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各種 布地混在洗濯物の把握用指の試作 と把握実験評価 大

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Academic year: 2022

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(1)日 本 ロ ボ ッ ト学 会 誌Vol.19. No.6.pp.735‑743,2001. 735. 学 術 ・技 術 論 文. 各種 布地混在洗濯物の把握用指の試作 と把握実験評価 大. A Design. 澤. Method. We. propose. a mechanical. report grasp. Key. we. arrengement. examine. of edges. to automate. of those. Words:. hand The. Clothes,. 1.は. for task. 明*1柿. Osawa*l. grasping needs. separation. Masayoshi. clothes.. patterns. 義*2. from. mounted. of Washed. Clothes. Kakikura*2. final. aim. of this. operation. and. clothes. research. is to perform. manipulator's. including. several. the. movement. kinds. task. In this. of laundry. and. clothes.. Rotational. じ. め. Hand,. Finger. Nail,. Pick. Up,. Turn. Up,. Grasping. う柔 軟 物 体 で あ り,そ の 操 りに は 人 間 自 身 が 無 意 識 に 行 っ て い. に. る 巧 み な 物 体 操 作 が 要 求 され る[3].布 産 業 界 に お い て ロボ ッ トは 人 間 に代 わ る 高 効 率 な 労 働 力 と し. る た め に は,布. た,危. 地 を扱 い,作. 業 を実行す. 地 を把 持 で き る ロボ ッ トハ ン ド の 開 発 と布 地 と. い う柔 軟 物 体 の ハ ン ド リ ン グ を 確 立 し な け れ ば な ら な い.. 険 な 領 域 で 人 体 を 脅 か す こ と な く作 業 を行 う極 限 作 業 ロ ボ ッ ト 地 や 森 林,建. The. of hand's. of clothes. 正. Grasping. and. washed. some. て 製 品 の 組 み 立 て や 搬 送 な ど に 広 く導 入 され て き た.ま. や,農. 倉. for Effective. Fumiaki. of laundries. 文. 柔 軟 物 体 と し て 布 地 を扱 う ロ ボ ッ トシ ス テ ム と し て は,特. 殊. ハ ン ドを 用 い て テ ーブ ル 上 に 平 た く置 か れ た 布 地 を 持 ち上 げ る. 設 現 場 な ど の 過 酷 な 作 業 を 伴 う労 働 条 件 下. に お い て 人 を 支 援 す る ロ ボ ッ トな ど の 研 究 も な され て い る.さ. 研 究[4][5]や. ら に,近. 箇 所 の 検 出 ・識 別 法 な ど の 研 究[6]が す で に 行 わ れ て い る.し. 年 で は,寝. の よ う に,人. た き り患 者 を 介 護 す る 医 用 ・福 祉 ロ ボ ッ ト. 間 と の 接 触 の 多 い 環 境 で 使 用 され る ロ ボ ッ トの 研. か し なが ら そ れ ら は 単 一 の 布 地 や 整 然 と 積 み 重 ね られ た 布 地 を. 究 も 始 ま っ て い る.. 扱 っ た も の で あ り[7],そ. 我 が 国 の 人 口 予 測 に よ る と21世 1人 が65歳 家 庭 で は,家. 布 地 の 平 面 展 開 作 業 を 目指 し た布 地 の 折 れ 重 な り. 紀 半 ば に は,国. 民 の3人. に. の 対 象 は 洗 濯 物 の よ うな 各 種 布 地 の 混. 在 し た もの で は な か っ た.. 以 上 に な る と い わ れ て い る.高 齢 者 の 一 人暮 ら し の. 本 論 文 で は,乾. 事 作 業 な ど の 個 人 に か か る 負 担 が 大 き くな り,高. 燥後 の 山積み 洗濯 物の 後片付 け作 業 を対 象 と. し,そ こで 必 要 と され る 各 種 布 地 に 対 応 で き る布 地 把 握 用 ロ ボ ッ. 齢 者 を 抱 え る側 に お い て も 家 庭 内 に お け る 介 護 な ど の 制 約 に よ. トハ ン ド を提 案 す る.設. り社 会 活 動 が 困 難 に な る こ と も予 測 さ れ る.一. 活 を支. 回 転 機 構[8]と ヒ トの 爪 に相 当 す る 機 能 を 有 し て お り,ヒ トが 布. 援 す る ホ ー ム ヘ ル パ ー の 絶 対 数 も 多 くな い た め に 高 齢 化 社 会 の. 地 の 平 坦 部 や 縁 部 を 把 握 す る 場 合 に 用 い て い る 摘 み と捲 り動 作. 方 で,生. 進 行 に 伴 っ て こ の よ う な 状 況 が 深 刻 化 す る こ とが 予 測 され る.. 計 ・試 作 し た 布 地 用 ハ ン ドは,指. 先に. を実 現 す る こ とが で き る も の で あ る.提 案 す るハ ン ド の 特 徴 は,. この よ うな 状 況 か ら,将 来 に お い て 人 々 の 生 活 の 質 を 維 持 す る. 指 先 の 回 転 機 構 に よ り布 地 平 面 部 の 手 繰 り寄 せ 操 作 量 に 制 限 が. た め に,日 常 生 活 に お い て も 人 を 支 援 す る ホ ー ム ロ ボ ッ ト,パ ー. な い こ と で あ り,確 実 に 布 地 平 面 部 を摘 み 把 握 す る こ とが で き. ソ ナ ル ロボ ッ トへ の 期 待 とニ ー ズ が 高 ま っ て い る 国.こ. る.ま た 爪 を 用 い て ヒ トの 捲 り運 動 軌 道 を 生 成 す る こ とが で き. ロ ボ ッ トに よ る 家 事 作 業 の 例 と し て は 掃 除,調. れ らの. 理 お よび 食事後. る た め に,各. 片 付 け,洗 濯 物 後 片 付 け な ど が 期 待 され て い る[2].. で き る.そ. 我 々 は 家 庭 内 で の ロ ボ ッ トの 活 躍 の 場 を 家 事 作 業 の 一 つ で あ. 種 布 地 の 縁 を確 実 に 捲 り上 げ 縁 を 把 握 す る こ とが. し て,従. 来 の2指. 平 行 ハ ン ド に 比 べ て,布. 地 の形状. 状 態 や 把 持 位 置 に 応 じ て エ ン ドエ フ ェ ク タの 位 置 姿 勢 を制 御 す. る 洗 濯物 の 後 片 付 け に 求 め,乾. 燥 後 の 洗 濯 物 を整 理 す る シ ス テ. る 必 要 が な く,一 定 の 姿 勢 で 各 種 布 地 の 縁 と平 面 部 を 把 持 す る. ム の 構 築 を 目標 と し て い る.こ. こで 扱 わ れ る 物 体 は,布. こ とが で き る.そ の た め,各. 地 とい. 原 稿 受 付1999年10月15日 *1金 沢 大 学 大 学 院 自然 科 学 研 究 科 *2東 京 電 機 大 学 工 学 部 *1 G raduate School of Natural and Technology, Kanazawa sity *2Faculity of Engineering , Tokyo Denki University. 日本 ロボ ッ ト学 会誌19巻6号. 種 布 地 の 混 在 す る洗 濯 物 の 把 持 に. つ い て 汎 用 的 な ロボ ッ ト シ ス テ ム の 構 築 が 容 易 で あ り,各 種 布 地 に 対 応 で き る布 地 用 ハ ン ド と し て 有 効 で あ る. 上 記 の 目 的 の た め に 以 下 で は,最 Univer. 初 に ヒ トの 摘 み 動 作 と 捲 り. 動 作 に よ る 各 種 布 地 の 把 持 に 着 目 し,指 解 析 す る.次. 59. 先 の運動 軌道 の特性 を. に,こ れ よ り各 種 布 地 の 平 面 部 と縁 部 の 把 持 に 必. 2001年9月.

