三竃大水産綱領 第9骨:19i−i99 1982年10月1日
熊野灘におけるムツの食性
木村清志・井上隣薔・鈴木 啓
三漁火学水産学部
Feedさng H∂bit of励∂肌あ㌢叩ざゐ〃qpざ(Pisces:Scombropidae)
in Kumano−n8da,CentralJapan
SeishiK王MURA,ShingoINOUE and KiyoshiSuzuKI
Facし11ty of Fi軸eries,Mie Univ8rSまty
Thel)l・eSeIlt rel)Ort dcals ′itllt】一C(ccdhlg habi亡 O(Sco})tb7−OP∫ booか(Pisces Scoェnbropida母),WitIlpar批ular reference to sequentialcbanges of species coml⊃OSi七まoil Of prey anilⅥals,relative quantity of food,aエーd size of prey witll即OWth of tlle pred−
ator,based onう77individlユals taken from coastalareas of】てuInanO−nada,Mie Prefか cture,from Marci11978to December1980.
Tbe juveniles to40mInin stalldardlength fedInainly oIlplanktoIlic crustaceans,
β・g・COpepOds alldlarvae of decapods・TIle Size of prey for tlleJuVeniles was mlユ血 stlla11el・tllaTlthat of thcl)rCdatot▲.Ås thc fish grc\\・bet\\,eeE140a‖(150一一川Iil11c!】gth,
it$11ユain food convertedinto clupeoidlarvae(wbまte bait)from planlこtOIlic crustaceans・
The size of prey and fceding activityincreascd abruptly aIユd discontinuously due to t11e COllVerS王on of prey.Clupeoidlarvae played ani王npOrtaI止role asinterlⅥediate prey
an王111albetween planktonic erustaceans and fまslleS▲In tlle fis‡1aboveうOmminle咽tll,
it becanle a typicalfisb…eater,a【1(1itslnajor food was converted to young and adul七 cl叩eOid fisbesβ.g.5か′αg8〃ogdβざgγαCfJfざ,ガわ・洲‡跡ざfβγβざ,血相関頭凝J旬如!ざc㍑ぶ,
all(lSal・df)LO♪=1tC]a)ZOSticLE(S.Ås thel)rC(latotlgl・C\\・abo\・e180日l‖linlellgllt.、\・eight percenねge oぎc王叩eOid fis】1eSinthes恵0‡naCb co黒毛en七of−tユ1e.1)redator was reduced,a乃d
that of o七ber fisbes,8.g.apOgOni晦 wasincreased.讐heoi雨ellSe feeding activity appearedin tlle Sまze classes between50and70Inmi!11engtll,tllen tbe actまvity decre−
ased wit‡lgrOWtb of the predator.Maxilnuln Size of prey aIlilTlals becamelarger witb 即OWtb of the predator,but α椚αガ(ニクエ桝αガ/L;L,1eng七三10f predator;ダエ椚αぷ,
111aXimum sizeofprey)was declined witb growtbin tlle Size classeslarger tban abotlt 701Tl111hlengtb.
