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<論説>アメリカにおけるサーシオレイライ制度の展開と法の支配

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Academic year: 2021

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(1)ア メ リカ にお け るサ ー シオ レ イ ラ イ制 度 の 展 開 と法 の 支配. 重. 村. 博. ア メ リ カ に お け る サ ー シ オ レ イ ラ イ 制 度 の展 開 と 法 の支 配. は じ め に. 美. 合 衆 国 最 高 裁 判 所 は そ の取 扱 量 を 減 少 させ る目 的 で裁 量 上 告 制 度 、 い わ ゆ る サ ー シ オ レイ ラ イ (OΦ村け 同 O﹃鋤円一 ) の制. 度 を 一九 二五 年 の裁 判 所 法 改 正 に よ って導 入 し 、 一九 八 八 年 には 最 高裁 の上 訴管 轄 権 のほ と ん どを サ ー シオ レイ ラ イ に よ るも の と し た。. 現 在 の サ ー シ オ レイ ラ イ発 給 基 準 に つい て規 定 す る最 高 裁 判 所 規 則 十 条 は、 ﹁重 要 な連 邦 問 題 ﹂ であ る か ど うか を. そ の判 断 基 準 とす る。 と は い うも の の、 具 体 的 に何 が ﹁重 要 な 連 邦 問 題 ﹂ か に つい て最 高 裁 自 身 は示 す ことな く 、 そ. の判 断 は裁 判 官 の裁 量 に ゆだ ね ら れ政 治 的 選 択 に よ って行 わ れ る こと も ま れ では な い。 そ の例 と し て、 二〇 〇 〇 年 の. 大 統 領 選 挙 に お け る 一連 の 訴 訟 が 挙 げ ら れ る。 サ ー シ オ レイ ラ イ を 認 め 、 裁 判 所 に よ る 結 論 の み 全 員 一致 ( 娼興. 。霞 冨ヨ) と い う形 で行 わ れ た最 高 裁 の判 断 は、 各 州 が定 め た 大 統 領 選 拳 人 の選 出 方 法 のど の部 分 に ﹁重 要 な連 邦 問. 題 ﹂ が存 在 す る のか が明 確 で は な く、 ブ ッシ ュの当 選 と いう 結 果 を 優 先 し た 政 治的 判 断 であ った と の批 判 が な さ れ て. 一59一.

(2) い る。 そし て、 こ のよ う な 一連 の最 高 裁 の行 動 は、 アメ リ カ の統 治 制 度 にと って欠 く こと の でき な い ﹁法 の支 配 ﹂ と 矛 盾 す る の では な いか と いわ れ て いる。. そ こ で本 論 文 は、 サ ー シオ レイ ライ 制度 によ っても た ら さ れ た最 高 裁 判 所 裁 判 官 の裁 量 と 法 の支 配 と の関 係 に つい. て明 ら か にし 、 そ のな か で ア メ リカ の統 治 制度 にお け る最 高 裁 判 所 の役 割 に つい ても 検 討 を く わ え る。. ま ず 一章 では 、 最 高 裁 の上 訴 管 轄 権 の歴史 的変 遷 に つい て、 そ のな か でサ ー シオ レイ ラ イが ど のよ う に創 設 さ れ 、. 拡 大 し て い った か に つい て示 し 、 第 二章 では、 サ ー シオ レイ ライ発 給 の許 可 ・不 許 可 の基 準 に つい て ア メリ カ にお け. る諸 研 究 を も と に、 何 が ﹁重 要 な 連 邦 問 題 ﹂ に該 当 す る のか に つい て検 討 す る。 そ し て第 三 章 で は、 二〇 〇 〇 年 の大. 上 訴管轄 権 の変遷. 統 領 選 挙 に関 す る訴 訟 を と りあ げ 、 サ ー シオ レイ ライ 制 度 と 法 の支 配 と の関 係 に つい て考 察 を す る。. 一章. 合 衆 国 最 高 裁 判 所 の上 訴 管 轄 権 の範 囲 は、 合 衆 国 意 法 三 条 二節 一項 に明 記 さ れ てお り そ れ 以外 に は及 ば な い。 さ ら. に、 同条 二項 では、 連 邦 議 会 に 合 衆国 最高 裁 の行 使 し う る上 訴 管 轄 権 に つい て法 律 を 制定 す る権 限 を与 え た。 マー ベ. (合 衆 国憲 法 三条 二節 二. リ ー対 マデ ィ ソ ン事 件 判 決 で最高 裁 が 示 し た よ う に、 議 会 は最 高 裁 の第 一審 管 轄 権 を 追 加 す る憲 法 上 の根 拠 を 欠 く と. さ れ る 。 し か し 、 最 高 裁 の上 訴 管 轄 権 は、 規 律 と 例 外 を 定 め る重 要 な 議 会 の権 限 に服 す る. 項 )。 そ し て、 最 高 裁 の管 轄 権 を 規 定 す る議 会 の行 為 は、 長 く こ の権 限 の行 使 と し て理 解 さ れ てき た。 て の規 定 のも. と で、 最 高 裁 は 合 衆 国 憲 法 と 連 邦 議 会 が 合 衆 国 最高 裁 の審 理 の対 象 と な ると 判 断 し た事 件 に つい て のみ、 そ の申 請 を. 一60一. 第49巻 第4号 近畿大学 法学.

(3) ア メ リカ にお け るサ ー シ オ レイ ラ イ制 度 の展 開 と法 の 支 配. 受 理 し審 理 す る こと が でき る の であ る 。 簡単 に い え ば、 連 邦 議 会 は 三条 に列 挙 され て いな い事 件 ・争 訟 に対 し 最 高裁. 吻. の管 轄 権 を 拡 張 し た り 、 あ る いは 最 高 裁 の第 一審 管 轄 権 を あ ら た に加 え る こ と は でき な いし 、 ま た最 高 裁 も 議 会 の定. 一九 二五年裁判所法制定以前 ㈲. め た管 轄 権 の範 囲 を 越 え て事 件 ・争 訟 の審 査 を す る こと を要 求 す る こと は でき な い と い う こと であ る。. ω.  ロ. (象 ω鼠 9 00亘暮ω) を 設 立 し た 。 そ し て 、. ( ♂ く同頃 け O{ Φ村村O↓) に 基 づ い て 行 い 、 そ の 量 を 一定 量 に 制 限 す る こ と の で き る. ( O幽 村〇一 ﹄凶 け OO一 ﹂↓一ω) と 連 邦 地 方 裁 判 所.  . 合 衆 国 憲 法 の批 准 後 、 初 あ て開 か れ た 一七 八 九 年 の連 邦 議 会 は、 裁 判 所法 を制 定 し、 合 衆 国 最 高 裁 判 所 と そ の他 の 連 邦 裁 判 所 であ る 連 邦 巡 回 区 裁 判 所. ㈲. 最 高 裁 に対 す る上 訴 の審 査 を 誤 審 令 状. 裁 量 的 権 限 を 始 め て与 え たと され る。 誤 審 令 状 は以 下 の三 つの場 合 に発 給 さ れ る と し た 。 ま ず、 州 裁 判 所 が連 邦 法 、. 条 約 、 連 邦 の判 例 を 無 効 と し た場 合 。 第 二 に、 連 邦 憲 法 、 連 邦 法 、 条 約 を 根 拠 と し た 申 立 てを 州 の裁 判 所 が斥 け、 州. ㎝. 法 あ る いは 州 の判 例 を有 効 と確 認 し た場 合 。 第 三 に、 連 邦 憲 法 、 連 邦 法 、 条 約 の規 定 の解 釈 が 争 わ れ、 そ れ ら に基 づ. ㈲. く 権 限 、 権 利、 特 権 ま た は免 責 が否 定 さ れ た場 合 であ る。 最 高 裁 は、 連 邦 の立 場 を 否 定 す るよ う な 判 断 が な さ れ た場. 合 のみ 判 断 す る こと で、 州 の立 場 を 擁 護 す る立 場 を と った。 そし て、 一八 〇 二年 に は、 意 見 確 認 (O①村け同 h 幽 09けΦ) の手. 働. 続 き が 導 入 さ れ 、 連邦 巡 回 区裁 判 所 のな か で裁 判 官 の意 見 が わ か れ 判 決 が でき な いと き には 、 審 理 を 一時中 断 し て最 高 裁 の判 断 を 仰 ぐ と いう方 法 が行 わ れ る よ う にな った。. の. む. 南 北 戦 争 以 後 、 経 済 、 社 会 の発 展 に伴 って最高 裁 は、 自 然 人 を 対 象 と し た判 決 だ け でな く 法 人 によ って提 起 さ れ た. 多 く の事 件 に つい ても 判 決 を 求 め ら れ た た め 、 裁 判 の遅 延 も 生 じ た。 そ こ で、 議 会 は 一八 九 一年 、 エバ ー ツ法 を 制 定. 一61一.

(4) し 、 連 邦 の中 間裁 判 所 と な る連 邦 巡 回 控 訴 裁 判 所 (oμ 容三 け。o彗 房 o署 ①巴ω) を 創 設 す る こと で、 最 高 裁 への負 担 を. 減 少 さ せ よ う と し た。 そ の結 果 、 連 邦 地 方 裁 判 所 か ら 連 邦 巡 回 控 訴 裁 判 所 へ控 訴 し 、 そ こか ら 最高 裁 に対 し てサ ー シ. オ レイ ライ の請 求 を行 う方 法 が行 わ れ る よ う にな り 、 最 高 裁 の サ ー シオ レイ ライ 管轄 権 が 具体 化 す る こと と な った。. そ し て、 サ ー シオ レイ ライ の発給 は、 ﹁深 刻 か つ 一般 的 重 要性 を も つ事 件 の場 合 、 あ る いは、 二 つ以上 の連 邦 裁 判 所. 間、 あ る いは連 邦 裁 判所 と州 裁 判 所 聞 の判 決 の整 合 性 を 確 保 す る の に必 要 な 場 合 ﹂ のみ 、 特 に、 連 邦 に 重要 な あ る い. 働. は 他 の裁 判 所 では解 決 し が た い争 いを 解 決 す る に必 要 と い った ﹁いく つか の特 別 な 状 況 ﹂ の存 在 が 必 要 だ と、 最高 裁. は繰 り 返 し 述 べ て い る。 し か し、 連 邦 巡 回 区 裁 判 所 と 連 邦 地 方 裁 判 所 か ら 合 衆 国 最 高 裁 への直 接 の上 訴、 誤審 令状 の. ㈹. 対 象 と し てす で に合 衆 国 最 高 裁 の上 訴裁 判 管 轄 権 の対 象 にな って いた 死 刑 の ほか に、 ハレ ンチ 罪 に対 す る 判決 な ど権. 利 上 訴 と し て認 め ら れ る範 囲 が 広 が ってい った ため に、 サ ー シ オ レイ ライ は 例 外 的 な も のと し て扱 わ れ た 。. ま た 、 一九 〇 三 年 の裁 判 促 進 法 ( 国図娼①α凶 口H戸 o q 諺Oけ ) は、 ω 特 定 の連 邦 法 の実 施 の場 合 、 ② 一定 の連 邦 行 政 命 令 の. 任の. 審 査 の場 合 、 ㈹ 違 憲 だ と 主 張 し て い る州法 と連 邦 法 の実 施 を 阻 止 す るた め 、 差 止 命 令 によ る救 済 を 求 め て いる 場 合 に. は、 三 人 制 裁 判 所 で裁 判 を 行 い、-こ の裁 判所 で行 わ れ た判 断 に つい て は最 高 裁 の義 務 的 管 轄 権 と し た 。 そ し て州 際 通. 商 法 、 公 民 権 法 な ど 三人 制 裁 判 所 で行 う 判 断 対 象 の拡 大 は、 そ の後 の 最 高 裁 にお け る 訴 訟 の増 加 の原 因 と な ってし 05 ま った。. ㈲. さ ら に、 これ ま で最 高 裁 は、 州 裁 判 所 が連 邦 法 上 の請 求 あ る いほ 抗 弁 (αΦけロ8 ) を 否 定 し た 最 終 的 判 断 に つい て. は審 査 を す る義 務 が あ る が、 連 邦 法 、 条 約 を 支 持 し た 州 裁 判 所 判 決 に つい ては 審 査 す る権 限 が な か った 。 そ こ で、. ニ ュー ヨー ク州 議 会 が 制 定 し た 労 働 者 補 償 法 が 合衆 国 憲 法 と州 憲 法 のも と で保 護 され て い る契 約 の自 由 と 財 産 を 奪 う. 一62一. 第49巻第4号 近畿大学法学.

