諮問庁:防衛大臣 諮問日:平成2 1 年6 月5 日(平成2 1 年(行情)諮問第2 6 8 号ないし同第 2 7 5 号) 答申日:平成2 1 年1 2 月8 日(平成2 1 年度(行情)答申第4 1 4 号ないし 同第4 2 1 号) 事件名:平成1 4 年2 月から6 月までの護衛艦はるなの航泊日誌の一部開示決 定に関する件(平成2 1 年(行情)諮問第2 6 8 号) 平成1 4 年2 月から6 月までの護衛艦さわかぜの航泊日誌の一部開示 決定に関する件(平成2 1 年(行情)諮問第2 6 9 号) 平成1 4 年2 月から6 月までの補給艦ときわの航泊日誌の一部開示決 定に関する件(平成2 1 年(行情)諮問第2 7 0 号) 平成1 4 年6 月から8 月までの護衛艦せとぎりの航泊日誌の一部開示 決定に関する件(平成2 1 年(行情)諮問第2 7 1 号) 平成1 3 年1 2 月から平成1 4 年3 月まで及び平成1 4 年6 月から1 1 月までの補給艦はまなの航泊日誌の一部開示決定に関する件(平成2 1 年(行情)諮問第2 7 2 号) 平成1 4 年7 月から1 0 月までの護衛艦いなづまの航泊日誌の一部開 示決定に関する件(平成2 1 年(行情)諮問第2 7 3 号) 平成1 4 年7 月から1 0 月までの護衛艦あさかぜの航泊日誌の一部開 示決定に関する件(平成2 1 年(行情)諮問第2 7 4 号) 平成1 4 年7 月から1 1 月までの護衛艦ゆうだちの航泊日誌の一部開 示決定に関する件(平成2 1 年(行情)諮問第2 7 5 号)
答申書
第1 審査会の結論 以下の文書(以下,併せて「本件対象文書」という。)につき,その一部を 不開示とした決定は,妥当である。 ア 「はるな」航泊日誌(甲)(平成1 4 年2 月ないし同年6 月)(表紙を除 く。) イ 「さわかぜ」航泊日誌(甲)(平成1 4 年2 月ないし同年6 月)(表紙を 除く。) ウ 「ときわ」航泊日誌(甲)(平成1 4 年2 月ないし同年6 月)(表紙を除 く。) エ 「せとぎり」航泊日誌(甲)(平成1 4 年6 月ないし同年8 月)(表紙を除く。) オ 「はまな」航泊日誌(甲)(平成1 3 年1 2 月ないし同1 4 年3 月及び 同年6 月ないし同年1 1 月)(表紙を除く。) カ 「いなづま」航泊日誌(甲)(平成1 4 年7 月ないし同年1 0 月)(表紙 を除く。) キ 「あさかぜ」航泊日誌(甲)(平成1 4 年7 月ないし同年1 0 月)(表紙 を除く。) ク 「ゆうだち」航泊日誌(甲)(平成1 4 年7 月ないし同年1 1 月)(表紙 を除く。) 第2 異議申立人の主張の要旨 1 異議申立ての趣旨 本件異議申立ての趣旨は,行政機関の保有する情報の公開に関する法律 (以下「法」という。)3 条の規定に基づく本件対象文書の開示請求に対し, 平成2 1 年2 月2 7 日付け防文官第2 2 8 2 号ないし第2 2 8 9 号により 防衛大臣が行った一部開示決定(以下「原処分」という。)について,その取 消しを求めるというものである。 2 異議申立ての理由 (1 )異議申立書 ア 本件開示決定通知書は,本件対象文書のどの部分を不開示としたか具 体的に特定しておらず,行政処分として違法の疑いが持たれる。また, 技術的なミスによって誤った部分に皮膜が施される可能性があるため,不 開示部分の特定(何頁の何行目という形で)がされるべきである。 イ 記録された内容を精査し,支障が生じない部分については開示すべき である。 (2 )意見書 不開示部分の特定方法を示唆するべきである。 本審査において不服申立人は書面を通じてしか意見を申し立てることが できない。したがって,不開示部分を直接指さして特定するという方法が採 れない。 この問題を解消するため,不服申立人側から不開示部分を特定する方法 について諮問庁は示唆するべきである。 第3 諮問庁の説明の要旨 1 経緯 本件開示請求は,①「はるな航海日誌(対象はテロ対策特措法に基づく協 力支援活動に従事した期間)* 対象文書は2 0 0 2 .6 .2 4 - 郵請1 4 4 と同じ」,②「さわかぜ航海日誌(対象はテロ対策特措法に基づく協力支援 活動に従事した期間)* 対象文書は2 0 0 2 .6 .2 4 - 郵請1 4 5 と同じ」,