正eywords;feedir将llabit,Scolnbrol〉S boops
192 水村清志・井上惧薔・鈴木 摺
ムツは東北他力から九州,伸銅地方にかけて分布する魚撤で,幼魚仁君魚は沿禅の浅所に機息す るが,成長にともなって傑所に移動する。磯野教師拳では,幼魚から未成魚の個体がほぼ周年にわ たって,走階網でかな野太盆に漁攫され,市墟に供給されている。成魚は∃三に沖合の山一本釣によっ て漁頻されているが,その数は幼魚・東成魚尤比べて少ないようである。
ムツの食性については,現在までにSuYEl封RO(】942),YASUDA(Ⅰ960a,19601〕),構閏ほか(ユ9引)
の報哲が知られているが,これらはかな射研片的なもので,群紳な換肘はなされていない。
著者らは稚魚期から栄城魚期のムツの関内容絢誇確査を行った紙乳 糾料生物種組成や摂鯛数個よ び鋼料生物の大きさが成長によって変化することについての知見を得たので粕皆する。
材判と実験方法
本研究に用いた材料は,1978年3月から1980年12月まで紆期間に,三蕊頻熊野滋沿瀬(志掛け,
浜脚け,御浜町)で,定綴綱(体茂30〜250mm蘭後),山本釣や刺網(体長250mm),以上、小型ビ ームトロ−・ルや鎚魚灯(体長朝mm以下)で漁獲されたう77個体である。
材料は採魂後ただちに10%ホルマリン水溶賊で閲麗した後,体技(標準体長)や体威の測定を行 い,消化僧せ橘推した。各個体について矧勲劉勿麓鼠を秤儲した後,糾料生物の種査定を行い,各 生物翔ごとの容憤百分率を】計測で判断したぐ各生物碓の麓盛ヒは,この容租百分率と関内容物農蟄と の搬で表わした。間中に鱗のみが出現した場合は,埴拍巨小途(19う6)や木村(1981)にしたがっ て,空腎として処理した。
糾神捌勿のうち魚寒登と甲鍍類については,可能な限り体長(魚類では械至1担体艮,甲殻類では全 長)を測定した。また,消化が進み,体長を測定できなかった魚類は,多々良ほか(1962)や著者 らが求めた復原式(′rabエeり にしたがって,権体長から体長を推定した。
T漁blel.Rela七三ojlS between tile first caudal\rertebra VL(ェ11†n)a11d sta王1(1ard leユ1gtllL(mm)▲
Specまes ドor‖lし11こl Ra;1ge Of L
ゴノりて情イJ(一=J(さゞ g川(・〃/∫
助血加哩椙抑めm相加眈
ノ1//r川ぐJJ(ノよ)J‖・〟rリ■J
∫川〃血り∴′〝♪(川J(・J†∫
Lニう2.6VL+7.うO L=61.4VL+0.46 Lニ52,5VL〟卜2.40 L=36.7VL十7.09
26.8′}83.0 25.0ノ)128.6 2う.2′〉96.4 44.0′〉i7う.雪
結 果 成長にともなう餌料動物種組成の変化
ムツの糾揮生物はすべて艶物でト植物は出現しなかった。錮料蘭磯癒イワシ類(シラス刺子魚を 除く),イワシ類シラス婚=字魚,イワシ類以外の魚類,査定不能魚叛,甲殻類,その他の動物の6諾洋 に分け,その蕊盛比の成長にともなう変化をみるとFig.iのようになる。体長40mm以下の稚魚 は甲顔類のみを捕食している。体長40〜50nlmになると魚敗を捕食し始め,鋼料中の魚枚の糾合は 急激に増加し,食性の変化が認められる。体長うOmlTl以上になると,紳紬那0%以上が魚瑚で占め
られ,典型的な飽食性を示すようになる。
納料魚紙のうち,イワシ類はシラス期仔魚を含めて非常に多く紺憾され,体長180】nm以下のム ツで払糾料魚牽蛮の80%以上をおめている。しかし,体長月Onlm肌後から,イワシ類の割合は減
熊野認におけるムツの食性
FC FL FO FU C O
6ヨ[ニコ =こ∴.5 ⊂= ⊂:コ
193
0 5
uり<トN山U∝山む
10 50 100 200
SIZE C LASSIN SL(mm)
Fig.1,Relative abundance ofl)rey a11まInalsiIIWe;gbt by s互ze class.FC,ClulつeOid fislleS;FL,Clupeoidlarvae(wlユite bait);FO,fislleS eXCeI)t CltlPeOids;
FU,tlrlide11tified fishes;C,CruStaCeallS;0,0七11er anilnals.