(5) ア メ リカ にお け るサ ー シ オ レイ ラ イ制 度 の展 開 と法 の 支 配. ㈲. と し て判 断 を 求 め た 一九 = 年 の Hく①ωタ ω〇二芸 Od二浦巴o 幻巴一 ≦錯 事 件 を 契 機 と し て、 一九 一四 年 法 が 制 定 さ れ、. ω 条 約、 連 邦 法 、 合 衆 国 の下 に行 使 さ れ る権 限 の有 効 性 を支 持 し た州 の判 決 、 ω 合 衆 国 憲 法 、 条 約 、 連 邦 法 に反 す る. ㈱. と主 張 さ れ た州 法 ま た は州 の権 限 の有 効 性 を 否 定 し た こと に な る か も し れな い州 判 決 、 ㈲ 合 衆 国 憲 法 、 連 邦 法 、 権 限. ㎝. に基 づ い て主 張 され て い る権 限 、 権 利 、 免 責 を 支 持 し た 判決 、 に つい ては連 邦 最 高 裁 が 審 査 でき る こと にし た 。 し か. し、 州 裁 判 所 判 決 に対 す る連 邦 最 高 裁 の審 査 権 の範 囲 を拡 大 す る こ の規 定 に よ って、 最 高 裁 の取 扱 量 は 二倍 と な った 。. そ こ で、 新 た に 一九 = ハ年 法 は、 州 裁 判 所 事 件 に関 し て の義 務 的 管 轄 権 を 縮 小 し 、 サ ー シ オ レイ ラ イを 拡 張 す る こ. と に し た。 まず 、 巡 回控 訴 裁 判 所 か ら の権 利 上 告 は、 州 裁 判所 が連 邦 法 、 条 約 、 連 邦 の権 限 を 無 効 と し た 場 合 、 あ る. ⑳. いは合 衆 国 の憲 法 あ る い は法 律 に違 背 し て い ると の主 張 にも か か わ ら ず、 州裁 判 所 が州 法 あ る い は州 の権 限 を 支 持 し. た場 合 に のみ 認 め ら れ る。 そ し て、 連 邦 問 題 に関 す る そ の ほか のす べ て の問題 は、 サ ー シオ レイ ライ の対 象 と な った。. ⑳. ま た 、 破産 法 、 鉄 道 雇 用者 安 全 法 、 連 邦 不 法 行 為 法 の下 で提 起 さ れ た 事 件 に対 し て最高 裁 の義 務 的 管 轄 権 を 削 除 し 、. 巡 回 裁 判 所 への上 訴 を義 務 づ け る こと に そ れ らを 全 て に よ って サ ー シオ レイ ライ に移 行 し た。. し か し 、 第 一次 大 戦 以 降、 急 激 に様 相 が変 わ った連 邦 の司 法 業 務 の変 化 によ って、 最高 裁 の取 り扱 い件 数 は増 加 し. た 。 ま た 、 三 人 制 裁 判 所 か ら の権 利 上 訴 に つい ても 同 様 の状 況 が みら れ た が 、 と り わ け大 戦 終 了後 、 連 邦 政 府 と取 り. 交 わ さ れ て いた 戦 時 契 約 が 広 範 囲 に取 り 消 さ れ、 ま た戦 時 契 約 に つい て の新 し い禁 止法 が制 定 さ れ る と、 連 邦 裁 判 所. に は多 く の訴 訟 が 提 起 さ れ た 。 そ のた め 一九 二 〇年 に は、 最 高 裁 で の残 務 状 況 が 危機 的状 態 にな ってし ま った と いわ れ る。. そ こ で、 主 席 裁 判 官 タ フト のも と で、 最 高 裁 の管 轄 権 を 見 直 す たあ の裁 判 所 審 議 会 が 設 置 さ れ 、 そ の メ ン バ ー にデ. 一63一.

(6) ㈱. ⑳. イ 、 ヴ ァンデ ヴ ァンタ ー、 マ ック レイ ノ ルズ ら の最 高 裁 裁 判 官 が 任 命 され た 。 こ の審 議 会 では、 最高 裁 の管 轄 権 を 連. 邦 問 題 に制 限 す る こと や、 最高 裁 の判 事 の数 を増 員 す る こと な ど も 審 議 させ た が 、 そ の目 的 と す る と ころ は、 憲 法 上. の事 柄 のほ か 全 て の事 柄 のみ な ら ず他 のす べ て の、 最 高 裁 の義 務 的 管 轄 権 を 減 ら し 、 そ の代 わ り に裁 量的 管 轄 権 を拡. ㈱. 大 す る こと で最 高 裁 の負 担 を 軽 減 す る こと に あ った。 そ し てハ 裁 判 官 たち は、 ア メ リ カ法 曹 協 会 (A B A) の強 力 な. 支 援 を 受 け 、 法 案 の起 草 だ け にと ど ま ら ず さ ま ざ ま な方 法 で議 会 に圧 力 を か け 、 そ の目 的 を 達 し よ う と し た 。 そ し て、. 彼 ら は最 高 裁 にお け る取 扱 件 数 を 減少 さ せ る方 法 と し て、 議 会 の制 定 す る裁 判 所 法 に依 存 す る の では な く、 最高 裁 自. 一九 二五 年 の裁 判 所 法 改 正. 身 の裁 量 でも ってお こな お う と し た の であ る 。 ・. ②. 一九 二五 年 法 は、 合 衆 国 最 高 裁 判 所 が 審 査 す る 必要 が あ る と判 断 し た事 件 に つい て の み審 査 す る こと が でき るよ う. に、 サ ー シ オ レイ ラ イ管 轄 権 を 拡 大 し 、 義 務 的 管 轄 権 を縮 小 し た 。 具体 的 に は、 義 務 的 管 轄 権 の範 囲 を 、 ω 州 の裁 判. (♂ く目幽 けOhΦ目同O村 ) によ る方 法 と 、 ② 連 邦 巡 回 区 控 訴 裁 判 所 が. 所 の最 終 的 判 断 が 合 衆 国 の条 約 、 法 律 を 無 効 と し た 場 合 、 合 衆 国憲 法 、 条 約 、 連 邦 法 と の抵 触 を 理 由 と し て州 法 の有 効 性 が問 題 と され 、 有 効 と 判 断 さ れ た 場 合 の誤審 令状. (曽署 Φ巴) に よ る方 法 の 二 つに限 定 し 、 そ の ほか の最 高 裁 に提 起 さ れ る多 く の事 件 の受 理 は、 サ ー シ オ レイ ライ. 合 衆 国 憲 法 、 条 約 、 連 邦 法 と の抵 触 を 理 由 と し て州 法 を 無 効 と し た 場 合 の、 州法 の有 効 性 を 主 張 す る当 事 者 か ら の上 訴. 発 給 の申 立 て の方 法 に よ ると 規 定 し た。 こ の規 定 によ り 、 一九 二 五 年 以 前 は、 サ ー シ オ レイ ラ イと 義 務 的 管 轄 権 の割 合 は お お よ そ 一対 四 であ ったも の が、 一九 二五 年 以 降 は そ の道 と な った と いわ れ てい る。. 一64一. 第49巻第4号 近畿大学法学. '.

(7) ア メ リカ に お け る サ ー シ オ レイ ラ イ制 度 の展 開 と法 の 支 配. こ の 一九 二 五年 法 は、 二 つの目 的 を も って制 定 さ れ た 。 目 的 の 一つは、 最高 裁 に裁 量 と い う武 器 を 与 え る こと で急. 激 に増 え続 け てい る上 訴 を コ ント ロー ルす る こと であ り 、 も う 一つは、 連 邦 制 を維 持 す る の に十 分 な 義 務 的 管 轄 権 を. 保 有 す る こと であ った 。 た と え ば 、 州 裁 判 所 が 連 邦 法 を 無 効 と し 、 州裁 判 所 が連 邦 法 を無 視 し、 州 法 を 維 持 し よう と し た場 合 、 あ る い は連 邦 控 訴 裁 判 所 が 州 法 を 無 効 にし た 場 合 であ る 。. 第 一の目 的 は、 サ ー シオ レ イ ラ イ 管 轄 権 を 拡 張 し た こと で、 最 高 裁 が 本 案 で審 理 す る量 と中 身 に つい て の コン ト. ロー ルを 行 う こと を 可 能 と し た た め に達 成 さ れ た と いえ る。 ま た 、 完 全 な 審 査 を し な け れ ば な ら な か った事 件 のう ち 、. 最高 裁 が義 務 と し て取 り扱 わな け れ ば な ら な か った も のを 減 ら し た た め に、 一開 廷 期 に受 け取 る事 件 の数 が お お よ そ. 一五 〇件 ぐ ら いに減 少 し た と い わ れ てい る。 し か し 、 多 く の裁 判 官 は 、 増 え 続 け る 事 件 の処 理 のた あ に ロー ・ク ラ ー. ㊨9. ク の支 援 に大 き く依 存 す る こと とな り、 サ ー シ オ レイ ライ の発 給 の要 件 であ る 事 件 の重 要 性 を 評価 す る う え で ロー ・. ク ラ ーク の作 成 し た事 件 概 要 が重 要 視 さ れ る ことと な った 。 第 二 の目 的 も 、 連 邦 と 州 と の間 の衝突 を 回避 し、 連 邦 を. 維 持 ・発 展 さ せ る た め に必 要 だ と考 え ら れ る事 項 に つい て、 これ ま で同 様 、 三 人 制 裁 判 所 と 他 の連 邦裁 判 所 判 決 を直 接 に審 査 す る義 務的 管 轄 権 を維 持 し続 け た た め達 成 され た。. 一九 二 五 年 法 は 、 サ ー シ オ レイ ラ イ と いう 柔 軟 な 手 続 き を 保 障 す る こと に よ って最 高 裁 に そ の取 扱 件 数 を コン ト. ロー ルす る こと を 可能 にし た 一方 で、 憲 法 上 そ し て法 律 上 の問 題 で の連 邦 優 先 権 を 確 立 し 、 連 邦 問 題 に関 わ る事 柄 を. 義 務 的 管 轄 権 に属 す ると し た 。 つま り、 三人 制 裁 判 所 や連 邦 地 方 裁 判 所 か ら 提 起 さ れ る事 件 に対 す る 義 務 的 管 轄権 に. つい て の規 定 は残 さ れ た ま ま であ った た あ に、 例 えば 、 一九 七 一年 の開 廷 期 に は三 人 制 裁 判 所 か ら の直 接 上 訴 は 最高. 裁 全 体 の上 訴 件 数 の ニ パ ー セ ン ト にす ぎ な いが、 最 高 裁 が審 理 し た件 数 の割 合 でみ ると 二 ニ パ ー セ ント にも 達 し て い. 一65一.