(2) 大. 736. 要 な 動 作 機 能 を 抽 出 し,そ. 澤. 文. 明. 柿. 正. 義. じ な い よ うに 指 の 腹 部 の 押 し付 け 圧 力 を 制 御 して 操 作 を 行 っ て. の 機 能 を満 た す よ うに ロ ボ ッ トハ ン. ドの 指 の デ ザ イ ン を 設 計 ・試 作 し 提 案 す る.そ. 倉. い る.. して 最 後 に,把. 次 に,洗. 握 実 験 に よ り提 案 した 布 地 用 ハ ン ド の 有 効 性 を 報 告 す る.. 濯 物 の 縁 を 把 持 す る 場 合 に つ い て 考 察 す る.こ. 合 の 例 で は,Fig.1(b)に 2.ヒ 2.1洗. トの 布 地 操 作. 指 の 爪 先 を 布 地 の 縁 に 接 触 させ なが ら動 か し,所. 濯物整 理作 業. 置 まで 布 地 の 縁 を 捲 り上 げ る.そ を 挟 み 把 持 す る.ヒ. 以 下 の よ うな も の で あ る.ま ず 山 積 み 洗 濯 物 の 中 か ら 一 枚 を 選 び,そ. の 布 地 の 表 面 部 を摘 み 一 枚 分 離 す る.次. で 吊 り下 げ られ た 布 地 の 縁 を把 持 し,両. Fig.2(a)に. に も う一 方 の 手. 状 を 保 ちつ つ 布 地 を. る 方 法IIが. 後 に 布 の 縁 を把 持 し 種 類 別 に折 畳 む.. 方 法1お. 布 地 の 表 面 や 縁 を把 持 し て い る.. 握 方 法 と,爪. トの 把 握 動 作 の 挙 動. 方 法1に. の 凸部 を親 指 と他の. 4指 で 挟 み 容 易 に 把 持 し て い る.一. 地の 表面 状 態が 平 ら. 方,布. 部 が 存 在 し な い た めFig.1(a)に. の 腹 で 手 繰 り寄 せ て 摘 み 把 持. し て い る.こ. じ め に,洗 濯 物 の 表 面 に2指. の 腹 部 を 押 し あ て,次. に,指. 軌 道 の 半 径 は,布 る.ヒ. 示 され る よ うに 円 軌 道 を 描 く た,. トは,無. 捲 り動 作 に お け る 爪 先 の 円. 地 固 有 の 曲げ 剛 性 に 影 響 を 受 け る こ とが 分 か. 意 識 に 布 地 の 曲 げ 剛 性 を 指 先 に よ り識 別 し,布. 地 の 種 類 に 応 じて 最 適 な 爪 先 運 動 軌 道 を生 成 し て い る も の と思 わ れ る.ま. 示. さ れ る よ うに 布 地 の 平 面 部 を2指. お い て は,Fig.3(a)に. 大 き く異 な る.こ れ よ り,方 法1の. 地の 表面. に 大 き な 皺 が 存 在 す る 場 合 に お い て は,そ. こで の 把 握 の 対 象 は 家 庭 内 で 扱 わ れ る. こ の 場 合 に お け る 円 軌 道 の 半 径 は デ ニ ム パ ン ツ と ハ ン カチ で は. 下 に 積 み 重 ね られ た 洗 濯 物 の 形 状 状 態 な ど の 影 響 を 受 け や す く, 皺 な ど の 凸 部 が 生 じて い た り平 らで あ っ た りす る.布. 用 い て 布 地 の 縁 を捲 り把 持 す る場 合 の 爪. よ う に 爪 先 を 動 か し布 地 の 縁 を 捲 り上 げ る 傾 向 が あ る.ま. て 考 察 す る.山 積 み 洗 濯 物 の 把 握 対 象 で あ る布 地 の 表 面 状 態 は,. の 場 合 の 例 で は,は. よび 方 法IIを. トが. カ チ で あ る.. 地 表 面 の 平 ら な 箇 所 と縁 の 把. 濯 物 の 表 面 の 平 ら な箇 所 を 把 持 す る 場 合 に つ い. で あ る場 合 に お い て は,凸. れ ぞ れ の 方 法 を 用 い て 捲 り動 作 を 行 っ た 場 合 の ヒ. 布 地 の 中 で 曲 げ 剛 性 の 高 い デ ニ ム パ ン ツ と 曲げ 剛 性 が 低 い ハ ン. 先 の 運 動 軌 道 の 特 性 に つ い て 探 る.. は じめ に,洗. 考 え ら れ る.. 先 の 運 動 軌 道 を示 す.こ. 握 動 作 と爪 先 運 動 軌 道. こ で は,布. 示 され る. トの 爪 先 の 運 動 軌 道 の 特 性 に つ い て 述 べ る.Fig.3は,ヒ. トは 洗 濯 物 を取 り扱 い 作 業 す る場 合 に お い て,. に つ い て 解 析 す る.こ. トが 布 地 の 縁 を 捲 り上 げ る 方 策 と し て は,. 示 され る よ う に 爪 を 縁 とテ ー ブ ル 問 に 押 し 当 て な. こ こ で,そ. ロ ボ ッ トハ ン ドへ の 応 用 を 志 向 して,ヒ. 定 指 と動 指 の 腹 で 縁. よ うに 縁 とテ ー ブ ル 間 に 爪 先 を挿 入 し 端 面 を 利 用 し て 持 ち上 げ. テ ー ブ ル 上 に 置 き,布 地 の 縁 を 把 持 し なが ら展 開 作 業 を行 う.最. 2.2把. して,固. に 他 の4. 定 の高 さの位. が ら挫 曲 を生 じ させ 捲 り上 げ る 方 法1と,Fig.2(b)に. 手で 持 ち替 え動作 を繰. り返 し 行 い 形 状 の 復 元 を 行 う.そ し て,形. この よ う に,ヒ. 示 され る よ う に まず 布 地 の 縁 付 近 に. 親 指 を 押 し当 て 布 地 を テ ーブ ル に 対 し て 固 定 す る.次. ヒ トが 山 積 み され た 洗 濯 物 を 整 理 す る場 合 の 大 まか な 作 業 は. の場. た,そ. の 一 方 で,ハ. 円 軌 道 半 径25[mm]を Tシ. ン カ チ を捲 り上 げ る と き の 爪 先. 生 成 す る こ と に よ りデ ニ ム パ ン ッ お よ び. ャ ツ,タ オ ル な ど の 縁 も同 様 に捲 りあげ る こ とが 可 能 で あ っ. の腹 部 を布地 表面 に押 し当 てなが. ら 手 繰 り寄 せ 操 作 を 行 う.こ の 操 作 に よ り挫 曲 し た 布 地 の 凸 部 を 挟 み 把 持 し て い る.手. Fig.1. Movement of grasping washed clothesby human (a:Pickupb:Turnup). Fig.2. JRSJ. 繰 り寄 せ は 指 の 腹 と布 地 問 で 滑 りが 生. Vol.19. Method. No.6. for turn. up. an edge. of clothes. by. hand. Fig.3. human. 60. Locus. of the. finger nail. Sept.,2001.

