• 検索結果がありません。

西 洋 人 の 日本 語 動 詞 活 用 型 の把 握

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "西 洋 人 の 日本 語 動 詞 活 用 型 の把 握"

Copied!
8
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

一 研 究 ノー トー

西 洋 人 の 日本 語 動 詞 活 用 型 の把 握

金 子 弘

は じ め に

西 洋 人 の 日本 語 研 究 に は,ロ ド リゲ ス以 来 の 伝 統 が あ る。 しか し,本 格 的 な 日本 語 研 究 が起 こ った の は,江 戸 幕 府 が 鎖 国 政 策 を解 除 した 幕 末 以 降 の こ とで あ り,明 治 期 に な る と多 くの 優 れ た 研 究 者 が 表 れ た。 そ の 中 の 一 人 で あ るチ ェ ンバ レ ンは,日 本 語 動 詞 の活 用 型 を 次 の よ うに 把 握 して い る(r日 本 口語 文 典 』 唖225)。

確定現在形 不定形 否定語基 条件語基

動 詞 の 三 種 の 規 則 活 用 の例 (イ タ リ ックは語 幹)'

第 一 活 用 toselltoput

uruoku urioki uraoんa ureoke

第 二 活 用 tosleeptoeat

nerutaberu netabe netabe Here'tabere

第 三 活 用 tofalltosee

ochiruYniru ochimi ochi〃zi ochiremire

第 一 ・第 二 ・第 三 とい う活 用 型 は,学 校 文 法 で い うと ころ の,五 段 活 用 ・下 一 段 活 用 ・上 一 段 活 用 と対 応 す る。 そ の 中 で,「 下 一 段 活 用 → 上 一 段 活 用 」と い う 述 べ方 の順 が,学 校 文 法 とは 異 な って い るの が 目に つ く。 本 稿 で は,こ の よ う な述 べ 方 の順 序 の 由 来 を 確 か め つ つ,西 洋 人 の 日本語 研 究 の うち,動 詞 活用 型 の 枠 組 み が ど うで あ った のか を概 観 した い 。

1取 り上 げ る研 究 者 と資 料 に つ い て

今 回取 り上 げ た 研 究 者 とそ の研 究 書 は,以 下 の とお りで あ る。

(28)

(2)

1ロ ド リ ゲ ス (Rodriguez)

2コ リ ャ ー ド (Collado}

3P吊

(Rosny) 4ク ル チ ウ ス

(Curtius}

5ブ ラ ウ ソ (Brown) 6ホ フ マ ソ

(Hoffmann) 7ヘ ボ ソ

{Hepburn)

☆ 馬 場 辰 已 8ヘ ボ ン

(Hapburn;

9ア ス ト ン (Aston)

10チ ェ ソ バ レ ソ (Chamberlain) 11イ ン ブ リ ー

(lmbrie}

12ラ ソ ゲ (Range)

13バ レ ー (Balet) 14マ ク ガ パ ン

{McGovern)

15ブRヅ

(Bloch) 16ミ ラ ー

(Miller)

西 洋 人 の 日 本 語 動 詞 活 用 型 の 把 握 1604‑8『 日 本 大 文 典 』 土 井 忠 生 訳

1620『 日 本 小 文 典 』

(複 製 の 福 島 邦 道 氏 に よ る 解 説 及 び 阿 部 健 二 氏 のr国 語 文 法 史 論 考 』 の 試 訳 稿 を 参 照)

1632r日 本 語 文 典 』 大 塚 高 信 訳

18561ntroductiona1'etudedelaIanguejaponaise.

1857r日 本 語 文 典 例 証 』 三 澤 光 博 訳

1863ColloquialJapanese.

1868r日 本 語 文 典 』 三 澤 光 博 訳.

1872『 和 英 語 林 集 成 』 第 二 版 (初 版 に は 文 法 の 記 述 無 し) 1873『 日 本 文 典 初 歩 』

1886『 和 英 語 林 集 成 』 第 三 版

1888AGrammeroftheJapaneseSpokenLanguage.4版 (初 版 は1869)

1888AHandbookofColloq喉1ialJapanese.初

1906HandbookofEnglish‑JapaneseEtymology.15版 (初 版 は1880)

1907JapaneseGrammer.

(LehbiicherdesJapanishenUmgangssprache.1890の 英 訳 本)

1925GrammaireJaponaisedelaLangueParlee.(4版) (初 版 は1899)

1934ColloquialJapanese.

