高性能減水剤を用いた高強度コンクリートの諸性質
(昭和52年5月31日 原稿受付)
開発土木工学教室高山俊一
開発土木工学教室渡辺 明
山 口 県 江 本 幸 雄
開発土木工学教室神野良一
Some Properties of High Strength Concrete
with High Effective Reducing Agentby Shun−ichi TAKAYAMA
Akira WATANABEYukio EMOTO Ryoichi KAMINO
Since high strength concrete with high effective reducing agent was used to construct some bridges in the San−yo Shinkansen, it has begun to use such concrete in general, gradually・
However, properties of this kind of concrete are different from ordinary concrete to some extent because of its rich mix proportion and low wate卜cement ratio.
The authors have been studying on the concrete for about ten years and already reported the results obtained before.
Here, they deal with some other test results which are;as for fresh concrete, relation between solid volume percentage of course aggregate and unit cement content, mixing method and slump,
respectively;as for hardened concrete, modulus of elasticity, durability, and permeability etc..
しやすいことなど,普通のコンクリートと異なった点も 1.まえがき
みられる。
高性能減水剤が製造市販されるようになり,これを混 そこで著者らは,スランプロスの改善および減水剤の 入した高強度コンクリートは,水セメント比が30%程度 効果的使用法の検討のために,減水剤の後添加や減水剤 と極めて小さくても,充分ワーカブルにすることが可能と を水と同時に混入しないなどのコンクリートの練り混ぜ なった。しかも,高性能減水剤を混入したコンクリート 方法を行なってみた。また,硬化した高強度コンクリー は何ら特殊な方法によらず通常の打設および養生の各方 トの水密性,耐久性,弾性係数およびぜい度係数につい 法によって,材令28日の圧縮強度が800kg/cm2を得る て試験を行なった。
ことができる。実際に高性能減水剤を用いた高強度コン
2.使用材料 クリートが山陽新幹線工事uなどを始めとして次第に施
工されるようになった。最近ではコンクリートの設計強 セメントは三菱鉱業セメント会社製の普通ボルトラン 度が600kg/cm2のコンクリート打設に,ポンプ施工が ドセメント(比重3・16〜3・18)を使用した。使用した骨 行なわれた。 材の物理的性質を表一1に示す。高性能減水剤としては・
しかし,高性能減水剤を用いた高強度コンクリートは, 減水剤Mを使用した。表一2には減水剤の主成分,比重な 低水セメント比でかつ富配合であるため,スランプの低 どを示す。減水剤の添加量はセメント量に対する重量百 下が大きいことや気温によってコンシステンシーが変動 分率で示す。
表一1骨材の物理的性質
性 質
增@ 類 産 地 石 質
最大寸法
imm) 比 重 単位容積 d 量
ikg/m3)
実積率
@(%) 粗粒率
吸水量i%)
細骨材1
山口県湯玉 海 砂 一2.55 1599 62.5 2.63 1.91
細骨材II 筑 後 川 川 砂 一2.47 1437 61.0 2.33 4.80
粗骨材1
宗像郡鐘崎20 2.72 1583 58.7 6.89 0.81
粗骨材II 行 橋 川砂利 202.73 1701 63.2 6.89 1.12
粗骨材III 門 司 硬質砂岩 202.73
158258.3 6.75 0.55
表一2減水剤の記号,成分など
記号
主 成 分比重
性 状 減水剤l β一ナフタリンスルホン酸
zルマリン縮合物
1.21
黒褐色t 状
変化しても補正することによって,一一定のコンシステン
性状 @シーを有するモルタルの酷が定められると考える.
