7 2.4% 0.98 中近東・オセアニア 9.2 7.7 7.1 5.8 3.3% 1.59 米国 4.4 4.9 5.5 3.8 1.6% 1.14 その他 21.0 22.8 21.8 24.8 7.6% 0.85 合計 276.0 255.2 231.0 186.3 100% 1.48 Vale:鉄鉱石・ペレットの出荷先国 0 10 20 30 40 50 60 70 80 2003 2004 2005 2006 ブラジル 中国 日本 ドイツ その他欧州 フランス 韓国 Vale:鉄鉱石・ペレットの出荷先 (mt)
Vale: 鉄鉱石の埋蔵量と生産量(生産部門別:2006,05 年 12 月 31 日時点) 埋蔵量(mt) 品位(Fe%) 含有量(mt) 生産量(mt) ライフ試算(年) オペレーション名 2006 2005 2006 2005 2006 2005 2006 2005 2006 2005 Southeastern System 3,871.8 4,029.4 51.9 52.1 2,009.5 2,099.3 96.6 90.4 21 23 Southern System 1,698.3 1,766.4 57.0 57.4 968.0 1,013.9 84.3 70.0 11 14 Northern System 2,021.0 2,117.1 66.8 66.8 1,350.0 1,414.2 81.8 72.6 17 19 Urucum 61.7 64.3 61.1 61.1 37.7 39.3 1.4 1.1 27 36 Vale 合計 7,619.3 7,981.8 57.0 57.2 4,343.0 4,565.6 264.1 234.1 16 20 ② マンガン
Azul(Pará 州)、Urucum(Mato Grosso do Sul 州)、Morro da Minas(Minas Gerais 州)、Bahia minas (Bahia 州)の4鉱山で生産されている。CVRD は世界最大のマンガン鉱石生産者でもあり、フェロア ロイ用、バッテリー用の二酸化マンガン、肥料・殺虫剤など化学用に出荷される。なお、両鉱山とも山 元に処理プラントを保有するほか、100%子会社の SEAS 社(フランス)、CPFL 社、SIBRA 社(以上、 ブラジル)などを通じて、フェロマンガン、フェロアロイを生産している。 CVRD: マンガン鉱の埋蔵量と生産量(鉱山別:2006,05 年 12 月 31 日時点) 埋蔵量(mt) 品位(Mn%) 含有量(mt) 生産量(mt) ライフ試算(年) オペレーション名 2006 2005 2006 2005 2006 2005 2006 2005 2006 2005 Azul 42.9 45.7 35.2 35.7 15.1 16.3 1.7 2.2 9 7 Urucum 7.7 8.2 45.3 45.3 3.5 3.7 0.4 0.4 9 9 Morro da Minas 9.4 9.6 22.8 23.0 2.1 2.2 0.2 0.3 11 7 Bahia mines 0.1 Vale 合計 60.0 63.5 34.5 35.0 20.7 22.2 2.3 3.0 9 7 (2)ベースメタル・貴金属部門 ① 銅・金 銅生産については、現在開発段階であるがブラジル Carajás 地域に Vale が 100%権益を保有する Sossego 及び Salobo はじめ5件の銅・金プロジェクトが進行中で、2004 年から 06 年にかけて操業を 開始する。先行する Sossego は 2004 年 6 月から生産を開始、本格稼動中である。 この他にブラジル国内に BNDES(ブラジル国立経済社会開発銀行)との合弁による 3 プロジェクト を含め、銅開発プロジェクトを5件有しており、これら銅鉱石の鉱量は 1.1 bt、平均品位 Cu0.96%、 本格生産時の 銅生産量 526kt、金 16.6tとなり、銅生産においても世界トップ 10 内に入る産銅会社 にものと予想される。
Sossego 銅山(Para 州 Carajas、100%)