1946『 ブRッ ク 日 本 語 論 考 』R.A.ミ ラ ー 編 ・林 栄 一 監 訳

1967『 日 本 語 一 歴 史 と 構 造 』 小 川 昌 一 訳

取 り上 げ た の はt現 在 自分 が 確 認 で き る研 究 書 で あ り,こ れ を 華 に して,順 次 網 羅 的 に 多 くの研 究 者 ・研 究 書 を 取 り上 げ る予 定 で あ る。 参 考 と して ・ 馬 場

(29)

(3)

辰 已 も取 り上 げ たoな お,コ リ ャ ー ドは 訳 本 の み しか 見 て い な い 。 ク ル チ ウ ス は パ ジ ェス に よ る仏 訳 本 も参 照,ホ フ マ ンは 英 語 版 を 参 照,ラ ン ゲ は 英 訳 本 の み 参 照 。 そ の 他,翻 訳 本 を 掲 げ て い る も の は,原 本 も参 照 した 。

2動 詞 活用 型 の比較

そ れ ぞ れ の活 用 型 を 並 ぺ た の が 次 の表 で あ る。 規 則 活 用 と認 識 して いた と思 わ れ る活 用 の み を 取 り上 げ,「 来 る ・す る」 や 「候 ・ます 」 な ど は 必 要 な場 合

以 外 除 い て あ るo

① エe下0・ 二 段 活 用 イ=上 一一・二 段 活 用 ア=五(四)段 活 用 と略 記 。

② 第 一 等 は 第 一 活 用 等 の略 で,そ の 他 の 活 用 の 名 称 の 場 合 略 さず 訳 して あ る。

③*は 現 代 共 通 語 以 外 を主 と して 記 述 。

研 究 司 規則活用型 の名称 と叙述 の順序

*

1ロ ド リ ゲ ス

*

2コ リ ャ ー

* 3ロ ニm

4ク ル チ ウ ス

5ブ ラ ウ ン 6ホ フ マ ソ

〔ク ル チ ウ ス の 解 説 〕

*〔 ホ フ マ ソ 自 身 の 文 典 〕2)

7ヘ ボ ン

☆馬場

8ヘ ボ ン

第 一 エ/イ 第 ニ ァ 第三 ハ行 ア

第 一 エ/イ 第 ニ ァ 第 三 ハ行 ア

第 一 エ 第 ニ ァ 第 三 ハ 行 ア (イ カミ無 い)1)

(工無 し 活 用 に特 別 な名 称 無 し)

規則活用 イ/工 不規則活用 ア

a)幹 母 音変 化,強 変 化 ア b)幹 母 音 不 変 化,弱 変 化 工/イ

幹母 音 無 変 化 活 用 幹 母 変化 活用

工/イ

第0ア 第=ニ イ 第 三 工

最 初 の説 明〕

第 一 ア 第 ニ エ

本 文 の 説 明 〕 第 一 ア 第 ニ ィ

第 三 ス ル]

[第三 クル]

第 一 ア 第 ニ エ 第 三 イ

活 用 させ る語〕

上 げ 読 み 習 い

(イ の例 と して 「恥 じ」) 求 め 読 み 習 いr小 文 、典』

活 用 させ る語 〕 上 げ 読 み 習 い

活 用 させ る語 〕 与}読 失 い

(見 る)

最 初 の例 語 〕 見 る 着 る 切 る

命 令形 の表 〕

開 け る ゆ く 見 る 歩 く

〔§86変 化 表 〕

開 け る 見 る 行(ゆ)く

活 用 させ る語 〕 聞 く 見 る 上 げ る

最 初 の例 語 〕 打 っ 投 げ る す る

活 用 させ る 語 〕 行 く 見 る 来 る

活 用 させ る語 〕 聞 く 上 げ る 見 る

C30)

(4)

西洋人の 日本語動詞活用型 の把握

9ア ス ト ソ

*[文 語 文 典]

10チ ェ ソ バ レ ン

11イ ン ブ リ ー

12ラ ン ゲ

13ノ ミ レ・一

14マ ク ガ バ ソ

15プ ロ ヅ ク

16ミ ラ ー

第 一 ア 第 二ニエ/イ

[第0ア 第 ニ エ 第 三 イ]