(3) 各種布地混在洗濯物の把握 用指 の試作 と把握実験評価 た.こ. れ ら よ り,ヒ. トは 布 地 の 種 類 に 応 じ て 異 な る 爪 先 運 動 軌. 道 を 生 成 し て い る も の の,円. 半 径25[mm]程. 737. フ ィ ン ガ を十 分 に 強 く押 し あ て ハ ン ド を 閉 じ て い く と,布 地 は. 度の 同一の 爪先 運. Fig.5(a)に. 示 す よ うな 小 さ な 曲 げ 変 形 を起 す.さ. ら に ハ ン ドを. 動 軌 道 を 生 成 す る こ と に よ り家 庭 内 で 取 り扱 わ れ る ほ と ん ど の. 閉 じ て い く と 曲げ 変 形 が 徐 々 に 大 き くな り,ハ ン ドを 完 全 に 閉. 洗 濯 物 の 縁 を捲 りあ げ 把 握 す る こ とが 可 能 で あ る と もい え る.. 塞 す る こ と に よ りFig.5(b)に. 方 法IIに. お い て は,Fig.3(b)に. 示 さ れ る よ う に 傾 き θ1の. 直 線 軌 道 を 描 く よ うに 爪 先 を テ ー ブ ル と布 地 間 に 挿 入 し,次 傾 き θ2の 直 線 軌 道 を 描 き 爪 先 で 縁 を 持 ち 上 げ て い る.こ. に. の た め,布. 地 を確. 実 に把 握 す る に は この 曲 げ 変 形 に よ り生 ず る 凸 部 の 高 さhを. れ は,. 十. 分 に 高 くす る 必 要 が あ り,そ の た め に は 布 地 の 手 繰 り寄 せ 操 作. 捲 り動 作 中 に 爪 先 の 運 動 軌 道 の 切 替 が 行 わ れ て い る こ と を 示 し. 量 を 大 き くし な け れ ば な ら な い.. て い る.. い ま,指. 以 上 に つ い て ま と め る と,布 地 の 操 作 に は 布 地 の 表 面 と 縁 の 把 持 が 必 要 で あ り,ヒ. 示 さ れ る よ うに 曲 げ 変 形 に よ り. 生 じ た 凸 部 を 挟 み 把 握 す る こ とが で き る.そ. と 布 地 間 の 最 大 静 止 摩 擦 係 数 を μ,布 地 と テ ー ブ ル. 間 の 最 大 静 止 摩 擦 係 数 を μ',オ イ ラ ー 座 屈 荷 重 をFa,指. トは 指 の 腹 を 用 い た 手 繰 り寄 せ 操 作 に よ. 地 を 押 す 力 をPと. が布. す ると把握 の条 件 は. る 摘 み 動 作 と爪 を 用 い た縁 の 捲 り動 作 お よ び 持 ち 上 げ 動 作 に よ Pμ‑Pμ,>F0(1). りそ れ ぞ れ の 箇 所 を 把 握 して い る こ とが 分 か る. 3.ロ 3.1把. で あ る[10].こ. ボ ッ トに よ る布 地 操 作. 持位 置. 本 研 究 で 目標 と す る布 地 操 作 は,(1):一 れ た 洗 濯 物 か ら 一 枚 を選 び 分 離),(2):展. 枚 分 離 作 業(山 積 み さ 開 作 業,(3):畳. の 条 件 を 満 す 場 合 に は,ハ. ン ド 閉 塞 時 に フ ィン. ガ と 布 地 問 に 滑 りが 生 じな い.そ. の た め,フ. 1と す る と手 繰 り寄 せ 操 作 量xお. よび 布 地 の 凸 部 の 高 さhは. ィ ンガ の 開 き幅 を そ. れぞ れ. み作業 と. X=l/2,h=l/2(2). い う三 つ の 作 業 で 構 成 され る 「洗 濯 物 の 後 片 付 け 作 業 」 で あ る. (1):一. 枚 分 離 作 業 で は,濱. と な る.す. 島 ら の 手 法[9]を 用 い て:Fig.4(a). に 示 さ れ る把 持 目標 位 置 を 算 出 し,こ の 位 置 に お い て 一 枚 の み 布 地 を 把 持 す る.こ. ガ に よ る布 地 の 手 繰 り寄 せ 操 作 量 は 少 な くな る.そ. ー ブ ル 上 に 平 た く置 か れ た 布. 地 と同 様 の 取 り扱 い が 有 効 で あ り,4.2で. 後 述 す る よ うに,爪. 変 形 の 高 さhも. を. の有効性 が確 認 されて. い る.次 に(2):展. み 作 業 で は,Fig.4(b). 開 作 業 お よ び(3):畳. 地 を 扱 う ロボ ッ トの 基 本 的 作 業 で は,平. が 必 要 に な る.し か し な が ら,こ. た く置 か. 本 節 で は,上. 地 用 ハ ン ド に は,2指. れ る機 能 を抽 出 す る た め に,2指. 次 に,布 地 の 縁 を把 持 す る場 合 に つ い て 考 察 す る.2指. 平 行 ハ ン ドに よ る布 地 の 把 持 に. ン ド を 用 い た 布 地 の 縁 の 把 握 に は,2指. 塞 時 に フ ィン ガ. て は な ら な い.そ の た め,:Fig.6に. 間 に 十 分 な 把 握 力 が か か る よ うに 直 方 体 の 小 爪 を 取 り付 け,滑. の2例. 平行ハ. で 布 地 の 縁 を挟 ま な く. 示す ように布地 の状態 に応. じ て ロボ ッ トの 手 先 の 位 置 姿 勢 を 制 御 す る必 要 が あ る.例 え ば,. り抑 制 の た め の ラ バ ー を フ ィン ガ の 先 端 と把 握 面 に 貼 りつ け て あ る も の とす る.以. 平 行 ハ ン ドの 指 先 に 自 由 度 を 付 加 し,小. き る機 能 が 必 要 に な る.. 地用 の特 殊ハ ン ドに要 求 さ. つ い て そ の 問 題 点 を探 る.こ の ハ ン ド に は,閉. の よ う な ハ ン ド を 用 い る と把. さ な フ ィン ガ 開 閉 ス トロ ー ク で 大 き な 手 繰 り寄 せ 操 作 が 実 現 で. 記 の 把 持 位 置 に お い て 対 応 で き る布 地 把 持 用 ハ こ で,布. 下 に 布 地 の 平 ら な 表 面 と縁 を把 握 す る場 合. に つ い て 考 察 す る.. は じ め に,布. 地 の 平 面 部 の 把 握 に つ い て 考 察 す る.2指. ハ ン ド を 用 い た 一 連 の 把 握 動 作 をFig.5に. Fig.4Grasping. position. 日本 ロボ ッ ト学 会 誌19巻6号. for the task. 平行. 示 す .布 地 表 面 に. of laundries. ィ. 平行 ハ ン ドを用い る こと. 持 の 位 置 誤 差 を生 じ た り,繊 細 な操 作 が 困難 に な る.そ こ で,布. 平 行 ハ ン ドの 布 地 把 持 の 問 題. ン ド に つ い て 検 討 す る.そ. 地 と フ ィン ガ 間 に生. そ の た め 布 地 の 平 ら な表 面 部 を安 定 に 摘 み 把 持 す る に は,フ ン ガ 開 閉 ス トロ ー ク の 十 分 に 広 い2指. れ た 布 地 の 平 面 部 と縁 部 の 安 定 し た 把 握 が 必 要 に な る. 3.22指. ィン. の た め 曲げ. じ る滑 りの 有 無 と フ ィン ガ 開 閉 ス トロ ー ク に よ り決 ま る.. に 示 され る布 地 の 縁 位 置 を 把 持 し て 拡 げ 畳 む 作 業 を 実 行 す る こ と に な る.布. 満たさ. 低 くな り安 定 に 把 持 で き な い.. す な わ ち,布 地 の 把 握 時 の 高 さhは,布. 引 っ 込 め た 状 態 で の 把 持 が 必 要 で あ る.こ れ に 関 して は す で に 詳 細 に実 験 ・検 証 が 行 わ れ て お り[8],そ. フ ィ ンガ の. の 条 件 式(2)が. れ な い 場 合 に は フ ィ ン ガ と布 地 間 に 滑 りが 生 じ る た め,フ. の と き,把 持 す る布 地 の 表 面 に 凹 凸 状 の 皺. が 存 在 し な い 場 合 に お い て は,テ. な わ ち,布 地 を 把 持 し た と き の 高 さhは. 片 側 ス トロ ー ク に等 し くな る.一 方,こ. arrengement. Fig.5. 61. Method. of pick. up. a clothes. by. two. finger hand. 2001年9月.