(8) た。 と は いえ 、 最 高 裁 で行 わ れ た審 査 の多 く は義 務 的 管 轄 権 に属 す るも の であ って、 も し サ ー シ オ レイ ライ によ る審. 査 であ った な ら ば 、 最 高 裁 によ って審 理 さ れ る か ど う か わ か らな か った事 件 も 含 ま れ て いた 。 そ こ で、 最 高 裁 は 、 イ. ㈲. ㈱. ンジ ャ ンク シ ョ ンに関 わ る事 件 に つい ては 、 三人 制 裁 判 所 か ら の上 訴 を 認 め ず 、 サ ー シ オ レ イ ライ によ るも のと し た 。. た と え ば 、 一九 七 四 年 には 、 一九 〇 三 年 に制 定 さ れ た裁 判 促 進 法 の規 定 、 あ る い は、 緊 急 補 充 支 出 法 の規 定 な ど 、 こ. ⑳. ⑱. れ ま で義 務 的 管 轄 権 に属 し て い て、 最 高 裁 が 必 ず審 査 し な け れば な らな い と定 め て い た規 定 の多 く は削 除 さ れ 、 結 果. 一九 八 八年 法 の制 定. と し て、 議 員 定 数 再 配 分 の事 件 お よ び 投 票 あ る いは公 民権 を争 う事 件 の み とな った。. ㈲. 一九 八 八 年 の裁 判 所 法 が 制 定 され る以 前 の最 高 裁 の義 務 的 管 轄 権 の規 定 は 以下 の よ うな も の であ った 。 ω 連 邦 裁 判. 所 が連 邦 法 を 違 憲 であ ると 判 断 し た場 合 、 ② 連 邦 控 訴裁 判所 が 州法 を合 衆 国 憲 法 に抵 触 す る と判 断 し た場 合 、 ㈹ 州 の. 最 終 裁 判 所 に お い て① 条 約 、 連 邦 法 の有 効 性 が 争 点 と な り、 そ の有 効 性 が否 定 さ れ た場 合 、 ② 州 の制 定 法 が 、 合 衆 国. 憲 法 、 条 約 、 連 邦 法 に抵 触 す る と い う理 由 で争 点 と な り 、 そ の有 効 性 が否 定 さ れ た場 合 は、 上 訴 の方 法 に よ ると 規 定 ⑳ し てい た。. し か し、 これ ま で の度 重 な る改 正 にも か か わ ら ず 、 依 然 と し て審 理 の遅 延 は起 こり続 け た。 そ こ で、 州 裁 判 所 と 連. ω. 邦 裁 判 所 か ら のす ぺ て の権 利 上 訴 の排 除 を 目 的 と し た 一九 八 八 年 の裁 判 所法 を制 定 し た。 具体 的 に は、 こ れ ま で であ. ω. れば最高裁 に直接上訴 でき ていた事柄 であ るが、ω連邦 の裁判所が連邦法を違憲 とする判断 をした場合♪②州法 が連. 邦 憲 法 に違 背 す る と連 邦 控 訴 裁 判 所 が判 断 し た場 合 も サ ー シオ レイ ライ の対 象 と な る こと。 ㈹州 最高 裁 判 所 が連 邦 法 、. 一66一. 第49巻第4号 近畿大学法学.

(9) ア メ リカ に お け る サ ー シオ レイ ライ制 度 の展 開 と法 の支 配. 条約 を無 効 と し た 場 合 には 、 当 事 者 は ま ず連 邦 控 訴 裁 判 所 に控 訴 を し 、 そ こか ら 最 高 裁 に サ ー シオ レイ ライ を申 請 す る こと と な った 。. 一九 八 八 年 法 は 、 権 利 上 訴 か ら サ ー シオ レイ ライ への移 行 、 す な わ ち 義 務 的 上 訴 管 轄 権 か ら 裁 量 的管 轄 権 への大 き. な 変 化 を 成 し 遂 げ た 。 そ し て こ の変 化 によ って いく つか の メ リ ット がう ま れ た。 ま ず 、 これ ま では 権 利 上 訴 によ って. 最 高 裁 に送 ら れ て いた 事 件 の多 く に つい ては、 公的 重要 性 あ る い は政 府 の利 益 な ど に関 わ る問 題 を わ ず か でも 含 ん で. お れ ば 、 最 高 裁 と し ては 審 査 し な け れ ば な ら ず、 そ の審 理 に多 く の時 間 を 裂 か な け れ ば な ら な か った 。 一九 八 八 年法. は それ ら の事 件 を サ ー シオ レイ ライ の対 象 と す る こと で、 最 高 裁 の負 担 を 減 少 させ る こと と な った 。 第 二 に、 上 訴 の. 略式判断 ( ω亘ヨヨ o越 o署 ①巴 巳ω娼oω帥 江o昌) の先 例 的 効 果 の問 題 を 解 決 し た こと であ った。 これ ま で義 務 的 管轄 権 に. ㈲. よ って最 高 裁 が 判 断 し た 事 件 のう ち 、 あ ま り 重 要 でな い事 件 は成 文 で の意 見 を 付 さず 、 た だ 略 式 で処 理 を し て いた 。. ま た 、 最 高 裁 は、 出凶 鼻 ω <°≦ δ づα① 事 件 判 決 によ って、 略 式 処 理 に よ る判 断 に つい ても 先 例 的 効 果 を 認 あ 、 州 裁. 判 所 と 連 邦 裁 判 所 を 拘 束 す ると し て いた 。 し か し 、 こ の最 高 裁 の略 式 処 理 に よ る判 断 は、 最 高 裁 の明 確 な 意 向 を 示 し. 働. たも のと は いえ な か った た め に、 州 裁 判 所 と 連 邦 裁 判所 に と っては わ か りず ら い指 針 でし か な か った 。 そ こ で義 務 的. 管 轄 権 を 廃 止 す れ ば 、 これ ら 略 式 で の処 理 が な く な り 問題 が解 決 す る と考 え た の であ る。 実 際 、 こ の義 務 的 管 轄 権 の. 廃 止 の効 果 は、 政 府 権 限 の領 域 にお け る最 高 裁 係 属 件数 が、 一九 八八 年 以前 (一九 八 三 年 か ら 一九 八 五 年 ま で) と 以. ω 合 衆 国 憲 法 、 条 約 、 連 邦 法 と 州法 の抵 触 が問 題 とな った事 例 で、 州 裁 判 所 が 州 法 を 支 持. 後 (一九 九 三 年 か ら 一九 九 五 年 ま で) を 比 べ ると 半 数 近 く に減 少 し てい る こ と に現 れ て い ると の指 摘 も あ る。 政 府 権 限 に属 す る領 域 と し て は. し た事 例 、 ω 連 邦 裁 判 所 が 民 事 事 件 にお い て連 邦 法 を 違 憲 と判 断 し た事 例 、 ㈹ 連 邦 控 訴 裁 判 所 が 州 法 を 違 憲 と 判 断 し. 一67一.

(10) ㈲. た 事 例 であ る。. 一九 八 八年 法 の規 定 が示 し てい る よ う に、 最 高 裁 は、 十 分 に重 要 な 憲 法 上 の問 題 が あ る か 、 あ る いは控 訴 裁 判 所 の. 判決 が疑 わ し いも の であ る場 合 、 サ ー シオ レイ ラ イを 発 給 す る権 限 を も つよ う にな った 。 し か し 、 連 邦控 訴裁 判所 か. ら 最高 裁 に対 し て意 見 を求 め る意 見 確 認 の規 定 は削 除 され な か った。 と は いう も の の、 実 質 的 に上 訴 の代 わ り と な る. ⑳. ( Φ答 雷 oa ヨ 四蔓. ≦葺 ) (ヨ 導 αo日 島 ℃げ゜・げ窪 ω 8 弓 自ω. 意 見確 認 に つい ては、 一九 四 八年 か ら 一九 八 五 年 ま での間 に た った 四件 し か 最 高 裁 に提 起 さ れ ず 、 事 実 上 空 文 化 し た ㈲. も の と し て 扱 わ れ て い る と い わ れ て い る。 ま た、 特 別 令 状. な ど の令 状 を さ す ) に関 わ る 規 定 も これ ま でと同 様 に扱 わ れ た。 そ のな か でも 特 に人 身 保 護 令 状 に基 づ く 請 求 に つい. ㈹. て、 被 告 人 が 州 法 違 反 で起 訴 さ れ た にも か か わ ら ず、 連 邦 憲 法 違 反 を 理由 に直 接 連 邦 裁 判 所 に救 済 を 求 あ て行 った た. あ に、 連 邦 裁 判 所 に過 度 の負 担 が か か って いた。 こ の点 に つき、 一九 九 六 年 の ﹁反 テ ロリズ ム ・効 果 的 死 刑 法 ﹂ の可. ㈹. 決 に際 し 、 連 邦 議 会 が 人 身 保 護 令 状 の限 界 を 定 あ て いる こと が注 目 さ れ る。 こ の法 の目 的 は、 人 身 保 護 令 状 の濫 用 を. 抑 制 し 、 死 刑 が 科 され る事 件 にお け る不 必 要 な 訴 訟 の遅 延 と濫 用 と いう現 実 的 問 題 を 処 理 す る こと であ った 。 こ の法. は、 ω 連 邦 裁 判 所 が 繰 り返 し 人 身 保 護 法 の適 用 に つい て判 断 す る こと を禁 止 す る た め、 法 律 で新 し い基 準 を 設 け る こ. と、 ② 連 邦 巡 回 控 訴 裁 判 所 に そ の基 準 に適 合 し な い上 訴 を え り わ け る 門 番 と し て の権 限 を 付 与 す る こと 、 ㈹ 繰 り 返 し. 伍o. て人 身 保 護 の申 し立 てを 巡 回 控 訴 裁 判 所 が拒 否 し た こと に対 し て サ ー シオ レイ ライ あ る い は上 訴 の いず れ に よ ろう と 最高 裁 が審 査 す る こ とを 禁 じ て い る こ と と規 定 し た。. 以上 のよ う に、 最 高 裁 の上 訴 管 轄 権 に つい て は、 一九 二五 年 度 の義 務 的 管 轄 権 の縮 小 と サ ー シオ レイ ラ イ制 度 の導. 入、 そ れ か ら 一九 八 八年 法 の義 務 的 管 轄 権 の実 質 的 廃 止 にと も な う サ ー シオ レイ ライ の導 入 と いう大 き な変 化 があ っ. 一68一. 第49巻第4号 近畿 大学 法学.

