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適 用 範 囲 を 拡 大 するために 試 験 施 工 を 実 施 した 図 -1~ に 通 常 期 施 工 の 試 験 施 工 箇 所 から 採 取 した 中 温 化 混 合 物 と のコアの 締 固 め 度 を 示 す スト レートアスファルトを 用 いた 加 熱 アスファルト 混 合 物 お

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平成25年度

積雪寒冷地における中温化舗装技術

の適用方法について

(独)土木研究所寒地土木研究所 寒地道路保全チーム ○ 安倍 隆二 (独)土木研究所寒地土木研究所 寒地道路保全チーム 熊谷 政行 「積雪寒冷地における舗装技術検討委員会」(北海道開発局が主催)において、中温化舗装技 術の通常期および寒冷期への適用方法を検討した。中温化舗装の試験施工の調査結果を踏まえ、 通常期(外気温 5℃より高い気象条件)は通常混合物の混合温度と比較し 30℃温度低減した CO2 削減を目的とした使用法、寒冷期(外気温 5℃以下の気象条件)は温度低減を行わない施工性改 善を目的した使用方法を提案した検討結果を報告するものである。 キーワード:中温化舗装技術、CO2排出量削減、品質管理、施工性改善 1. はじめに 中温化舗装技術の通常期施工においては、通常の加熱 アスファルト混合物(以下、通常混合物)よりも製造温 度を30℃温度低減することにより、CO2排出量削減およ び工事による通行規制時間の短縮に寄与することが見込 めることが大きな効果であると考えられる。しかしなが ら、積雪寒冷地である北海道では、中温化舗装技術によ る舗装工事のCO2排出量および削減量についてはデータ 等が少ない状況であり、CO2削減効果は明確ではない。 本報告では、試験施工を通常期・寒冷期に実施し、中 温化アスファルト混合物の品質、施工性、およびCO2排 出量削減効果の検証を行い、明らかになったその適用範 囲や留意事項を報告するものである。 2.北海道における中温化舗装技術の適用に関する指針 (案)につて 「積雪寒冷地における舗装技術検討委員会」では、通 常期および寒冷期の試験施工結果を踏まえ、中温化舗装 技術を活用する方法として2つの適用方法を提言した。 通常期は、二酸化炭素排出量の削減を目的に中温化舗 装技術を使用する場合の適用方法、寒冷期においては、 品質を確保するために施工性改善を目的とした場合の適 用方法を提言した。本文では、「北海道における中温化 舗装技術の適用に関する指針(案)」の内、適用の範囲、 中温化剤、配合設計、施工時の温度管理や品質について 報告するものである。 3.二酸化炭素排出量の削減を目的に中温化舗装技術を 使用する場合の適用方法 (1) 適用の範囲 通常期に二酸化炭素排出量を削減する目的で使用す る場合、製造温度低減の目標は 30℃を基本とする。た だし、外気温等の気象条件、プラントの型式、ストッ クヤードの含水比、配合、運搬時間等の影響により、 求められる品質が得られない恐れがある場合は、この 限りではない。なお、通常期とは平均外気温が 5℃より 高い気象条件とする。 以下の加熱アスファルト混合物を対象とする。 (対象混合物) ・ストレートアスファルトを用いた加熱アスファルト混 合物 ・ポリマー改質アスファルト(Ⅰ型・Ⅱ型・H 型)を用 いた加熱アスファルト混合物 ・再生加熱アスファルト混合物(再生骨材混入率 30%以 下) ① 対象混合物(通常期施工) 通常期に実施した試験施工では、ストレートアスファ ルトを用いた加熱アスファルト混合物、ポリマー改質ア スファルト(Ⅰ型・Ⅱ型・H 型)を用いた加熱アスファ ルト混合物、および再生加熱アスファルト混合物(再生 骨材混入率 30%以下)を対象に試験施工を実施した。 試験施工では、基本的に中温化混合物と通常混合物を同 じ日に施工し、中温化混合物の品質を確認した。なお、 試験施工時の中温化混合物の出荷温度は、通常混合物と 比較し、30℃温度低減した温度条件で実施した。 グリーン購入法では、ポリマー改質アスファルトを用 いた加熱アスファルト混合物および再生加熱アスファル ト混合物(以下、再生混合物)は対象外となっているが、