少し始め,成長にともなって,この割合は低下する。イワシ類シラス期紋触軋 ムツの体長40〜50 1nimの簡妄星射で政も多く捕食され,その後,成長にともなって減少し,体長90mm以上になると,ほ
とんど捕食されなくなる。
糾料動物観組成及頻腰儀(HYNES19う0)で表わすと Table2のようになる。甲殻類では,体長 40】11】nまでぼト模御難などのプランクトン甲殻蜜豆が多く,それ以上の体長になると,アミ類や姉御
顛㌧1一脾類などの比較的大型の甲戯磯が多くなる。魚視では,ウルメイワシ,キビナゴ,マイワ シ,カタクチイワシが多く,このうちでは,キビナゴが汲も多く捕食されている。・マイワシは主に 体艮100m‡11以上のムツに,カタクチイワシは体長80mm以下のムツに多く捕食されている。その 他の魚類ではトウゴロウイワシ類,テンジクダイ類,マアジ,マサバが比腋的多く捕食されてい る。その他の動物では,多毛類やイカ粕が出現し,これらは主に体長60mm以上のムツに捕食され ている。
成長にともなう摂餌盈の変化 各個体ごとに摂餌逸指数 f(f=(SCW/(W…SCW))×100;
SCW,関内容物麓義女;W,体麓)(横田ほか1961,林・山口1%2)を求め,これと体長との関係を Fig.2に表わした。
摂組数指数の上限値は,体長40mm蕊では小さく,体長4ィ0〜50mlTlになると急激に大きくなり,
体長70mm前後でピークに遷する。その後,この上限低は成長にともなって,徐々に減少する。
餌料動物の大きさ ムツの体艮と鋼料動物の体長との関係はFig.うのようになる。
ムツの成長にともなって,糾料動物の体長は増大する。体長4・Omm選でのムツでは,糾料動物の 体長は′トさく,α(α=PL/L;PL,糾料軌物体長;L,捕食者体長)(林・山口1962)も非常に′トさな 椴を示している。また,この体艮凝闇では成長にともなうαの増加が認められる。ムツの体皮が40
〜うOmふになると,魚類を捕食し始めるために,糾料動物の体長は不適統的に大きくなり,αの上 I掛値も非常に大きな値を示すようになる。体艮50nlnl以上のムツでは,成長にともなって飼料動物 の体長は大きくなるが,α低は逆に小さくなる。この体長範問で紆上限値は,魚類の場合0.4〜0.9 甲う扱類では0.i〜0.3,下限値は魚頗で約0.2,甲殻類で0.01以下である。
木村再守怒・井上憐詔・鈴木消 194
で乱ble2.Relative abしIndance of prey anilnals represented by o=CurrenCe 工netilOd iIleaCllSize cはSS.C,′>う0%;−ト,10<:/≦う0%;r,0く/≦10%;
−,′ニ0ク占;′;perC創1七age occurreま1CeOffishfeedi礪eaCb‡)1−ey aIユhlal・
Size cまassin standardlen紳i(mm)
う0 60 70 80 90100120140160180 200
!Ll【!ll60 70 80 90100120140160180 200
ハU
0 〇 ・▲1 ■2
う0
0
4−50
Prey al1imals O
Aて
POLYC罠ÅETÅ
Unidentifまed Polycha(きta − … … … … r r 岬 一 山 r … 1◆ r …
CEPHALOPODÅ
UnidentifiedI)ecapo〔まa CRUSTACEA
C扇の用ぶ扇加奴那 g軌㍑烏摘≠ぎ 仇仙川邪融☆
0矧㍑姶α か都路はね
〃m ♪〝CJ∫r〃∫Sl).