ブラジル北東部に位置し、Vale(当時 CVRD)による銅山第 1 号として 2004 年 6 月から商業生産を 開始した。同鉱床は 1997 年に発見され、2002 年開発着手、初期投資額 430 mUS$。銅精鉱の初出 荷は、2004 年6月にドイツ向けの 16,000t であった。2004 年の精鉱生産量は 70kt であったが、同年 8 月には生産能力を増強しており 2005 年の生産見通しは銅量ベースで 140 ktとされている。銅精鉱 の生産計画量は銅含有量で 140 kt/年(金含有量 3 t/年)、マインライフ 17 年である。生産実績は 2004 年度 73kt、05 年度 107kt、06 年度 117ktである。精鉱輸送は既存の鉄鉱石用の Carajas 鉄道 (850km)を活用して Ponta da Madeira 港に輸送され船積みされる。採掘は Sequeirinho ピット(長径 2800m×短径 1000m×深度 450m)と Sossego ピット(径 800m×350m深度)からなり、鉱石を一次破 砕後、選鉱場まで 4kmをベルトコンベヤーで輸送される。
2004 年 12 月、Sossego の精鉱を対象に CESL 方式加圧酸化法による SX-EW プラントの建設計 画が発表された。同 CESL 法は Cominco Engineering Services Ltd(現 Teck Cominco 社)の開発に
よるもので、大きな特徴は精鉱を処理対象とするため、従来の SX-EW 法と異なり金などの副産物の 生産が可能な点が注目される。現在、CESL 法(Cominco が開発した湿式製錬法)によるプラント UHC(Usina Hidrometalurgica de Carajas)を建設中で 2007 年第 3 四半期より年産 10kt/y のカソー ド生産試験に入る計画で、結果次第で他の銅山も含めた処理能力に高める。
Salobo 銅鉱床開発(Para 州 Carajas、100%)
同鉱床は Carajas 山脈の Tapirap・Aquiri 自然林の中に位置し、100%子会社の Salobo Metais S.A. が管理している。CONAMA(ブラジル自然環境委員会)に対する環境上の許可申請が 2003 年5月 に提出された。 2006 年9月、F/S の見直しが行われ、2007 年1月に完了し、役員会で 855mUS$の開発投資額が承 認された。当初、2007 年第 2 四半期試験操業開始で2年以内に予定とされていたが生産開始時機 は 2010 年第 1 四半期に延期されている。現在、税制に関して政府側と協議中で開発時期は変更が ありえる。生産計画は銅カソード 100kt/y、金量 4t/y である。 118 銅鉱床開発(Para 州 Carajas、50%) 2005 年 10 月、Carajás 地域の第 2 の銅鉱山開発事業となる Project 118 の初期投資額は 232mUS$からなる開発計画が役員会で承認された。また、パートナーである BNDES との間で分配金 に関する合意文書を取り交わした。採掘権は 2006 年4月に取得され、2006 年末には主要機材の発 注が行われた。生産は露天掘採掘・SX-EW により、銅カソードの年産量は 36kt、生産開始は 2008 年第 1 四半期、マインライフは 11 年と計画された。その後、開発時期は 2009 年第 2 四半期と変更さ れ、埋蔵量も増加しライフは下表のとおり 19 年と試算される。現在、BNDES に対する銅価連動の売 上げに応じた支払い義務に関して協議中で結論が出るまで開発開始が見合わされている。
Alemao 銅鉱床開発(Para 州 Carajas、67%)
1996 年に Docegeo 社による探鉱(空中物理探査、地化学探査、試錐)により発見された銅金鉱床 で、2002 年に閉山した Igarape Bahia 金山(産金量累計 100t)の深部に相当し開発は坑内掘となる。 2005 年度までの試錐延長は 180kmに及ぶ。
Vale: ブラジル Para 州 Carajas 地域の銅・金鉱床の埋蔵量と生産・開発状況