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適用範囲を拡大するために試験施工を実施した。 図-1~3 に通常期施工の試験施工箇所から採取した中 温化混合物と通常混合物のコアの締固め度を示す。スト レートアスファルトを用いた加熱アスファルト混合物お よびポリマー改質アスファルト(Ⅰ型・Ⅱ型・H 型)を 用いた加熱アスファルト混合物は、通常混合物と比較し、 同程度の締固め度を有することを確認した。 図-4 に再生混合物を対象にした中温化混合物の締固 め度を示す。再生混合物を使用した試験施工箇所は札幌 と釧路で実施した。試験施工箇所では、中温化混合物と 通常混合物の締固め度は同程度の締固め度を有すること を確認した。再生混合物を使用する場合の再生骨材の混 入率は、通常期の試験施工の結果から混入率の上限値を 30%とした。 以上の結果から通常期において 30℃温度低減した中 温化混合物の試験施工の結果は、全ての混合物において 品質に問題が無いことが確認され、施工性や供用性状も 考慮し適用範囲を決定した。 ② 対象混合物(寒冷期施工) 寒冷期に実施した試験施工では、ストレートアスファ ルトを用いた加熱アスファルト混合物、ポリマー改質ア スファルト(Ⅰ型・Ⅱ型・H 型)を用いた加熱アスファ ルト混合物、および再生混合物(再生骨材混入率 30%以 下)を対象に試験施工を実施した。試験施工は、通常期 と同様に中温化混合物と通常混合物を同じ日に施工し、 中温化混合物の品質を確認した。試験施工の中温化混合 物の出荷温度は、通常混合物と比較し、30℃温度低減 した温度条件で実施した。 採取したコアは路肩部から一定の間隔で採取したコア (定点箇所)とサーモグラフィーを用い、温度低下箇所 から採取したコアの2 通りの方法で採取した。 図-5 にストレートアスファルトを用いた中温化混合 物と通常混合物の定点箇所から採取した締固め度を示す。 定点箇所から採取したコアの締固め度は、中温化混合 物と通常混合物を比較した結果、同程度の値を得ること ができた。図-6 に温度低下箇所から採取した中温化混 合物と通常混合物の締固め度を示す。中温化混合物の締 固め度は、初期転圧温度が 110℃を下回ると、仕様書の 規格値 94%をを満足しないコアが増加する結果となった。 図-7 にポリマー改質アスファルト(Ⅰ型・Ⅱ型)を 用いた中温化混合物と通常混合物の定点箇所における締 固め度を示す。中温化混合物と通常混合物の締固め度を 比較すると、中温化混合物の締固め度は 1.0%程度低い 結果となった。図-8 に温度低下箇所から採取した中温 化混合物と通常混合物の締固め度を示す。中温化混合物 は 100℃以下の転圧温度の施工条件では仕様書の規格値 94%を満足できないことが確認された。 以上の結果から、寒冷期に中温化混合物の出荷温度を 通常混合物より 30℃温度低減すると、品質の低下が見 られるため、寒冷期施工においては、二酸化炭素排出量 の削減を目的に中温化舗装技術を使用しないこととした。 図-1 締固め度(ストアス混合物) 0 5 10 15 20 25 30 88‐90 90‐92 92‐94 94‐96 96‐98 98‐100 100‐102102‐104 頻度 締固め度(%) 中温化混合物 通常混合物 通常 中温化 平均値 100.0 100.0 標準偏差 1.18 1.50 最大値 102.9 103.1 最小値 96.7 97.1 データ数 46 50 0 20 40 60 80 88‐90 90‐92 92‐94 94‐96 96‐98 98‐100 100‐102102‐104 頻度 締固め度(%) 中温化混合物 通常混合物 中温化 通常 平均値 98.4 98.4 標準偏差 1.9 2.0 最大値 103.4 103.0 最小値 93.3 93.0 データ数 180 177 図-2 締固め度(改質 As 混合物・Ⅰ型) 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 88‐90 90‐92 92‐94 94‐96 96‐98 98‐100 100‐102102‐104 頻度 締固め度(%) 中温化混合物 通常混合物 通常 中温化 平均 100.0 100.7 標準偏差 1.8 1.9 最大値 102.5 103.3 最小値 97.2 97.7 データ数 13 13 図-3 締固め度(改質 As 混合物・H 型) 99.6 100.7 96.3 97.9 99.0 98.7 101.5 100.0 96.8 99.5 100.4 98.8 96.3 99.9 93.0 94.0 95.0 96.0 97.0 98.0 99.0 100.0 101.0 102.0 密粒 ポーラ ス 密粒G 密粒G 粗粒 表層( 改Ⅱ) 粗粒 札幌 函館 旭川 帯広 釧路 網走 留萌 締固 め 度 (% ) 中温化 通常 再生 30% 再生 20% 図-4 締固め度(再生混合物)