C + + C
︼ 一一⁝ r +一 C ⊂ ⁝一一 鵬 一
︼ 一 仙 W 仙
⁝ 伸 一一一
r 一⁝ 仙一
⁝m 仙 一一
⁝一一一一
仙 叩 ︼一
U11identまぞied Cop(坤Oda −ト
尺J;0♪ロJo♪/三川〝J川〃∫
oIイビH/αJJ∫
J〕J・別抽釦町・止=両坤闇厄
Unid(∋ntified Mysidacea
Aeg(Z d¢′γβ∫紹∫
A明知流肌=減刑加椚流
エ≠Jブβ如γgfαブα如JまgCα 劫プ如gβ乃β≠αγ0ぶ汁α〜α
〟αCγαぶβγαgざかZg研α Jαぶぶα/αgCαgα
茸汀摘別技那∴坤ぽm㍑
r 一 r 一一一
一一一一一一
一一+一一一
川 山 一一一一 一 ︼ 一 r r 鵬 一一 一一一一一一
一一 山 川 m ︼ r
一 r r ⁝ 山 r r
一 鵬 山⁝一 ︼ 一
一 日 川 小 一 山
Ⅵ 山 ︼ 一一一 山
一一 ︼ 一 一 山 r
r r 一 r 一
⁝ ︼ 一 ︸ 一
ーー ーー ー 1一 一 − −−
Cc用♪〃∫相加′/αJ・f∫ ← −トー ー ー・ 1・ r − − l一・ − − − 一一 一一
U71idcntific〔1GaTl川IaridこIe L一 − −→ − ,− r l・ 一 − − − L一 r r −
C(7♪J・eJ/β♂C〃メゾI■のJ∫ − − − 一 十 1▲ 1・−一 一 一 − − 一一 r −
C、〝egJJ∫/肋・〝 − − − − − − − − r − 1一 一一 − 一一 −
C.∫汀晶㍑ 一 − − 一 l・ 一 − 一一 一 一一 一一一 −一・ −一 −・ −一
Ullidcntified CこIl)rClli(l【lC − − H − − r − → − P L L− 一 一 一一
U11i(lentified Nat;lIltia M −q M r − r r r r 一 一 r 十 r r
UJlidentific(l13rachyurこl 一 一 一 − − − − N − P − , r − r−
(to be colltinued)
熊野灘におけるムツの食性
Table2・(Continued)
19う
Size classin standardlength(mm)
つ﹂ − A︼
0 0 0 − つエ
901 1d
O ■0 8 9
0 0 7 ︼8
0 ︻
0 10 にノ /0
0 ︻
0 ∫
0 0 2 −qノ
0 0 1 −2
Prey animals
Copepoiidlユrvae Mysis and zoealarvae Megalopa larvae PISCES
EJ川Ⅲ(1〃∫J(リ・ぐ∫
5か・βfeggoすdβS gγαC盲gfざ
∫βJ▲dJ机−♪∫J〃(イ〝,JO∫/′rJJ′∫
β乃gγα〟gg∫ノα♪0好古c祝∫
Unidentified Clupeoidei Unidentified Exocoetidae
.1J〝r川rJ八丁川♪如∫〃∫ノα♪oJJJ‖J∫
AJJα乃βffα ∂gββカβγf
tTnidentified Atherinidae
Jムーg//r【−♪/れ7/J′∫
A♪ogo乃∫β研ぎJわ乙βαわ ∫
Unidentified Apogonidae
アαγα♪γf5ff♪0∽αfγfJわヱβαわ ∽
rγαCゐ乙 γβ ∫ノα♪0乃Zc以5 エビJ()g〃(7//川=イ㍗〃/〝JJJ∫
5com∂eγメα夕8彿fc混S Unidentified Gobiidae
5β∂α∫fβ5 わzg 乃f∫
Unidentified Osteichthyes
r +⁝
+ + +
r + +
r C +
r C 一
r C 一
r +一
+ + r
+ +一
+ +一
一一一
⁝一一
+ r
+一
十 r
r +一
r r 一
r + 一
r + 一
+ + 一
+ + 一
+ + 一
r + 一
r + ︼