第 一一ア 第 二ニエ 第 三 イ

第一 ア 第 ニ エ/イ

第一 工/イ 第 ニ ア

第0ア 第 ニ イ 第 三 工

(サ 変)母 音 動 詞 ア/工 子 音 動詞 ア

母音動詞 工/イ 子音動詞 ア

母音動詞工/イ 子音動詞 ア

活用表 の例 語〕

貸す 食べ る

[貸す 食 べ る 見 る]

活 用 表 の例 語〕

置 く

べ る 落 ち る

活用表 の例語〕

殺す 開け る 見 る

活 用表 の例 語〕

べ る 見 る 取 る

動 詞 要 約表130P〕

読 む 見 る 開 け る

最 初 の例 語〕

見 る 食 べ る 書 く

活用表 の最初 の例語〕

食べ る 起 きる 待 つ

最 初 の例 語 〕 食 べ る 待 つ

注1)古 典 語 の 上 二 段 に っ い て の 記 述 を 見 つ け る こ と が 出 来 な か っ た 。 た だ し,r日 本 語 文 法 』 に 「見 る 」 を 例 と し た 次 の よ うな 記 述 が あ る の で,上 二 段 動 詞 を 規 則 活 用 と考 え て い た と 思 わ れ る 。

104.LeverbeactifseconjugueaI'aideduradicalverbeinvariable, suivide1'auxiliarernashi‑masondontonadonneplushautleparadigme;

見MIROU(radica1;mi)

(下 線 は 引 用 者,Elemantsdelagrammairejaponaise.1867,72頁)

[訳]能 動 態 は 不 変 化 動 詞 の 語 幹 を 使 っ て,先 に 表 で 与 え た 助 動 詞 マ シ マ ス を 後 に く っ っ け て 活 用 さ せ る 。

ミ ル(語 幹;ミ)

2)ク ル チ ウ ス へ の 補 足 の 部 分 で は,五 段 → 一 段 と い う記 述 の 順 に な っ て い て,自 身 の 文 法 書 で は.̲̲.→ 五 段 の 順 に な っ て い る 。 ク ル チ ウ ス へ の 解 説 で は 「強 変 化 ・弱 変 化 」 と い う用 語 を 使 用 し て お り,そ の こ と と 関 連 す る か と も 思 うが ま だ 結 論 は 出 て い な い 。

(1)この 表 の 「規 則 活 用 型 の 名 称 と叙 述 の順 序」 の欄 か らわ か る こ とは,次 よ うに要 約 で き る。

① 二 種 類 の活 用 型 に分 類 す るの が 主 流 で あ り,そ の 原 則 に反 して三 種 類 の特 用 型 に分 類 して い る の は ヘ ボ ン ・チ ェ ンバ レ ソ ・バ レー の三 人 で あ る。 ヘ ボ ソ は,三 つ に分 け る理 由を 次 の よ うに 述 べ て い る。

TheverbsmightbenaturallyarrangedintotwoConjugations, C31)

(5)

accordingastherootformofendsiniore;butastherearequitea.

numberofverbswhoserootformsendini,whichtaketheauxilliary syllabieswithoutchange,itisthoughtbettertochassifytheseinto

aseparateconjugation,thusmakingthree.(二 ・三 版 序xxペ ー ジ)

〔訳 〕 動 詞 は,語 根 形 がiかeで 終 わ る と い う こ と か ら,二 つ の 活 用 型 に 分 類 す る の が 自 然 か も れ な い 。 し か し,補 助 動 詞 的 な 言 葉 を 取 る と き に 変 化 せ ず にiで 終 わ る 語 根 の 動 詞 が 非 常 に 多 く 存 在 す る の で,こ う し た も の を 分 け た 活 用 型 に 分 類 す る の が よ い と 考 え ら れ る 。 こ う し て 三 つ の 活 用 型 を な す 。

この 記 述 に よ る と,語 根 がiで 終 わ る もの とeで 終 わ る もの に 分 け,語 根 がi で 終 わ る もの を二 つ に分 け て三 分 類 に な った 過 程 が み て とれ る。

識 ミ ゴL灘 瓢1ヒ)髪;騰 晶 。

‑e第 〔下 一 段 活 用 〕(語 根 不 変 化)

した が っ て,三 つ の 記 述 の 順 も二 版 で は 「五 段 → 上 一 → 下 一一」 の 順 に な っ て い る 。 そ れ に 対 して,チ ュ ンバ レ ンは,唖227の 終 わ り 近 くで 次 の よ うに 記 して い る だ け で あ り,三 つ に 分 け た 理 由 を は っ き り と記 して い な い 。

NotefurtherthattheonlydifferencebetweentheSecondandThirdCon‑

jugationsisthevowelewhichcharacterisestheformer,andthevow‑

eliwhichcharadterisesthelatter.ThisfacthascausedsomeEuro‑

peengrammarianstoclassthemtogetherasasingleconjugation (thesecond).