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(2) 中温化剤 中温化剤の種類は発泡系、粘弾性調整系、滑剤系の 3 種類に大別できるが、所定の品質を確保できるものであ れば、どの種類の製品を用いるかは問わない。 図-9~11 にストレートアスファルトを用いた中温化 混合物と通常混合物の突固め温度と締固め度の関係を示 す。室内試験では発泡系、粘弾性調整系、滑剤系の 3 種 類の中温化剤を用い、試験を実施した。室内試験の結果、 3 種類のいずれの種類を用いた場合でも、同様な効果を 得られてたことから、どの製品を用いても良いこととし た。ただし、中温化剤の種類により添加量は異なり、ま た、使用条件により添加量が異なるものもあるため、品 質を確認し使用すること。 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160 170 180 締固 め 度 (%) 突固め温度 (℃ ) 中温化混合物 通常混合物 30℃ 通常混合物の 最適突固め温度 : 140℃ 中温化混合物の 最適突固め温度 : 110℃ 図-9 マーシャル安定度試験結果(発泡系) 0 20 40 60 80 88‐90 90‐92 92‐94 94‐96 96‐98 98‐100 100‐102102‐104 頻度 締固め度(%) 中温化混合物 通常混合物 中温化 通常 平均値 98.4 98.4 標準偏差 1.9 2.0 最大値 103.4 103.0 最小値 93.3 93.0 データ数 180 177 86 88 90 92 94 96 98 100 102 104 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160 締固め 度 (% ) 転圧温度(℃) 締固め度(中温化・定点) 締固め度(中温化・温度低下箇所) 締固め度(通常・定点) 締固め度(通常・温度低下箇所) 86 88 90 92 94 96 98 100 102 104 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160 締固 め 度 ( % ) 転圧温度(℃) 締固め度(通常・温度低下箇所) 締固め度(中温化・定点) 締固め度(中温・温度低下箇所) 締固め度(通常・定点) 図-5 締固め度(ストアス使用・定点箇所・寒冷期) 図-6 締固め度(ストアス使用・温度低下箇所・寒冷期) 図-7 締固め度(改質Ⅰ・Ⅱ型使用・定点箇所・寒冷期) 図-8 締固め度(改質Ⅰ・Ⅱ型使用・温度低下箇所) 0 5 10 15 20 25 30 88‐90 90‐92 92‐94 94‐96 96‐98 98‐100 100‐102 102‐104 頻度 データ区間 (寒冷期・改質Ⅰ型・Ⅱ型) 締固め度(中温化混合物) 締固め度(通常混合物) 通常 中温化 平均値 99.2 98.2 標準偏差 1.3 1.8 最大値 101.5 101.7 最小値 94.5 94.5 データ数 43 43 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160 170 180 締固め 度 (% ) 突固め温度 (℃ ) 中温化混合物 通常混合物 30℃ 通常混合物の 最適突固め温度 : 140℃ 中温化混合物の 最適突固め温度 : 110℃ 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160 170 180 締固め 度 (% ) 突固め温度 (℃ ) 中温化混合物 通常混合物 30℃ 通常混合物の 最適突固め温度 : 140℃ 中温化混合物の 最適突固め温度 : 110℃ 図-10 マーシャル安定度試験結果(粘弾性調整系) 図-11 マーシャル安定度試験結果(滑剤系)

