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放牧飼養下の乳牛における自給トウモロコシ飼料の給与が

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Academic year: 2021

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北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,2019年27

放牧飼養下の乳牛における自給トウモロコシ飼料の給与が

乳中の揮発性香気成分に及ぼす影響

生物資源科学専攻 家畜生産生物学講座 畜牧体系学 加藤 絵梨子

1.目的

北海道は放牧と飼料用トウモロコシの栽培の両方が可能な地域であり,放牧の補助飼料と して自給トウモロコシ飼料であるコーンサイレージ(CS)やイアコーンサイレージ(ECS)を用 いることができる。牛乳の香りは,約

200

種の揮発性香気成分(VOCs)から形成されており,乳 牛が摂取する飼料によって変化する。放牧によってグリーン香を有する

VOCs

が増えること や,トウモロコシ飼料によって甘い香りを有する

VOCs

が増えることが報告されているが,放 牧とトウモロコシ飼料を組み合わせた場合の影響は明らかとなっていない。そこで本試験で は,放牧飼養下の乳牛に

CS

または

ECS

を給与することが,乳中の

VOCs

に及ぼす影響を明らか にすることを目的とした。

2.方法

【試験

1】ホルスタイン種泌乳牛12

頭を供試牛とし,CS を

15

㎏原物/日給与する

CS

区と

給与しない

non-CS

区に

6

頭ずつ割り当てた。2017 年の

5

月から

6

月にかけてペレニアルラ イグラス主体の草地

4ha

を用い,2ha ずつに分けて昼夜放牧を行った。食草量,乳中揮発性香 気成分

65

種を測定した。 【試験

2】北海道十勝の放牧酪農家2

戸を対象とし,7 月に給与して いる配合飼料の一部を,8-10 月の期間,ECS に置き換えることの影響を検討した。調査期間は

2017

年および

2018

年の

7

月から

10

月であり、調査月に一度,生乳のサンプリングを行い, 試験

1

と同様の乳中揮発性香気成分

65

種を測定した。給与飼料並びに給与量については開 き取り調査を行った。

3.結果と考察

【試験

1】CS

区で食草量が減少した結果,生草中の成分を由来とする

VOCs

のうち,クロロ フィルの分解産物であるネオフィタジエン,アミノ酸から形成されるジメチルスルホン,β カロテンを前駆体とするトルエンが減少した。また,発酵飼料中に多い

2-ブタノンがCS

区 で増加した。トウモロコシ子実に多い不飽和脂肪酸を前駆体とするラクトン類のうち

γ-ド

デセノラクトンと

γ-ドデカラクトンがCS

区で増加した。 【試験

2】ECS

の給与によって

ECS

中に含まれるエタノールが乳中で増加した。また,ラクトン類のうち

γ-ドデセノラクトンと

γ-ドデカラクトンが増加し,γ-テトラデカラクトンとγ-ヘキサデカラクトンに増加する傾

向が見られた。ラクトンの増加は配合飼料を

ECS

に置き換えることで起こったことから,ECS は配合飼料よりもラクトンを増加させやすい飼料であると考えられた。

4.まとめ

本研究から,放牧飼養下の乳牛の補助飼料として

CS

または

ECS

を給与することで,発酵飼 料に特徴的な香気成分が検出されることが明らかとなった。また,甘い香りを有するラクト

ン類は

CS,ECS

いずれの給与によっても増加することが明らかとなり,ECS は特にラクトンを

増加させやすい飼料であることが示唆された。

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