静岡県「こどもの国」内の富士火山溶岩について(
その1) : 火山層序を中心として
著者 篠ヶ瀬 卓二, 山本 玄珠, 杉山 満利
雑誌名 静岡地学
巻 79
ページ 9‑14
発行年 1999‑06‑26
出版者 静岡県地学会
URL http://doi.org/10.14945/00025147
静両地学
79号
(1999)f ニどもの について(その
火出 を中心として
篠 ヶ 瀬 ニネ@山 玄 珠 * * . 杉 山 満 利 付 *
1
.はじめに
富士市勢子辻地先のおよそ
200haの土地に静関県「こどもの国jが建設されつつある
orこどもの はちょうど富士火山と愛鷹火山の境界にある(民
1) 0地域内における富士火山の溶岩について
(1968)
および富士市域自然調査研究会
(1986)の報告があるが、溶岩の分布等にくい遣いが あった。[こどもの国j 建設によって表土が取り除かれ、新たな帯英かわかり、ま営脊
U)一 人 様 ケ
した(篠ヶ瀬、
1996)0その報告を基に福原達雄千日田秀樹
(1997)は 、 に含まれる炭化木から、年代測定を行っている
Oしかし、地域内の溶岩分布については、不明
らは、静岡県富士土木事務所の許可を得て、溶岩の分布と層序を明ら は、主に野外において観察された事実から、作成された地 ヌ う 瓦 } こ る た め
よ
る
Oし
中小
**
2.
調査地域の地形
は、富士火山が北西方向から作るなだらかな斜面が広く分布しており、南東方向に 山が作る急峻な斜面があり、
1 ) 0
地域内の地形は、おもに斜聞と 段が見られる北北西方向から続く緩やか
にあたり、はっきりとした傾斜変換点が見られる(図 される
O地域内北部の草原の国では何段かの り、地域内南西部の森の毘周辺ではさらになだら かな斜面となっ
び山の
に続いている
O地域内ほぽ中央から南東部にかけての水の よび山の広場周辺では、地域内で最も低地のほぽ平坦な地形が存在し、
よ
国 から続く斜面および森の邸周辺の斜面とは高さ
10数 m の段差によって接している
Oさらに地域南東 部の山の国では、愛嬢火山が作る急峻な斜面と接している
O3.
っし
については、津屋
(1968)のによっ てその一つ一つに命名されている
O本論文では、
(1968)
の命名に従し 本地域内に分布する
砂沢溶岩流、
る
Oは、下位から 日本ランド溶
(1968警 197
1 ) 、
(1997)
よって作成した 図 2 に と
3 ‑ 1 .
る
Oは、従来、この地域内に分布が知られてい ない溶岩流であり、近隣地域に分布する
との岩質および、産状や層序の類似性から、
流とした。分布は本地域の水の問、地の国および山の 内山の広場および間駐車場地域に広く分布している ものと、
ある
Oいるもの
2~5m
ある
Oすん
る
6~7 lnm
の短櫛状のく
んでおり、 2~3
m 註
1る
Oにまれではあるが、 1
cmほどのはんれい岩の捕 ことカまある
Oく 、
20%前後で、直径
2cmほど
1
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4
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6
,
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7
,
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,
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20~30している
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(1996)によっ し いること さ
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3 3.
は、篠ヶ瀬
(1996)によって、街の駐車場付近に分布することが報告されている
O流は、ビジターセンター付近から、街の駐車場および、森の国に広く分布している
O街の駐車場付近 の本溶岩流からは、篠ヶ瀬
(1996)によって、大型の溶岩樹形と長さ数
mにおよぶ溶岩洞穴が報告さ れており、その溶岩樹形の炭化木の炭素年代は
6,
200を示している(福原@和田、
1997)0し、幅
2'""‑‑'3mほどの塊状部とクリンカ
る
O岩質は粒のそろった直径
1 .5 mll1ほどの縮粒の斜長石が
10%前後含まれており、直径
1'""‑‑'1.5mmu)
官 協 円u ) かんらん石と金属光沢をする輝石を多量に含む玄武岩である
Oかんらん石と
っしいる
O発泡度は高く、高いところでは、
30%以上にもおよび¥直径
2'""‑‑'3 cmほどの大 きな気泡がよく観察される n また、塊状部には、横に引き延ばされたような気泡がめだち、
る
Oに約
30ほどの溶岩樹形 ジターセンター北側では、
35cm
き
1'""‑‑'2mほど の小規模の溶岩洞穴が数カ所観察される
Oを作る溶岩は幅数
10cml : 、 きない。
3 ‑ 4.
