サッカーにおけるボールキックの可視化
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(2) サッカーにおけるボールキックの可視化. Fiɡ.. 53. Fiɡ.. Distribution of impact points of Instep kick (triangle), Curve kick (rectangle) and Knuckle kick (circle) on the soccer ball (back view) (unpublished data).. Fiɡ.. Distribution of impact points of Instep kick, Curve kick and Knuckle kick on the soccer shoe (oblique view). Red-blue contour indicates the restitution ratio at impact (unpublished data).. Fiɡ.. Average impact points of Instep kick (triangle), Curve kick (rectangle) and Knuckle kick (circle) on the soccer shoe (front view) (unpublished data).. High speed video images of Instep kick (a, b, c), Curve kick (d, e, f) and Knuckle kick (g, h, i) (unpublished data).. =1.0 rps),平均縦回転は 2.1 rps (s.d.=0.7 rps)であり, カーブキックのそれらは,24.9 m/s (s.d.=1.0 m/s), 5.2 rps (s.d.=1.0 rps),-1.8 rps (s.d.=1.4 rps)であり, ナ ッ ク ル キ ッ ク(低 回 転 キ ッ ク)の そ れ ら は,24.8 m/s (s.d.=1.9 m/s),-0.04 rps (s.d.=0.7 rps),0.7 rps (s.d.=1.2 rps)であった. インステップキック(Fiɡ. キック(Fiɡ.. d,. 転キック)(Fiɡ.. e,. g,. a,. b,. c) ,カーブ. f),ナックルキック(低回. h,. i)のインパクト直前,. 中間,直後における,ボールインパクトの高速ビデオ画 像 例(側 面 図,5000 fps)を み る と,各 キ ッ ク 共 に, ボールの中央(センター)付近をインパクトしているこ とが観察された.足関節の姿勢は,インステップキック, カーブキック,ナックルキック共に底屈傾向を示してい た.ボールに対する足関節のインパクトポイントは,各 キック技術で異なるように観察されるが,インパクト中 はボールと足関節が接触して隠れるため,画像から計測 することは非常に困難であると思われた. インパクト直後のボール上のインパクトポイントは, 水平方向においてボール中心近傍(センター),垂直方 向においてボール中心よりやや下側に集中していた (Fiɡ.. :. ).. 本実験のインステップキックにおける足関節上のイン. の位置) ,かつ,足根骨等の比較的関節剛性が高. い部位に集中している傾向を示していた(Fiɡ.. ).こ. パクトポイントは,足関節上部,足根骨(楔状骨,舟状. の足関節重心付近でのボールインパクトは,不用意な足. 骨等)付近に集中する傾向を示し(Fiɡ.. 関節の回転運動を抑制し,結果的にボールのスピン量を. a) ,カーブ. キックは,足関節インサイド側にやや広がる傾向を示し た(Fiɡ.. 制御しやすい効果があると推測される.. b).ナックルキックは,インステップキッ. クよりさらに足関節上部に集中する傾向を示した(Fiɡ. c).各キックにおけるインパクトポイントは,いず れも,足関節の重心近くで(およそ,つま先から踵へ. ボールインパクト直後の足関節姿勢は,各キックとも, 前額面に対して内傾しているが,その傾きはインステッ プ キ ッ ク が 最 も 小 さ く(Fiɡ. (Fiɡ.. ― 3 ―. c),カーブキック(Fiɡ.. a),ナ ッ ク ル キ ッ ク b)の順に大きくな.