⁝一一 一+ 一一 l + 〟 r r + r r
r 一 −・ r
r − r r
− − − − − − − − − − − r r − C
一 − − − … 」− − … 一 一 − r r r 一
一 一 一 − − … − − − r − … − 一 …
一 一 − − − … − − W − − r r + r
r − − − … − − + −
各餌料魚類について,αの平均値と範囲を求めた(Table3)。イワシ類は他の魚類に比較してα が大きい。イワシ棟以外示では,トウゴロウイワシやボラが比較的大きい値をしている。
考 察
体長3〜5mmの後期仔魚期のムツの餌料は,nauPlius幼生,COPepOdid幼生お.d:び模脚類など であるとされている(横田ほか1961)。このことから,後期仔魚期から体長40mmまでの稚魚期の 間は,成長にともなって徐々に大きな餌料を捕食するようになるが,顕著な食性の変化はおこら ず,餌料は′ト形のプランクトン甲殻類であると考えられる。体長40〈づOmmになると,イワシ類シ ラス期仔魚を多量に捕食するようになり,食性は大きく変化する。この変化は最首(1963)の第1 次食性分化に相当するもので,これによってムツはブランク1トン食性から魚食性になり,餌料の栄 養水準は1段高くなる。この体長になって初めて魚類を捕食できるようになったのは,棲息空間に 大きな変化はないと考えられることから,ムツの体制が発達し,運動力がイワシ類シラスの遊泳速
熊野躍におけるムツの食性 196
0
︵E∈︶ ト山∝d LO エトりN山﹂
●●
●● ● ヽ
● ● ● ●
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一.ごl:l:−
● ●サ● ● ・よヌ■●・ ′=‥
●・● ・−::‡た;1二・●、∴・い
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100 200
STANDARD LENGTH(rnm)
Fig.2. Relationship between feeding weight indexfandstandardlength・f=(SCW
/(W−SCW))×100;SCW,Weight of StOmaCh contents;W,body weight.
20 100 200.さ00
STANDARD LENGTH O■F PREDATOR(rnml Fig.3. Relationshipbetweenstandardlength
Of predator PL andlength of prey L.Open circles,CruStaCeanS(total length); SOlid circles, fishes
(standardlength).Oblique paralle1 1inesindicatethevalueoEα.α=PL/L.
Table3.Mean values and ranges ofαfor prey fishes・
Species Mean
0.41−0.88 0.26−0.88 0.3うー0.76 0.40−0.84 0.12−0.24 0.31−0.47
0.う2−0.40
0.19−0.49
0.34−0.40
/b 7 /b q/ 8 0 っム 8 4 1 0/ 7 ウノ ∠U ︹ノ にノ 仁ノ 1 4 4 qノ 2 ︵j 2 ︵プ ︵ブ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
g//・J†川(リl∫/t、ハIゞ
割一用け仙舟山占Jl飢、〃h 5(汀〟J/川♪∫川 、/(川()∫晶、/J′∫
∫ナノg/て川/J■∫ノ(J♪β〃/川∫
.1J〟り・りJ・/用〃小/丹∫JJ∫ノ(小川J■√〃∫
。一1仇J〃tリ/(J/)/ハ、ム〔リ・J■