(11) ア メ リカ に お け る サ ー シ オ レイ ライ制 度 の展 開 と法 の支 配. た。 サ ー シオ レイ ライ の導 入 の目 的 であ る最 高 裁 の負 担 の減 少 と いう 点 か ら す る と、 一九 二 五年 法 で は、 少 し の間 だ. け では あ る が実 質 的 な 減 少 が 見 ら れ た も の の、 一九 八 八 年 法 改 正 では 、当 初 義 務的 管 轄 権 と し て扱 わ れ て い たも のが. 単 純 に サ ー シオ レイ ラ イ に移 行 し てし ま った た め に、 サ ー シオ レイ ライ 請 求 の件数 は む し ろ増 加 し てし ま った。 ま た. 次 章 で検 討 を 行 う よう に、 サ ー シ オ レイ ライ の発 給 基 準 が あ いま い であ った た あ に、 い ず れ に お い ても サ ー シ オ レイ. ライ の申 立 てと し て提 起 され る こと と な ってし ま った 。 し か し 、 これ ら の変 化 によ って、 最高 裁 は そ の取 扱 量 の コ ン. ト ロー ルを 成 し遂 げ ただ け でな く 、 憲 法 上 、 法 律 上 の問 題 の解 決 に つい て優 先 的 選択 権 を も つよ う に な って い ったと. ( } (凶 昌oqω 切Φ⇔O げ) の法 律 に関 す る 問 題 に つい て の. み 下 級 裁 判 所 判 決 を 王 座 裁 判 所 に 審査 さ せ る こと を許 し て い た。 こ の王 座 裁 判 所 は、 事 実 審 手 続 き にお け る 問 違 い の存 在 を 認. こ の誤 審 令 状 は も と も と イ ギ リ ス の コ モ ン ロー法 制 に由 来 し、 王 座 裁 判 所. 訟 内 容 は そ れ ぞ れ に異 な ってい た 。 田 中 ・前掲 書 、 一七 〇 頁 。. 全 国 を 一三 の地 区 に分 割 し てそ れ ぞ れ に 一 つの裁 判 所 を 設 立 し た。 いず れ の裁 判 所 も 第 一審 管 轄 権 を も って いた が 、 そ の訴. 田 中 英 夫 ﹁ア メリ カ 法 の歴史 上 ﹂ 一七 〇 頁∼ 一七 一頁 ( 東 京 大 学 出 版 会 、 一九 六 八 年 )。. 二 人 の最 高 裁 判 所 裁 判 官 と 一人 の地 方 裁判 所裁 判 官 と に よ って構 成 され て いた が 、 年 に二 回 、 さ ま ぎ ま な場 所 で聞 か れ た。. ⇒9 9 ωΦや 鍾 弘 刈゜。ρ O漸 Nρ 一ωけ 舞 鐸. 炉 幻Φ <°δ お ( 鱒08 )°. 臣 毫9a 鋭 出錠 言 ①詳 Og のけ 同 g 言 αq OΦ三 〇村巴 一ωo日① 切① h ぽ ¢8 ωωΦく魯 ξ 1霊 ︿⑦鴫① 舘 ω﹀ぽ ユ ご①言 £ ①ω、切葺 さ OOoド. 竃碧 9 塁 タ 竃 oaω8 ㎝9 φ (一9 き 9 ) 一 ゜。刈(一c。O°。)°. ︿ 注﹀. 50 さ れ て いる。. ω ② ㈹ ω ㈲ ㈲. め 、 あ る い は否 定 す ると いう 役 割 を し て いた 。冒 ゴロζ゜ω首 需 o炉 ↓ξ 巴 昌oqO<①H↓冨 切① ヨ ω"目ゴΦ諺げoま δ昌oh跨 Φ竃 き ユ舞 oq >℃9 一 一 讐 ①冒 ユ゜。a9一 8 9 ωβ肩 Φヨ ①Oo毎 f ①出Φω¢口o qω08 鴇 じρ ωO鱒(一〇 刈c◎)°. 一69一.

(12) 轟 ゆ 鶴 卜5「 ⊥1}誌麺 鰹 理 」Ptス=-s・R煙[19肩. EActofSep.24,1789,Ch.25,Stat.85. § §Actof1802,Ch.6,2Stat159-61. 園 罧 足 楚11110註Q⊥1}誌. く ○ 塒2楚111011辻e・rty"nllく. →く○ 塒e認. く ○ せ'1く. §1く. Hartnett,supranote2,at1650. §ActofMar.3,1891,26Stat.829.. ○-1]11畷. トq赴'1く. ゜. くK1汁. ・1臣囎 想 §1斗. コ}皿1°. せQ・o魯. ゜. 飼 砲 鯉 蟻 」b. 餐・ 灸9蝦. 足 楚 ヨく11HくせQ・o魯11. 講 昇{Pii]Q熱. 巨【 園1w.",一)灸 扉 塩 砲 にoP二. 思 〇 ニ トノe扉 猿蚕如2/1く4コ01汁. 息 楚1111網1く. 辻 蝋Q・c、 魯 畷{哩 轍 楚 網1輩. ゆ. §BennettBoskeyandEugeneGressman,TheSupremeCourtBidFarewelltoMandatoryAppeals,121F.RD.83.. ActofFeb.61889,Ch.113,§6,5Stat656,656.轟. (1988). Expeditingactof1903,32Stat.823.. 會)8 曾. l. ㊦d 食ご のd a尊. Oト ー. 製 狛 宴 唄 ゜See,also.,Edward.AHartnett,WhyIstheSupremeCourtofUnitedStatefromPopu・. 田ζ足 較 価 卜Q絹 留 欄 黙 脚 奮彗迷 価 卜Q八」二 心%9曜P薫. BennettBoskeyandEugeneGressman,RecentReformsintheFederalJudicialStructureThree-JudgeDistrict. Hartnett,supranote2,at1657.. 蝦. 超 楚'圃. CourtsandAppellateReview,67F,D.R.137-138(1975). 201U.S.271(1911). ActofDec.23,1914,38Stat.790。. 刃_)ト. Hartnett,supranQte2,at1657.1網1巨[厨. ゆ 蝦 £e籠}恋. larDemocracy?75Tex.L.Rev.907.913-56(1997). §ActofSep.6,1916,36Stat.726.. Court:AStudyintheFederalSystems210(1927).. 魯BenettBoskeyandEugeneGressman,supranote12.at84.Frankfurter&Landis,TheBusinessoftheSupreme. Court.,6HastingsConst.L.Q.310(1978).. §JohnM.Simpson,TurningOvertheReins:TheAbolitionoftheMandatoryAppellateJurisdictionoftheSupreme. 爵Hartnett,supranote2,at1672.. 中 寸甑範 專.

(13) §Id.,at1673.. 1916,18(1916).. 魯Id。at1660.See.eg.,WilliamH.Taft,TheAttacksonthetheCourtsandLegalProcedure,5Ky.L.J.,November. 零∋Hartnett,supranote2,at1660。 §ActofFebruaryl3,1925,§1,§237(a),43Stat.937.See,PaxtonBlair,FederalAppellateProcedureasAffectedby. ActofFeb.13,1925,§1,§240(b)Stat.939.See,Blair,Id.,at400-401.. theActofFebuary13,1925,25Col.L.Rev.394-396(1925).. BennettBoskeyandEugeneGressman,supranote12,at82。 Id.,at89. Id. Id.,at87. Id.See,eg.,BennettBoskeyandEugeneGressman,supranote12,at137-147.PeterLinzer,TheMeaningofCertiora一. δ8 aΩ9 脅σう) A N⑲. 禽)象. ∋ 楚omOSNA」. 簑"Sr〈)}JAJ農1旨te. 豊 6⑫. 畷10匠 購 足 黙 型 狛 罵. 超 蹄 蓮 戸z$kl(く督 堰 足. ︻ト ー. ㊤Ω3 §. ゆ 刃 拍 冨'田IKIs$kJptgt瀬. 1. ri,79Col.L.Rev.1243(1979). 15US.C.§29;49US.C.§45.. BennettBoskeyandEugeneGressman,supranote12,at89.. 28US.C.2321. ActofAug.12,1976,90Stat.1119.. く ○ 針 足 嘉{固 知 虞 唄 畷{曜 鱗 扉}葭 鱗 扉}演 緊 颪 十 く 駅 楚 ア 「亭4PkJ4>tK罵9<<Wa(compellinginterest)」. ActofJune18,1910,36Stat.539. 1網. 躍 農 姻 二)トノニ ゆ 蹄 趣P槍. ゆ 細榊 ・ 翼心 罵 トノニ 唄 ゜JamesLindgrenandWilliamP.Marsha11,TheSupremeCourt's. 製 拍 冥 叙 刈 匝 馳Q誕. 」Q,9;わ 一一・x,kム ヤlr、ヤ 農 権 忙P狛 罵 ゆ 却 鰯 製 や トQ° Q-4PkJ&M6宴ss<<S〈gN±!t∈ 撫2紹 嘉 遡 溜 層 理 騎 蹄 せP槍. 嗜 嵐 蹄 趣P畷i嘔. StNQ)JAJkJ"6Pト 喫 冊 鐘'§ 認価 ゆ蹄 ぜ. ExtraordinaryPowertoGrantCertionariBeforeJudgementintheCourtofAppeals,259.1986S.Ct.Rev.(1986). §28U.S。C.§1291,1254(1),1252. §28U.S.C.§1254(2).. Q 鎚 週認 畷 Q 遡 習 鞭 ヤ 恥 ヤム セ る ー 恥 ゆ 弘簡爬 "簡長 捧 ス.