(3) 54. 浅井 武,來海 郁,洪 性賛. Fiɡ.. Foot joint posture and average impact point of Instep kick (triangle), Curve kick (rectangle) and Knuckle kick (circle) (front view) (unpublished data).. る傾向がみられた.また,この足関節の内傾は,股関節 の外旋を伴っており,それに従ってインパクトポイント もインサイド側に移動する傾向がみられた.このインス テップキックにおける足関節姿勢は,足関節底屈の可動 範囲が 45 deg. 程度であるという解剖学的制限上(スイ ング面における下腿と足関節のなす角度が 180 deg. よ り小さい) ,フェースベクトルとスイングベクトルの迎 え角を発現する可能性が高く,バックスピンが生成され やすい姿勢であると考えられる.また,カーブキックに おける足関節姿勢は,スイング面における下腿と足関節 の角度がほぼフラット(約 180 deg.)になり,水平面 上に迎え角を作りやすく,サイドスピンを比較的容易に. Fiɡ.. 生み出せる姿勢であると思われる.さらに,ナックル キックにおける足関節姿勢は,インステップキックと. Swing vector of Instep kick (dashed line), Curve kick (dotted line) and Knuckle kick (solid line) on horizontal (a) and vertical (b) plane (unpublished data).. カーブキックの中間的姿勢であり,バックスピンとサイ ドスピン共に低減させることが可能な姿勢であると考え. ンステップキックの垂直面上(矢状面上)における迎え. られる.. 角は,インステップキックが負の方向(バックスピン方. インステップキックとナックルキックの水平面におけ. 向)に大きく,カーブキックは正の方向(トップスピン. るインパクト直前のスイングベクトルは,ほぼボールの. 方向)に大きい傾向がみられた(Fiɡ.. 中心を向いているのに対して,カーブキックのスイング. ステップキックの迎え角は,足関節の解剖学的制限によ. ベクトルは,約 20 deg. 外側に傾いていた(Fiɡ.. り形成されていると思われ,ボールにバックスピンが発. a) .. b).このイン. また,垂直面におけるスイングベクトルは,インステッ. 現する原因の一つになっていると考えられる.また,. プキックがやや下方向,カーブキックがやや上方向を向. ナックルキックの迎え角は,水平面,垂直面共に,他の. いているのに対して,ナックルキックは水平面同様,ほ. キックより小さく,比較的フラットにボールがインパク. ぼボールの中心を向いていた(Fiɡ.. トされており,ボールスピンが抑えられている原因の一. b).これらのこ. とから,インステップキックのスイングベクトルはバッ. つになっていると考えられる.. クスピンが,カーブキックのベクトルはサイドスピンが. 以上のことから,インステップキックは垂直面上に迎. 発現されやすい方向に働いているのに対して,ナックル. え角が作られやすく,ボールがバックスピンしやすい. キックのベクトルは比較的スピンが発現されにくい,. キック技術であり,カーブキックは水平面上に迎え角を. ボール中心にストレートに向かって働いていると考えら. 生成し,サイドスピンを発現させるキック技術であると. れる.. 考えられる.また,ナックルキックは,逆に,垂直,及. カーブキックの水平面上(横断面上)におけるフェー スベクトルとスイングベクトルがなす迎え角は,インパ クト過程後半に 20 deg. 程度に増大する傾向を示したが, インステップキックとナックルキックの迎え角は,比較. び水平面上の迎え角を低減させることにより,スピンを 抑えるキック技術であるといえる.. 4. おわりに. a).この,カーブキッ. 3D モーションキャプチャとバーチャルマーカー技術. クにおける迎え角の増大は,ボールのサイドスピンを生. を連携させ,インステップキック,カーブキック(イン. み出す原因の一つになっていると考えられる.また,イ. フロント),及びナックルキックにおける足関節の姿勢. 的小さい傾向を示した(Fiɡ.. ― 4 ―.
(4) サッカーにおけるボールキックの可視化. 55. とインパクトポイントを可視化,分析することにより, 各キックのメカニズムと実現方法に関する理解が,より 深まったと思われる.例えば,ナックルキックであれば, 足関節の重心付近を用いて,ボール中心(センター)を, 迎え角を抑えつつ(フラット),直線的(ストレート) にインパクトすることにより,誰でも簡単に実現可能に なると考えられる.逆にいえば,センター,フラット, ストレートの要素を変動させることにより,様々なタイ プのボールスピンを生み出すことが可能であるといえよ う.. 参 考 文 献. Fiɡ.. Attacking angle (vector angle) of Instep kick (dashed line), Curve kick (dotted line) and Knuckle kick (solid line) on horizontal (a) and vertical (b) plane (unpublished data).. ― 5 ―. ) Leeds, A., Asai, T., Andersen, T. B., Nunome, H. and Sterzing, T. The biomechanics of kicking in soccer: A review, , 28(8), (2010) pp.805-817. ) Asai, T. and Kamemoto, K. Flow structure of knuckling effect in footballs, s, 27, (2011) pp.727-733. ) Hong, S., Asai, T. & Seo, K. Visualization of air flow around soccer ball using a particle image velocimetry, , 5: 10158, (2015) (10pp). ) Hong, S. & Asai, T. Aerodynamic effects of dimples on soccer ball surfaces. , 3, e00432, (2017) (17pp). ) Kimachi, K., Hong, S., Shimonagata, S. & Asai, T. Impact points and their effect on trajectory in soccer. , 2, (2018) 235..
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