(4) 大. 738. 澤. 文. 明. 柿. 倉. 正. Fig.8. 義. Method. of grasp. of edges. of the clothes. for Pose. 4 by two. finger. Fig.8(a)に. Fig.6. Pose. of end. two. finger. effector. for grasp. of edges. of the. clothes. by. 示 す よ う に 縁 が 上 向 きに 捲 れ あ が る.こ. の と きフ ィ. ン ガ の ス トロ ー クが 大 き け れ ば 高 く捲 れ あ が る た め,把. 握 時の. 接 触 面 積 が 大 き くな り安 定 把 持 が 可 能 に な る.一. 地 の縁. の 接 線 方 向 が 下 方 で あ れ ば,Fig.8(b)に. 方,布. 示 す よ うに ハ ン ド 閉塞. hand. 時 に 布 地 の 縁 付 近 に 無 数 の 皺 が 生 じ る場 合 が あ り安 定 し た 把 持 が 期 待 で き な い.こ. れ ら よ り,2指. 平 行 ハ ン ドは 布 地 の 縁 の 把. 握 に 適 し て い な い こ とが 分 か る. そ こ で,前. 章 で 示 し た ヒ トの 捲 り動 作 の 解 析 結 果 を も と に ロ. ボ ッ トハ ン ド に 必 要 な機 能 を 抽 出 す る.ヒ に お い て は,爪. トの 捲 り把 握 の 場 合. を 布 地 とテ ー ブ ル 間 に 挿 入 し て 端 面 を利 用 し て. 持 ち 上 げ る 方 法IIと. 布 地 の 縁 に 爪 先 を 接 触 させ 円 弧 軌 道 を描 き. 捲 りあ げ る方 法1が. 考 え られ た.そ. れ ぞ れ の 方 法 を ロボ ッ ト を. 用 い て 動 作 させ る場 合 に お け る 問 題 点 を 考 察 す る.方. 法IIは,. 布 地 と テ ーブ ル 間 に 爪 を挿 入 す る た め に ロボ ッ トの 爪 先 の 位 置 Fig.7. Method. of grasp. of edges. of the clothes. for Pose. 姿 勢 を 制 御 し な け れ ば な ら な い.ま. 3 by two. finger. 挟 み 安 定 に 把 持 す る に は,縁. た,2指. で 布 地の縁 を深 く. の端 面 を爪 で持 ち上げ た後 にフ ィ. ン ガ の 奥 方 向 へ 布 地 の 縁 を 手 繰 り寄 せ る と い う複 雑 な 操 作 が 必 Fig.6(a)(b)に. 要 と な る.一. 示 す よ う に 布 地 の 縁 と テ ー ブ ル 間 に 大 きな 隙 間. 方,方. 法1は,爪. 先 を 布 地 の 縁 に 接 触 させ た 後 に. が 存 在 す る 場 合 や 布 地 の 縁 が テ ー ブ ル 端 よ り外 側 に あ る 場 合 な. 円 軌 道 を 生 成 す る と い う比 較 的 単 純 な操 作 に よ り作 業 を実 行 す. ど に お い て は,布. る こ と が 可 能 で あ る.ま. 地の 縁の接 線 方向 に沿 って 手先 の位 置姿勢 を. 制 御 す る こ と に よ り把 握 が 可 能 で あ る.し 上 の 布 地 は,縁 な い.む. か し なが ら テ ーブ ル. うな 二 つ の ア プ ロ ー チ が 考 え られ る.Fig.6(c)に チ で は,あ. り,布 地 の 縁 を 捲 り上 げ 把 持 す る た め に は,ハ. 般 的に は隙 間が存 在 しな い場合 を想 定す る必. の 場 合 の 例 に お い て はFig.6(c)と(d)に. で あ る.こ. 示 す アプ ロー. 一の 爪先 軌道で 種類 の異 な る洗 り軌 道 は 円 弧 半 径25[mm]程. 以 上 を ま と め る と,布 地 用 ハ ン ドに 必 要 な機 能 は ●大 きな 手 繰 り寄 せ 操 作. 示 され る よ うに 布 地 の. ●爪 先 の 円 弧 軌 道 の 生 成. の と きに生ず る. 復 元 力 に よ り指 先 上 に 縁 が 移 動 し 指 の 挿 入 が 可 能 に な る.し. ン ドに 爪を付 加. 度 以 上 に す る こ とが 望 ま し い こ と に な る.. の と き,曲 げ 剛 性 の. 縁 付 近 に 曲 げ 変 形 を 伴 う挫 曲 が で き る た め,そ. の 場 合 に お い て,同. 濯 物 の 縁 を 捲 り上 げ る た め に,捲. る姿 勢角 でテ ーブ ル面 にハ ン ドの片側 の指 先 を接触. 高 い 布 地 を 扱 う場 合 に は,Fig.7(a)に. れ よ. し,こ の 爪 先 が 円 軌 道 を 生 成 す る 機 能 を付 加 す る こ とが 効 果 的. 示すよ. さ せ テ ー ブ ル 面 に 沿 い 指 先 を 誘 導 す る こ と に よ り布 地 と テ ー ブ ル 間 に 指 を 挿 入 し把 持 す る も の で あ る.こ. ボ ッ トに よ. る 作 業 方 策 と して は 方 法1が 適 し て い る と考 え られ る.こ. とテ ー ブ ル 間 に 大 き な 隙 間 が 存 在 す る とは 限 ら. し ろ,一. 要 が あ る.こ. た 捲 り上 げ ら れ た縁 の 高 さ は 安 定 把 握. に 十 分 な 高 さ に な る こ と が 期 待 で き る こ と か ら,ロ. の2点. か. し なが ら,曲 げ 剛 性 の 低 い 布 地 を扱 う場 合 に お い て はFig.7(b). に 集 約 され る. 4.指. 先 に 回 転 自由 度 と 爪 を有 す る ハ ン ド. に 示 され る よ う に 縁 付 近 に お い て 多 くの 皺 が 生 じ て し ま い,安 定 し た 指 の 挿 入 が で き な い 場 合 が あ る.ま は,ハ. た,こ. な い とい う欠 点 が あ る.次 に,Fig.6(d)に に つ い て 述 べ る.こ ハ ン ド を 下 し,フ. の 方 法 はFig.8に. 布 地 を 摘 み 把 持 す る た め の 布 地 表 面 の 手 繰 り寄 せ 操 作 と布 地 の. 示 され る ア プ ロ ー チ. 縁 を捲 り上 げ 把 持 す る た め の 円 軌 道 を 描 い た 爪 先 動 作 の 二 つ で. 勢 の 制 御 が 容 易 で あ る が,布. の ア プ ロ ー チ は,手. あ る場 合 に お い て は,片. 側 の フ ィ ンガ の 手 繰 り寄 せ 操 作 に よ り. の ハ ン ド は2指. 示 さ 平行 ハ. ン ド の 指 先 に 回 転 機 構 と ヒ トの 爪 に 相 当 す る機 能 を 付 加 し た も の で あ る.. 地 の 縁 の 状 態 に よ り常 時 安 定 し た. え ば,布. No.6. れ る布 地 用 ハ ン ド を 設 計 ・試 作 し た.こ. 先 の位 置姿. 把 持 が 期 待 で きな い.例. Vol.19. あ る.こ れ らの 動 作 ・機 能 を 同 時 に 満 た す た め にFig.9に. 示 す よ うに 鉛 直 方 向 ヘ. ィン ガ を テ ー ブ ル と布 地 表 面 に押 し 当 て な が. ら 摘 み 把 握 す る もの で あ る.こ. ン ドの 機 構 と機 能. 前 章 で 述 べ た よ うに 布 地 の 把 持 に必 要 な ハ ン ドの 基 本 動 作 は,. れ を予 測 で き. 係 数 な ど に よ り縁 の 挙 動 が 影 響 を 受 け る た め,そ. JRSJ. 4.1ハ. のア プ ローチ. ン ドの 姿 勢 角 や 指 の 形 状 お よ び テ ー ブ ル と布 地 間 の 摩 擦. ハ ン ドの 指 先 に取 り付 け られ た 回 転 体 は ス ッテ ピ ン グ モ ー タ:. 地の縁 の接 線 方向が 上 向 きで. 0.360/step,100[Hz]に. 62. よ り正 転 ・逆 転 が 可 能 で あ る ・ また,回. Sept.,2001.