(14) ㈱. ㈲. ω. ㈲. 吻. レ ー ンキ ス ト裁 判 官 は 、 連 邦 裁 判 所 に過 度 の負 担 が か か って い る と し て、 連 邦 裁 判 所 の裁 判 管 轄 を カ ットす る よ う 提 案 を. ゆ魯 コ①# 切o舞 亀 き O 国仁o qΦ器. ωΦρ 沁oげ①コ い゜ω富 3 ①け巴 3ωロ肩 Φヨ ΦOoq二 淳 8 賦8 濫 O (刈昏 Φq°一㊤りω)°. 諺 村§ 霞. ω①ρ 巴ωP 切魯 器 偉 切oω屏昌 鋤づα 国ロoq①器. おb 。d° ω゜ωQ。鱒 (6 翻 )°. 鱒c。dφ ρ ゆ 這 雪 ゜. 諺 づ葺 ①旨 oユωヨ ⑳口α 田 hΦo江くΦ ∪8 昏 勺窪 巴 受 諺 9. 一一〇出弩 く°い゜切Φ<﹄ ト。刈﹄ ト。◎。 (一8 ①)°. 働一8 (σ)(一Y (N)"ゆ 一8 (げ)(ω)(餌)"伽 一8 (げ)(ω)(Φ)°. 行 っ て お り 、 そ の な か で主 に 死 刑 判 決 が だ さ れ た 事 件 に 対 す る 連 邦 人 身 保 護 法 の 改 善 を 挙 げ て い る 。 ≦ ﹄ °幻Φぎ ρ巳 ω計 02 ユ. Oお ωωヨ ①戸 霊 潤 oづ9 Φ 一b。刷象 00°. Uo艮 Φ一〇剛筈 Φ国9 ⇔ρ巳 2 00ξ け"ω゜Oけ カ①<﹂ ㊤㊤①゜讐 お ゜。よ 一〇 (一〇り①)°. Oお ωωヨ 鋤戸 ωβ胃 o コ9 ① 這 '讐 紹 IOω融. 働. P 出Φ=ヨ Φ戸 ↓ゴΦ ωげ≡ 昌屏窪. ㈱. ㈲. 出 碧 言 ①9 ω二胃 o ⇔9 ① b。"碧 嵩 ω窃゜. 冒 鼠ω9 9 δ 戸 胡 鋭 即 箆 匂゜め。憩 (﹀凛 団= ㊤゜。㊤)°. ⑳. サー シオ レイ ライ制度 の問題点. 励. 二章. サ : シオ レイ ライ の制 度 上 の問 題 点 が指 摘 さ れ てい る。 サ ー シ オ レイ ライ は、 一九 二 五 年 の裁 判 所法 の改 正 以来 、. 最高 裁 にお け る事 件 の取 扱 件 数 を減 少 さ せ る目 的 で本 来 設 け ら れ た にも か か わ ら ず 、 最 高 裁 判 所 規 則 の規定 す る サ ー. シオ レイ ライ発 給 の基 準 の ﹁あ いま いさ﹂ が指 摘 さ れ、 基 準 を 明 確 に最 高 裁 が 示 し て こな か った た め に、 む し ろ 最高. 裁 に提起 さ れ る事 件 の数 は増 加 し て いる。 も し、 最 高 裁 判 所 規 則 十 条 が 明 確 に サ ー シオ レイ ライ の許 可基 準 に つい て. 規 定 さ れ て いた な ら ば、 最高 裁 に送 ら れ る件 数 は減 少 す る と い われ て い る。 し か し 、 そ のよ う な 指 摘 にも か か わ ら ず、. 最 高 裁 判 所 自 身 が 発 給基 準 を 明 示 し な か った た あ に、 多 く の研 究 者 が 明 ら か にし よ う と し た 。 本 章 では 、 そ れ ら の諸. 一72一. 第49巻第4号 近畿大学法学.

(15) ア メ リカ にお け るサ ー シ オ レイ ラ イ制 度 の 展 開 と法 の 支 配. 最高裁判所規則. 研究 をも と に、 サ ー シ オ レイ ライ の適 用基 準 に つい て検 討 す る。. ω. 一九 二五 年 裁 判 所 法制 定 の際 、 サ ー シオ レイ ライ の許 可 基 準 に つい て最 高 裁 判 所 規 則 三 五 条 は 次 のよ う に規 定 し て. い る。 ﹁サ ー シオ レイ ライ の令状 に基 づ く審 査 は権 利 の問 題 で はな く司 法 的 裁 量 の問 題 であ る。 そ れ ゆ え、 サ ー シオ. レイ ライ は ﹃特 別 で重 要 な 問題 ﹄ が あ る場 合 に のみ付 与 さ れ る。 具 体 的 に は、 ω 州 裁 判 所 が 、 最 高 裁 によ る 判 断 が 行. わ れ る以 前 に、 連 邦 の実 質 的 問題 に つい て判 断 を下 し た場 合 、 あ る い は、 本 裁 判 所 の適 用 可 能 な 判 例 に合 致 し な い方. 法 で それ ら を 判 断 し た 場 合 、 ② 巡 回 控 訴 裁 判 所 が、 同 じ問 題 に つい て他 の控 訴 裁 判 所 の判 決 に違 背 す る判 決 を し た 場. 合 、 あ る い は、 ② 適 用 可 能 な 他 の地 域 的 判 決 と 食 い違 う方 法 で地 域 法 の重 要 問 題 を 判 断 し た場 合 、 あ る いは 、 ③ 本 裁. 判 所 で解 決 され た こと な く 、 最 近 さ れ る べき では な い重要 な連 邦 問 題 に つい て判 断 を 示 し た場 合 、 あ る い は、 ④ 本 裁. 判 所 の適 用 可 能 な 判 決 に矛 盾 す る形 で連 邦 問 題 に つい て判 断 を示 し た場 合 、 あ る い は、 ⑤ 本 裁 判 所 の監 督 権 の行 使 を. 求 あ る程 度 に確 立 し 、 か つ通 常 求 め ら れ て い る司 法 手続 か ら非 常 に逸脱 し た か、 あ る い は、 下 級 裁 に よ る そ のよ う な 逸 脱 を 認 め た場 合 ﹂ 発 給 の要 件 と し て挙 げ ら れ て いた 。. し か し、 一九 九 五 年 の最高 裁 判 所規 則 十 条 は ﹁や む に や ま れ ぬ (ooヨ弓Φ=貯 σq) 理 由 が あ る場 合 ﹂ に サ ー シ オ レイ. ライ が発 給 さ れ る と規 定 す る。 これ ま では、 ﹁ 特 別 で重 要 な問 題 ﹂ が あ る場 合 に、 サ ー シオ レイ ラ イ が発 給 され ると. し て いた が 、 今 回 の改 正 に よ って ﹁や む に やま れ ぬ 理 由 ﹂ が あ る場 合 に のみ サ ー シオ レイ ラ イ の発 給 され る こと と. な った。 こ の言 葉 の変 化 は、 単 な る スタ イ ル の変 化 のよ う に捉 え ら れ るか も し れ な いが、 そ れを さ ら に詳 し く 説 明 し. ノ. 一73一.

(16) てい る サブ セ ク シ ョン では、 最高 裁 が特 に考 慮 す べき 事 由 と し て ﹁重 要 な 連 邦 問 題 ﹂ と いう 言 葉 が 付 け 加 え ら れ た こ. と に よ って発 給 基 準 は これ ま でよ り も厳 格 にな ってい る と の見 方 があ る。 具 体 的 に は、 ω ﹁重 要 な 事 柄 ﹂ に つい て の. 連 邦 控 訴 裁 判 所 相 互 間 の解 釈 の相 違 、 そ し て連 邦 控 訴 裁 判 所 と州 の最 上 級 裁 判 所 と の解 釈 の相 違 、 二 つ以 上 の州 裁 判. 所 相 互 間 の解 釈 の相 違 が あ る場 合 、 ②未 確定 の ﹁重要 な連 邦 問 題 ﹂ に つい て合 衆 国 最 高 裁 判 所 が 判 断 を す べき 場 合 、. ま た は ﹁重 要 な 連 邦 問 題 ﹂ に つい て これ ま で の最高 裁 の判 例 と 矛盾 す る州 裁 判 所 な いし 連 邦 控 訴 裁 判 所 の判 断 が だ さ. れ た場 合 、 連 邦 の下 級 裁 判 所 が 通 常 の司 法 手 続 き か ら 逸 脱 し た た め に最 高 裁 の権 限 行 使 を 必 要 と す る場 合 、 ⑧ 連 邦 法. 上 の重 要 な 問 題 が最 高 裁 に よ って解 決 され てお ら ず 、 最高 裁 が解 決 す べき問 題 であ る と し た場 合 、 ω 請 求 人 が これ ま. で の最 高 裁 自 体 の関 連 判 決 と の相 違 を 主 張 す る場 合 、 には そ の解 釈 の相 違 は ﹁重要 な連 邦 問 題 ﹂ に該 当 す る。 こ の 一. 九 九 五年 の最 高 裁 判 所 規 則 の改 正 は、 最 高 裁 の サ ー シオ レイ ライ の発給 は厳 格 に行 う と い う慣 行 に し た が ったも の で、. そ れ が最 高 裁 の過去 数 年 間 の取扱 い件 数 の減 少 の ひと つの要 因 では な いか と いわ れ て いる。 し か し、 や は り これ ら の. 基 準 は あ い ま い であ り、 そ れ を適 用す る裁 判 官 の判 断 は それ ぞ れ の意 見 や 個 性 に影響 さ れ やす い。 そ こ で、 多 く の政. 治 学 者 ・実 務 家 た ち が、 過去 の事 例 の検 討 か ら、 そし て、 関 係 者 な ど によ るイ ンタ ビ ューか ら そ れ ら を検 討 し よ う と. サー シ オ レイ ライ基 準 の検 討. 試みた。. ω. ま ず 、 一九 五 五 年 に弁 護 士 と いう実 務家 の立 場 か ら これ ま で の経 験 を も と にど う いう 方 法 で行 え ば サ ー シオ レイ ラ. イが 発 給 さ れ るか の検 討 を も と に、 許 可 ・不許 可 の要 因 に つい て指 摘 し た研 究 が あ る。 それ によ ると 、 ①裁 判 所法 上. 一74一. 第49巻第4号 近畿大学法学.

(17) ア メ リカ に お け る サ ー シオ レイ ライ制 度 の展 開 と法 の支 配. 決 あ ら れ た 形式 を守 ってい るか いな いか と いう 形 式的 要因 によ る も の、 ② 最 終 審 の判 断 が あ るか ど う か 、 あ る い は争. 訟 性 が あ る か な い かと いう 管 轄 的 要 因 によ るも の、 ③憲 法 判 断 以外 で事 件 を 判 断 でき る か ど うか 、 あ る い は現 段 階 で. の判 断 が正 し い かど う か と いう 戦 術 的 要 因 に よ るも の、 ④ 連邦 控 訴裁 判 所 間 で の解 釈 の相 違 があ る か ど うか 、 連 邦 控. ㈹. 訴 裁 判 所 と州 裁 判 所 と の間 に解 釈 の相 違 が あ るか ど う か 、 連 邦 にと って重要 な問 題 があ る か ど う か と い う実 質 的 要 因 に よ る も の、 の四点 か ら検 討 を お こ な って い る。. そ の後 の研究 でも、 サ ー シオ レイ ラ イ の発 給 拒 否 の事 例 か ら 拒 否 のも つ意 味 を探 ろ う と す る も のな ど多 く の研 究 が ㈱ お こな わ れ た 。. そ し て、 バ ート ン最 高 裁 判 所 判 事 が 在 籍 し てい た 一九 四五 年 か ら 一九 五 八 年 開 廷 期 の最 高 裁 に提起 さ れ た そ れ ぞ れ. の事 件 で用 いら れ た 主 席 裁 判 官 の メ モ、 個 人 的 な 記録 、 ロー ・ク ラ ー ク の メ モな ど の膨 大 な 記 録 が 公 開 さ れ る と、 多 く の政 治 学 者 が それ ら の記 録 の検 討 を お こな ってい る。. そ のな か で、 プ ロヴ ィ ンは、 裁 判 官 それ ぞ れ の投 票類 型 に注 目 し て検 討 を し て い る。 それ ら 検 討 か ら 、 サ ー シオ レ. 翻. イ ラ イ の発 給 基 準 の ひと つであ る重 要 性 は、 そ の文 言 の意 味 す る と ころ があ ま り に広 義 であ る たあ に、 基 準 と し て は. ㈹. 不 適 切 であ ると す る。 そ の たあ 、 裁 判 官 が 依 拠 す る基 準 と し ては、 裁 判 官 の司 法 積 極 主 義 、 司 法 の自 己 抑 制 と い った. よ う な役 割 認 識 に基 づ く も の であ ると す る。 し か し 、 最 高 裁 は、 これ ら法 的 役 割 と と も に政 治 的 役 割 も 二元 的 に認 識. 佃. し て いる と い う。 つま り、 最 高 裁 は、 政 治 的 な イ ンパ ク トを 考 慮 す る 事 件 では、 サ ー シオ レイ ラ イを 発 給 す るか ど う. か の判 断 を い と わ な い が、 政 治 的 に危 険 な 事 件 を 回 避 し よ う と す る と き は そ の判 断 を た め ら う は ず と し てい る。. ま た、 プ ロヴ ィ ン同 様 、 政 治 学 者 であ る ペリ ー は、 最 高 裁 の サ ー シオ レイ ライ の決 定 プ ロセ スに関 心 を も ち、 裁 判. 一75一. ノ.

