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神経免疫疾患に対する

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Academic year: 2021

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所属:1) 東京医科歯科大学大学院 脳神経病態学分野

-77-

神経免疫疾患に対する

IVIg

に関連した血栓症リスクについての検討

班員 横田隆徳 1)

研究要旨

  経静脈的免疫グロブリン療法

(IVIg)

では、一般的にステロイド治療や血漿浄 化療法と比較し、副作用や合併症は少ないとされるが、肺塞栓症 (PE)、深部静 脈血栓症 (DVT)などの血栓症が生じ得る。

IVIg

に関連して

PE、 DVT

を発症し た自験例の臨床的特徴を解析した。当科にて

IVIg

施行した神経免疫疾患患者

68

例を診療録から抽出し、後方視的に合併症としての血栓症の有無、患者背景、

臨床経過、各種検査所見などを解析した。本研究は東京医科歯科大学医学部倫 理審査委員会の承認を得ている(承認番号:

M2018-308

68

例中

3

例で

DVT

PE

が発症しており、発症頻度は

4.4%

であった。

3

例とも血栓症の既往はなく、

modified Ranking Scale (mRS)

2

点と歩行可能な

ADL

であった。

3

例中

2

例はステロイドを長期に内服していた。血栓症発症群

3

例と非発症群

65

例の患 者プロファイルを比較したが、年齢、性別、mRS、BMIの各項目には

2

群間で 有意差を認めなかった。歩行可能で

ADL

が保たれている症例であっても

IVIg

に関連した血栓症を発症し得る。特に、副腎皮質ステロイドを内服している症 例では血栓症が生じやすい可能性があり、予防的な抗凝固薬の投与も考慮され る。

研究目的

経静脈的免疫グロブリン療法 (IVIg)で は、一般的にステロイド治療や血漿浄化 療法と比較し、副作用や合併症は少ない とされるが、肺塞栓症 (PE)、深部静脈血 栓症 (DVT)などの血栓症が生じ得ること が報告されている。IVIgに関連した血栓 症の発症予測スコアも提唱されているも のの精度は十分といえず、より良質な予 測因子の検索が求められている。我々は

IVIg

に関連して

PE、 DVT

を発症した自 験例の臨床的特徴を解析した。

研究方法

2000

年から

2019

年までに当科にて

IVIg

施行した神経免疫疾患患者

68

例を 診療録から抽出し、後方視的に合併症と しての血栓症の有無、患者背景、臨床経 過、各種検査所見などを解析した。

(倫理面への配慮)

  本研究は診療録を後方視的に検索する ことにより該当する患者を選定し、診療 録に記載された内容から診断名、患者の 年齢や性別、一般身体所見、神経学的所 見、各種臨床検査所見、治療内容、治療

(2)

-78-

反応性や副作用などの臨床経過を調査す る。治療方法の選択に関しては、当該患 者の診療担当者が診療の時点で最善と考 えたものを選択しており、介入は行わな い。研究に関わる生データ類は、被験者 の秘密保護に十分配慮し、研究を行う際 は登録番号を用いて行う。本研究は東京 医科歯科大学医学部倫理審査委員会の承 認を得ている(承認番号:M2018-308)。

研究結果

68

例中

34

例が慢性炎症性脱髄性多発 根 神 経 炎

(CIDP)

16

例 が

Guillain-Barré

症候群 (GBS)、9 例が重 症筋無力症 (MG)、

8

例が炎症性筋疾患で あった。68 例中

3

例 (CIDP、GBS、炎 症性筋疾患、各

1

例)で

DVT、PE

が発症 しており、発症頻度は

4.4%であった。3

例とも血栓症の既往 は なく、modified

Ranking Scale (mRS)

2

点と歩行可能

ADL

であった。

3

例中

2

例はステロイ ドを長期に内服していた。血栓症発症群

3

例と非発症群

65

例の患者プロファイル を比較したが、年齢、性別、mRS、BMI の各項目には

2

群間で有意差を認めなか った。

考察

  本研究の結果より、臥床状態ではない、

歩行可能な症例(mRS 2以下)であって もIVIgに関連した血栓症を発症し得るこ とが示唆された。また、

2

クール目以降の

IVIg

でも血栓症を発症し得ること、IVIg

開始前の

D-dimer

が正常範囲内であって

も、血栓症を発症し得ることに留意すべ きと考えられた。

結論

歩行可能で

ADL

が保たれている症例 であっても

IVIg

に関連した血栓症を発症 し得る。特に、副腎皮質ステロイドを内 服している症例では血栓症が生じやすい 可能性があり、予防的な抗凝固薬の投与 も考慮される。

文献

Cherin P, et al. Management of adverse events in the treatment of patients with immunoglobulin therapy: A review of evidence. Autoimmun Rev.

2016;15:71-81.

Rajabally YA, Kearney DA.

Thromboembolic complications of intravenous immunoglobulin therapy in patients with neuropathy: a two-year study. J Neurol Sci. 2011;308:124-7.

健康危険情報

  副作用報告を行った。

知的財産権の出願・登録状況   特許取得:なし

  実用新案登録:なし  

参照

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