〔訳 〕 さ ら に,第 二 と 第 三 の 活 用 の 間 に あ る 違 い は,前 者 が 母 音eに よ っ て 特 徴 付 け ら れ,後 者 が 母 音iに よ っ て 特 徴 付 け ら れ る に す ぎ な い こ と に 注 意 せ よ 。 こ の 事 実 は,何 人 か の ヨ ー ロ ッ パ の 研 究 者 が,二 つ の 活 用 を 単 」 の 活 用 型(第 二 活 用)と し て 分 類 す る こ と を 引 き 起 こ し て い る 。

考 え られ る の は,語 幹 を 統 一 的 に 「子 音 終 止 」 と考}る こ とが で き る 点 に 注 目 し た の で は な い か と い う こ と で あ る 。 そ の こ と は,古 典 語 動 詞 で,第 二 ・第 三 活 用 の 動 詞 をot‑i(‑zu),ot‑uruの よ うに 子 音 終 止 で 分 析 せ ざ る を え な い こ と と も 関 連 して い る か も しれ な い(チ ェ ンバ レ ン の 文 語 文 法 の 研 究 書 で あ る

『簡 約 日本 文 典 』 で は,そ の よ うに 古 典 語 動 詞 を 分 析 し て い る)。な に よ り,チ

(32)

(6)

西洋入 の 日本語動詞活用型 の把握 エ ンバ レ ンは そ れ ま で の 研 究 者 が 「語 幹stem」 と 「語 根root」 を 区 別 し て い な か っ た こ と に 異 議 を 唱 え,文 法 的 な 単 位 と して の 語 幹 と語 彙 的 な 単 位 と して の 語 根 と い う用 語 の 区 別 を した 最 初 の 日本 語 研 究 者 な の で,語 幹 に 対 す る 意 識 が 強 か っ た の は 間 違 い な い 。 バ レ ー も,特 に 言 及 し て い な い の で,そ の 理 由 は 不 明 で あ る が,ヘ ボ ン等 の 辞 書 記 述 の 中 の 動 詞 の 三 分 類 を 紹 介 し て い る の で

(128p),ヘ ボ ンに した が っ た の か も しれ な い 。

な お,Rド リゲ ス ●コ リ ャ ー ド ・ロ ニ ー は,ハ 行 五 段 活 用 を 特 に 立 て て い る。 これ は,当 時 の 語 根 の 語 尾 が 二 重 母 音 に な っ て い る こ と に 注 目 した ロ ド リ ゲ ス の 観 点 を 継 承 した も の で,今 回 の 考 察 か らは 除 い て あ る。

〔ま とめ 〕 ヘ ボ ン チ ェ ソバ レ ン バ レー の 特 異 性

「下 一 段 ・上̲̲̲..段→ 五 段 」(ロ ド リ ゲ ス 〜 ホ フ マ ン)と い う記 述 の 順 序 か ら 「五 段 → 下̲̲̲..段・上 一一段 」(ヘ ボ ン〜 バ レ ー)へ と記 述 の 順 序 が 変 化 した 。 な お ラ ン ゲは,同 時 代 の 人 物 な の で,前 の 時 代 の 研 究 に した が っ た と 考}た い 。 そ の 後,下0段 ・上 一 段 → 五 段 の 順(マ ク ガ バ ン〜 ミラ ー)に 戻 っ た 。 ミ ラ ー は ブ ロ ッ ク を 踏 襲 して い る と考}ら れ る(例 語 が 同 じ)の で,マ ク ガ パ ン と ブ ロ ッ クが ど う考 え た か が 問 題 で あ る。 「母 音 動 詞 ・子 音 動 詞 」と い う用 語 を 採 用 した こ とが そ の 原 因 か と思 わ れ る 。 つ ま り,母 音 の 方 が 子 音 よ り も 先 に 説

明 さ れ る の が 普 通 な の で,そ れ に 従 っ た と考 え られ る か らで あ る。

な ぜ 五 段 活 用 を 最 初 に した の か,そ の 理 由 を 述 べ て い る研 究 者 は 少 な い 。 ヘ ボ ンは 語 根 の 語 尾 を 「i→e」 の 順 で 述 べ て い る だ け で,ど う して そ の 順 な の か は 特 に 記 し て い な い 。 ア ス ト ソは,「 こ う した 活 用 型 を 「第 一 」 と か 「第 二 」