(18) の に. む に. 官 の投 票 パタ ー ンを 一九 七 六年 か ら 一九 八 〇 年 の間 に在 籍 し てい た裁 判 官 や ロー ・ク ラ ー クと のイ ンタ ビ ュー によ っ. て検 討 す る。 ペリ ー の検 討 は プ ロヴ ィ ンよ り も さ ら に強 い ト ー ン で書 か れ て い ると の指 摘 が あ るが 、 ペ リ ーは サ ー シ. オ レイ ライ 決 定 プ ロセ ス に つい て スタ ンダ ード な見 方 を示 し てい ると い え る。 それ によ れ ば 、 サ ー シオ レイ ライ 発 給. ㈹. す るか し な いか に つい て の裁 判 官 の投票 は、 本 案 に つい て の予 備 的 ・戦 術 的 判 断 のも と にお こな わ れ てお り 、 本 案 で. 勝 訴 す る可 能 性 が あ る こと を 前 提 と し た戦 術 的 な打 算 と結 び付 い てい ると す る。 そし て、 発 給 す るか し な いか の判 断. ㈹. は、 ﹁法 理 的 方 式 ﹂ ( 甘 穏凶 ω凛 巳 Φ9 凶 巴 ヨoαΦ) と ﹁結 果 方 式 ﹂ (09 00ヨ Φ ヨoα①) の いず れ か によ ってお こな わ れ 、 多. く の場 合 は前 者 に よ ると す る。 こ の場 合 、 裁 判 官 は、 巡 回 区 相 互 間 で の意 見 の相 違 が あ るか ど う か 、 そし て それ が. ㎝. ﹁重 要 問 題 ﹂ であ るか ど う か を 判 断 す る。 こ の重 要 性 に つい て、 い く つか の事 例 を 指 摘 し て い る。 第 一に、 d° ω゜タ. Z粛 8 事 件 判 決 を 挙 げ 、 こ の判 決 は、 ﹁特 定 の事 件 の解 決 であ って、 法 的 問 題 の解 決 で はな い﹂ が 、 だ れ も が 重 要 性. ㈹. ㈹. を も つも の と し て認 識 し てお り重 要 な 問 題 だ と 考 え ら れ る と す る。 第 二 に、 卑 o≦昌 く゜切o錠 α o賄国α⊆o魯凶 8 事件. 判 決 を挙 げ 、 あ る い は 知oΦ <°白 巴 Φ事 件 判 決 を 挙 げ 、 いず れ の事 件 の事実 も政 治 的 、 社 会 的 重 要 性 を も つ問 題 で. あ り、 裁 判 官 の判 断 は社 会 に大 き な イ ンパ ク トを 与 え ると す る。 第 三 に、 法 律 にと って重 要 な事 件 を 挙 げ る。 例 えば 、. 証拠 法 則 ・行 政 手 続 の明確 化 は、 刑事 司法 制 度 あ る い は何 ら か の連 邦 機 関 が機 能 し て いく た あ に極 め て重 要 な 事 柄 で. あ る が、 法 制 度 が機 能 し てい く た め に極 め て重 要 な 事 柄 であ る。 と は いえ 、 そ れ は、 法 制 度 が 混乱 し てい る ため に生. ㈲. じ る事 柄 であ って、 明確 化 が極 あ て重要 であ る と いう 。 これ ら 検 討 の結 果 、 最 高 裁 にお い て ﹁重要 問 題 ﹂ と み ら れ て. いる のは 、 か な り厳 格 な法 解 釈 を 必要 と す る問 題 、 あ る い は十 分 な 社 会 的 重 要 性 を 伴 う 問題 であ る と指 摘 し てい る。. ま た 、 結 果 方 式 に よ る と、 結 果優 先 の判 断 が行 わ れ、 本 案 にお い て勝 訴 す る見 込 みが あ る か ど う か が そ の判 断 基 準. 一76一. 第49巻第4号 近畿大学法学.

(19) ア メ リカ に お け る サ ー シオ レイ ライ制 度 の展 開 と法 の支 配. oo. に な る と い う 。 そ の た あ 、 ﹁環 末 な. (窪 くoδ 二ω)﹂ 次 の よ う な 事 柄 に つ い て は 、 サ ー シ オ レ イ ラ イ が 発 給 さ れ な い と. い う。 ① 事 実 認 定 のみ に関 わ る事 件 、 つま り法 律 の合 憲 性 で はな く 事 実 の みが 争 わ れ て い る事 件 、 そ のな か には、 証. 拠 が 不 十 分 であ る と し て争 わ れ てい る事 例 も含 ま れ る。 ② 異 な る州 の市 民 間 の争 訟 、 つま り 州 法 の解 釈 に つい て の争. い に つい ては 、 連邦 裁 判 所 が当 該 州 の法 律 を熟 知 し ていな い場 合 、 連 邦 裁 判 所 は そ の判 断 を 当 該 州 の最 上 級 裁 判所 の. 判 断 に ゆだ ね ると す る 。 ま た 、 さ ら に進 ん で巡 回区 内 の判 例 の不 統 一や租 税 に関 す る事 例 は ﹁は っき り と し た ﹂ サ ー. シ オ レ イ ライ 発 給 拒 否 の事 件 と な る。 後 者 に つい ては、 技 術 的 な 問 題 と 結 び 付 く ため に、 特 別 な 租 税 裁 判 所 にゆ だ ね る べき 事 件 と し て い る。. (αΦhΦ] Pω隔 ぐ・ ① αΦ] P同 〇一 ω) と し て、 戦 術 上 重 要 な 意 味 を も. さら に、 サ ー シ オ レ イ ライ の発 給 の拒 否 に つい て、 右 記 のよ う な消 極 的 意 図 を も って行 う も のと は 逆 に、 積 極 的 な 意 図 を も って行 う も のと が あ る。 そ れを ペリ ー は防 御 的 拒 否. つ拒 否 であ ると す る。 そ の理 由 と し て、 妊 娠 中 絶 に関 す る事 件 のよ う に、 論 争 の生 じ やす い領 域 であ る こと が 高 度 に. ㈲. 明白 であ る場 合 、 そし て政 治 的 な 論 争 を 生 じ や す い事 件 であ る と判 断 し た場 合 は、 最 高 裁 はあ え て即 座 に判 断 を す る こと を避 け、 長 い時 聞 を か け て結 論 を 導 き 出 そう と す る 。. と は い うも の の、 い く つか の ﹁特 別 な 状 況 ﹂ 下 では 、 サ ー シ オ レイ ライ は ﹁国 家 の安 全 ( 富 江8 巴 ωΦ2 葺 嘱)﹂ の. 名 の下 に、 無 条 件 に発 給 され ると い う。 たと え ば 、 科 刑 が 死 刑 と な って いる犯 罪 に関 わ る事 件 は、 サ ー シ オ レイ ライ. の発給 が拒 否 さ れ た と し ても 、 通 常 、 緊 密 な 注 意 を 要 す る事 件 と し て取 り扱 わ れ て いる。 科 刑 が死 刑 と な って い る犯. ㈲. 罪 に 関 わ る事 件 は、 サ ー シ オ レイ ラ イを 発 給 す るか し な いか 会 議 で議 論 が な さ れ な く と も、 少 な く と も ペリ ー の調 査. では 自動 的 に い わ ゆ る裁 判 官 の合 議 で検 討 す べき も のと し て討 議 リ ス ト に載 せ ら れ て いる とす る。 これ ら の事 件 のな. 一77一.

(20) か に は、 請 求 人 が 、 直 接 、 科 刑 が 死 刑 と な ってい る犯 罪 自 体 の合 憲 性 を 争 って い る事 件 で はな いも のも 含 ま れ て い る. が、 そ のな か に興 味 深 い戦 術 的 な 考慮 を伴 った も のも あ り そ の ため 、 特 別 な 取 り扱 いが な され て い ると す る。 これ が 最 高 裁 の負 担 を 増 加 させ る原 因 と な って いる。. 以上 の よ う に サ ー シ オ レイ ライ の発 給 ・発給 拒 否 に つい てそ の類 型 化 がな され 、 そ の判 断 基 準 に つい て は ﹁重 要 な. 連 邦 問 題 ﹂ が中 心 とな って い る こと が 指 摘 さ れ て いる。 そ し て、 そ の判 断 に際 し ては、 裁 判 官 の裁 量 によ ると こ ろが. 大 き い が、 事 件 を と りあ げ る こと のイ ン パ ク トを も考 慮 し た政 治 的 選 択 に よ って行 わ れ る こと も ま れ でな く 、 次 章 で. と り あげ る 一連 の大 統 領 選 挙 事 例 の よう に結 果 を 優先 し た判 断 さ え も行 わ れ てい る。 サ ー シ オ レイ ラ イ の発 給 基 準 に. 一78一. つい て定 あ る最 高 裁 判 所 規 則 十 条 は、 ﹁重要 性 ﹂ を も つ事 件 であ る こと を 事 件 と し て い る。 し か し 、 規 則 か ら 読 み取. ㈲. る こと が でき る のは、 事 件 を と り あげ るか 否 か の判 断 にお い て最 高 裁 の政 治 的 判 断 が入 る と いう こと を 示 し 、 他 の要. 因 が考 慮 に 入 れ ら れ る と は考 えづ ら い とす る見 解 が あ る。 と な る と、 最高 裁 が サ ー シオ レイ ライ の発 給 に際 し て政 治 的 判 断 に よ る こと と、 法 の支 配 と は矛 盾 が生 じ な い の であ ろう か 。. ω`凛 ①ヨ ΦOoξ け、 の Z①≦ 沁巳 のω竃 8 ①= 8 窃L ①昏司゜ U知 ゜°。㊤ (一り㊤α)°. 勺①8 村ζ づNΦお ↓ゴΦ 竃 Φo昌貯 σ q ohO①耳凶o冨 昌 刈OO9 °じ 幻①<°這 卜。刈 (お 刈O)°サ ー シ オ レ イ ラ イ の 発 給 拒 否 が も つ意 味 は 、 と錠 ギ. 9 げげρ ω`O冨 ご9 Φ 認 ︾讐 一ω一゜. H9. 冠゜. 切2 ①# 切o爵 亀 9コα 国犀oq魯 Φ Oお ωωヨ o員 日冨. 切巳 Φ c。9 ωΦρ"国oげ①耳 ≦ °9 げげρ OΦコδ 鎚 鉱 "H富 U凶①σq⇔o忽の o⇔ユ O母 ρ ① 出oωけヨ σqωU﹂ ﹂ ω一 (一㊤呂 Y. ︿ 注﹀. (56)(55)(54)(53)(521. 第49巻第4号 近 畿大学 法学.