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(3) 配合設計 中温化混合物の配合設計に際しては、各アスファルト プラントで作成した通常の加熱アスファルト混合物(以 下、通常混合物:通常混合物とは中温化剤を用いない混 合物と定義する。)の配合設計書が基本となる。中温化 剤の性状については、中温化剤の各製造メーカにより異 なるため、各製造メーカが推奨する添加量によることと する。なお、プレミックスタイプは事前に品質を得るた めに所定の添加量を混入した材料である。 中温化混合物の品質確認については、「北海道開発局 道路・河川工事仕様書」(以下、仕様書)に規定された マーシャル安定度試験等により評価すること。 以下に中温化混合物の配合設計書作成時の留意事項を 示す。 a)ストレートアスファルトを用いた混合物 ① 配合設計を行うにあたっては、中温化剤の各製造 メーカにより配合設計方法や適用範囲が異なるた め、製造メーカに中温化剤の添加量等を確認する こと。 ② 中温化混合物の最適混合温度および最適突固め温 度は、通常混合物と比較し 30℃低減した温度条件 とする。その試験条件でマーシャル安定度試験用 供試体を作製し、マーシャル安定度試験結果が仕 様書の規格値を満足していることを確認すること。 なお、通常混合物のマーシャル安定度試験用供試 体作製時の最適混合温度および最適突固め度温度 は、アスファルトの動粘度が 180±20mm2 /s および 300±30mm2/s の範囲の温度を標準とする。 ③ プレミックスタイプについては、製造メーカが推 奨する温度により混合温度、および突固め温度を 設定すること。 ④ 配合設計は必要に応じて、マーシャル安定度試験 以外の混合物毎に求められるチェーンラベリング 試験や水浸マーシャル安定度試験等の各種試験を 実施し、中温化混合物の品質を確認すること。 b)ポリマー改質アスファルトを用いた混合物 ① 配合設計を行うにあたっては、中温化剤の各製造 メーカにより配合設計方法や適用範囲が異なるた め、製造メーカに中温化剤の添加量等を確認する こと。 ② 通常のポリマー改質アスファルト混合物と比較し 30℃温度低減した混合温度でマーシャル安定度試 験用供試体を作製し、マーシャル安定度試験結果 が仕様書の規格値を満足していることを確認する こと。なお、通常のポリマー改質アスファルト混 合物のマーシャル安定度試験用供試体作製時の最 適混合温度および最適突固め温度は、プレミック スタイプの製造メーカ(プレミックスタイプの場 合)や改質材の製造メーカ(プラントミックスタ イプの場合)が推奨する温度を参考に最適混合温 度および最適突固め温度を設定すること。 ③ 配合設計は必要に応じてマーシャル安定度試験以 外のホイールトラッキング試験や低温カンタブロ 試験等の各種試験を実施し、中温化混合物の品質 を確認すること。 図 12~14 に最適突固めで作製した通常混合物の供試 体を用いたマーシャル安定度と通常混合物と比較し、 30℃温度低減した中温化混合物の試験結果の比較を示す。 中温化混合物のマーシャル安定度は、どの中温化剤を使 用しても通常混合物と比較し、同程度の値を示した。 0  20  40  60  80  100  120  0 2 4 6 8 10 12 14 16 発泡系 発泡系 発泡系 滑剤系 発泡系 発泡系 発泡系 ストアス ストアス ストアス ストアス ストアス 改質Ⅰ型 改質Ⅰ型 再生密粒 密粒 粗粒 再生密粒 再生粗粒 密粒度G 密粒度G 比率( 中温 化 /通常 )(% ) マ ー シ ャ ル安定 度 (KN ) 発泡系 中温 通常 比率(中温化/通常)(%) 4.9KN以上 0  20  40  60  80  100  120  0 2 4 6 8 10 12 14 16 滑 剤 系 滑 剤 系 滑 剤 系 滑 剤 系 滑 剤 系 滑 剤 系 ストアス ストアス ストアス ストアス 改質Ⅰ型 改質Ⅱ型 再生アス処 理 再生粗粒 アス処理 粗粒 密粒度G 細密粒度G 比率( 中温 化 /通常 )(% ) マ ー シ ャ ル安定 度 (KN滑剤系 中温 通常 比率(中温化/通常)(%) 4.9KN以上 7.45KN以上 図-12 マーシャル安定度試験結果(発泡系) 0  20  40  60  80  100  120  0 2 4 6 8 10 12 14 16 粘弾性調整系 粘弾性調整系 粘弾性調整系 ストアス ストアス 改質H型 アス処理 密粒 排水性 比率( 中 温 化 / 通常 )(% ) マー シャ ル 安 定 度 (KN ) 粘弾性調整系 中温 通常 比率(中温化/通常)(%) 4.9KN以上 3.43KN以上 図-13 マーシャル安定度試験結果(粘弾性調整系) 図-14 マーシャル安定度試験結果(滑剤系)