プロジェクト 権益(%) 段階 操業開始 計画年産量 (Cu:kt,Au:t) カテゴリ ー 埋蔵量 (mt) 品位 Cu(%), Au(g/t) 金属量 (Cu:mt、 Au:t) ライフ試 算(年) 生産物 初期投資 額(mUS$) Cu 140 埋蔵量 0.97 2.1 15 銅精鉱 430 Sossego※1 (ソセゴ,OP) 100 操業中 2004 年 6 月 Au 3.5 P1+P2 214.8 0.271 58 CESL カソード Cu 36 埋蔵量 0.87 0.7 19 232 118※1(OP) 50 開発中2009 年 2Q P1+P2 77.7 SX-EW カ ソード Cu 100 埋蔵量 0.83 3.2 32 銅精鉱 897 Salobo※1 (サロボ,OP) 100 F/S 2010 年 1Q Au 4.0 P1+P2 385.3 0 Cu 150 埋蔵量 0.7 1.7 12 銅精鉱 500 Cristalino※2 (クリスタリーノ,OP) 50 Pre F/S 2006 年の 予定遅延 Au 2.3 247 0.15 37 Cu 150 埋蔵量 1.4 3.1 20 銅精鉱 550 Alemao※2 (アレマオ,UG) 67 Pre F/S 2007 年の 予定遅延 Au 6.8 219 1.86 407 Gameleitra※3 資源量 300 1 3.0 (ガメレイラ,OP) 100 探査 0.3 90 Cu 576.0 1.20 13.8 24 2,609 上記計(100%ベース) Au 16.6 1,144 0.439 503 ※1:アニュアルレポートによる。埋蔵量は 2006 年 12 月時点(P1:Proven,P2:Probable) ※2:”世界の金属鉱物資源開発ホットリージョン「ブラジル Carajas 地域:の現況(JOGMEC 中山健)”による。埋蔵量のカテゴリーは不明。 ※3:MEG データ。資源量のカテゴリーは measured+indicated
Vale: ブラジル Para 州 Carajas 地域及びカナダの銅鉱床の埋蔵量とライフ試算 埋蔵量(mt) 品位(Mn%) 含有量(mt) 生産量(mt) ライフ試算(年) オペレーション名 2006 2005 2006 2005 2006 2005 2006 2005 2006 2005 Sossego(OP) 214.8 225.1 0.97 0.98 2,084 2,206 117 107 18 21 Salobo(OP) 385.3 0.83 3,198 118(OP) 77.7 0.87 676 Ontario(UG) 175 163 1.27 1.31 2,223 2,135 109 126 20 17 Manitoba(UG) 24 25 0.12 0.13 29 33 1 0 29 Voisey's Bay(OP) 31 32 1.53 1.59 474 509 28 4 17 127 買鉱分 11 Vale 合計 2606.1 63.5 0.96 1.1 8,683 4,883 266 237 33 21 カナダ(Ontario,Manitoba,Voisey’s Bay)
カナダにおける旧 Inco 資産である Ontario、Voisey’s Bay、Manitoba 各ニッケル事業所の内、主に 前2者において副産物として生産されている。Ontario においては銅精鉱と粗銅が生産されているが、 今後、ニッケルと銅の生産ラインを分離する計画で銅については銅精鉱を増産し、その分粗銅を減 産する計画。また、ニッケル電解の副産物として電解採取による低品位精製銅も生産している。
Voisey‘s Bay においては 2005 年1月から銅精鉱の本格生産を開始し、2006 年1月に初出荷とな った。
金については Fazenda Brasileiro(Bahia 州)、Igarape Bahia(Pará 州)、Itabira(Minas Gerais 州)の 3 鉱山で金を生産していたが、2002 年に Igarape Bahia、Itabira の両鉱山が鉱量不足のため閉山し、 2003 年 6 月には Fazenda Brasileiro 鉱山を売却したため、現在操業中の金鉱山はない状態である が、ブラジル Para 州 Carajas 地域における銅生産開始に伴い、副産品として金・銀が回収される。 カナダ Ontario においては副産物として年産 2.4tの金が回収されている。 ② ニッケル・PGM <ブラジル Para 州>