(21) トノQ樋[皿1'㊥. 網 禦 雌さ10匠 無 足%OP纒. 血1心 罵 トJ・ss?gt蝦. 猿蚕kJPニ へ」二 心o. 喧 ψ 樋 蚤_)kdi3」A」. 1andv.BaltimoreRadioShow,Inc.,338U.S.912(1950)柵. θ 瞳 融Q扉. ・o思'1su$kJ12t「 NPAJノ 蝦 尽 溜 題 埋 験 」癖 鞠 ヨヨ極 り 八」為P葡oゆ. ト 輩 昇 嵐 戸Brownv.Allen334U.S.443(1953).蹄. 鰐 農4♀}J麺. 口P網 網 肛1蚕F-'1斗. コロPHく. 】二 心o戸. 一 慧%. 趣 扉 嵐 農1旨 価%. ミく 巨Do. 懸 趙. 唄 樋 血1'・ 灸 心 楚'. ⊃ 灸Dt=・N繁. トノぜ{叩. 千ミ舐 蚕 ト 砲 穂 田{(1弄. ロ 旭 ヤ λ20つ. 禽 壽 トノニ 」 尋 二 儒 腫 息 〇 二P-2"(n.9罵. 尽 趨 坦 埋 砲 癬 鞠 ヨヨ価}」 刃 楚1し 鞠 」 誕3へ. (1919);LawrenceBaum,PolicyGoalsinJudicialGatekeeping:AProximityModelDiscretionalJurisdiction,21Am.. 豊Seealso.,LawrenceBaum,JudicialDemand-ScreeningDecisionsontheMerits:ASecondLook,7Am.Pol。Q109. ゜. 駅 ε'§. 斗 」叫P1く1}凪. 一rく ・ 』Pム へ ふm)㌧Q宙. 。海≡鯉 想 重壼七≦餐 坦≦珊1一. 「<口眼 圃kJ49bPtQa>一. 黛. 」 七≦餐 斑 紳Hく. Pol.Q109(1979);S.SidneyUlmer,WilliamHintze&LouiseKirklosky,TheDecisiontoGrantorDenyCertiorari:FurtherConsiderationofCueTheory,6Law&Soc'yRev.637(1972),etc,.. 吟. 露DorisMarieProvin,CaseSelectionintheUnitedStatesSupremeCourt.at40.(1980).ト. Id.,at121-125. Id.,at62.{凹. 1. H.W.Perry,Jr.,DecidingtoDecide:AgendaSettingintheUnitedStatesSupremeCourt.(1991).. ①卜 1. SanfordLevinson,Strategy,Jurisprudence,andCertiorari.,79Vir.L.Rev.724(1993).. 69 q9 肉9 ( σっO )箪 Perry,supranote59,at40. Id.,at12. Id.,at277-279. 418US.688(1974). 347U.S.483(1954)(BrownI),349US.249(1955)(Brown皿). 410US.113(1973). Perry,supranote59,at253-60. Id.,at226. Id.,at223. Id.,at198-207. Id.,atg2-97.. e 煙 細 誕 團 Q 秘 旨㌍ ヤ 心 ヤ ム セ る ー わ ゆ 弧噛興 "槽長 P ス 翁9 ㊦9 食9 命9 δ9 6ヒ 脅ヒ 愈ト )命じ 守卜 ∀.

(22) ㈲. 最 高裁 判所裁 判官 の裁 量 と法 の支 配. じΦ<貯 ωo戸 ωロ箕 画 昌9 Φ ①゜。b 一 刈ω①゜. 三章. 本 章 では 、 最 高 裁 判 所 の政治 的 判 断 が行 わ れ た と し て注 目 され た 二〇 〇 〇 年 の ア メリ カ 大 統 領 選 拳 に関 す る 一連 の. 訴 訟 か ら 、 サ ー シオ レイ ライ が 認 め ら れ た 理由 を示 し、 そも そも そう い った 裁 判 官 の行 動 を 認 あ る ﹁裁 判 官 の裁 量﹂. ⑯. 事 件 の概 要. アメリカ大統領選拳と最高裁判所. と サ ー シ オ レイ ライ と の関 係 は ﹁法 の支 配﹂ の概 念 に矛 盾 しな い のか ど う か に つい て検 討 す る 。. ω ①. 大 統 領 選 拳 投 票 日 の翌 日、 二〇 〇 〇 年 十 一月 八 日 に フ ロリ ダ州 選 挙 管 理 委 員 会 は、 ブ ッシ ュの得 票 数 を 二 九 〇 万 九. =二五 票 、 ゴ ア の得 票 数 を 二九 〇 万 七 三 五 一票 で、 得 票数 は 一七 八 四票 であ ると 報 告 し た 。 フ ロリダ 州 法 のも と では. 総 得 票 数 と の誤 差 一パ ー セ ント以 下 であ ると き は 、 再 集計 が要 求 さ れ てお り、 そ の結 果 三 〇 〇 票 差 でブ ッシ ュが 勝 利. 者 とし て承 認 され た 。 これ に対 し て、 十 一月 九 日 に、 民主 党 が フ ロリ ダ州 法 にし たが って、 四 つの郡 に対 し 手 作 業 に. よ る再 集 計 を 求 め た。 そ の内 三 つの州 が サ ンプ ル集 計 を お こな った が、 そ の集 計 結 果 が 選 挙 結 果 に影 響 す る可 能 性 を. 示 し て い ると 判 断 され た たあ に、 手 集 計 を 行 う こと が 決 定 さ れ た。 本 章 でと りあ げ る の は、 手 作 業 によ る再 集 計 によ. る選 挙 結 果 の修 正 の期 限 が 問 題 と な った事 件 (ブ ッシ ュー事 件 判決 ) と、 選 挙 結 果 自 体 を 争 って、 手 作 業 によ る再 集. 一80一. 第49巻第4号 近畿大学 法学.

(23) ア メ リカ に お け るサ ー シオ レイ ライ制 度 の展 開 と法 の支 配. ㈲. 切仁ωび タ 勺巴ヨ 切8 9 00毒 曙 09⇔<霧 ωヨo q ゆo碧α 事 件 判 決 ( ブ ッシ ュー). 計 が 要 求 さ れ た事 件 ( ブ ッシ ュ皿事 件 判 決 ) であ る。. ②. 十 一月 二十 一日 に、 フ ロリダ 州 最 高 裁 判 所 は、 州 務 長 官 に手 作 業 によ る再 集計 結 果 の受 け 入 れを 命 じ た。 こ の州 最. 高 裁 判 決 に対 し てブ ッシ ュ側 は三 点 の連 邦 問 題 を 提 起 し 、 合 衆 国 最 高 裁 に サ ー シオ レイ ライ申 立 てを し た。 ① 州 最 高. ㈱. 裁 判 決 は、 合 衆 国 憲 法 が 定 あ る デ ュープ ロセ ス条 項 、 ま た は大 統 領 選 挙 に関 す る連 邦 法 ( ω一 q° ω゜ O°伽窃) (一九 九 四 ). に違 反 し、 選 挙 後 に大 統 領 選 挙 人 の選 挙 方 法 を 変 更 す るも のか ど う か 。 ② 同 判 決 は、 合 衆国 憲 法 に よ って州 議 会 に与. ㈲. え ら れ た大 統 領 選 挙 人 の選 挙 方 法 を 定 め る権 限 (二条 一節 二項 ) を 侵 害 し 、 州 議 会 が 定 め た 選挙 人 の選 出 方 法 に変 更. ⑳. が加 え ら れ る も の か ど う か。 ③ 手 作 業 に よ る再 集 計 は、 合 衆 国 憲 法 が 定 め る デ ュープ ロセ ス条項 ・平 等 保 護 条 項 そ し. て修 正 一条 に違 反 す る も のか ど う か。 合 衆 国 最 高 裁 は、 ブ ッシ ュの申 立 て に つき 、 ① と ② の点 でサ ー シオ レイ ライ の 発給 を 認 め た。. 合 衆 国 最高 裁 は、 全 員 一致 で事 件 を 州 裁 判 所 に差 し戻 し た が、 州 法 の解 釈 に つい て述 べ て い る点 が あ る 。 コ 般 原. 則 と し て、 州法 の解 釈 に つい ては 州裁 判 所 の判 断 を尊 重 す べき であ る。 し か し 、 大 統 領 選 拳 人 の選 挙 に関 わ る州 法 を. ⑳. 制 定 す る 権 限 は、 合 衆国 憲 法 が 州 議 会 に 与 え た権 限 であ る たあ に、 州 最 高 裁 は、 問 題 と な った 選 挙 法 の解 釈 を 州憲 法. 切二ωげ く°Oo冨 事 件 判 決. (ブ ッ シ ュ皿 ). に依 拠 し て判 断 し ては な ら な い﹂ と し て いる 。. ③. 一81一.

(24) 十 一月 二十 一日 の フ ロリ ダ 州 最高 裁 判 所 に お い て、 再 集 計 結 果 報 告 期 限 が 二十 六 日 に延 長 さ れ た こと を 受 け て、 手. 作 業 再 集 計 が 継 続 さ れ て いた 。 し か し、 別 の郡 では 二十 六 日 ま で に再 集 計 を 終 了 さ せ る こと は不 可 能 と 判 断 し 、 再 集. 計 を 中 止 し た 。 こ の判 断 に対 し て、 訴 訟 が提 起 さ れ た が、 州 最 高 裁 が却 下 し た たあ 、 州 務 長 官 は 二十 六 日 にブ ッシ ュ. 勝 利 を 発 表 し た 。 一方 、 ゴ ア側 は 、 選 挙結 果 の効 力 を争 う訴 訟 を 州 裁 判 所 に提 起 し たが 却 下 され た たあ 、 州 最 高 裁 に. 跳 躍 上 告 を し た。 そ の結 果 、 州 裁 判 所 が 全 州 の再集 計 を命 じ た たあ に、 ブ ッシ ュ側 が 、 合 衆 国 最 高 裁 に、 こ の州 最 高. 裁 判 決 の暫 定 的 執 行 停 止 命 令 と サ ー シオ レイ ライ の発 給 を求 め る訴 え を提 起 し た。 ブ ッシ ュ側 の主 張 は、 ① 州 最 高 裁. が示 す 大 統 領 選 挙 の ため の新 し い基 準 ・手 続 は 、 州 議 会 の権 限 を 不当 に奪 い、 合 衆 国 憲 法 二条 一節 二項 に違 反 す るか. ど う か。 ② 州 最 高 裁 判 決 は、 州 に大 統 領 選 挙 人 決 定 の最 終 的 権 限 を 付 与 し た 連 邦 法 ( ω d` ω゜ O°伽ω) に違 反 す るも の. か ど う か。 ③ 同 判 決 は、 合 衆 国 憲 法 が 定 め る平 等 保 護 条項 と デ ュー プ ロセ ス条 項 に違 反 す るも の か ど うか 。 以 上 の三. 点 の連 邦 問 題 を 提 起 し、 合 衆 国 最 高 裁 は① 、 ② 、 さ ら に③ の平等 保 護 の主 張 に つい て、 サ ー シ オ レイ ラ イを 認 あ た 。. こ の判 決 は、 十 二月 十 二 日 に 層理 o珪 貯ヨ と いう 形 でだ さ れ た が、 法 廷 意 見 は先 の州 最 高 裁 判 決 を 破 棄 し 、 フ ロリ. ダ 州 最高 裁 が命 じ た再 集 計 は、 合 衆 国 憲法 の定 め る平 等 保 護 条 項 に違 反 す る こと 、 ま た、 連 邦 法 ( ω一 q` ω゜ O° 伽窃) が. 定 め た 再集 計 の日 にあ わ せ よ う とす る いか な る方 法 も 有 効 な 救 済 方 法 では な い、 と し た 。 レー ンキ スト裁 判 官 が執 筆. し た 補 足意 見 は、 州内 部 で の権 力 分 立 の問 題 は通 常 連 邦 裁 判 所 の審 査 の対 象 にな ら な い。 し か し、 大 統 領 選拳 の選 挙. 人 の選 出 方 法 を 定 あ る 州議 会 の権 限 は、 合 衆 国 憲 法 によ ってゆ だ ね ら れ た も の であ る た め 、 州 は 尊 重 し な け れば な ら な いと し て いた 。. これ に対 し て、 四 人 の裁 判 官 が 反対 意 見 を 示 し てい る。 いず れ の裁 判 官 も 、 州 法 に関 す る 州 裁 判 所 の解 釈 を覆 す特. 一82一. 第49巻第4号 近畿大学法学.