ごlルか/l−け/招仙∫
.・け哩■0〃∫√〃J〃川(、(〃J′∫
ハ汀(津,イ∫/小(りJ招け1〃J=、(出川J r川(l/川r〃∫ノ(けり〃J、r〟∫
エtイog■JJβ/〟∫/▲J■…砧汀旧
∫l、(川J〜−(ソ▲ノ(津い〃∫r〟∫
5β∂αSfβSオ乃βγ∽ブ∫
t97 水村摺志・井上慎吾・給水酒
度よりも優るようになった結果であると考えられる。体長50mm以上になると,イワシ類シラスは 減少し,キビナゴを主としたイワシ類の幼魚・東成魚を捕食する割合がJ・削l=ノ,飼料の栄養水準は
さらに高くなっていく。ムツの体蓬80〜IOOmmを境にして,それ以下ではカタクチイワシが,そ れ以上ではマイワシが多くなるが,これはこの丙種の大きさの適いによるものであろう。このよう に,体長40〜80Inmの範囲では,シラス期げ魚を含めて,イワシ轍がほ倒的に多く捕食され,
YASUDA(1960a)が述べたとおり,ムツはSardille preda七Orであるといえる。体長180mm以 上になると,イワシ類を捕食する割合が減少する。これは,ムツが成長するにともなって徐々に傑 所に移動するにしたがい,イワシ猟との機息空間の茹なりが少なくなり,許巧者の遭遇率が械少する ためではな里かと考えられる。SuYEⅢRO(1942)は体慮ヰ2.う〜う9.9cmのムツの関内容物として ノ、ダカイワシ類,ヨコエソ類,傑璃凋笹ビ類を報葉している。したがって,傑所に移動したムツ成 魚は深海性魚斬を錮料とすると考えられる。
以上のように,ムツは体制の発達とそれによる運動カの増大,および機息空間の変化にともなっ て,その義郎料をプランクトン甲恕類→イワシ籾シラス→イワシ類→深海性魚腰とい引憤に変化さ せ,餌料の栄養水準を高めていく。
プランクトン甲殻類から魚類に食性が変化する際に,イワシ轍シラスが多く捕食されることはブ リでも認められる(安楽・畔田i965)。イワシ頚シラスは生態的碇は劇物プランクトンの脚・つで,運 軌力も弱く,また体は細長く滑らかであるため,未だ遊泳力が弱い飽食開始期の幼稚魚にとって,
非常に捕食し易い錮料であると考えられる。潜水時の観鰯では,イワシ叛シラスの体はほぼ透明で あるが,虹彩は金色でよく目立ち,あたかもプランクトン甲激怒のようであった。このようなこと から,第1次食性分化で魚食性に移行する魚概は,それまでプランクトンを発見していたのと同様 にして,イワシ腋シラスの限を発見し,これを捕食するのであろうと考える。このように,イワシ 粗シラスは発見・捕食が容易なこと,大数に存在すること,甲叡類に比べて餌料の転換率がよいこ
と(HATANAKAβ£αプ.ま9う7)などから,プランクトンと魚既との中間的朝潮として,濃繋な役割 を演じていると考える。
プランクトン甲殻類から魚類への質的な変化がおこると,摂研蘭が急増し,数的にも大きな変化 がおこる。このような現象はブリでもみられる(安楽・畔閏1965)。このように,魚食性に移行する
と飼料転換効率のよい魚類を多食するようになるため,捕食魚が急速に成長することが知られてい る(安楽・畔1壬=96う)。また,このことは用路用膵・魚掛飯食性を備えることによって成長を早め」
という河井(1978)の推論を個体発生の而からも支持することになる。
小股に魚類の関内容物組成凝摂餌環境内に存在する餅料となりうる生物の棍組成を反映してい る。したがって,同一魚稚であっても調査年月や㈲成によって関内容物組成に差がみられることが ある(三谷1958a,ノ林・山口1962,安来・l畔酢96う)。桃田ほか(1961)は19う7年に日向漱で体長 う0′}H■Ommのムツについて調査し,その主錮料はハゼ粗,カ童虜クチイワシ,マアジで,体長80 mm以上になるとマアジを選択的に捕食すると報督した。この結果と本研究の結果とはある程度の 相違がみられるが,これも餌料魚稚,将にイワシ類とマアジの当時と戯近の資源盈の速いに議⊆づく