100
:二=一一 1::。一一馨
モルタルのコンシステンシーをフ・一言式験によって判 墨・・
!1 1!/
断した.砂は表乾状態にしたのち,ビニー・レ袋に入れて 瑠,。/ z
試験温度に保ったものを使用した。モルタル試験1回分
の練・)混ぜ容量は0.5εとし,ばらつきを・1・さくするた 6.15。.、。.61.22.55.。1。.。
め練り混ぜには熟練者2〜3名があたり,5分間練り混ぜ ふるい目の寸法(mm)
た。フロー試験には,細骨材用の表乾状態測定用フロー 図一1 粒度曲線 コーンおよび突き棒を使用し,試料はコーン高さのほぼ
1/3ずつ分けて詰め,おのおのの突き数は2層目まで各 10回,3層目は5回とした。
3.2.粗粒率とモルタルのコンシステンシー 300 粗粒率の違いによるコンシステンシーへの影響を検討
するために,砂の粒度を調整してフロー試験を行なった。
250 粗粒率は2.00から3.60まで0.4刻みの5種類とし,図 輿 一1に調整した粒度曲線を示す。気温30℃および12 ;
一 _ 卜
〜16℃におけるフロー試験結果を図一2,図一3に不す。 200 同図によれば,粗粒率が小さく粒度の細かい部分が多い
ものほどフロー値は小さくなっている。粗粒率が小さい
150 場合,気温が低いとフロー値は小さくなっており,粗粒
率の違いによってフロー値の差が大きくなっている。図
一4は,図一3から砂率をパラメーターとして書きあら 100 ためたものである。同図によれば,粗粒率とフロー値は 亀
0 20 30 40 50 60
ほぼ比例関係が成立することが認められる。砂率30 砂率(%)
〜50%の範囲では,粗粒率0.1の変化に対してフロー値
図一2 粗粒率が具なる場合の
約7変化している。以上のことから,細骨材の粗粒率が フロー値一砂率の関係(気温30℃)
粗粒率 4・2・最適配合の決定
3°°
@ 。 8;:;8 最適配合とは・所定の繊耐雑水離およびワー1。 8;:1⑪ カビリチーを有する鞭で単位糧力劇 となる配合の
㍗ よ.寸゜㊥ ㌶蕊;鷲罐當鷲
l l
白 ㊦ のみを示す。
卜…
@ |−1一コ 前述したモルタルのフー言式験によっ詩水セメン1 ト比におけるフ゜一値〜砂輔係を求める・図一5に
試験結果を示す。Mの添加量は水セメント比28〜32%か
150 −
1 単位セメント量の1.5%,35%の場合が1.0%とした。
1
100 − 一
0 10 20 30 40 50 60 水セメント比%
砂率(%) 300 − 0 35
Φ @ 32 図一3 粗粒率が異なる場合のフロー値一砂率の関係 O ㊥ 30(鎚12.1〜15.8℃) 25。 6_°_ ◎28
300
250
200
畢 1 ロ 150
卜
100
紗1 『2°°
。。謝 卜・5・
∠トフ。 郷 …
゜1
・1°
10 20 30 40 50 60
砂率(%)
O 図一5 フロー値と砂率の関係
2.00 2.40 2.80 3.20 3.6ぴ
粗 粒 率
図一4蒜贈㌘関係 盲55° ll
∨ 1
4.1.試験方法 』∪500 −1− − Wc・32%
コンクリートの練り混ぜには・たら・・型強制練りミキ 罫 1 ・㌃
サーを使用し練り混ぜ容量はすべて25尼とした・・コン 8{;
クリートのコンシステンシーの測定は静的なスランプ試 Φ8
験と動的なVBおよびフ・一の各試験によって行なっ 哨、。 4。 5。
た。VB試験には高さ30 cmのスランプコーンを使用し, 細骨材率 (%)
3層に分けて詰め,各層は突き棒で25回均等に突いた。 図一6 単位セメント量と細骨材率の関係 フロー試験はASTM C124に従がって行なった。 (30〜32.5℃)
図一6はコンクリートのコンシステンシーをスランプ てもコンクリート中のモルタルのフロー値および砂率は 試験によって測定し,最適配合を求めるために示したも ほとんど変らないことが認められる。コンクリートの最 のである。各曲線群は下に凸となるので,同一スランプ 適配合を示すモルタル分のコンシステンシーはフロー値 における最小セメント量の配合が決定される。各スラン 180〜250であると考えられる。
プにおける最小セメント量は,スランプが大きい軟練り 4.3.実積率が異なる場合
コンクリートほど大きくなり,各点を結べばほぼ直線と 実積率が異なる砕石および川砂利を使用し,それぞれ なる。他の水セメント比およびフローとVBの各試験の 最適配合を求めた結果を表一3に示す。同表によると,川 場合も同様に下に凸の曲線となる。表一3は,各試験に 砂利の方が単位セメント量が40〜60kg/m3少なくなっ よって求めた単位セメント量と細骨材率を,スランプを ており,実積率4.9%の違いがあらわれたものであろ 基準としてそれぞれ示す。同表によると,水セメント比 う。単位セメント量の差40〜60kg/m3に対する単位水 が最も小さい28%の場合,単位セメント量が最大と 量は12.8〜19.2kg/m3となり,実積率1%大きくなれ なっている。水セメント比35%の場合は,減水剤の添加 ば単位水量も3〜4kg/m3減少できる。普通コンクリー 量が1.0%とやや少ないためコンシステンシーが若干劣 トでは実積率1%の増大に対して約4kg/m3減少でき るためか,単位セメント量が多くなったようである。試 るといわれており4),高強度コンクり一トにおいても同 験機による明白な差異は認められなかった。最適配合を 様な関係が成立するものと考えられる。