のほとん
(宮地、
1998)0ャン
いる
Oこの小規模の を作る他の地域の溶岩とは、溶岩の厚さが異なる
Oとなってい 国が分布地域
は
4,
500'""‑‑'3000年前の時期の活動としてまとめられている し、幅 1 ' " " ‑ ‑ '2
cmほどの塊状部と、多量のクリンカー
2'""‑‑'
4
lnmのやや粗粒の斜長石が
10'""‑‑'15%2 ' " " ‑ ‑ ' 3
Clnされる
Oはんれ いと ころで
10'""‑‑'15% 1'""‑‑' 2 ll1ll1の 球 形 の
70W'""‑‑'EWで、南に には、火山灰であるアカオコ
50'""‑‑'20度傾斜している
Oとの関係は観察できない。
シスコリアが分布しない。
3 5.
小天狗
本溶岩流の分布は、従来とほとん 流中の炭化木の年代は
2,
490と 幅
1'""‑‑'2mほどの塊状部と、クリンカ
ぞ、ろい
2 m m、
0.5mmら
されている
山の広場西側
1997)0している
Oし 、 には撤密で、粒
は少なく
10%前後である
Oの球形の気泊
はほとんどなしクリンカ一部の気泡は
10%前後で、直径
1m mきる範囲では
70Eで、南に
10度傾斜している
O4.
さ
ら、本地域の地形と溶岩分布には、
近に広がる傾斜がゆるい斜面には主に日本ランド
られる
Oつまり、
しており、もっと
国付
静 岡 地 学
79号(1
999)西 部 の 森 の 国 に は 、 主 に 砂 沢 と 勢 子 辻 溶 岩 流 が 分 布 し て お り 、 水 の 地の国、山の国に広がる最も 低 い 平 坦 面 に は 、 曽 比 奈 溶 岩 流 が 分 布 し て い る
Oこの地形との対応 お よ び 推 定 さ れ て い る 溶 岩 の 流 出 年 代 @ 分 布 か ら 、 溶 岩 層 序 を 考 え る と 次 の よ う に 定 さ れ る ( 国
3 ) 0
① 約 l 万 年 前
(1968)
の
1 8 期 溶 岩 流 に
〆子ア £三1月、、、、がす1ムZ戸,チずr
r
r 1̲ ~'"レつ
る(宮地、
1988)0ま 、 の ら 、 と地域内
り、地形的に も られる
Oまた、
ことから、
詮6Lf~ータザ _'.d':マ ι4 ,̲1..一品‑J.rL . . u 円 い
位 の り 、
O
もともと し〉ること らも る
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セン
② 約9000
年 前
③ 約6000
年 齢
④約 4500~3000 生手前
国
3凡伊 j は図
2と間じ
約
2500年 約
し し ものと る
Oは 、
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Oま
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Oま し ま るよう
Q
て7 Oらの と ち ると
原の国キャンプ場付近を通って、ニ干に分かれて高下したものと思われる
Oイ哉の富士山地域で見られ る溶岩樹形の分布は溶岩の末端など比較的平坦な場であることが多い。また、ビジターセンター付近 られる小規模の溶岩洞穴群は、一枚一枚の溶岩の厚さも薄く、溶岩洞穴の形成機能のうち、斜面 にそって溶岩流が流出したために、内部の溶融している溶岩が、周りの
めにできた溶岩洞穴の可能性が高い。つまり、ビジタ…センタ に形成されていた谷地形に流動し、それが広がっ
岩樹形が形成されたと思われる
Oまた、森の国方向に流れた諮岩流は した森林に流動し、溶岩樹形を形成したものと思われる
O④約 4500~3000
し き破ったた
してすで め、務
つ / こ ヤ 担 凶 に
日本ランド溶岩流の分布は、本地域北部の草原の閣であり、南部で他の溶岩流との接点では高さ数
10mの段差を作っている
O構造も南に傾斜している
Oまた、砂沢溶岩流の分布する草原の国北部のパ オ集落は、孤立した地形的高まりをもっている
O以上のことから、ほぽ北部から流動してきた日本ラ ンド溶岩は、砂沢溶岩流の高まりを迂回するように流れ、本地域中部で溶岩の流動が停止したものと 忠われる
O⑤ 約
2500年前 最後
町田
を北から の小天狗溶岩流が流れていった。
けである
Oと れる いと
(1986)
:富士子宮地域の地形およ
ヲ 2‑582.
(1997) :
年代データ集 1.
る
O(富士市地域自然謂
24雪 15‑26. (1978)
:南九州鬼界カルデラから噴出し アラーアカホヤ火山灰@第四紀 研究雪
17雪
143…
163.( 1
988) : 94ヲ 433‑452.( 1
996) :の溶岩横形と
74ラ(1968) :