(25) ア メ リカ に お け るサ ー シ オ レイ ラ イ制 度 の展 開 と法 の支 配. 別 な 権 限 が 合衆 国 最 高 裁 にあ ると解 す べき では な い とす る。 ま ず 、 ステ ィ ーブ ンスは 、 州 法 の問 題 に つい て、 州 最 高. ㈱. 裁 の意 見 を 最 終 のも のと し て受 け 入 れ る最 高 裁 の不変 の慣 行 が あ り 、 当 該 事 件 で は州 の選 挙 にお い て連 邦 の介 入 を 根. 拠 づ け る こと の でき る ﹁ま れ な 場 合﹂ では な い。 スー タ ー は、 最 高 裁 は最 初 の場 面 で フ ロリダ の選 挙 に関 す る論 争 に. 介 入 す べき で はな か った 。 ギ ンズ バ ーグ は、 多 数 派 は、 高 度 に敬 意 の こも った審 査 と いう 意 味 で、 州 法 に つい て州 裁. 判 所 が 下 し た判 決 を 尊 重 す る伝 統 か ら 逸 れ た 。 プ レイ ヤ ー は、 フ ロリダ 州 の選 挙 法 に ﹁許 す こと の でき な い ほど の歪. み﹂ は存 在 せず 、 フ ロリダ 州 が 選 挙 手 続 き を 終 了 さ せ た後 に、 連 邦 議 会 が 問 題 を 解 決 す るた め の適 当 な 公 開 討 論 の場. ⑲①. にな るだ ろう と し て い る。 結 局 、 四人 の反 対 意 見 の根 底 に は、 本 件 訴 訟 の上 告 を 受 理 す る要 件 が 備 わ って いな か った. 若干 の検討. と の判 断 が見 てと る こと が でき る の であ る。. ④. 多 く の研 究 者 は、 最 高 裁 が サ ー シ オ レイ ラ イを 発 給 し た こと に驚 き を覚 え た と い う。 大 統 領 選 挙 人 の選 出 方 法 が 本. 来 各 州 に委 ね ら れ てい る た め に、 ブ ッシ ュー で原 告 が 提起 し た 三 つの論 点 の いず れも が ﹁重 大 な 連 邦 問 題 ﹂ を 提 起 し. ( ω一 qδ ω゜ O°伽窃) 違 反 であ る。 当 該 問題 に つい ては、 原 告 自 身 が そ の後 の実 体 的 審 理 で重 き を お い ていな い。. てい る と み な せ な か った か ら であ る。 特 に、 問 題 と な る のは、 サ ー シオ レイ ライ発 給 の要 件 に合 致 す ると 判 断 され た 連邦 法. 9D. 実 際、 同 条項 の解 釈 と し ては、 各 州 に対 し て大 統 領 選 挙 人 の選 出 に関 す る ル ー ル変 更 を禁 ず る も の でな か った と み る. のが 一般 的 であ り、 本 来 上 告 理由 では な か ったと の批 判 が 強 い。 し か し、 最高 裁 は裁 量 で上 告 を受 理 し、 大 統 領 選 挙. を め ぐ る 政 治的 混 乱 を収 束 さ せ る結 果 に結 び つく 一連 の判 断 を 積 極 的 に示 し て い った の であ る。. 一83一.

(26) 働. それ では 、 通 常 の訴 訟 では政 治 問題 の法 理 な どを 用 い て自 己抑 制 を 示 す 合 衆 国 最 高 裁 が 、 な ぜ 大 統 領 選 拳 な ど と い. ㈱. う ﹁政 治 問 題 ﹂ に介 入 し た の であ ろ う か。 お そ ら く合 衆 国 最 高 裁 の多 数 を 占 あ た 裁 判 官 達 は、 フ ロリ ダ 州 最 高 裁 が ゴ. ア候 補 の当 選 を 画 策 す るた あ に政 治的 な判 断 を行 って いる ことを 危 惧 し ていた の であ ろう 。 つま り 、 合 衆 国 最 高 裁 の. 目 的 は、 よ り 大 き な 混 乱 の契 機 と な り え る 州最 高 裁 の政 治 的 判 決 を 覆 し 、 混 乱 を 来 し た 大 統 領 選 挙 の秩 序 を 回 復 す る. こと にあ った 。 一見 強 引 に見 え る サ ー シオ レイ ライ の発 給 も、 先 例 と し て は疑 問 の残 る平 等 権 違 反 に関 す る実 体 的 判. 断 も 、 州 最 高 裁 の政 治 的 判 決 の影 響 が 連邦 全体 の憲 法 的 統 治 に波 及 す る こと を 回 避 す るた め と 考 え れ ば 、 法 の最 終 的. 監 督 者 と し て の合 衆 国 最 高 裁 の行 動 と し て理 解 可能 であ る。 上 告 受 理 の判 断 が明 確 な 基 準 に基 づ く も の で はな く 、 最. ⑲の. 高 裁 自 身 の広 範 な 裁 量 に よ るも の であ る こと が 、 危機 的 状 況 への柔 軟 な対 応 を 保 証 し た こと にな る。 問 題 と な る のは 、. 最 高 裁 判 所 の裁 量 と 法 の支 配. こ の よう な 最 高 裁 の判 断 が 決 し て ﹁法 の支 配 の勝 利 ﹂ と 認 め ら れ な いと ころ にあ る。. ②. 一九 二五 年 裁 判 所 法 の改 正 に際 し て議 論 を 重 ね た 最 高 裁 裁 判 官 ら は、 最高 裁 に珀 末 な 事 件 の審 理 を 拒 否 す る裁 量 が. 必 要 であ る とす る点 で 一致 し て い た。 も っと も 、 そ の裁 量 の幅 に つい ては議 論 が分 か れ てい た。 例 えば 、 タ フト長 官. は絶 対 的 な裁 量 権 を 求 あ 、 最 高 裁 が サ ー シ オ レ イ ラ イ発 給 の要 件 と な る ﹁重要 性 ﹂ の判 断 を 行 う べき と し て い た。 こ. 鱒. れ に対 し て、 ヴ ァンデヴ ァ ンタ ー裁 判 官 は、 最 高 裁 に事 件 を 拒 否 す る選択 権 を 認 めず 、 明 確 に示 さ れ た基 準 に従 って サ ー シオ レイ ラ イを 発 給 す べ き であ る と主 張 し て い た。. 結 局、 最高 裁 は、 ﹁重 要 な 連 邦 問 題 ﹂ が 提 起 さ れ た 場合 、 も し く は、 ﹁裁 判 所 間 に解 釈 の相 違 ﹂ が発 生 し てい る場 合 、. 一84一. 第49巻第4号 近畿大学 法学.

(27) ア メ リカ に お け るサ ー シオ レイ ライ制 度 の展 開 と法 の支 配. それ 以上 に明 確 な 基 準 を 示 す こと な く 、 裁 量 によ って上 告 を 受 理 す る か ど う かを 判 断 す る こと と な った 。 そ の結 果 と. し て、 最 高 裁 は自 ら の能 力 を 越 え な い程 度 の上 告 を 受 理 す る こと でサ ー シオ レイ ラ イ制 度 本 来 の目 的 を 達 成 す る こと. と な った 。 そ の反 面 、 明 確 な 基 準 の欠 如 は 、 ブ ッシ ュ事 件 判決 に 見 ら れ る よ う に、 個 々 の裁 判 官 の政 治 的 判 断 が 裁 量. の名 のも と に司 法 的 判 断 と し て示 さ れ る危 険 性 を も た ら す こと に な った 。 こ こに、 サ ー シ オ レイ ラ イ制 度 の行 使 のあ. り方 が アメ リ カ の統 治 制 度 で欠 く こと の でき な い法 の支 配 と 矛 盾 す る の では な い か と い わ れ て い る。. ⑲∞. こ の点 に つき 、 そも そも サ ー シオ レイ ライ 制 度 そ のも のが 法 の支 配 に関 連付 け ら れ る も の ではな いと みな す 考 えが. あ る。 サ ー シ オ レイ ラ イを 発 給 す るか ど う か の判 断 は 、 制 定 法 上 の拘 束 を 受 け る も の では な く、 加 え て最 高 裁 判 所 規. 則 十 条 が定 め る基 準 のあ いま い さ に よ り、 個 々 の裁 判 官 の政 治 的 な 選 択 を 認 め る こと に な る。 そも そも 、 最 高 裁 が制. 定 でき る最 高 裁 判 所 規 則 に サ ー シ オ レイ ラ イ発 給 に関 す る基 準 が 不 明 確 な ま ま 残 さ れ てい る こと自 体 、 最 高 裁 が個 々. の裁 判 官 に当 該 判 断 に関 す る フリ ー ハ ンドを 与 え る意 図 が 見 え 隠 れ す る。 こ こ では 、 人 々 に法 的 効 果 を あ らか じめ 示. し、 も ってそ の行 動 へ の先 達 と し て の役 割 を 果 た さ せ ると と も に、 裁 判 官 の判 断 を も 拘 束 し よ う とす る法 の支 配 の意 義 が 無視 さ れ てい る。. 同様 に現 行 法 は、 裁 判 官 に対 し てサ ー シオ レイ ライ発 給 の拒 否 理 由 を 開 示 す る よ う に求 め てお ら ず、 結 果 と し て柔. 軟 な 判 断 を促 進 し てい る。 し か し な が ら、 サ ー シオ レイ ラ イ発 給 の基 準 が 明 示 さ れ て いな い こと に加 え て、 拒 否 理由. も 示 す 必要 が な いとす れば 、 そ の判 断 が法 的 なも のか 否 か を 評 価 す る こと す ら 困 難 と な り 、 到 底法 の支 配 と相 容 れ る も の では な いと いえ よ う。. そ こ で、 そ も そ も 最高 裁 には、 下 級 審 と は 異 な る広 範 囲 な 裁 量 が容 認 され て い る のだ と の分 析 も 見 ら れ る 。各 巡 回. 一85一.

参照

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