与えるコンクリートでは,スランプが8〜14cm変化し
表一3各コンシスメータによる最適配合
ス ラ ン プ フロー値 V・B値
一 〇
Xフンフ 種 類
セメント量 細骨材率
サ 率モルタルの
モルタルの
tロー値
フロー値
@ (% セメント量 細骨材率
V・B値@ (秒 セメント量 細骨材率
28 %566 31.2 37.1 180 58 566 31.3 4.8 579 32.3
30 % 482
32.1 42.0 237 38
47831.2 7.1
48231.2
32 %
467 31.7 41.8 227 53
48433.4 5.6 477 32.6
8
35 %500 33.3 39.0 211 53 501 37.5 4.7
49537.1
玉砂利
487 25.4 35.1 250 52 490 25.4 5.0
49826.7
砕 石
521 37.8 422 180 56 528 36.5
一 一 一28 %
582 32.7 37.2 179 69 581 32.6 3.6 595 33.7
30 % 490
32.8 41.9 238 50 486 32.0 5.6 495 31.8
32 % 492
34.2 41.9 226 66 506 36.0 4.1
49333.9
10
35 %518 35.1 38.9 212 66 514 39.0 3.6
51439.3
玉砂利
502 26.3 34.9 252 63 504 26.2 3.7 513 28.4
砕 石
536 39.5 42.2 180 68 546 38.5
一 一 一 28 %600 34.2 37.1 180 81 602 34.4 2.8
60834.9
30 %
498 33.7 42.1 236 62 495 32.7 4.5 508 32.4
32 %
517 36.6 41.8 227 78 524 38.1 3.0 507 35.1
12
35 %538 37.1 38.8 212 78 524 40.2 2.8 529 41.2
玉砂利
516 27.2 34.7 254 74 519 27.0 2.7 539 30.0
砕 石
554 41.5 42.2 180 81 567 40.8
一 一 一 28 %620 37.6 37.0 181 92 624 36.4 2.2
62036.0
30 %
509 34.7 42.0 237 74 508 34.1 3.6 521 33.1
32 %
535 38.4 41.7 227 91
54040.0 2.2 520 36.2
14
35 %555 39.0 38.9 212 91 536 41.6 2.1 545 43.0
玉砂利
533 28.3 34.5 254 86 536 28.0 2.0 557 31.4
砕 石
575 44.0 42.2 180 93
一 一 一 一
(注)玉砂利,砕石は水セメント比32%
、 ずモルタルだけを練り,次に粗骨材を投入する通常の方法 5・練り混ぜ方法の相違および後添加によるコンソス @郁およびCは減水剤の投塒期をわずかに遅くらし
テンシーの変化 たものである.表_6にコンク・トトの配合および識
富配合で低水セメント比の高強度コンクリートは,ス 結果を示す。同表によると,Aに比らべてBおよびCの ランプの低下が著しい。スランプロスの解決のために減 場合はスランプが極めて大きくなっている。減水剤の投 水剤の改良や後添加など種々の工夫がなされており,「流 入時期をわずかに遅らせるだけで,コンシステンシーが 動コンクリート」という名称が名づけられている。本研 極めて良くなることが認められた。BおよびCの場合,
究では,(1)ミキサーへの材料の投入順序と減水剤の投入 スランプが大きくなっても.強度はほとんど変らず良好 時期 (2)スランプ回復のための減水剤の後添加,この2 な結果である。「接水直後1分以内に,セメントに約1%
項目について行なった。 吸水された吸着水および結合水が,流動化効果の向上に 5.1.モルタルによる練り混ぜ方法の相違によるコ 重要な役割を果す」5)といわれているが,減水剤添加時期 ンシステンシーの変化 のわずかな遅延はコンシステンシー向上のために極めて 通常,減水剤は予め水に混入して他の材料と共にミキ 効果的であると考えられる。
サーに投入している。水とセメントの水和は水の投入後
直ちに生じるが,減水剤の投入時期をわずかにずらすと 練り混ぜ厳
ニニニ言㌫鑑ご:璽;ま巖㌶ ::: 1 −§i
法を,図一7には結果をそれぞれ示す。通常行なわれてい
る減水剤を水に混入する(a)の方法に比らべ,(b)およびてc) 200 .