③「ときわ航海日誌(対象はテロ対策特措法に基づく協力支援活動に従事し た期間)* 対象文書は2 0 0 2 .6 .2 4 - 郵請1 4 6 と同じ」,④「せと ぎり航海日誌(対象はテロ対策特措法に基づく協力支援活動に従事した期間) * 対象文書は2 0 0 3 .1 .1 5 - 郵請3 5 2 と同じ」,⑤「はまな航海日 誌(対象はテロ対策特措法に基づく協力支援活動に従事した期間)* 対象文 書は2 0 0 3 .1 .1 5 - 郵請3 5 3 と同じ」,⑥「いなづま航海日誌(対 象はテロ対策特措法に基づく協力支援活動に従事した期間)* 対象文書は2 0 0 3 .1 .1 5 - 郵請3 5 4 と同じ」,⑦「あさかぜ航海日誌(対象はテ ロ対策特措法に基づく協力支援活動に従事した期間)* 対象文書は2 0 0 3 . 1 .1 5 - 郵請3 5 5 と同じ」及び⑧「ゆうだち航海日誌(対象はテロ対策 特措法に基づく協力支援活動に従事した期間)* 対象文書は2 0 0 3 .1 . 1 5 - 郵請3 5 6 と同じ」の開示を求めるものであり,これに該当する行政文 書として,本件対象文書及び各航泊日誌の各月の表紙を特定した。 開示決定等に当たっては,法1 1 条に規定する開示決定等の期限の特例を 適用した上で,平成1 9 年1 2 月1 8 日付け防官文第1 2 4 8 8 号ないし 第1 2 4 9 5 号により,各航泊日誌の各月の表紙の部分を全部開示し,本件 対象文書について,その一部が法5 条1 号,3 号及び4 号の不開示情報に 該当することから,当該部分を不開示とする原処分を行った。 2 法5 条該当性について 原処分において不開示とした部分及び不開示とした理由は,別表のとおりで あり,法5 条1 号,3 号及び4 号に規定する不開示情報に該当する。 3 異議申立人の主張について 異議申立人は,「本件開示決定通知書は,本件対象文書のどの部分を不開 示としたか具体的に特定しておらず,行政処分として違法の疑いが持たれる」 などとして不開示処分の対象部分の特定を求めるが,不開示とした部分は行 政文書開示決定通知書において適法に特定されており,異議申立人の主張は 当たらない。 また,「記録された内容を精査し,支障が生じない部分については開示すべ きである」として原処分の取消しを主張するが,本件対象文書の法5 条該当 性を十分に検討した結果,その一部が別表のとおり法5 条1 号,3 号及び4 号に該当することから当該部分を不開示としたが,その他の部分については開 示しており,異議申立人の主張は当たらない。 第4 調査審議の経過 当審査会は,本件諮問事件について,以下のとおり,平成2 1 年(行情) 諮問第2 6 8 号ないし同第2 7 5 号を併合し,調査審議を行った。 ① 平成2 1 年6 月5 日 諮問の受理(諮問第2 6 8 号ないし同第2 7 5 号)
② 同日 諮問庁から理由説明書を収受(同上) ③ 同年7 月6 日 異議申立人から意見書を収受(同上) ④ 同年1 0 月3 0 日 本件対象文書の見分及び審議(同上) ⑤ 同年1 2 月4 日 諮問第2 6 8 号ないし同第2 7 5 号の併合 及び審議 第5 審査会の判断の理由 1 本件対象文書について 航泊日誌は,「海上自衛隊の使用する船舶に備える書類に関する訓令」等 により海上自衛隊の使用する船舶に備え付けられ,その船舶が実施した業務, 船舶乗組員の異動,気象・海象その他海上幕僚長の定める事項を毎日記録 するものである。 本件対象文書は,護衛艦,掃海母艦及び補給艦において備え置くと定めら れている航泊日誌(甲)のうち,上記第1 の合計8 隻の艦船(以下「本件対 象艦船」という。)の本件対象文書中に記載された期間の航泊日誌(表紙を 除く。)であり,当審査会が見分したところ,具体的には,それぞれ各月ごと に以下の4 つの文書から成っている。 ① 艦内編成や乗組幹部等(運航・機関運転関係者)を記載したもの ② 標準コンパス自差表 ③ 各日ごとに本件対象艦船の運行状況,気象・海象等の状況及び当日 実績等を記載したもの(以下「様式1 文書」という。) ④ 各日ごとに具体的な記事を記載したもの(以下「様式2 文書」という。) 諮問庁は,本件対象文書のうち,上記①,様式1 文書及び様式2 文書の 一部について,法5 条1 号,3 号及び4 号に該当するとして不開示とした原 処分は妥当であると説明するので,以下,本件対象文書を見分した結果に基 づき,当該部分の不開示情報該当性について検討する。 2 不開示情報該当性について (1 )艦内編成や乗組幹部等(運航・機関運転関係者)を記載したもの(上 記1 ①)のうち「艦内編成」について 当該部分には,本件対象艦船の各科ごとの乗組員の定員及び現員の数 が記載されていることが認められる。これらの情報を公にすることとなると, 海外派遣時における海上自衛隊の部隊の態勢が明らかとなり,海上自衛隊 の任務の効果的な遂行に支障を生じさせるおそれがあると認められる。 (2 )様式1 文書の上部欄外の記載部分について 様式1 文書の上部欄外には,訂正印,当該文書が作成された年月日及 び曜日並びに出港地等が記載されていることが認められ,これらのうち出港 地等に係る記載部分の一部が不開示とされている。 不開示とされた出港地等に係る記載部分については,当該船舶がその日
に出入港を行った場合は当該港の名称が,停泊中の場合は停泊した港の名 称が,それぞれ記載されていることが認められる。これらの情報を公にする こととなると,本件対象艦船がそれぞれの日に出入港又は停泊をした港が 明らかとなり,本件対象艦船の行動パターンの一端がうかがい知れるところ となって,テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特 別措置法(以下「テロ対策特別措置法」という。)に基づく海上自衛隊の護 衛艦等による行動が推察され,さらには,当該海上自衛隊の艦艇及び当該 艦艇が支援を行っている米海軍等の艦艇の安全確保が困難になるおそれ があると認められる。 (3 )様式1 文書の上段の記載部分について 様式1 文書の上段には,当該航泊日誌を記録した当直士官の氏名を記載 する部分,本件対象艦船の運行状況や気象・海象の状況を記載する部分 が存することが認められ,これらのうち当該航泊日誌を記録した当直士官の 氏名及び針路(艦首方位)が不開示とされている。 ア 当直士官の氏名について 様式1 の「当直士官」欄には,時刻ごとに当直士官の氏名が記載され ていることが認められ,これを公にした場合,海上自衛隊の護衛艦等に おける艦内の態勢が推察され,自衛隊の任務遂行の妨害を企てる相手方 が当該態勢を踏まえた対処行動を採ることを可能とするなど,海上自衛隊 の任務の効果的な遂行に支障を生じさせるおそれがあると認められる。 イ 針路(艦首方位)について 様式1 の「針路(艦首方位)」欄には,時刻ごとに艦首の方位角が記 載されていることが認められ,これを公にした場合,当該時刻における本 件対象艦船の針路が明らかになることから,当該不開示部分は,上記 (2 )で述べたと同様の理由により,当該海上自衛隊の艦艇及び当該艦 艇が支援を行っている米海軍等の艦艇の安全確保が困難になるおそれ があると認められる。 (4 )様式1 文書の下段の記載部分について 様式1 文書の下段には,当日の行動,位置等を記載する部分が存するこ とが認められ,これらのうち,航海中における艦位に係る部分が不開示とさ れている。 当該部分を公にした場合,本件対象艦船が位置する6 時間ごとの経度及 び緯度が明らかになることから,当該不開示部分は,上記(2 )で述べた と同様の理由により,当該海上自衛隊の艦艇及び当該艦艇が支援を行って いる米海軍等の艦艇の安全確保が困難になるおそれがあると認められる。 (5 )様式2 文書の各記載部分について 様式2 文書の各記載部分には,当該航泊日誌の査閲を行った艦船の長