(5) 各種布 地混在洗濯物の把握用指の試作 と把握 実験 評価. Fig.9. Robotic. hand. with. a rotation. mechanism. and. one. 739. finger. nail. Fig.11. Fig.10. Movement. of pick. up. and. turn. up. by. Robotic. hand. Fig.12. Method. Movement robotic. 転 体 の 表 面 に は,布. up. by robotic. a corner. edge. hand. of clothes. by. hand. ケ ー ス も考 え ら れ る.し. 円 柱 形 φ5の 爪が 伸 び 縮 み す. 転 体 の 中 に 埋 め 込 まれ た 電 磁 石 可 動 型 リニ ア振 動. ア クチ ュ エ ー タ に よ り,伸 縮 制 御 す る も の で あ る.回 え る 厚 さ1[mm]の. of turning. aclothes. 大 静 止 摩 擦 力 は 様 々に 変 化 す る た め に 複 数 枚 を把 持 して し ま う. 凹 凸 ラバ ー が 貼 りつ け て あ り,こ の. 回 転 体 の 表 面 か ら は 直 径5[mm]の は,回. up. 地 表 面 と 回 転 体 の 接 触 時 に 生 ず る 滑 り を抑. え る た め に 高 さ1[mm]の. る.爪. of pick. 合 に お い て は,把. 転体 を支. か し な が ら,実 際 の 山 積 み 洗 濯 物 の 場. 持 す る 布 地 表 面 に 多 くの 皺 に よ る た わ み が 存. 在 す る と と も に 各 布 地 問 に は,皺 在 して い る.そ の た め に,ハ. 銅 板 に は 歪 み ゲ ー ジ が 貼 りつ け て あ り,洗. や 折 れ 重 な りに よ る 隙 間が 点. ン ドを 上 方 か ら軽 く接 触 させ,ゆ. っ. く り回 転 駆 動 す る こ と に よ り布 地 間 の 摩 擦 に 大 きな 影 響 を 与 え. 濯 物 を把 持 し た 際 の 板 の 歪 み を 測 定 す る こ とが で き る.. ず に,把. 本 ハ ン ドは ヒ トの 指 先 の 腹 部 お よ び 爪 先 部 を そ れ ぞ れ 回 転 体. 持 す る布地 表面 の皺 に よるた わみ の伸び や 布地 の横方. の表 面部 と回転体 表面 か ら伸び 縮み す る爪 におい て置換 した も. 向 へ の 伸 縮 性 を 利 用 して,下. に 位 置 す る 布 地 に 比 べ て 大 き く手. の で あ る.ヒ. 繰 り寄 せ る こ とが で き る.こ. れ に よ り,把 持 対 象 で あ る 布 地 表. トが 平 た く置 か れ た 布 地 の 表 面 を 摘 み 把 持 す る と. きの 手 繰 り寄 せ 操 作 は,Fig.10(a)に. 面 が 回 転 体 に 少 し巻 き込 まれ た 時 点 に 回 転 駆 動 を 停 止 す る こ と. 示 され る よ うに 布 地 表 面. に 回 転 体 を 押 し付 け 巻 き込 み 方 向 へ 回 転 させ る こ と に よ り実 現. に よ り,一 枚 の み を 確 実 に 把 持 す る こ とが で き る.こ. で き る.そ. し て,フ. こで もし. ィン ガ 開 閉 ス トロ ー クに 影 響 され る こ と な. 複 数 枚 を 把 持 し て し ま っ た 場 合 に は,ハ. ン ドを 上 下 左 右 に揺 さ. く広 範 囲 の 手 繰 り寄 せ 操 作 が 可 能 で あ る.こ の と き ハ ン ドの 押. ぶ る こ とに よ り不 安 定 把 持 下 に あ る2枚. 目以 降 の 布 地 を 振 り落. し付 け 力 を 制 御 す る こ とに よ り回 転 体 表 面 と布 地 問 の 滑 り を抑. と す こ とが 可 能 で あ る(た. 制 す る こ とが で き,曲 げ 変 形 に よ り生 ず る 凸 部 の 高 さhを. と こ ろ 人 の 目視 に よ っ て い る).ま. 十分. に 得 る こ と が で き る た め 安 定 把 持 で き る 。 また,Fig.10(b)に. だ し,複. 数枚 の把持 の確 認 は現 在の た,実 際 に複 数 枚 の 布 地 を 巻. き取 っ て し ま っ た 場 合 に お い て も,同 一 衣 類 の 表 裏 部 で あ っ た. 示 され る よ う に 回 転 体 表 面 か ら 爪 を 伸 ば し 布 地 の 縁 に ひ っ か け. り折 れ 重 な り部 で あ る 場 合が 多 い.な. た 状 態 で 回 転 機 構 を 駆 動 す る こ と に よ り,ヒ. 実 験 で は 一 枚 分 離 把 持 の 成 功 率 は95%以. トが 布 地 の 縁 を捲. り上 げ る と き と同 様 に 爪先 の 円 弧 軌 道 を生 成 す る こ とが で き る.. 4.2把. 転 体 の 直 径 は50[mm]と. して あ る.. 握方 法. よ り爪 を 伸 ば した 状 態 で 爪 を 布 の 縁 に 接 触 させ,回. 転体 を巻 き. 込 み 方 向 へ 駆 動 す る こ と に よ り縁 を捲 り上げ る.そ. の 後,ハ. 示 され る よ うにハ ン ドを閉 塞 した 状態 で 回転 機. 構 を 回転 させ 布 地 を巻 込 み 把 握 す る 方 法 と,Fig.11(b)に. 示 され る よ うに 回 転 体 の 表 面. ン. ド を 閉 塞 す る こ と に よ り布 の 縁 を 把 持 す る.. 本 ハ ン ド を 用 い て 布 地 の 平 面 部 を 摘 み 把 持 す る 方 法 に は, Fig.11(a)に. 動 制 御 に よ る把 持. 上 の 結 果 が 得 られ た.. 本 ハ ン ド を 用 い た 布 地 の 縁 を 把 持 す る 方 法 に つ い て 述 べ る. この 場 合 に お い て は,Fig.12に. 種 類 の 異 な る 洗 濯 物 に 対 して も 同 一 の 爪 先 円 弧 軌 道 に よ り縁 の 捲 りを 実 現 す る た め に,回. お,手. 5.平. 面 部の把持動 作計画. 示さ. れ る よ うに ハ ン ド を 開 い た 状 態 で 回 転 機 構 を 回 転 させ 布 地 を 巻. 5.1ハ. き上 げ た 後 に ハ ン ド を 閉 じ る把 持 方 法 が あ る.こ. 本 ハ ン ドを 用 い て 山 積 み 洗 濯 物 か ら 一 枚 の み を 把 持 し て 分 離. の 方 法 は,前. の う ち,後 者. 後左 右 四つの 回転 体 を布地 の表面 に対 して均等 に. 押 し 付 け な け れ ば 布 地 の 巻 き込 み 量 に 偏 りが で き る た め,把 位 置 に 誤 差 が 生 じて し ま う.そ の た め,本. す る に は,ハ. 持. し た 後,布. 報告 の実 験で は 前者. の 方 法 に よ り平 ら に 敷 か れ た 布 地 の 表 面 部 を把 持 す る. 次 に こ の 把 握 方 法 に よ り山 積 み 洗 濯 物 の 一 枚 分 離 把 持 に つ い て 述 べ る.こ. iiiロ. の 場 合 に は,積. ボ ッ ト学 会 誌19reJ. ン ド押 し付 け 力 と 状 態 遷 移 の 識 別 実 験. ン ドを鉛直 方向 に下げ て い き回転体が 布地 に接触. 地 へ の 押 し付 け 力 を 制 御 す る 必 要 が あ る.し. か しな. が ら,把 握 に 必 要 な ハ ン ドの 押 し付 け 力 は,把. 持 す る布 地 の 種. 類 や そ の 下 に あ る 布 地 の 種 類 に よ り異 な る.ま. た,積. み重 ね ら. れ た布 地の枚 数や 布 地表 面の 皺な どの状 態か らも影響 を受 け る. み 重 ね られ た 布 地 問 に お い て,最. こ とが 分 か っ て い る[11].実. 63. 際 の 山 積 み 洗 濯 物 は,以. 上 の 環境. 2001年9月.

