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未来のデザイン=「ポスト・デザイン」に関する研究

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Academic year: 2021

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未来のデザイン=「ポスト・デザイン」に関する研究

神 戸 芸 術 工 科 大 学 紀 要「 芸 術 工 学 2 0 1 6 」 ( 共 同 研 究 )

未来のデザイン=「ポスト・デザイン」に関する研究

POST-DESIGN: TEACH AND TECH FOR THE FUTURE

……… 小山 明 大学院芸術工学研究科 教授 橋本 英治 芸術工学部 まんが表現学科 教授 藤山 哲朗 芸術工学部 環境デザイン学科 教授 大内 克哉 基礎教育センター 准教授 榮元 正博 芸術工学部 ビジュアルデザイン学科 助教 尹 智博 大学院芸術工学研究科 助教 入江 経一 大学院芸術工学研究科 教授

Akira KOYAMA Graduate School of Arts and Design, Professor

Eiji HASHIMOTO Department of Manga Media, School of Arts and Design, Professor

Tetsuro FUJIYAMA Department of Environmental Design, School of Arts and Design, Professor Katsuya OUCHI Center for Liberal Arts, Associate Professor

Masahiro EIGEN Department of Visual Design, School of Arts and Design, Assistant Professor Jibak YOON Graduate School of Arts and Design, Assistant Professor

Keiichi IRIE Graduate School of Arts and Design, Professor

………. 要旨 情報化やネットワークがつくりだす大きな社会構造の変 化、そして社会環境や地球環境の変化に対応した、これから のデザイン=「ポストデザイン」のあり方を研究し、そのデ ザイン教育の基盤となるカリキュラムを開発し、これを実践 的に運営することを通して新時代の教育方法の構築を行うこ とを目的とする。 特に現代の情報環境において失われつつある人間の「身体」 をテーマとして未来のデザインの枠組みを考えること、これ からのデザイン領域の変化そのものを考えることを研究の中 心におき、複数のプロジェクトと大学連携ワークショップの 企画・運営を通して、様々な形による社会との連携の中で問 題を発見し、提案を行う実践的な研究を進める。 Summary

By studying design responses to major changes in social structures created by computerization and networking as well as to shifts in the human and natural global environments, we aim to develop fundamental design education curricula and new teaching methods to foster their practical application.

One particularly important subject to consider in framing the ‘post-design’ future is the disappearance of the physical body from the contemporary info-environment. While our research may focus on the evolving topography of design itself, the various projects and intercollegiate workshops we plan and conduct should problematize diverse concerns as bridges to society and propose ideas for further practical investigation.

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未来のデザイン=「ポスト・デザイン」に関する研究 神 戸 芸 術 工 科 大 学 紀 要「 芸 術 工 学 2 0 1 6 」( 共 同 研 究 ) 1 研究の目的と方法 情 報 ネ ッ ト ワ ー ク が つ く り だ す 大 き な 社 会 構 造 の 変 化 、 社会 環 境 や 地 球環 境 の 変 化 に対 応 し た デ ザイ ン = 「 ポ スト デ ザ イ ン 」の あ り 方 を 研究 し 、 そ の デザ イ ン 教 育 の基 盤 と な る カリ キ ュ ラ ム を開 発 、 こ れ を実 践 的 に 運 営す る こ と を 通し て 新 時 代 の教 育 方 法 の 構築 を 行 う こ とを 目 的 と す る。 特に現代の情報環境において失われつつある人間の「身 体」をテーマとして未来のデザインの枠組みを考えること、 そしてこれからのデザイン領域の変化そのものを考える ことを研究の中心におき、複数のプロジェクトと大学連携 ワークショップの企画・運営を通して、様々な形による社 会との連携の中で問題を発見し、提案を行う実践的な研究 を進める。 2 教育領域における活動 1)スタジオ構築 インタラクションデザインコース教育のためのスタジ オ機能を有し、かつ複数の研究プロジェクトを並行して進 めるための各種機材を配置することを目的としたスペー ス構築をおこなった。レーザーカッター、3D プリンター、 大型プリンター、プロジェクト用都市模型等を半分、残り 半分を最大24 名の教育が可能な演習スペースとした。 2)特別講義の開催、出版等(図 1〜6) 前期期間に以下の連続特別講義を実施した。 - 入江経一・小山明「本かもしれない」 - 毛利桂「ノイズがノイズでなくなる時」 - 見明暢「ミラノサローネから見るデザインのベクトル」 - 岡田憲一「インタラクションマジックの作り方」 「本かもしれない」は学生による様々な本のアイデアを まとめた展覧会を解説する特別講義であり、これらの作品 をまとめた出版を並行して行った。 3)ワークショップの開催(図 6・7) 後期期間にアルフレッド・バーンバウム氏の「小さな箱 型のポータブルシティ・都市の肖像」、西尾美也氏の「頭 の上の展覧会」のふたつワークショップを開催した。 前者は、神戸という都市イメージを箱型のオブジェとし て製作するワークショップ。グループ製作のものを含めて 15 の作品が完成した。後者は人間の身体をテーマとした ワークショップ。頭の高さより高い位置で展覧会を企画す るという、視線を含む身体スケールを基礎としたテーマ。 図1)・2)「本かもしれない展」及び同出版物(36 ページ)。 図3)・4)毛利桂特別講義およびワークショップ。 図5)・6)見明暢特別講義および岡田憲一特別講義。 図7)・8)「小さな箱型のポータブルシティ・都市の肖像」。メ ディア・アーティストのバーンバウム氏を招聘して開催されたワ ークショップ。参加者全員で神戸の街を歩いてリサーチ。様々な 視点から都市をとらえ、それを小型の箱サイズのオブジェとして 作品化した。