及び航海長がこれを確認したことを示す印影,出入港時刻に関する記載並 びに時系列で本件対象艦船の各日の具体的な活動状況等が記載されてい ることが認められ,これらのうち,以下のアないしシの部分が不開示とされ ている。 ア 艦内の警戒配備に係る部分 当該部分を公にした場合,海上自衛隊の護衛艦等における艦内の警戒 態勢が推察され,自衛隊の任務遂行の妨害を企てる相手方が当該態勢 を踏まえた対処行動を採ることを可能とするなど,海上自衛隊の任務の効 果的な遂行に支障を生じさせるおそれがあると認められる。 イ 航海中における針路(艦首方位)及び艦位に係る部分 これらの部分を公にした場合,当該時刻における本件対象艦船の針路 及び本件対象艦船が位置する経度及び緯度が明らかになることから,当 該部分は,上記(2 )で述べたと同様の理由により,当該海上自衛隊の 艦艇及び当該艦艇が支援を行っている米海軍等の艦艇の安全確保が困 難になるおそれがあると認められる。 ウ 航海中における日出・日没に係る部分及び時刻帯の変更に係る部分 これらの部分を公にした場合,当該日における本件対象艦船の日出・ 日没に係る情報及び時刻帯の変更に係る情報が明らかになることから, 当該部分は,上記(2 )で述べたと同様の理由により,当該海上自衛隊 の艦艇及び当該艦艇が支援を行っている米海軍等の艦艇の安全確保が 困難になるおそれがあると認められる。 エ 給油活動中に行われた教育及び訓練等に係る部分 これらの部分を公にした場合,テロ対策特別措置法に基づく本件給油 活動に特有の教育及び訓練の名称が明らかとなり,本件対象艦船におけ る脅威に対する認識及び態勢が推察され,自衛隊の任務遂行の妨害を企 てる相手方が当該態勢を踏まえた対処行動を採ることを可能とするなど, 海上自衛隊の任務の効果的な遂行に支障を生じさせるおそれがあると認 められる。 オ 停泊地名,経由地名,停泊地における乗艦者の氏名及び停泊地にお ける支援船名 これらの部分を公にした場合,本件対象艦船が停泊した港湾や国名及 び経由した地名が明らかになることから,当該部分は,上記(2 )で述 べたと同様の理由により,当該海上自衛隊の艦艇及び当該艦艇が支援を 行っている米海軍等の艦艇の安全確保が困難になるおそれがあると認め られる。 カ 給油活動中における指揮官の出艦及び帰艦に係る部分 これらの部分を公にした場合,本件対象艦船における指揮官の行動及
び艦の態勢が推察され,自衛隊の任務遂行の妨害を企てる相手方が当 該態勢を踏まえた対処行動を採ることを可能とするなど,海上自衛隊の任 務の効果的な遂行に支障を生じさせるおそれがあると認められる。 キ 外国艦艇名及び給水に係る部分 これらの部分を公にした場合,本件対象艦船が支援を行っている米海 軍等の艦艇の行動パターンの一端がうかがい知れるところとなり,当該 艦艇の安全確保が困難になるおそれがあると認められる。 ク 艦船への給油量に係る部分 当該部分を公にした場合,海上自衛隊の補給艦の能力が推察され,自 衛隊の任務遂行の妨害を企てる相手方が当該態勢を踏まえた対処行動 を採ることを可能とするなど,海上自衛隊の任務の効果的な遂行に支障 を生じさせるおそれがあると認められる。 ケ 艦艇の運動に係る部分 当該部分を公にした場合,海上自衛隊の艦艇行動に係る態勢が推察さ れ,自衛隊の任務遂行の妨害を企てる相手方が当該態勢を踏まえた対処 行動を採ることを可能とするなど,海上自衛隊の任務の効果的な遂行に 支障を生じさせるおそれがあると認められる。 コ 部隊の陣形に係る部分 当該部分を公にした場合,海上自衛隊の護衛艦等の部隊の態勢が明ら かとなり,自衛隊の任務遂行の妨害を企てる相手方が当該態勢を踏まえ た対処行動を採ることを可能とするなど,海上自衛隊の任務の効果的な 遂行に支障を生じさせるおそれがあると認められる。 サ 停泊地等における搭載物及び搭載量並びに自衛隊艦船(補給支援部 隊)の給油量に係る部分 当該部分を公にした場合,本件対象艦船の行動能力及び補給周期等 の運用実態が推察され,自衛隊の任務遂行の妨害を企てる相手方が当 該態勢を踏まえた対処行動を採ることを可能とするなど,海上自衛隊の任 務の効果的な遂行に支障を生じさせるおそれがあると認められる。 シ 死亡した隊員に係る情報 当該部分には,死亡した隊員の氏名,階級,経緯等が記載されている ことが認められる。当該情報は,当該職員に係る法5 条1 号本文前段の 個人に関する情報であって,特定の個人を識別することができるものに該 当すると認められる。 次に,法5 条1 号ただし書該当性について検討すると,当該隊員は国 家公務員であるが,当該隊員が死亡したことは,当該隊員の職務遂行に 係る情報には含まれないため,当該隊員の氏名については,公務員の氏 名の公表慣行に係る「各行政機関における公務員の氏名の取扱いについ