(6) 大. 740. Fig.13. Experimental. 澤. 文. 明. 柿. 倉. 正. 義. System. 条 件 も様 々で あ る た め 一 枚 の み 把 持 し分 離 す る た め の 一 定 の 押 し付 け 力 を定 め る の は 困 難 で あ る. し たが っ て,こ. の 作 業 を 自動 化 す る に は,ロ. の 接 触 情 報 を も と に,布. ボ ッ トが 布 地 と. 地 の 状 態 とそ の 変 化 を識 別 し,そ. の状. 態 遷 移 に 合 わ せ て 動 作 計 画 を行 わ な け れ ば な ら な い.以. 下 に一. 枚 分 離 作 業 に お け る ハ ン ド と 布 地 間 の 非 接 触,接. 握段階. 触,把. の 状 態 遷 移 の 識 別 が 可 能 で あ るか 否 か を 調 べ る実 験 を 行 っ た 結 果 を 示 す. 実 験 シ ス テ ム の 概 略 構 成 をFig.13に. 示 す.布 地 用 ハ ン ド は. 6自 由 度 位 置 制 御 型 マ ニ ピ ュ レ ー タ安 川 電 機 社 製MOTOMAN に 装 着 され て お り,マ ニ ピ ュ レ ー タの リス ト部 に は6軸 MINIが. 力覚 セ ン. サBL. Autotec. る2枚. の 銅 板 の 上 の 位 置 と下 の 位 置 に 歪 ゲ ー ジ が 貼 り付 け て あ. り,本 稿 に お い て それ ぞ れ をStraingage1お 2と 記 す.な. Fig.14. 取 り付 け ら れ て い る.回 転 機 構 を支 え. Experimentalresults of pickingup a clothesby robotic hand.sample:felt1.01[mm]in thickness. よ びStraingage 触 段 階 に お け る 布 地 用 ハ ン ド の 回 転 体 と布 地 表 面 間 に 生 じ る滑. お,歪 ゲ ー ジ の 温 度 変 化 の 影 響 と板 の 圧 縮 ・引 張 ひ. ず み を 消 去 し,板 の 曲げ 応 力 の み 測 定 で き る よ うに 回路 を 製 作 し. り を 示 し て い る も の と 思 わ れ る.ま. た.実 験 試 料 は,布 厚1[mm]の. モ ー メ ン トTxの. 不 織 布(フ. ェ ル ト)と し た[12].. 布 地 用 ハ ン ド を 閉 塞 し 回 転 体 を 回転 させ た 状 態 で,山 物 の 上 方 か ら鉛 直 方 向(ベ 0.3[mm]移. 動 さ せ,サ. ー ス 座 標 系Z軸. (3)把 握 段 階:90[s]後,布. 積 み洗濯. 方 向)へ3秒. 地 用ハ ンドの 回転体が フェル ト. を 十 分 に 巻 き 込 み 把 握 が 確 認 で きた 時 点 で,回. い て も う一 組. の 回 転 体 も フ ェ ル トを 巻 き込 み,完. 全 に把 持 で き る 位 置 まで 巻. き 上 げ た.計. 地 を 巻 き込 み 始 め た90[s]. 測 結 果 を 調 べ る と,布. 付 近 でFig.14(a)に. 転機 構部 の駆 動. 示 され る. 地 用 ハ ン ドは 向 か い 合 う二 組 の 回. 転 体 の う ち片 側 の 一 組 で フ ェ ル ト を 巻 き 込 み,続. ご とに. ン プ リ ン グ タ イ ム タ イ ムT=100[ms]. で 各 セ ン サ 信 号 を計 測 し た.布. た,Fig.14(c)に. 値 に も変 化 が 見 られ た.. 示 され るStraingage1の. 出 力 値 が 鋭 く立. とハ ン ドの 移 動 を 停 止 させ 計 測 を終 了 した.な お,計 測 結 果 と実. ち 上 が り,そ の 後1[V]付. 際 の 動 作 状 態 を 比 較 す る た め に 実 験 の 様 子 を ビ デ オで 録 画 し た.. ル トを把 握 し た 際 に 布 地 用 ハ ン ドの 向 か い 合 う1枚. 以 下 に,Fig.14に. 側 に 歪 む た め で あ り,こ れ に よ り布 地 の 把 握 段 階 を 認 識 す る こ. 験 開 始 後0[s]か. の 値 も大 きな 変 化 を 示 し た.こ. とが で き る.ま. 接 触 段 階:実. ら14[s]の. 先 に 加 わ る 力 ・モ ー メ ン トの 計 測 値 が0に. 間,ハ. ン ド指. 近 い こ とか ら,ハ. 触 段 階:実. 験 開 始 後15[s]付. た こ の と き,Fig.14(c)に. 示 され るモ ー メ ン ト. の 信 号 は,布. 地 の 巻 き込 み 時 に. 起 こ る も の で あ り,布 地 の 巻 き込 み 状 態 に よ り異 な る.. ン. 以 上 の 結 果 よ り,ハ ン ドの 押 し付 け 力 、Fzお よび モ ー メ ン ト. ドが 布 地 に 非 接 触 で あ る こ とが 推 測 で き る(Fig.14(b),(c)). (2)接. ェ. の銅板が 外. 示 され る測 定 結 果 と 実 際 の 動 作 状 態 の 比. 較 に つ い て 述 べ る. (1)非. 近 で 一 定 と な っ て い る.こ れ は,フ. の 計 測 値 か ら,ハ. 近 で 布 地 用 ハ ン ドの 四 つ. ン ド と布 地 間 の 非 接 触 と 接 触 段 階 の 識 別 が 可. の 回転 体 の う ち 一 つ が フ ェ ル トに わ ず か に接 触 し て い る.こ れ. 能 で あ る こ とが 分 か る.ま た,Straingage2の. は,Fig.14(b)に. 示 され るFzの. ン ドの 回 転 体 と布 地 間 の 接 触 段 階 に お け る 滑 り状 態 の 推 定 が 可. モ ー メ ン トTxの. 値 が15同. り推 測 で き る.15[s]か. 値 とFig.14(c)に. 示 され る. 能 で あ る.ま た,Straingage1の. 前 後 か ら 変 化 し始 め て い る こ と よ. ら90[s]前. 値 に よ り布 地 の 巻 き込 み 開 始. と把 握 段 階 の 識 別 が 可 能 で あ り,モ ー メン トの 計 測 値 に よ り巻. 後 の 間,布 地 用 ハ ン ドの 回 転. 体 が フ ェ ル ト表 面 に 接 触 し な が ら滑 り を起 こ し て い る.こ の 期. き込 み 開 始 と巻 き込 み 状 態 が 推 測 で き る.な. 間Fig.14(a)に. お い て,セ. 示 され るStraingage1の. い の に 対 し,Straingage2の. JRSJ. Vol.19. No.6. 値 に 変 化 が 見 られ な. 値 が 徐 々 に 上 昇 し た.こ. 計 測 値 に よ りハ. お,上. ンサ 信 号 に ノ イズ が 重 畳 し て い るが,こ. 記 の実験 に れ は,ハ. ン. ドの 移 動 動 作 と 向 か い 合 う 回転 体 の 回転 接 触 に 伴 い ハ ン ド の 薄. れ は,接. 64. Sept.,2001.

(7) 各種布地混在洗濯物 の把握 用指の試作 と把握実験評価 板 が 振 動 す る た め で あ る.こ 抑 制 す る と と もに,ハ こ と に よ り,ノ. れ に 対 し て は,板. を 厚 くし振 動 を. ン ド移 動 時 に お い て 回 転 駆 動 を 停 止 す る. イズ 成 分 を 軽 減 す る こ とが 可 能 で あ る .. な お,綿100%(布 0.25[mm]),ポ. 厚0.22[mm]),レ ロ シ ャ ツ,パ. ー ヨ ン100%(布. ン ツ,Tシ. た,ジ. ー ンズ素材 の布. 地 の よ うに 曲 げ 剛 性 が 高 く滑 りや す い 布 地 の 場 合 に は,回 と布 地 の 間 で 滑 りが 暫 く続 きStraingage2の の こ と か ら,本. 厚. ャ ツ な ど に つ い て も実. 験 を 行 い 上 記 同様 の 傾 向 が み ら れ た.ま. た.こ. 741. Fig.15. 転体. Target. grasping. position. 信 号 が 顕 著 に現 れ. ハ ン ド を 用 い た 巻 き込 み 把 持 の 自 動 化 に. お い て これ らの セ ンサ 情 報 の 活 用 が 有 効 で あ る こ とが 分 か っ た. 5.2動. 作 計画. 上 記 の 実 験 結 果 を も と に 考 察 し た 動 作 計 画 を 以 下 に 示 す. step1.ハ. ン ド の 回 転 体 を 停 止 した 状 態 で,布. 地の上 方か. ら ハ ン ド を 鉛 直 下 方 向 へ 移 動. step2.ハ. ン ドの 回 転 体 表 面 が 布 地 の 表 面 に 接 触 し た らハ. ン ドの 移 動 を 停 止.制. 御 則 を次 の よ う に 定 め る .. IFFz>‑10[gf]THENハ step3・. ハ ン ド を 鉛 直 下 方 向へ2[s]ご. step3.ハ. とに0.3[mm]移. 動.. と に1[mm]移. 動.. ン ド を 鉛 直 下 方 向 へ2[s]ご. step4.ハ. ン ドの 回 転 体 を 巻 き込 み 方 向 へ90。. step5.step4.で step3.へ.た. ン ドの 移 動 停 止. 回 転. Fig.16. 布 地 が 回 転 体 に 巻 き込 ま れ な け れ ば. だ し,Straingage2の. り検 出 ・. い て も考 察 す る.こ の た め ,Fig.15に た.Tシ. 号>0.3[V](2[s])THEN滑. り推 定. ャ ツ の 下 に は,不. 布 地 が 回 転 体 に 巻 き込 まれ た ら そ の2[s]後. に回転体 を停止 し. た.実 験 の 結 果,爪. 分 と は,サ. ン プ リ ン グ タ イム2[s]ご. こで の 爪 の ス トロ ー クは5[mm]と. し. か し なが ら 爪 を 縮 め た 状. を 確 実 に 捲 り上 げ る こ とが で き な か っ た.こ. れよ り. 布 地 の 縁 の 捲 り動 作 に お い て 本 ハ ン ドの 爪 の 有 効 性 を確 認 し た.. の タオ ル. よ る捲 り動 作 へ の 影 響 を 調 べ る実 験 を 行 っ た .爪 の ス ト ロ ー ク. お よび ポ ロ シ ャ ツ に つ い て 一 枚 分 離 把 持 の 実 験 を 行 っ た.そ ン ドの 回 転 体 が 布 地 表 面 に 接 触 後,把. す る 時 間 は タ オ ル の 場 合 で2[s]か ら120[s]ぐ. ら80[s],ポ. の. は,5[mm]お. 上 で あ っ た.な. お,同. な り合 っ て い る タ オ ル の 場 合 に お い て,そ. し,10種. 類 の布地 に対 してそれぞ. れ 捲 り動 作 を 行 い,縁 の 捲 れ 具 合 を調 べ た.