べの方法はフロー値がかなり大きくなり良好であることが 「一認められる。特に,(0の方法のよう1・減水剤を若干遅ら 915° 一一
せるだけでコンシステンシーを極めて大きくできること 1 100
がわかった。
5.2.コンクリートによる練り混ぜ方法の相違によ 020 30 40 50
るコンシステンシ_の変化 砂率(%)コンクリートの練り混ぜ方法を表一5に示す。Aはま 図一7フロー値と砂率との関係
表一4モルタルの練り混ぜ方法 表一5コンクリートの練り混ぜ方法
a (セメントヰ砂+水+減水剤1.5%)5分
種 類
b
(セメント+砂+水)3分+
@ (減水剤1.5%)3分
C (セメント+砂+水+減水剤1.5%)5分
@ +(減水剤1%)3分
A (セメント+水+細骨材+減水剤)3分+
@ (粗骨材)2分 B (セメント+水+細骨材)3分+
@ (減水剤)3分+(粗骨材)2分
C
(セメント+水+細骨材)3分+@ (粗骨材)2分+(減水剤)2分
表一6配合および試験結果
配 合
スランプ(cm) 4週強度(kg/cm2)
記号
減水剤量
W/c(%) S/a(%) W(kg)
A BC
A B C1 C×1.5% 28 34 174 5.3 12.6 5.1
703740
702II
〃32 34 176 10.8 23.9 19.2
663666 673
III
〃28 34 174 9.1 23.8 23.9
一 一 一
コンクリート温度(1,II:7℃, III:20℃), IIIのセメントは早強セメント
5・3・後添加 供試体はφ15×30cmの中空円筒形(中心孔の直径2 図一8は・スランプの低下が減水剤の後添加によって・ cm)を3本ずつ作製した。供試体は脱型後2週間水中養
どの程度回復するか行なった試験結果である。減水剤1 生し,以後2週間は約20℃で空中養生してコンクリ_
%の添加によってスランプの回復力寸認め耽入水直後 トを乾燥させ,材令28日で透水試験を実施した.試験は よりスランプが大きくなっている場合もある。また・ス 20kg/cm2の水圧を加え,コンクリートに浸透する深さ ランプが小さくなり過ぎると・後添加を行なっても効果 を測定して拡散係数を算出する6)インプソト法によって が認められないこともあるようである。 行なった。試験時間は水セメント比28〜35%が96時間,
55%が48時間とした。使用したコンクリートの強度と 20 弾性係数を表一8に示す。
6.2.試験結果および結果考察
15 図一9には,村田7),斎藤ら8)らの結果と本試験結果を 言 示す。図面上の曲線は適当と考えられる点を結んで引い ぶ トlo たものである。村田が行なった結果から曲線を延長する 1ミ と,水セメント比40%以下の高強度コンクリートについ × 5 ても測定値が曲線近くに集まっている。水セメント比 40%以下では極めて高い水密性を示し,水密性に大きな 差はないと考えられる。本試験結果から逆に,水セメン
゜2Lりぷ間(二12°25 ト比28%のコンクリートに水圧5kg/・m2カ・作用する
場合の浸透深さを計算すると,30年後で8.5cm程度し
図一8離能淋剤後添加による か浸透せず,海滞造物など畑性を嵯とする箇所1こ スランプの変化
も高強度コンクリートは有効であると考えられる。
卿C(%)
s/σ(%) ル(㎏)減水剤量
o 28
34 174 C×L5㈱
32 34 176
〃o 32 36 187
叩1 1 ♪
:減水剤C×1.0%添加
口
!ママ/ /
6.高強度コンクリートの水密性
表一8強度試験結果 6.1.透水試験方法 水セメノト比
表一7に透水試験および凍結融解試験に使用した配
合,スランプおよび空気量の結果をそれぞれ示す。試験 (%
に用いた配合は,前述した最適配合の決定方法によって 28 求めたもので,目標スランプは12cmである。実測スラ 30 ンプが目標スランプに比らべ小さい原因は,打設した時 32 期が配合決定したころより気温が10〜20℃低いためと 35 考えられる。 55
水セメント比
@ (%
圧縮強度
ikg/cm2)
引張強度ikg/cm2)
