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教授・学習課程における教育方法・技術とコーチングモデルの統合に関する研究

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Academic year: 2021

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教授・学習課程における教育方法・技術とコーチン

グモデルの統合に関する研究

著者

山谷 敬三郎

1

学位授与機関

Tohoku University

学位授与番号

教情博第13号

URL

http://hdl.handle.net/10097/59746

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学位の種類 学位記番号 学位授与年月日 学位授与の要件 研究科・専攻 学位論文題目 論文審査委員 やま や けいざぶろう

山谷敬三郎

博士(教育情報学) 教情博第 13 号 平成 22 年 3 月 25 日 学位規則第 4 条第 1 項該当 東北大学大学院教育情報学教育部(博士課程後期 3 年の課程) 教育情報学専攻 教授・学習課程における教育方法・技術とコーチングモデ、ルの 統合に関する研究 (主査) 教授 北村勝朗 教授 准教授

<論文内容の要旨>

熊井正之 中島 平 本論文は、学校教育での教授学習過程における教育方法及び教育技術をコーチングの視点によ り再構築することを企図した研究である。そのために本研究では、教授学習過程における教育方 法及び技術とコーチングの理論的根拠全体を整理し体系化しつつ、教育技術のそれぞれに理論的 基盤を位置づけ、コーチング、モデ、ルとして構築を試みている。 本論文は 3 部、 26 章によって構成されている。序章において学校教育におけるコーチングを考 察対象とした本研究の意義を確認し、先行研究の検討を通して教育現場へコーチングを導入する 際の理論的枠組み確立の重要性について考察を行っている。第 I 部において、教育人間学的視点 から従来の教育思想、及び教育実践を再考し、可塑性の伸長がコーチングの原理的基礎となる点を 論じている。第 E 部において、教授学習過程の中で具体的に用いられるコーチングスキルを、学 習コーチングの構造として問い直すことで、個々のスキルの原理的基盤を位置づ、けると同時に、 指導論として統合を試みている。第田部において、学習コーチングを教育現場に展開する上での

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点から捉える教授学習過程研究の課題について論じている。 まず、序章においてティーチングとコーチングを対立軸に位置づけて捉える従来の技術論的な 教育方法研究の課題性を指摘した上で、教授学習過程における教育方法を教育作用の理論的枠組 みから考究する本研究の意義について論じている。こうした作業をふまえ、第 I 部では教授学及 び教育作用に内包されるコーチングの理論的基盤を、教育本質論、教育作用論、教育愛、及び道 徳論の 4 つの視点、から論じている。そこでは、古代、中世、及び近代の教育観を環境論の視点、を 加えた考察による教育人間学的な統合の課題性、ソクラテス教育学の分析を通した教育的コミュ ニケーションの原理的位置づけ、及び道徳性の発達と育成の方法原理を明らかにしている。第 E 部では、学校教育における教授学習場面で用いられるコーチングスキルについて、第 I 部で明ら かにされた原理的基盤を確認しながら教育方法との関連の中で論じている。コーチングの原理的 基盤を背景とし、教師の教授行動をコアスキルと位置づけ、質問、直観、確認、自己管理、及び 傾聴の 5 つのスキルに集約される点を明らかにしている。それらはコーチングフローとして学習 指導過程に位置づけられている。更にコアスキルを教授学習場面でのより具体的な行動である指 導スキルと関連づけ統合することで、学習コーチングの全体をコーチング、モデ、ノレとして構造化し ている。第 E 部では、コーチング、モデ、ルに基づく教師養成の組織的展開の具体的事例を考察対象 とし、学習コーチング学科の成立過程をたどりつつ、組織理念、カリキュラム編成、検証的な研 究会の内容の視点、から整理し教員養成課程におけるコーチングの具体化方策について明らかにし ている。 以上の分析をふまえ、終章の総合的考察において次の 3 点を導いている。第 1 に、コーチング モデ、ルを教育現場に導入する際に対立概念として捉えられていた教師の教授活動であるティーチ ングが、コーチングと相補的な関係に位置づけられることを確認している。またコーチングがカ ウンセリングに応用し得る適用可能性をもった概念である点を明らかにしている。第 2 に、コー チングフローを学習指導過程として提案した上で、教授学習場面で用いられる個々の教育方法及 び技術をコーチングモデルの視点、から体系化している。これによりコアスキルに基づくコーチン グスキルを具体的な教師行動として体系化し、理論的基盤を背後にもつ実践的な教育技法として 提示している。第 3 に、学習コーチングを教師養成の視点から捉えることにより、教師に求めら れる指導力が再定義されている。そこでは、子どもたちの学習活動や日常生活の問題解決に手が かりを与える教育的関わりとしてコーチングが位置づけられた上で、そうした指導力の養成にコー チング、モデ、ルが有用である点が示されている。こうした分析から、学校教育現場で積み上げられ てきた教育方法および指導技術がコーチング、モデ、ルにより統合され体系化されている。