捲 れ 具 合 の 評 価 は ,. ロシ ャツの場 合. ハ ン ドの 先 端 か ら捲 り上げ られ た布 の 縁 まで の 高 さ と し た .こ の. ら い で あ っ た.布 地 の 種 類 や 表 面 状 態 な. の 達 成 精 度 は 約95%以. よび2[mm]と. 持 す る まで に 要. ど に よ り把 持 達 成 に 要 す る 時 間 は 異 な る もの の,一. 高 さを 本 論 文 に お い て は 捲 れ 高 さ と記 す.実 験 の結 果 をFig.16. 枚分 離把 持. に示 す.こ. じ皺 を 形 成 して 重. 比 べ,捲. の 皺 部 を 巻 き込 む こ. の 結 果 よ りス トロ ー ク5[mm]の. 爪 は2[mm]の. た,厚 手 の 布 地 や2枚. ス ト ロ ー ク2[mm]の. 重 ねの 布地の場 合 におい ては, 爪 で は 捲 り動 作 中 に 爪 か ら 布 の 縁 が 外 れ. 落 ち る こ とが 多 くな り確 実 な 捲 り上 げ が 困 難 で あ っ た.こ. 要 が あ る.. 爪に. れ 高 さ の 値 が 相 対 的 に 大 き くな る と い う傾 向 が 見 受 け. られ た.ま. とに よ り同時 に2枚 を 把 持 す る ケ ー スが あ っ た.こ の 場 合 に は , 一度 テーブ ル上 に再 配置 し ,再 度,一 枚 分 離 作 業 を 実 行 す る必. れ よ. り各 種 布 地 の 縁 を捲 り上 げ 把 持 す る に は ス トロ ー ク の 長 い 爪 が 6.縁. 6.1爪. 先お よび 回. 次 に 最 適 な 爪 の ス トロ ー ク を調 べ る た め に 爪 の 長 さの 違 い に. 上 記 の 動 作 計 画 を用 い て 平 た く積 み 重 ね られ た5枚. で40[s]か. して,爪. と. の 計 測 値 と す る.. 結 果,ハ. ェ ル ト)が 敷 か れ て お り捲. あ りの 状 態 で は,す べ て の 位 置 の 縁 を確 実. に捲 り上 げ 把 持 す る こ とが で きた.し. 転 停止. 態 で は,縁 た だ し,Straingage1差. ャ ツの 位. ャ ツ の 縁 に 接 触 させ た 後 に 回 転 体 を 駆 動 し捲. り把 持 を 行 った.な お,こ. 御 則 を 次 の よ うに 定 め る. 分>0.3[V](2[s])THEN回. 織 布(フ. り動 作 時 に 滑 りが 生 じ な い も の と す る.そ 転 体 の 表 面 をTシ. IFStraingage1差. 示 され るTシ. 置 に お い て 爪 の あ る場 合 とな い 場 合 で そ れ ぞ れ 把 持 実 験 を 行 っ. 推 定 の 制 御 則 を 次 の よ うに 定 め る.. 把 持 を達 成.制. of turnup. 信 号 よ り滑 りを 検 出 ・推. 定 し た ら敏 速 に 処 理 を 実 行 す る た め にstep3.へ.滑. IF Straingage2信. hight. 適 し て い る こ とが 明 ら か に な っ た.以 の把持動作計画. の 爪 の ス トロ ー ク は5[mm]と. の 有 効 性 と最 適 ス ト ロ ー ク の 検 証. 6.2状. 本 ハ ン ド は 爪 を 用 い て 布 地 の 縁 を 大 き く捲 り上 げ る こ と に よ り縁 を把 持 す る.こ. こ で は,爪. 態 遷 移 の 識 別 と動 作 計 画. 布 地 の 縁 を 把 持 す る と き の 実 行 手 川頁をFig.17に. を 用 い た 捲 り把 持 に つ い て 本 ハ. の 縁 を把 持 す る場 合,捲. ン ド の 有 用 性 を調 べ る.ま た ,捲 り に適 し た 爪 の ス トロ ー クに つ. 日本 ロ ボ ッ ト学 会 誌19巻6号. 上 の 結 果 よ り,本 ハ ン ド. して あ る .. す る.こ. 65. の と き に,布. 示 す.布. 地. り動 作 後 に ハ ン ド を 閉 じ て 布 地 を把 握. 地 の 縁 の 捲 れ 具 合 を ロ ボ ッ トが 認 識 し な. 2001年9月.

(8) 大. 742. Fig.17. Processing clothes by. sequence for turning robotic hand. け れ ば 次 の 動 作 に 移 れ な い.こ. れ は,捲. up. 澤. a corner. 文. 明. edge. of. 柿. 倉. 正. 義. れ 上が った布 の縁 の高. さが 低 い 場 合 と ま っ た く捲 れ な か っ た 場 合 と で は 次 の 動 作 が 異 な る か らで あ る.前 者 の 場 合 に は,ハ. ン ドを閉塞 し向かい 合 う. 回 転 体 を 巻 き込 み 方 向 へ 回 転 駆 動 す る こ と に よ り縁 を 把 持 可 能 な 位 置 まで 巻 き上 げ る 必 要 が あ る.ま. た,後. 者 の 場 合 に は,爪. 先 の 位 置 をず ら し 再 度 捲 り動 作 を実 行 す る必 要 が あ る.そ. こ で,. Fig. 18. Experimental results of turn up a clothes by robotic hand (sample: cotton sheeting fabric 0.59 [mm] in thick ness). 布 地 の 捲 れ 状 態 が 識 別 可 能 で あ るか 否 か を 調 べ る 実 験 を 行 っ た. 実 験 は,布. 地 用 ハ ン ド の 爪 先 が 縁 に 接 触 し 捲 り上 げ る一 連 の 動. 作 につ い て ハ ン ド の 爪 先 に作 用 す る 曲げ 応 力,モ ー メ ン トを サ ン プ リ ング タ イ ムT=100[ms]で 綿100%の. 計 測 を行 った.厚. 布 地 を ス トロ ー ク5[mm]の. 測 結 果 をFig.18に. さ0.59[mm]. 爪 で 捲 り上 げ た と きの 計. 示 す.. 実 験 開 始 後,0〜9[s]の. 間,モ. ー メン トと歪 みゲ ー ジの値 が. 0に 近 く,爪 と 布 地 の 縁 が 非 接 触 で あ る こ とが 分 か る.ま. た,. 10[s]後 付 近 で モ ー メ ン トと歪 み ゲ ー ジ の 値 が 急 激 に 変 化 し,爪 と布 地 の 縁 が 接 触 し た こ とが 分 か る.そ み ゲ ー ジ の 値 は 緩 や か に0に 布 地 の 縁 に 接 触 し た 後,引. の 後,モ. ー メ ン トと 歪. 近 づ い て い る.し か し な が ら 爪 が. っ 掛 か りが 外 れ た場 合 に は,モ. ン ト と歪 み ゲ ー ジ の 値 は 急 激 に0に. 近 づ い た.こ. ーメ Fig.19. れ らの結 果 よ. り,ハ ン ドの 爪 先 に 加 わ る 力 覚 情 報 よ り縁 の 捲 れ の 認 識 が 可 能 で あ る こ とが 分 か る.こ れ よ り動 作 計 画 で は,モ. Table. Motion. 1. Strain. of the edges. gage. output. by. using. for grasping. visualtracking. edgesin. Fig.15. ー メ ン ト と歪. み ゲ ー ジ の 信 号 の 急 激 な 変 化 を 検 出 し た 後 に 回転 駆 動 を停 止 し ハ ン ド を 閉 塞 し 縁 を 把 握 す る こ と とす る.な は,こ. お,縁. の捲れ 具 合. れ らの セ ンサ 情 報 と併 用 し トラ ッ キ ン グ ビ ジ ョ ン を 用 い. て 縁 部 を 追 跡 す る こ と に よ り正 確 に 知 る こ とが 可 能 に な る.捲. 別 可 能 で あ る か 否 か を 調 べ る実 験 を 行 っ た.実. り動 作 中 に お い て 爪 側 の 回 転 体 の 側 面 か ら 縁 を 追 跡 し た 様 子 を. 握 し た 際 に ハ ン ド の 銅 板 に作 用 す る 曲 げ 応 力 を 歪 ゲ ー ジ:Strain. Fig.19に. gage1に. 示 す.た だ し 図 中 のXお. た512×512[pixel]の 次 に,布. よびYは. 左上 角を原点 とし. 地 の 縁 の 捲 れ を 確 認 し た 後,ハ. 把 握 す る.し か し なが ら,布. お,ハ. し,そ. 度. 地 を把. ン ド閉塞時 の歪 みゲ ー ジ出力. し,Fig.15中. のTシ. ャ ツの 番 号 を 付 し. た と こ ろ を 把 握 し た.把 握 箇 所 の 付 近 を そ れ ぞ れ5回. ン ド を 閉 塞 し布 地 を. 地 が 把 握 され て い な い 場 合,再. よ り計 測 し た.な. を オ フ セ ッ ト0[V]と. 画 像 平 面 内 に お け る 画 像 の 座 標 で あ る.. 験 は,布. の 平 均 の 測 定 結 果 をTable1に. 示 す.ま. ず つ測定. た,布. 厚の異. 捲 り動 作 を 実 行 す る 必 要 が あ る.こ の た め,布 地 の 把 握 を ロボ ッ. な る十数 種類 の布 地 におけ るハ ン ド閉塞時 の歪 みゲ ー ジ出力 を. トが 識 別 で き な くて は な ら な い.そ. Fig.20に. JRSJ. Vol.19. No.6. こ で,布. 地 の縁 の把握 を識. 66. 示 す.こ. の 結 果 か ら,歪. ゲ ー ジの 出力値 は布 地 の厚. Sept.,2001.