CVRD は、ブラジル Para 州に Vermelho に加えて Onca Puma の権益を 2005 年 12 月に確保した。 それぞれ年産 46kt、57kt にて生産開始は 2008 年の計画で、両鉱山開発の初期投資額計は 2.3bUS$とされる(Financial Times 2005.12.1 付)。
Onca Puma ニッケル鉱床(ブラジル Para 州)
2006 年 2 月、Canico 社(カナダ)の全株式の買収(768mUS$)を完了したことにより、Para 州に開発 待ちの Onca Puma ニッケル鉱床を獲得し、同年第 3 四半期に建設が開始された。初期投資額は 1437mUS$。鉱量(Proven&Probable)は、78mt、品位 Ni1.80%、Fe18%で、フェロニッケルが生産され、 Ni 純分量年産 58kt の生産開始は 2008 年第 4 四半期とされており Vermelho との統合生産によるコ スト低減を図る。
Vermelho ニッケル鉱床(ブラジル Para 州、Carajas 鉄山の南 70km、Sossego 銅山の東 15km)
2005 年 7 月、Vermelho ニッケル鉱山開発が決定された。初期投資額は 1452mUS$で HPAL(High pressure acid leaching)プラントの建設が含まれる。生産能力は金属ニッケル年産 46kt 及び金属コバ ルト 2.8 kt で、生産開始は 2008 年第 4 四半期の予定である。ラテライトニッケル鉱埋蔵量 220 mt、 品位 1.23%で、商業生産寿命は 40 年と見込まれる。当初フェロニッケル製錬所建設が検討されてい たが、HPAL 法に変更された。 <ニューカレドニア> Goro ニッケル鉱床(ニューカレドニア、74%) Inco 買収の結果、Goro ニッケル・コバルト鉱床探鉱開発プロジェクトの権益 74%を取得した。パー トナーは住友金属鉱山と三井物産が 21%、SPMSC5%である。露天掘により年産ニッケル量は 60kt
が見込まれる。最近の環境・操業・技術に関するリスク低減対策の見直しの結果、初期投資額は 3212mUS$(2001~06 年間の支出額 1435mUS$を含む)と見込まれる。Goro の生産開始も 2008 年と 予定されている。 <カナダ:Ontario、Manitoba、Voisey‘s Bay(100%)> カナダのニッケル鉱業資産は Inco 買収により取得された。これら3事業所において銅・コバルト・ PGM・金を随伴するニッケル硫化鉱体を採掘している。前2者は坑内掘、生産開始が 1885 年、1960 年であるが、Voisey‘s Bay は 2005 年に露天掘生産を開始(いずれ坑内堀に移行)した新規開発鉱 山である。Ontario、Manitoba は採掘から精製までの一貫生産で山元で生産されたニッケル酸化物 は英 Wales の Clydach ニッケル精製所に輸送され金属ニッケルが精製される。Voisey’s Bay の鉱石 は Labrador 現地でニッケル精鉱が生産され、Ontario、Manitoba 両事業所に送られ酸化処理工程に 乗せられる。一部の精鉱は欧州のニッケル製錬・精製所にて委託製錬される。Newfoundland 、 Labrador 両州政府との協定に基づき、2011 年には現地にニッケル精製所を建設することになってい る。
Vale: ブラジル Para 州 Carajas 地域及びカナダのニッケル鉱床の埋蔵量とライフ試算