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未来のデザイン=「ポスト・デザイン」に関する研究 神 戸 芸 術 工 科 大 学 紀 要「 芸 術 工 学 2 0 1 6 」( 共 同 研 究 ) 3 研究領域における活動 1)シーグラフ国際会議への参加(図 9〜12) 2015 年 11 月 3〜5 日の間、神戸国際会議場で開催され たシーグラフアジアにプロジェクトの出展を行った。 シーグラフ(Siggraph)はコンピュータグラフィック スの国際会議であり、共催者である神戸市からの依頼によ り、プロジェクト「Curating the City: Kobe」の展示と 口頭の発表を行った。展示物は大型の神戸市の立体的な都 市模型と上部からこれに投影するプロジェクションマッ ピングのシステムである。 映像コンテンツのひとつは神戸市の未来の都市計画方 法を提案する動画を制作し、入江教授がこの制作の意図、 表現方法に関する解説を行った。 また橋本教授が、人間の目の動きを追跡する技術「アイ トラッキング」を使用して、神戸市の3DCG 上に描かれ たキャラクター(吉田教授制作)の三次元的な動きを制御 する新開発アプリケーションの紹介を行った。 映像を投影する都市模型は、神戸市の地形と建物のデー タを3D プリンターで出力可能な 18cm 立方のサイズに分 割した100 以上のパーツを合成して制作を行った。 この都市模型は、シーグラフ終了後に神戸貿易センター で開催された神戸IT フェスティバルにおいても展示を行 った。

Curating the City: Kobe は情報ネットワークのあり方 に対する新しい提案であり、異なる種類の都市の結節点 (ノード)を接続する未来の都市計画の手法を示すもので ある。 2)フューチャークロッシング 2 展開催(図 13〜21) 2014 年にグランフロント大阪で開催したフューチャー クロッシング(Future Crossing)展に続き、神戸デザイ ンクリエイティブギャラリー(KIITO、神戸三ノ宮)にお いて、第2 回目となるインタラクションデザイン教育研究 所主催の展覧会を2016 年 2 月 20 日~25 日に開催した。 展示を行ったのは「頭の上の展覧会」「神戸色柄見本帖」 「小さな箱型のポータブルシティ・都市の肖像」

「Curating the City: Kobe」「メタ・デザイン」の 5 つの プロジェクトである。

「頭の上の展覧会」「神戸色柄見本帖」はインタラクシ ョンデザイン教育研究所が提供する大学院の授業の成果、 「小さな箱型のポータブルシティ・都市の肖像」「メタ・ デザイン」は学部のインタラクションデザインコース

図9)・10)シーグラフアジアに出展の「Curating the City: Kobe」 プロジェクト。神戸の立体模型に上部からのプロジェクションマ ッピングが行われている。模型は3D プリンターで製作。

図11)・12)シーグラフアジアにおける研究発発表。入江経一教授 による「Curating the City: Kobe」の解説(上)と橋本教授によ る「アイトラッキングシステムを使用した、都市情報の制御」の 解説(下)。

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未来のデザイン=「ポスト・デザイン」に関する研究 神 戸 芸 術 工 科 大 学 紀 要「 芸 術 工 学 2 0 1 6 」( 共 同 研 究 ) の授業の成果を展示した。 西尾美也氏(アーティスト、ファッションデザイナー) を招聘して行われたワークショップ「頭の上の展覧会」 は大学院の授業「インタラクションデザインプログラム」 として行われたワークショップであり、「身体をかぶる」 「身体の長さの髪をまとう」「風景を映す帽子」「頭の上 ではこぶもの」「頭上の動物園」などのアイデアをグルー プワークで作品化した。展覧会と並行して開催した公開 特別講義では引き続き、西尾美也氏による作品講評が行 われた。 「メタ・デザイン」は現代の社会的なテーマをもとに 考察・制作をおこなうことを目的とした授業であり、「監 視社会」「ドローン」など、情報化社会のあり方を批評・ 再考する作品が制作された。 「神戸色柄見本帖」は、神戸市内を撮影したデータを プリントアウト、それらを細く切断し、並べ替えたカラ ーバーを制作し、それを再びデジタルで編集したデータ を作成、それをもとにプロダクトを製作するという、ア ナログとデジタルを往復する作業プロセスを体験するこ とを目的とした授業である。展覧会では、作業をおこな った実物大のカラーバーと、それを使用したプロダクト が展示された。 4 まとめ インタラクションデザイン教育研究所は、情報化社会な ど新しい技術的な社会に対する提案をおこなう能力を養 うことを教育の目的とし、一方で人間の身体をどのように その中に位置付けて考えるかを研究の中心においている。 学内外における様々な情報発信の機会を通じて、国内外の 教育組織や研究組織と連携して研究教育を進めていきた いと考えている。 図13)〜15)フューチャークロッシング 2 展ポスター、「神戸色 柄見本帖(右上)、会場構成図(右下)。 図16)・17)展覧会場入り口。右側にみえるのが「頭の上の展覧会」 作品。「メタ・デザイン」プロジェクトの展示。展覧会は、神戸 三ノ宮 KIITO(神戸デザインクリエイティブセンター)で開催 された。 図18)・19)「小さな箱型のポータブルシティ・都市の肖像」(左)、 「Curating the City: Kobe」の展示。

図20) ・21)西尾美也氏による「頭の上の展覧会」公開講評(左)、 同公開特別講義ポスター(右)。

図 9) ・ 10)シーグラフアジアに出展の「Curating the City: Kobe」
図 20) ・ 21)西尾美也氏による「頭の上の展覧会」公開講評(左)、

参照

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