とか 名 付 け た の は そ れ ほ ど 任 意 な も の で は な い 。 非 派 生 動 詞 の 大 変 多 くは 第 一 活 用 型 に した が っ て 活 用 し,全 て の 受 身 動 詞 や ほ と ん ど の 使 役 動 詞,そ の 他 の 派 生 動 詞 は 第 二 に 属 す る」(42P)と 書 い て い る 。 ア ス ト ン と して は,所 属 す る 非 派 生 動 詞 の 多 い こ とが 第 一・」 と し た 理 由 の よ うで あ る。

と こ ろ で,ロ ド リゲ ス が 最 初 の 研 究 者 と して 「下0段 ・上 一 段 → 五 段 」 の 順 に した の に も,当 然 理 由 が あ る と考 え られ る。 現 在 の と こ ろ 二 つ の 理 由 を 考 え て い る 。 一 つ は,記 述 の 紛 れ が 少 な い も の か ら並 べ た と い う こ と で あ る 。 も う 一 つ は

,語 根 形 の 語 尾 が,e→iと い う,ア ル フ ァベ ッ トの 順 に 従 っ た と考}

る 見 方 で あ る 。 そ の 場 合,当 時 の ラ テ ン 語 の 権 威 性 な ど も 議 論 の 対 象 と な る だ ろ う。

〔ま と め 〕Aグ ル ー プ ロ ド リゲ ス 〜 ホ フ マ ン ラ ン ゲ マ ク ガ バ ン〜 ミ ラ ー Bグ ル ー プ ヘ ボ ン〜 バ レー

(33)

(7)

③0段 活 用 の 内 部 で は,下 一 段 → 上 一・段 の 順 で 記 述 す る の が ほ と ん ど で あ り,ロ ニ ー や ク ル チ ウ ス な ど,片 方 が 欠 け て い る場 合 を 除 く と,例 外 は ブ ラ ウ ン ・ヘ ボ ン(二 版)・ バ レ ー ・マ ク ガ バ ンで あ る。 ブ ラ ウ ン の 場 合,説 明 は 上 一 段 → 下0段 で あ る が

,実 際 の 活 用 形 は 下 一 段 → 上 一 段 の 順 に 挙 げ て い る 。 ヘ ボ ン は,三 版 に お い て 記 述 の 順 序 を 変 え,下 一 段 → 上 一 段 に して い る がsそ 理 由 は 特 に 述 べ て い な い 。 そ れ に 対 し,マ ク ガ バ ン の 場 合,「 見 る 」 と 「食 べ る 」 を セ ッ トに し て 取 り上 げ る 場 合,必 「見 る」 の 方 を 最 初 に 取 り上 げ て い る か ら,不 用 意 に 並 べ た も の で は な い 。 た だ し,SECTIONTWOのGRA‑

MMATICALANALYSISのV章VERBSで は,語 基 の 表 の 中 で,母 音 動 詞 の 例 と して 「食 べ る 」 の 方 を 掲 げ て あ る の で,母 音 動 詞 の 典 型 と し て は,エ

(下 一 段)の 方 を 考}て い た の か も しれ な い 。 バ レ ー に つ い て は,ヘ ボ ン(二 版)の 影 響 が,こ こ で も 出 た の か と考}る

こ う した 点 で は,国 学 流 の 活 用 研 究 の 結 論 と は 異 な っ て い る 。 た だ し,国 の 研 究 の 系 譜 の 中 で も,本 居 春 庭 『詞 の や ち ま た 』 以 前 の,富 土 谷 成 章rあ ひ 抄 』(装 図)や 本 居 宣 長 「活 用 言 の 冊 子 」 で は,取 り上 げ て い る 語 の 順 序 が 下 二 段 → 上 二 段 の 順 も見 られ る か ら,そ の 点 か ら の 比 較 は 興 味 深 い も の が あ る 。