埋蔵量(mt) 品位(Ni%) 含有量(kt) 生産量(kt) ライフ試算(年) オペレーション名 2006 2005 2006 2005 2006 2005 2006 2005 2006 2005 Ontario 175 163 1.18 1.22 2,065 1,989 93.8 96.5 22 21 Manitoba 24 25 1.88 1.9 451 475 34.9 48.6 13 10 Voysey's Bay 31 32 2.67 2.75 828 880 35.5 23 PT Inco 177 147 1.77 1.8 3,133 2,646 70 73.9 45 36 Goro(OP) 120 120 1.48 1.48 1,776 1,776 Vermelho(OP) 245 0.81 1,985 Onca Puma(OP) 78 1.8 1,404 買鉱分 0.7 0.7 Vale 合計 850 487 1.37 1.59 11,641 7,766 234.9 219.7 50 35 Vale: カナダのニッケル鉱床中の PGM・金の埋蔵量とライフ試算 埋蔵量(mt) 品位(g/t) 含有量(t) 生産量(t) ライフ試算(年) オペレーション名 2006 2005 2006 2005 2006 2005 2006 2005 2006 2005 Pt 175 163 0.8 0.8 140 130 4.8 5.4 29 24 Pd 175 163 0.8 0.8 140 130 6.5 6.9 22 19 Au 175 163 0.3 0.3 53 49 2.4 2.5 22 19 3E 計 175 163 1.9 1.9 333 310 13.7 14.8 24 21 <インドネシア:PT Inco(61%)>
Inco 買収により獲得された。PT Inco 社は Vale61%、住友金属鉱山 20%、その他投資家 18%であ り、インドネシア Sulawesi 島で露天掘とプラントを操業している。PT Inco は取り決めにより生産物の 80%を Vale に 20%を住友金属鉱山に販売する。 <日本:Inco TNC(インコ東京ニッケル㈱(67%)> 三重県松阪市に流動焙焼炉により60kt のニッケル生産(商品名:ト-ニメット)を行っており、 Vale67%、住友金属鉱山 13%、三井物産 7%、その他日本の投資家 13%からなる。 <米:INMETCO(100%)> Pennsylvania 州にプラントを有し、廃ステンレス鋼材、廃電池、その他の主にニッケル、クロム、鉄、 カドミウムを含有する廃物から各種金属を精製し主にステンレス産業向けに出荷している。
(3) アルミニウム部門
従来、アルミニウム関連事業は、1990 年に CVRD 自社のアルミニウム関連権益管理のために設立 された 100%子会社の Aluvale 社により展開されて来たが、2003 年末に同社は CVRD 社に吸収され た。 CVRD 社はアルミニウム他社との合弁の MRN 社(Minerção Rio do Norte:Alvale 社権益 40%)、 Alunorte 社(同 57.03%)、Albras 社(同 51.0%)及び Valesul(同 54.51%)を通して、それぞれボーキ サイト、アルミナ、アルミニウムの生産を行い、外部に販売する他、ボーキサイト、アルミナは自社でも 処理を行っている。
<MRN(Mineracao Rio do Norte S.A.):Vale40%)>
MRN はラテンアメリカ最大のボーキサイト生産者で、世界最大規模の生産量を誇る Pará 州北部の Trombetas 鉱山を保有し 2015 年までは採掘可能と推測されており、2006 年の生産量は 17.8mt(権 益分 7.1mt)であった。
<Alunorte(Alumina do Norte do Brasil S.A.):Vale57.03%>
Alunorte 社は 1995 年 7 月に生産を開始したアルミナ生産者で、MRN 社から供給されるボーキサ イトを Pará 州 Barcarena で処理しており’06 年の生産量は 6.9mt(3.94mt)であった。
<Albras(Aluminio Brasileiro S.A.):Vale51%>
Albras はラテンアメリカ最大級のアルミニウム精製所を Pará 州 Belem に所有し、Alunorte 社から供 給されるアルミナを主に処理しており、06 年の生産量は 1960kt(権益分 456kt)であった。
<Valesul(Valesul Aluminio S.A.):Vale100%>
Valesul は BHP Billiton 社との合弁で Rio de Janeiro 州 Santa Cruz でアルミニウム地金を生産して おり、2006 年の生産量は 92kt(同 50kt)であった。