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図-15 にチェーンラベリング試験結果を示す。耐摩耗 性についても、中温化混合物と通常混合物は同程度の耐 摩耗性を示した。 (6) 敷均し温度(初転圧前温度) 製造温度を 30℃低減した中温化混合物の敷均し温度 は、仕様書の規定に必ずしも縛られる必要はないものと する。ただし、製造温度は低減しつつも所定の締め固め 度は確実に得られるよう、運搬から敷均しまでの過程で 生じる温度低下を極力抑え、より高い温度で敷均しを行 えるようにすること。 参考として、複数の試験施工箇所における実績データ を表-1 に示す。これらの温度を確保することで、所定 の締固め度を得ることができた。 製造温度を 30℃低減した場合、仕様書に規定された 敷均し温度(初転圧前温度)である 110℃を下回ること がありうるが、中温化混合物の場合は初転圧前温度が 110℃を若干下回っても所定の締固め度が得られること が確認されているため、この規定に必ずしも縛られる必 要はないものとした。 表-1 試験施工箇所における敷均し温度の実績データ 混合物の 種類 実績値の 範囲(℃) 平均値 (℃) 標準偏 差(℃) データ 数 締固め 度(%) ストアス 107~135℃ 122.8 5.2 84 99.0~ 101.5 改質アス I 型・Ⅱ型 104~134℃ 123.5 7.9 46 96.3~ 98.7 改質アス H 型 100~137℃ 115.6 10.6 18 100.7 ※締固め度は試験施工箇所毎の平均値を示した。 (7) 二酸化炭素排出量の削減効果 通常期に施工する 30℃温度低減した中温化混合物の 二酸化炭素の排出量削減効果は、15%程度と見なすこと ができる。 図-16 に通常期に実施した試験施工の結果を示す。通 常期における二酸化炭素排出量の削減効果は 15%程度 の効果が確認されたことから、15%程度と設定した。 4.施工性改善を目的に中温化舗装技術を使用する場合 (1) 適用の範囲 寒冷期にやむを得ず加熱アスファルト混合物を舗設し、 混合物の品質の確保が困難な場合に適用する。また、施 工時期や地域によって差があるので,それぞれの地域の 気象条件を十分に勘案して施工計画を立てるものとする。 以下の加熱アスファルト混合物を対象とする。 (対象とする混合物) ・ストレートアスファルトを用いた加熱アスファルト混 合物 ・ポリマー改質アスファルト(Ⅰ型・Ⅱ型・H 型)を用 いた加熱アスファルト混合物 ・再生加熱アスファルト混合物(再生骨材混入率 30%以 下) 図-17 に寒冷期の試験施工における中温化混合物の転 圧可能時間の事例を示す。中温化混合物の転圧可能時間 は、通常混合物と比較し長いため、所定の品質の確保が 有利となる。図-18、19 に過年度、寒冷期施工で実施し た中温化混合物の締固め度を示す。中温化混合物の締固 め度は通常混合物と比較し、締固め度の品質が向上して いるのが分かる。 18.2  16.1  18.7  18.6  18.2  30.2 26.1 29.0 26.7 23.9 0  5  10  15  20  25  30  35  40  0  5  10  15  20  25  30  35  40  表層 表層(排水性) 粗粒 表層(改Ⅱ) 粗粒 札幌 函館 釧路 網走 留萌 出 荷 時の温 度 差 (℃ ) CO 2 削減 率 (% ) CO2削減率(%) 出荷時の温度差(℃) CO2削減率15%以上 図-16 二酸化炭素排出量の比較(通常期) 1.09 1.02 1.61 1.78 0.98 0.87 0.75 0.7 0.0  0.2  0.4  0.6  0.8  1.0  1.2  1.4  1.6  1.8  2.0  通常 中温化 通常 中温化 通常 中温化 通常 中温化 密粒度アスコン 13F(ストアス) 排水性舗装(改質 H型) 密粒度ギャップア スコン(改質Ⅰ型) 細密粒度ギャップ アスコン13F55(改 質Ⅱ型) 摩耗量 (cm 2) 図-15 チェーンラベリング試験結果 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160 170 0:00 0:05 0:10 0:15 0:20 0:25 0:30 0:35 0:40 0:45 0:50 0:55 1:00 舗装体温度( ℃) 経過時間(分) 密粒度アスコン(ストレートアスファルトを使用) 舗装体の温度(寒冷期) 中温化混合物の最適締固め温度 110℃ 以上) 通常混合物の最適締固め温度 140℃ 以上 転圧可能時間 図-17 中温化混合物の転圧可能時間