(9) 各種 布地混在洗濯物の把握用指の試作 と把 握実験 評価. 743. 適 な ロ ボ ッ トの 指 の 設 計 を 目 指 し て,平. た く置 か れ た 布 地 の 平. 面 部 と縁 を ヒ トが 把 持 す る と き の 摘 み 動 作 と捲 り動 作 を 解 析 し, そ の 結 果 を 利 用 し て 布 地 用 ハ ン ドを 設 計 ・試 作 した.そ. し て,把. 持 の 動 作 計 画 を 立 て る と と も に 洗 濯 物 の 把 握 実 験 に よ り提 案 し た 布 地 用 ハ ン ドが 各 種 布 地 の 把 持 に 有 効 で あ る こ と を 実 証 し た. 今 後 の 課 題 と し て は 把 握 動 作 に お け る視 覚 情 報 の 有 効 利 用 が あ る と考 え て い る.. 参 [1]. 考. 日 本 機 械 工 業 連 合 会,日. 文. 献. 本 ロ ボ ッ ト工 業 会:平. ボ ッ トの 市 場 動 向 調 査 研 究 報 告 書,平 [2]. 平 野 新 一:. 成9年. 成10年. パ ー ソ ナ ル ロ ボ ッ トの 市 場 予 測. 度 パ ー ソ ナル ロ. 度5月,2000.. ,ロ ボ ッ ト,no.128,pp.17‑. 22,1999.. Fig.20. Relation the. between. strain. gage. output. and. thickness. [3]「. of. clothes. [4]. 特 集 E.. 柔 軟 物 操 作 」,日. Torgerson. and. Manipulation. さ に 比 例 す る こ とが 分 か る.こ. Int.. れ らの 結 果 よ り,洗 濯 物 の 把 握. for. Conf.. on. 本 ロ ボ ッ ト学 会 誌,vol.16,No.2,1998.. F.W.Paul: •gVision Apparel. Robotics. Guided. Robotic. Manufacturing,•h and. Proc.. Automation,. vol.2,. Fabric 1987. IEEE. pp.1196-1202,. 1987.. は 歪 み ゲ ー ジ の 出 力 信 号 を 検 出 す る こ と に よ り識 別 す る こ と と し た 。 また,こ. [5]. の 歪 ゲ ー ジ の 値 は 布 厚 を推 定 す る こ と に も使 用. K.. Paraschidis, L.. Handling. 可 能 で あ る こ とが 分 か っ た. 以 上 の 認 識 則 を 用 い て 動 作 計 画 を 実 行 し た 。 ポ ロ シ ャ ツ,デ. [6]. ニ ム パ ン ツ な ど の 曲 げ 剛 性 の 高 い も の に つ い て は ,安 定 し た 縁 り上 げ 時 の 力 覚 信 号 に 大 き な 変 化 が 表 れ に くい た め 捲 りの 識 別 [8]. の場 合 [9]. た,. [10]. [11]. IEEE. Int.. for. Conf.. on. 1995.. 視 触 覚 を 用 い た 輪 郭 情 報 に 基 づ く折. ,日 本 ロ ボ ッ ト学 会 誌,vol.15,no.2,pp275‑. 小 野 栄 一:. 布 の マ ニ ピ ュ レ ー シ ョン. ,日. 本 ロ ボ ッ ト学 会 誌,vol.16,. 蒲 谷 崇,柿. 倉 正 義:. 布 地 物 体 の ハ ン ド リ ング に 関 す る研 究. 濱 島 京 子,柿. 倉 正 義:. 布 地 物 体 展 開 手 順 の プ ラ ン ニ ン グ. 西 村 国 俊:. 紙 の ハ ン ド リ ン グ技 術. ,精. ,日. 本機. ,日 本 機 械. 密 工 学 会 誌,vol.55,no.7.. 大 澤 文 明,柿. 倉 正 義:. 布 地 物 体 の ハ ン ド リ ン グ― 摘 み と 捲 り 機 能 を. 有 す る ロ ボ ッ ト ハ ン ド に よ る 洗 濯 物 の 把 握―. 上 の 高 信 頼 で 把 持 が 達 成 で きた 。. ,電. 気 学 会 シ ステ ム. ・. 制 御 研 究 会 資 料SC‑98‑1‑10,pp.37̲42,1998. [12]. と. 1995 pp.1769-1774,. Z.. System. pp.1169‑1172,1989.. お い て もハ ン ド閉 塞 後 に さ ら に 回 転 体 で 縁 部 を巻 き込 む こ と に. 7.ま. 根 茂 幸:. Petridis,. 学 会 論 文 集63巻607号C編,pp.333‑340,1997.. 布 厚 の 薄 い ポ リエ ス テ ル の よ うに 捲 れ 高 さの 低 い 布 地 の 場 合 に. よ り95%以. Proc. vol.3,. V. Robotic. 械 学 会 論 文 集64巻620号C編,pp.240‑245,1998.. ラ ッキ ン グ ビ ジ ョン を 用 い た 縁 の 追 跡 を併 用 す. る こ と に よ り安 定 し た 識 別 が 可 能 に な る も の と思 わ れ る.ま. Materials,•h Automation,. 多 伸 之,坂. Vassiliadis,. Hasapis:•gA. no.2,pp.149‑153,1998.. 転 体 を一定 回転駆 動 した後 に次の動 作 に あ っ た.こ. V. G.. 283,1997. [7]. に お い て は,ト. and. れ 重 な っ た布 地 の 展 開. の 把 持 が 可 能 で あ った.一 方,曲 げ 剛 性 の 低 い タオ ル な ど は,捲. 移 る こ と に よ り把 持 の 達 成 率 は ほ ぼ100%で. and. 小 野 栄 一,喜. Fahantidis,. Petrou. Textile. Robotics. は 困 難 で あ っ たが,回. N.. Doulgeri,. め. 日 本7:業. 規 格:JIS. L. 1096一. 般 織 物 試 験 方 法,日. 本 工 業 標 準 調 査 会. 審 議,1990.. 種 類 の 異 な る布 地 物 体 が 混 在 す る 洗 濯 物 を把 持 す る た め に 最. 大 澤 文 明(Fhmiaki. Osawa). 柿 倉 正 義(Masayoshi. 1967年4月27日 生,1999年 東 京電 機大 学 大学 院 電 気工 学專 攻修 十 課 程修 了.同 年,金 沢 大学 大学 院 自然 科学 研 究科 シ ステム創 成 科学 専 攻.博士 後期 課程 進学,現 在 に至 る.現 在,家 庭 用 サ ー ビス ロボ ッ ト に関 す る研 究 に従事.(日 本 ロボ ット学 会学生 会 員). 1942年9月4Fl生.1965年 業.同. 年,電. 東 京 電機 大 工 電 子 卒. 気 試 験 所(現. 電 子技 術 総 合研 究所 〉入. 所.1980年 情 報 制 御 研 究 室 長,1988年 自律制 御 シ ス テ ム 研 究 室 長.1974‑1975年 エ ジ ンバ ラ大 学 人 工 知 能 学 科.1990年. 東 京 電機 大 学 工学 部 電 子 工学. 科 教 授.1986,1992年. 計 測 自 動 制 御 学 会 論 文 賞.. 工 学博 士(東 京 工 業大 学).(日. 日本 ロ ボ ッ ト学 会 誌19巻6号. Kakikura). 67. 本 ロボ ッ ト学 会 正 会員). 2001年9月.

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参照

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