〔ま と め 〕 バ レ ー と マ グ ガ パ ン が 特 異

(2)次 に 同 じ表 の 「実 際 の 例 語 」 か らわ か る こ と は,次 の よ うな こ と で あ る 。

① ロ ド リゲ ス(r大 文 典 』)と コ リ ャ ー ドは 同 じで あ る 。 ま た,ブ ロ ッ ク と ミ ラ ー も ほ ぼ 同 じで あ る 。

② 上 一 ・二 段 活 用 の 動 詞 の 例 語 と し て は,ク ル チ ウ ス(ロ ニ ー も か?)以

「見 る 」 が 使 わ れ る こ と が 多 い 。 例 外 は チ ェ ンバ レ ンで あ る が,最 初 の ¶225の 表 に は 「見 る 」 も あ る の で,代 表 的 な 語 と し て 定 着 して い た と考 え ら れ る。

③ 下 一 段 活 用 の 活 用 表 が 提 示 さ れ る 時,ブ ラ ウ ン ・ホ フ マ ン ・イ ン ブ リ ー ・ バ レ ー が 「開 け る 」,ア ス トン ・チ ェ ソバ レ ソ ・ラ ン ゲ ・マ ク ガ バ ン ・ブ ロ ッ

ク ・ ミ ラ ー で は 「食 べ る 」 が 使 わ れ て い る。 ヘ ボ ソは 「上 げ る」,馬 場 は 「投 げ る 」 で あ る 。

④ 五 段 活 用 の 例 語 に は 偏 りが 見 ら れ な い 。 語 幹 の 最 終 音 に 注 目す る と,ロ リ ゲ ス 〜 ロ ニ ー を 別 に し て,k〔 「行 く(ブ ラ ウ ン ・ホ フ マ ン ・馬 場),歩 (ブ ラ ウ ン),聞 く(ヘ ボ ン),置 く(チ ェ ソ バ レ ン),書 く(マ ク ガ バ ン)」〕,

s〔 「殺 す(イ ソ ブ リ ー),貸 す(ア ス トン)」〕sr〔 「切 る(ク ル チ ウ ス),取 る(ラ ソ ゲ)」,m〔 読 む(バ レ ー)」〕 に な る 。kは ア 行 の 動 詞 が 無 い の で 五

(34)

(8)

西洋人 の 日本語動詞活用型 の把握 十 音 図 の 最 初 に で て く る動 詞,sは 音 便 が な い 動 詞,rは ル 語 尾 と し て の 他 の 一 段 活 用 の 動 詞 と の バ ラ ン ス と い っ た こ とが 考}ら れ る

。 バ レ ー は,三 つ の 活 用 型 を 並 べ た 表 で は 「読 む 」 だ が,実 際 の 活 用 で は 「申 す 」 のsで あ り,そ な る と イ ン ブ リー ・ア ス ト ソ と 同i類 と な る 。

今 回 は,以 上 の事 実 を確 か め る段 階 に止 め て お く。 今 後,伝 記 的 な 記 述 も踏 ま え た 上 で さ らに ま とめ て行 きた い。

杉 本っ とむ1957「 ホ フマ ン の 日本 語考 察 一 動 詞 ・形 容 詞 に っ い て一 」r文 学 ・語 学 』4

鈴 木 一 彦/林 巨樹 編 集1984r研 究 資料 日本 文 法2用 言 語(一一)動詞 』 明治 書 院 建 部0男1986r近 世 日本 文 法研 究 史 論』 双 文 出版 社

西 田 直敏1979『 資 料 日本 文 法研 究史 』 桜 楓 社

古 田 東 朔1978「 アス トソの 日本文 法 研 究」r国 語 と国文 学』55‑8

松 村 明1973「 洋 文 典 と品詞 論」r品 詞 別 日本文 法 講 座10品 詞 論 の周 辺』 明 治書

(か ね こ ・ひ ろ し,本 学 専 任 講 師)

(35)

参照

関連したドキュメント

[r]

Experimental results of turn up a clothes by robotic hand sample: cotton sheeting fabric 0.59 [mm] in thick ness.. of

友人同士による会話での CN と JP との「ダロウ」の使用状況を比較した結果、20 名の JP 全員が全部で 202 例の「ダロウ」文を使用しており、20 名の CN

[r]

高等教育機関の日本語教育に関しては、まず、その代表となる「ドイツ語圏大学日本語 教育研究会( Japanisch an Hochschulen :以下 JaH ) 」 2 を紹介する。

リレーションシップ・マーケティングとは、企業と顧客との間に存在する関係に着目する

ドパーテ ィ人 をあつま

confidence level, and that at 13 stations significantly decreased. Therefore, our results indicate that the flood risk can increase during 30 years in Japan. Key Words :