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<論文審査の結果の要旨>

コーチングを学術的に捉え研究の対象とした例は少なく、実践的な技法の紹介に留まることが 多い現状の中で、本論文は、教育思想、及び教育実践を再考することでコーチングの原理的根拠を 導き出し、コアスキルとして整理した上で、個々の教授技術に理論的基盤を位置づけると同時に コアスキルとの関連性の中で体系化を行った。それにより、これまで無批判的に導入されていた 学校教育現場でのコーチングを個々の教育方法と統合し学習コーチングとして新たな提言を行っ たものである。 論文審査の結果、以下の点が指摘できる。 第 1 に、学校教育における教育方法をコーチングの視点から統合し体系化するという本論文の 視点は独創的であり、先駆的研究として評価できる。コーチングを技法の集積として捉えるので はなく、教育思想に原理的基盤を求め個々のコーチングスキルに理論的根拠を位置づ、け体系化し た点は今後の学習コーチング研究における新たな視点と方法を提示したものとして意義がある。 第 2 に、コーチングを単に理論的に考究するのではなく、実際の教育現場における指導技術を 取り上げ具体的事例も含め論じていることが評価できる。それにより、具体的なコーチングモデ ルを作成しており学校教育の現場での指導実践に大きく寄与する重要な提案であると言える。 第 3 に、コーチングの実践者養成については具体的な方策について研究の蓄積が極めて少ない 現状の中で、実際の教師養成の事例に基づき実証的に提案している点が評価される。コーチング 実践者養成にも言及した本論文の成果は、学校教育におけるコーチングの位置づけを検討する上 で一つの視座を占めるものとして評価される。 他方、本論文はいくつかの課題を残している。 第 1 に、学習コーチングを多層的に捉え体系化している点で評価されるが、各教科指導におけ る具体的なコーチングの内容について十分に検討されていない。今後、より具体的かっ詳細な教 授学習の場において考究することが求められる。 第 2 に、本研究では学校教育における教室内でのコーチングを対象として考察を行っているが、 より大きな集団を対象としたコーチングや少人数でのコーチングのあり方についての議論は不十 分であり、学習コーチングにおける場の検討については課題が残されている。かなり入念に理論 的根拠を読み解いた上で位置づけ徴密な分析がなれているものの、今後、更に多様な事例の考察 を蓄積することによって、より精微なモデルが構築されることを期待したい。

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味をもつのか、今後、多角的に検討することが重要な課題として残されている。 しかし、本論文を全体としてみれば、コーチングの原理的基盤を詳細に集め、また実際の教育 現場での事例も考察対象としながら分析作業を重ね、一つひとつの研究を着実に展開しており、 学校教育の教授学習過程における教育方法及び技術をコーチング、モデ、ノレとして統合し体系化を試 みるという本論文のねらいは、ほぼ成功していると判断できる。 よって、本論文は博士(教育情報学)の学位論文として合格と認める。

参照

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