埋蔵量(mt) 品位(Al2O3%) 含有量(mt) 生産量(mt) ライフ試算(年) オペレーション名 2006 2005 2006 2005 2006 2005 2006 2005 2006 2005 MRN(Vale40%) 73.6 88.9 50.7 50.8 37.3 45.2 17.8 17.2 2 3
3. 探鉱活動 (1) 概要
CVRD 社は、従来、直接及び、100%子会社の Docego 社を通じて探鉱活動を実施して来たが、こ れを再編成して現在は新設された DIPM (Project Development Department, Paraiba 州 Santa Luzia 所在)により直接実施することになった。CVRD は、探鉱活動を最も費用対効果の高い鉱床獲得手段 と捉えており、歴史的にもブラジルにおける鉱山の発見・開発の主役を演じてきた。また、初期探鉱 においてリスク分散のために JV を組み、有望鉱床選定に係るコストを削減すること、同時に JV のパ ートナーから新しい探査技術を習得することを戦略としており、外国資本などとの新たな提携を模索 している。 2000 年以降対前年度比較 47%の上昇率で探鉱予算が投下されてきた。2006 年度探鉱予算額は 224.2mUS$を記録したが 2007 年度は 191.1mUS$と 15%減となり、合併後に予算が引き締められた。 (2) 対象鉱種 銅、その他鉱種(鉄鉱石、ボーキサイト等)、ニッケルが三大ターゲットとなっており、2006 年度予算 ベースでそれぞれ 44%、39%、16%が配分されている。特に Carajas 地域における銅探鉱に探鉱予 算が集中されており、2006 年度予算ベースで銅探鉱予算は 75.5mUS$で前年度(37.3mUS$)から倍 増され、全体の 44%を占める。その他鉱種、ニッケルはほぼ前年度並みであり、全体予算に対する 割合は相対的に低下した。 (3) 対象地域・探鉱段階 対象地位は中南米に集中しており、2005 年度と比較してアフリカ(ガボン、アンゴラ、南ア)の探鉱 費が大幅に減少し、中南米が 66%増となった結果、2006 年度は中南米が 83%、内ブラジル国内が 99.5mUS$と全体の 58%を占める。
探鉱段階は Late Stage & F/S 段階が 59%、Grass Roots41%と二分しており、Carajas 地域において 開発待ちの銅、ニッケル探鉱・開発待ち事業の多さが窺い知れる。
(4) 最近の動向
アニュアルレポート近年のターゲットは銅、ニッケル、鉄鉱石、マンガン鉱、ボーキサイト、石炭、ウ ラン鉱、PGM、カオリン、りん鉱であるとしている。対象国は 19 カ国で 2007 年の探鉱費は 120m US$(MEG データ 191.1mUS$と乖離あり)で研究、開発費を含めると 452mUS$となる。
銅に関しては既知銅鉱床の鉱量増のほか、新規に Gameleira 銅・金・モリブデン鉱床が 2003 年に 把握された模様。(資源量(measured+indicated)300mt、品位 Cu1.0%、Au0.3g/t)
ニッケルに関しては、ブラジル北東部の Sao Joao do Piaui で、精力的な探鉱活動を行い、有望鉱 区の鉱山権を確保した。
さらに同じくブラジル Para 州西部でカオリン及びボーキサイトの探鉱を行い、この地域における事 業拡大につながる大きな成果を挙げている。
<ペルーにおける Antofagasta 社との共同探鉱>
Antofagasta 社(本社:ロンドン、事業拠点:チリ)との合弁会社“Cordillera De las Minas 社(CVRD の 権益 50%)”は、2002 年からペルー南西部 Cuzco 近郊で探鉱してきた。探鉱成果として Cotabanba、 Antilla の2鉱床が把握されたが、鉱床規模が比較的小さく、中規模鉱山開発の可能性があるが同社 の探鉱基準を満たさないとして、2006 年 5 月に、これらペルーのプロジェクトの権益を売却する結論 に達した。同合弁会社は、既存の契約に基づき中南米での有望地域での探鉱を検討中である。