て」(平成1 7 年8 月3 日情報公開に関する連絡会議申合せ)は適用さ れず,その他,当該隊員の氏名が公にされていると認めるべき事情は存 しないことから,当該隊員の氏名は,同号ただし書イに該当せず,また, 同号ただし書ロ及びハに該当する事情も存しない。 さらに,法6 条2 項による部分開示について検討すると,当該隊員の階 級は,当該隊員の氏名と一体として特定の個人を識別することができるこ ととなる記述等の部分に該当することから,当該隊員の氏名及び階級を 部分開示する余地はなく,その余の部分についても,その一部を開示す ることにより,同僚,知人その他の関係者においては,当該隊員が誰で あるかを特定することができ,その結果,当該隊員にとって他者に知られ たくない機微な情報が,それらの関係者に知られることになり,当該個人 の権利利益が害されるおそれがあると認められるので,これらを部分開 示することはできない。 (6 )上記(1 )ないし(4 )及び(5 )アないしサに掲げる不開示部分は, これらを公にすることにより,国の安全が害されるおそれ又は他国若しくは 国際機関との信頼関係が損なわれるおそれがあると行政機関の長が認め ることにつき相当の理由があると認められることから,当該部分は,法5 条 3 号に該当し,不開示とすることが相当である。 なお,諮問庁は,上記(5 )オに掲げる不開示部分のうち,停泊地にお ける支援船名について,これを公にすると,当該支援船を所有する企業がテ ロ等の標的になるおそれがあるとして,法5 条4 号にも該当する旨主張する が,前述のとおり,当該部分については同条3 号に該当するため,同条4 号該当性について判断するまでもない。 (7 )本件対象文書における訂正印について 本件対象文書の不開示部分のうち,上記のとおり不開示とすることが妥当 と判断した部分の中には,不開示とされた各記載事項について,これを訂正 した際に,その証として,訂正した者が押印している個所が随所に見受けら れる。 しかしながら,これらの印影は,他の不開示部分と区分することは容易で はないことから,法6 条1 項に規定する部分開示を行うことはできない。 3 異議申立人のその他の主張について 異議申立人のその他の主張は,当審査会の上記判断を左右するものではな い。 4 本件一部開示決定の妥当性について 以上のことから,本件対象文書につき,その一部を法5 条1 号,3 号及び 4 号に該当するとして不開示とした決定については,不開示とされた部分は同 条1 号及び3 号に該当すると認められるので,同条4 号について判断するま
でもなく,妥当であると判断した。 (第2 部会)
(別表) 区分 不開示とした部分 不開示とした理由 アイウエ オカキク 艦内編成表中,定 員及び現員 アイウエ オカキク 当直士官欄 艦内の態勢に係る情報であり,公にした場合, 艦艇の運用態勢が推察され,海上自衛隊の任務 の効果的な遂行に支障が生じ,国の安全を害す るおそれがあることから,法5 条3 号に該当す る。 アイウエ オカキク 艦内の警戒配備に 係る部分 艦内の警戒配備に係る情報であり,公にした 場合,艦内の警戒態勢が推察され,海上自衛隊 の任務の効果的な遂行に支障が生じ,国の安全 を害するおそれがあることから,法5 条3 号に該 当する。 アイウエ オカキク 航海中における針 路(艦首方位)に 係る部分 アイウエ オカキク 航海中における艦 位に係る部分 艦の運動及び位置を示す情報であり,公にし た場合,艦艇の行動海域が推察され,海上自衛 隊の任務の効果的な遂行に支障が生じ,国の安 全を害するおそれがあることから,法5 条3 号に 該当する。 