ものであろう。
捕食者の大きさに対する相対的な摂駒魔が成長にともなって減少することは多くの効類で知られ ている(堀!驚い小逮19う6,三谷1958b,YASUDA1960a,工藤・適山1963,谷口・卿【‡i980)。こ の習油として,若齢魚は高齢魚に比較して成畏が早く,より多くのエネルギーを必要とするためで あると貌明されている(三谷19う8b)。これに対して,YASUDA(1960a)はムツやプリ,マサバ,
198 磯野潜におけるムツの食性
アカカマスは成j蔓にともなう摂組数指数の減少は明瞭でないと述べているが,本研究で綱べた限 り,ムツの怒髪錮戯指数は体長70mm以上の範囲で明らかに減少している。
αの最大値が糾料となる魚種で異なるのは,餌の大きさを規定する要因が体長ではなく,体高や 体臓であることを示している(YASUDA1960,機関ほかbI961〉。したがって,被食魚のαの漁火俄 は体商の低い魚械で大きく,体商の高い魚種や強い麻をもつ魚種では小さくなる。
被食魚のαの最大値が大きい魚種闇i∃体長と大差ない大きさの捕食魚にも喰われることを示し,
逆にαの放火傾が′トさい魚種ほ捕食魚との体長差が大きくならないと喰われないことを示してい る。すなわち,被食魚にとってげの最大値は喰われ易すさを示す手;藷数の山つと考えられる。したが って,強大な棟などが優れた防禦機瀾である(ヱVLEV196う)のと糾払 体高が商い側稲した体型 はそれ‡き巨体が防禦機構の一山一つであると考えられる。
要 約
1978年3月から】980年12月まで掛期間に熊野漁船岸で採磯したムツ577個体を供観相料として使 月1し,この㈲成における本種の食性,特に鍼料生物魂凝戚)撲灘適確はび榊年生物の大きさの成長 にともなう変化について換糾した。その結果,次のような知見が得られた。
俸掻40mlnまでの稚魚は,横磯鷹や十脾努iの幼生などを主食とした動物プランクトン食性であ る。この時期は,糾料の大きさは小さく仁摂錮應磯感も低い。体長40〜うOmmになると,室鋼糾闇
イワシ類シラみ期仔魚になり,食性が大きく変化する。 この食性変化によって,研料の大きさや摂 解離旨数は急激に大きくなる。体長うOn−m以上になると,ムツはばぼ完全な魚食性となり,体長
180mm前薇慄でほキビナゴを主としたイワシ禎を主食にしている。体長180mm以上になると,イ ワシ粕を捕食する割合は減少し,ネンブツダイなどが増加する。拇研亀指数の上限値は体長70111m 前後でピークに遷し,その後ムツの成J引こともなって減少する。飼料巷磯明大きさの上限値は,ム ツの成長にともなって増大し続けるが,捕食者の体長に対する相対値αはムツの体長70mm前後で 極大になり,その後低下する。
終りに,蟄蒐な御助言をにわり,また本文を御校閲していただいた京都大学遊学部教授冶井保瀾 士,および甲恕類の椎窓掛こついて御指導いただいた本学水産学部瀾汗1秀夫博士に厚く御礼申し上 げる。また,糾料生物の査定に御援助いただいた三麓児志摩町和典の木村文子氏,材料の採塊に御 協力いただいた志摩町片田のノ用滝置漁業ぎ釧司組合,同町和典の大「!秀和氏,和典定置漁業協同組 合に傑く感謝する。なお,本研究の山部は昭和う6年度文部省科学研究費補助金(奨励研究(A))に
よった。記して謝意を表する。
文 献
安楽詑照・持判別三格,196う・流れ沫に付随するプリ雄仔魚の食性 湖水桝組(33):1う血45.
飢l、AドA‡(A,MりⅠて・Sじ…0,M・TAlくA侶は=Ia−1dT・Ⅰ…まユlドル㍉1957・Gl・OWtba11dfoo(lco王1Sut叩tioniIlyOuIlg
、こ、ユ・ご−い・トニーリ′∴・−い一丁ご・・∴ ∴・J‥・=、;い 、、∴.」∴∴∴.・し′・∴・..7・:::・;・∴
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