静弾性係数×104(kg/cm2)
7日
28日
7日28日
7日28日 28
640 78837.1 47.2 36.7 40.3 30
636715 46.2 47.4 39.1 40.2 32 591
76442.0 46.7 38.7 42.2 35 517 719 40.0 46.7 36.7 39.6 55 259 344 23.9 36.1 28.9 23.9
表一7配合およびスランプ,空気量
凍 結 融 解 透 水
単 位 量 (kg/m3)
水セメント比
@ (%
空気量スランプ
気 温 一 〇Xフンフ 気 温
細骨材率
@ (% 水 セメント
細骨材 粗骨材減水剤
28
%
P.9 cm
P.4
℃
P9.3
cmQ.3
℃
P3 34.2 171
610547 1122 9.15
30 1.9 2.2 19.0 5.6 14 33.7 149
498587 1232 7.47
32 1.6 9.4 19.0 6.5 9.5 36.6 165 517 617 1142 7.76
35 1.4 12.0 18.2 7.3 5.0 38.0 189 540 612 1065 5.40
55 2.2 12.5 16.8 11.8 7.5 45.0 187 340 764
9960.85
×10−4
40
ご30
』 旦
蕪20
叢
轄100
◎村田氏
n筆者
恪ヨ藤氏
o
◎
●o@ ●
25 30 40 50 60 70
表一9使用したコンクリートの強度,弾性数係
水セメント比
@ (%)
圧縮強度
ikg/cm2)
引張強度@ σt14 ikg/cm2)
@ E14
弾性係数i×104kg/cm、)
σ14
σ91
28
613747 49.0 38.4 30
630 75047.7 39.4 32 589 673 45.7 37.9 35
552640 42.5 39.4 55 281
36026.6 25.5 水セメント比(%)
図一9 水セメント比と拡散係数 7.2.試験結果および結果考察
相対動弾性係数と凍結融解サイクル数の関係を図 一10に示す。同図によると,水セメント比55%の普通コ 7.高強度コンクリートの耐久性
ンクリートの場合に比較し,水セメント比30〜35%の高 7.1.凍結融解試験方法 強度コンクリートは動弾性係数の低下が大きく耐久性が 試験はASTM C−290の試験方法6)に準じ,水中急速 劣るようである。水セメント比55%の相対動弾性係数の 凍結融解法で行なった。凍結融解サイクルは供試体内部 曲線は緩やかに低下しているが,高強度コンクリートの 温度が一18〜+4℃になるようにし1日6サイクルで それは低下の程度が急激であり,相対動弾性係数は水セ 行なった。コンクリートの配合は透水試験と同一であり メント比が大きいものから順に小さくなっている。200 表一7に示す。供試体は7.5×10×40cmの角柱試体を サイクルまでに全てのコンクリートの相対動弾性係数が 各配合につき3本ずつ作製し,材令14日まで水中養生 60%となり,耐欠1生はあまり良くないようである。
実施後試験を開始した。供試体の一次共鳴振動数を測定 図一11にはコンクリート重量減少率と凍結融解サイ して動弾性係数を算出9)し,また重量を測定してそれぞ クル数の関係を示す。同図によると,水セメント比55%
れ耐欠1生の指数とした。コンクリートの強度試験結果を の場合は50サイクルから重量減少が起こり始め・250サ 表一9に示す。 イクルに達すると14%も重量減少が生じている。高強度
100
90
誤 80
圭自170 激
要60
50
40
「、 、 \ぺ
\式・〉
h \
1γ/C(%)air(%)
0 28 1.9 G 30 1.9
Φ 32 1.6
① 35 1.4 55 2.2
0 50 100 150 200
凍結融解サイクル数(回)
図一10 相対動弾性係数と凍結融解サイクル数の関係
コンクリートでは供試体表面状態がほとんど変化しない +5 ために,水セメント比30%で約160サイクル,32%で
220サイクル以降にようやく重量減少が生じている。重 欝 o