アイウエ オカキク 航海中における日 出・日没に係る部 分 アイウエ オカキク 時刻帯の変更に係 る部分 航海中における日出・日没に係る情報及び時 刻帯の変更に係る情報であり,公にした場合, 艦艇の行動海域が推察され,海上自衛隊の任務 の効果的な遂行に支障が生じ,国の安全を害す るおそれがあることから,法5 条3 号に該当す る。 アイウエ オカキク 給油活動中に行わ れた教育及び訓練 等に係る部分 教育及び訓練等の具体的な内容に係る情報 であり,公にした場合,艦の脅威に対する認識及 び態勢が推察され,海上自衛隊の任務の効果的 な遂行に支障が生じ,国の安全が害されるおそ れがあることから,法5 条3 号に該当する。 アイウエ オカキク 停泊地の地名 アイウエ オカキク 停泊地における乗 艦者の氏名 停泊した港湾や国名を示す情報であり,公にし た場合,艦艇の行動が推察され,海上自衛隊の 任務の効果的な遂行に支障が生じ,国の安全を 害するおそれがあることから,法5 条3 号に該当 する。 アイウエ オカキク 停泊地における支 援船名 停泊した港湾や国名を示す情報であり,公にし た場合,艦艇の行動が推察され,海上自衛隊の 任務の効果的な遂行に支障が生じ,国の安全を
害するおそれがあることから,法5 条3 号に該当 するとともに,当該支援船を所有する企業がテロ 等の標的になるなど,公共の安全と秩序の維持 に支障が生じるおそれがあることから同条4 号 にも該当する。 アイウエ オカキク 給油活動中におけ る指揮官の出艦及 び帰艦に係る部分 指揮官の行動にかかわる情報であり,公にし た場合,艦の態勢及び指揮官の行動が推察さ れ,海上自衛隊の任務の効果的な遂行に支障が 生じ,国の安全を害するおそれがあることから, 法5 条3 号に該当する。 イウエオ カキク 外国艦艇名及び給 水に係る部分 給油相手国の艦艇に係る情報であり,公にし た場合,当該相手国との信頼関係を損なうおそ れがあることから,法5 条3 号に該当する。 イウ 艦船への給油量に 係る部分 補給艦の能力にかかわる情報であり,公にし た場合,作戦行動におけるぜい弱性が明らかと なり,海上自衛隊の任務の効果的な遂行に支障 が生じ,国の安全が害されるおそれがあること から,法5 条3 号に該当する。 アイウエ オカキ 艦艇の運動に係る 部分 艦艇の運動に係る情報であって,公にした場 合,艦艇行動に係る態勢が明らかとなり,海上 自衛隊の任務の効果的な遂行に支障が生じ,国 の安全が害されるおそれがあることから,法5 条 3 号に該当する。 アイウエ オカキク 部隊の陣形に係る 部分 部隊の態勢を示す情報であり,公にした場合, 部隊の陣形が明らかになり,海上自衛隊の任務 の効果的な遂行に支障が生じ,国の安全を害す るおそれがあることから,法5 条3 号に該当す る。 アイウエ オカキ 停泊地等における 搭載物に係る部分 艦艇の能力・態勢にかかわる情報であり,公 にした場合,行動能力及び補給周期等の運用実 態が推察され,海上自衛隊の任務の効果的な遂 行に支障が生じ,国の安全を害するおそれがあ ることから,法5 条3 号に該当する。 ク 停泊地における生 糧品の搭載量に係 る部分 艦艇の能力・態勢にかかわる情報であり,公 にした場合,行動能力及び補給周期等の運用実 態が推察され,海上自衛隊の任務の効果的な遂
行に支障が生じ,国の安全を害するおそれがあ ることから,法5 条3 号に該当する。 アエオカ キク 自衛隊艦船(補給 支援部隊)の給油 量に係る部分 補給支援部隊の艦船の能力にかかわる情報 であり,公にした場合,作戦行動におけるぜい弱 性が明らかとなり,海上自衛隊の任務の効果的 な遂行に支障が生じ,国の安全が害されるおそ れがあることから,法5 条3 号に該当する。 イウエオ 特定の個人を識別 す る こ と が で き る 情報 特定の個人を識別することができる情報であ ることから,法5 条1 号に該当する。 (注) 「区分」欄には,第1 に掲げる文書の記号を記載した。