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(2) 製造 寒冷期に中温化混合物を温度低減しないで出荷する場 合、気象条件、運搬時、敷均し、および転圧時の施工段 階において温度低下する恐れがある場合には、通常期と 比較し混合温度を高めに設定すること。 寒冷期に施工性改善を目的に施工する場合、中温化混 合物を使用しても混合物温度が低下すると品質の低下が 想定される。そのため、気象条件、施工条件等による温 度低下が想定される場合は、通常期と比較し混合温度を 高めに設定する必要がある。 (3) 運搬 寒冷期に中温化混合物を運搬する場合は、通常の混 合物と同様に二重シート等の保温対策を行うこと。 図-20 に運搬時の温度低下の事例を示す。寒冷期にお ける運搬時の表面部の温度低下は、概ね 20~40℃程度 低下することが確認された。 寒冷期に施工する場合、混合物の温度低下は品質に大 きな影響を与えるため、運搬時には二重シート、木枠、 排気熱利用車等の保温対策が必要である。中温化混合物 は温度低下にも一定の品質を確保できる効果はあるもの の、寒冷期は温度のバラツキが大きくなることから通常 の混合物と同様な対策が必要である。 (3) 転圧温度 寒冷期における転圧作業は敷均し後、速やかに早期転 圧に努めるものとする。 図-21 に寒冷期施工および通常期施工時の中温化混合 物と通常混合物の敷均し時の温度分布を示す。寒冷期施 工は温度のバラツキが大きく、部分的な温度低下が早い ため、所定の品質を確保するために、速やかに転圧を行 う必要がある。 5.おわりに 今回報告した内容は「積雪寒冷地における舗装技術検 討委員会」で検討した内容の一部を紹介した。 北海道開発局では、「積雪寒冷地における舗装技術検 討委員会」の提言を受け、寒冷期施工のアスファルト混 合物の品質確保を図るため、施工上の制約からやむを得 ず 5℃以下の気温で舗設する場合やプラントから現場ま での距離が遠く、混合物の温度低下が避けられない等、 所定の品質を確保することが困難な場合においては、中 温化アスファルト混合物を適用することができるものと した(事務連絡 H25.11)。 6 9 4 2 2 2 5 11 2 4 3 7 2 9 8 2 6 10 39 19 42 34 5 15 21 25 25 19 21 34 15 18 21 35 39 21 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 ‐20 ‐10 0 10 20 30 40 50 札幌 釧路 帯広 帯広 室蘭 室蘭 室蘭 函館 稚内 稚内 網 走 ( 金華) 札幌 旭川 室蘭 留萌 網 走 ( 北上) 網 走 ( 北上) 釧路 H22 冬 H22 冬 H22 冬 H22 冬 H22 冬 H22 冬 H22 冬 H22 冬 H22 冬 H22 冬 H23 冬 H23 冬 H23 冬 H23 冬 H23 冬 H23 冬 H23 冬 H23 冬 運 搬 時間( 粉) 低 下 温 度 ・外気温( ℃ ) 運搬時間 低下温度(内部) 低下温度(表面) 外気温 図-20 中温化混合物の運搬時の温度低下 0 1 2 3 4 5 94 94. 5 95 95. 5 96 96. 5 97 97. 5 98 98. 5 99 99. 5 100 次の 級 データ区間 頻度 ( 個 ) 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0% 90.0% 100.0% 累積 ( % ) 0 1 2 3 4 5 94 94. 5 95 95. 5 96 96. 5 97 97. 5 98 98. 5 99 99. 5 100 次の 級 データ区間 頻度( 個 ) 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0% 90.0% 100.0% 累積( % ) 図-18 締固め度(通常混合物・寒冷期施工) 図-19 締固め度(中温化混合物・寒冷期施工) 中温化 通常期 通常 通常期 通常 寒冷期 中温化 寒冷期 図-21 寒冷期及び通常期施工の敷均し時の温度分布

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選定した理由

何人も、その日常生活に伴う揮発性有機 化合物の大気中への排出又は飛散を抑制

何人も、その日常生活に伴う揮発性有機 化合物の大気中への排出又は飛散を抑制

 吹付け石綿 (レベル1) 、断熱材等 (レベル2) が使用されて

1地点当たり数箇所から採取した 試料を混合し、さらに、その試料か ら均等に分取している。(インクリメ

廃棄物の再生利用の促進︑処理施設の整備等の総合的施策を推進することにより︑廃棄物としての要最終処分械の減少等を図るととも

 吹付け石綿 (レベル1) 、断熱材等 (レベル2) が使用されて

当該発電用原子炉施設において常時使用さ れる発電機及び非常用電源設備から発電用