量減少曲線を詳細にみると達量の減少はまずわずかな 謡
重量の増加がみられた後に生じている。これは表面に発 個 5 メ生したクラックや露出した骨材からの吸水によって重量 1 が増加し,さらに吸水した水が凍結して膨張を起こして x1°
破壊に至るためと考えられる。重量の変化でコンクリー ∩ 15
トの耐久性を判断すると,高強度コンクリートは耐久性
0 50 100 150 200 250 300
にかなり優れていると考えられる。 凍結融解サイクル数(回)供試体の麺状態は・水セメント比55%では系勺50サ 図_11コンクH重鯉少靴
イクルから変化がみられ,100サイクルではモルタルが 凍結融解サイクル数の関係 剥離して骨材が露出した。高強度コンクリートは100サ
イクルまでほとんど変化が認められなかったが,以降骨 0 材上面のモルタル部分が剥離するポップアウト現象が生
じ・サイクル数の進行につれ骨材が劣化してえぐられて §,
いる箇所もみちれた・水セメント比28−30%の場合200 婁 サイクルまでは骨材がえぐり取られた音5分があるだけで 謡1。
表面に目立った変化は認められなかったが,220サイク 理 やルでは表面に微細なクラックが数多く認められるように 蜘 15
む らむ むむ らむ なった
斎藤らによると高強度コンクリートの凍結融解に対す サイクル数(回)る抵抗性は極めて大きいと報告8)されているが・図一9 図一12 粗骨材の凍結融解試験 に示したように本試験と異なった結果となった。斎藤ら
の試験とスランプ,空気量を比較しても大差なく,コン
クリートの配合などの影響とは考えられない。前述した 8.高強度コンクリートの応カーひずみ曲線および弾 ように本試験の水密性は極めて優れており・コンクリー 性係数
トには水の自由移動が生ずるような微細な空隙があると
は考えられない。そのため相対動弾性係数が小さくなっ 8・1・ 実験方法
た原因としては,ポップアウト現象を生じさせる粗骨材 コンクリートの破壊時までの応力〜ひずみ曲線を求め にあるのではないかと判断し,粗骨材だけの凍結融解試 るため・円柱供試験体側面にストレンゲージを貼付し・
験を行ない耐久性を調べた。10mmふるいでふるった粗 荷重を連続載荷しながらひずみを動ひずみ計で測定し 骨材を表乾状態でビニール袋に入れ,1個の試料は40 た・
サイクルまで空中状態以後水中で,もう一方は水中状態 8・2・試験結果および結果考察
で凍結融解試験を行なった。その結果を図一12に示す。 図一13に高強度コンクリートの応力〜ひずみ曲線を 同図にみられるように,約90サイクルで両試料とも 示す・同図によると高強度コンクリートの応力〜ひずみ 10%以上の骨材が10mm以下に破壊し,使用した骨材 曲線は破壊直前まではほぼ直線であり・通常のコンク が凍結融解作用に対して弱いことが明らかになった。実 リー・トに比べて弾性領域が極めて広いものと考えられ 験に使用した粗骨材の吸水量は0.81%で他の砕石とほと る。破壊は,ひずみがわずかに大きくなると同時に大き んど変らないが,耐久性の面から骨材を選択する必要が な爆裂音を発して生じた。
あることも考えられる。 図一14はこれまで得られた多くの試験結果から,圧縮 強度と弾性係数の関係をまとめて示したものである。同
1
\
. 一 一
Φ
一
\ル/C(%)空気量(%)
、@0 28 1.9
@① 30 L9 ウ 32 1.6
@① 35 L4
怐@55 2.2
図によると高強度コンクリートの場合も普通コンクリー ており,かつ表面がなめらかである。そのためモルタル トと同様に,圧縮強度と弾性係数はほぼ比例関係が成立 との付着力が小さくなってひずみが大きくなり・弾性係 する。図中の直線は最小二乗法によって導いた関係式で 数が小さくなったものと考えられる。
9.高強度コンクリートのぜい度係数
ある。
E;2.10×10−2σ十25.3 σ:圧縮強度(kg/c∋
E:弾性係数(×104kg/cm・) 図一15はこれまで得られた多くの試験結果から,圧縮 材令28日のみの場合は 強度とぜい度係数の関係をまとめたものである。同図に
E28−1.97。1。一・,+26 よると・離度コンクリートのぜい度願は12〜19と
広範囲にわたり,通常のコンクリートのそれが9〜13で
と篇る一の伸びより・弾1生係数の伸醜:㌶:1襟1㌫篭驚
干㌦麟漂纏蹴石柘の場合{.である・そのた欄⌒きいほどぜ噺数も
比べて5×1。・−1。×1。・kg/、m・程度小さいようである. 大きくなる傾向にあるよっである・
これは,周知のように川砂利は角ばりが少なく丸味をし
20
1000 盲 壷
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400 600 800 1000
圧縮強度(kg/cm2)
図一15圧縮強度とぜい度係数の関係
0 1000 2000 3000
ひずみ (×10−6) 10.結論
図一13離度コンクリーゆ応力〜ひずみ線 本実験で得られた結果をまとめると下記のようにな
る。50 (1)粗粒率が小さい砂ほどモルタルのコンシステン シーは悪くなり,気温の影響を受けやすい。粗粒率0.1 45 の変化に対してモルタルのフロー値は7変動し,砂率は
蒲 35 で,水セメント比,実積率が変化しても変らず,モルタ 蒙 材令 ルのフロー値は180〜250であると考えられる。
〔3°
P。。°。q :雛 (3)高搬コンクリートにおいても,囎材の実↑責率
が大きいほど単位水量を減ずることができ,普通コンク 25 0 600 700 800 goo 1000 リートの場合と同様に実積率1%の増加に対して単位水 圧縮強度(kg/c∋ 量3〜4kg/m3減少できる。
図_14 弾性係数と圧縮強度の関係 (4)練り混ぜ時に減水剤を水と同時に加えるよりも・
わずか数分であるが,遅れて混入した方がスランプは著 感謝の意を表わすとともに,惜みない協力をいただいた しく改善される。また,kランプが大きく変化しても強 三菱建設k.k.河田康彦氏,小倉鉱化鉱業k.k.杉正法氏お 度はほとんど変らない。 よび開発土木工学教室 コンクリート研究室の諸氏に心 (5)減水剤の後添加は,高強度コンクリートのコンシ から感謝いたします。
ステンシー回復に有効である。しかしながら,スランプ が2cm程度以下になると回復は望めなくなる。
⑥水セメント比40%以下の高強度コンクリートは
水密性が極めて優れており,拡散係数は水セメント比 参考文献
55%の普通コンクリートに比較し1/4程度である。 1)宮坂慶男:生コンエ場における特殊コンクリートのつく
り方(高強度コンクリート),セメント・コンクリートNO.
(7)骨材自身の質に問題がある場合,高強度コンク 34③Sept.1975 pp.45〜54,
リートの耐久性は良好な結果は示さない。そのため高強 2)高山,出光,西元,江本:高強度コンクリートの配合設
度コンクリートでは,強度の方からだけではなく,耐久 計に関する・実験的研究・九州工業大学研究報告(工学)・第
32号,昭和51年3月.性の面からも骨材の選択が必要とされる・ 3)高山俊一,出光隆;高性能減水剤を用いた低水セメント (8)高強度コンクリートは弾性範囲が広いため,応力 比モルタルおよびコンクリートのコンシステンシー,セメ
〜ひずみ曲線は破壊直前まではほぼ直線である。高強度 ント コンクリート⑱NO 356¶Oct 1976・
コンクリートにおいても圧繊と弓轍数はほ砒例 4識芸:撫麟、ごンクリート砕石の品質規準作
関係にある。川砂利使用コンクリートの弾性係数は砕石 5)服部,山川,今村,鈴江,東,江尻;流動コンクリ_ト の場合に比べ若干小さい。 について・第30回セメント技術年報,1976,PP・254〜258.
(9)高強度コンクリートのぜい度係数は普通・ンク;濡三鷲ご竺き繊:芸㍑叢蕪文
リートに比べてかなり大きく13〜19である。 集第77号,昭和36年11月,{PP.82〜83.
8)斎藤大塩ら;高強度コンクリートの物性および耐久性,
終りに・この研究を進めるにあた・)・懇切なご指導を 、㌶篇;㌶慧;1麟㌶㌫竃実
いただいた開発土木工学教室,出光隆助教授に心から 験指導書,昭和45年2月,PP.72〜7仕