• 検索結果がありません。

水路実験による堰上流護床工の損壊現象についての検討

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "水路実験による堰上流護床工の損壊現象についての検討"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

キーワード 上流護床工 洪水被害 多摩川宿河原堰 水路実験 交互砂州 水流蛇行

連絡先 〒

020-8550

盛岡市上田

3-18-8

岩手大学農学部

Tel:019-621-6270 E-mail: [email protected]

水路実験による堰上流護床工の損壊現象についての検討

岩手大学 正会員 ○三輪 弌

(株)アルファ技研 高井 和彦

1.はじめに

取水堰において,堰下流の河床局所洗堀に対処するため,護床工が設置されることが多い1)が,堰の上流 側洗堀を防ぐため,上流側に設置されている堰もある.多摩川の宿河原堰では,平成

19

9

月の

9

号台風に よる出水2)で,Fig.1 にみられる通り,多量の上流護床

工が流亡した.上流護床工で,これだけの大きな災害が 起きた事例はあまり知られていないので,水路実験によ って現象を再現し,発生要因とメカニズムを解析した.

2.実験水路の諸元と実験方法

実験は,Fig.2 にあるような蛇行水路を用い,流量

0.4L/s,0.6L/s,0.8L/s

の3通りで通水した.堰は,水路

全長の上流から

2/3

付近の半波長区間で4個所に順次移 動させて配置した.護床工模型は

Table 1

に記した5種 類とし,それぞれを堰の上流側に堰に並行において通水 し,護床工模型の流亡状況を調べた.

3.実験経過

堰通水前,堰の上流側砂床は堰の天端高に合わせ,堰 下流は6mm下がりで平坦に敷き均して通水を開始する.

通水後,蛇行水路の凸岸側下流部に堆砂が発達し,凹岸 側下流河岸に沿って洗掘が始まり,交互砂洲形状が形成 される.堰のない状態で発達した当該蛇行半波長区間の 砂床形状は,

Fig.3

のようになり,横断測線

13, 14

付近 の最も深い淵になり,広がりながら浅くなっていく.

堰③においては,砂州形状が発達すると,護床工上流 砂床が掘れて上流端が浮き上がり,淵部から上方に向か う流れによって,めくれ上がるように

護床工が流亡する.流亡個所は,Fig.2 にみられるように,淵部で洪水主流が 通過する右岸側に限られ,左岸の寄洲 側では護床工は埋もれてしまう.

4.実験結果

護床工の種類と堰位置によって,

Table 2

のように護床工の流亡状況は

異なる.堰の上流に沿って

2

列に敷き 並べた小タイルの結果をみると,堰①

Fig.1 多摩川宿河原堰上流護床工の被災

(H.199月台風9号による.同年10月三輪撮影)

Fig.2 上流護床工の被災再現実験

(水路幅:20cm,全長:8m,蛇行半波長:86cm,蛇行角:24°,水路 谷勾配:1/70,流量:0.6L/s,砂:0.8mm平均粒径,1.49水中比重)

Fig.3 実験に用いた蛇行水路における砂床形状と堰の設置位置

(Fig.2 と同じ水路.ただし流量は0.8L/s)

土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

‑441‑

Ⅱ‑221

(2)

では

3

流量とも流亡しないのに対し,堰③ では,全流量で流亡し,0.8L/sの場合には

9

個が流亡した.堰②,堰④は,その半分 以下であり,堰と砂州形状との位置関係が 結果に大きく影響している.

他の護床工模型の実験結果も考慮する

と,

(1)直上流が淵になる堰③で流亡しやす

い.(2)流量が大きくなると流亡しやすい.

(3)護床工が大きく,重くなると流亡しにく

い.(4) ナットのように,重さと厚みのあ る護床工が最も流亡しにくい.といえる.

5.結果の考察

堰③0.8L/sで右岸側壁寄りを中心に

9

個 の小タイルが流亡した状況が

Fig.4 であ

る.流亡は,Fig.5 のようにタイルの上流 側砂床が掘れ,下方からの流体力Fが働く ことによって浮き上がるか,上方へ回転す るかによって下流へ流れ去る.Fの大きさ は流速の

2

乗に比例するので,流速が大き くなる右岸側で流亡する.上向きと下向き の力とモーメントの大小関係を概算して みると,小タイルでは多数流亡するのに,

4

コ連結タイルやブリキ板で流亡数が少なくなり,ナット では流亡しないことが説明できる.

6.宿河原堰における被災との対応関係

宿河原堰は,Fig.1 のように上流側で左岸側に寄洲/

右岸側に深掘れという河床形状であり,堰③にあたる位 置関係である.小タイルを配置した実験での流亡状況が,

現地での被災の様子とよく対応しているといえよう.

7.まとめと今後の課題

水路幅

20cm

という小型水路の実験であったが,堰上流 護床工の流亡メカニズムをうまく再現できた.今後は,

実験蛇行水路における流速分布測定を試みて,さらに定 量的な検討を進めるとともに,使用した護床工模型と現 場ブロックとの力学的な相似関係についても考察を深め ていきたい.

[謝辞]京浜河川事務所の担当者の方々から貴重な資料と情報を提供 いただいた.H.21 年度三輪研究室専攻生には水路実験にあたってご

尽力いただいた.研究費用の一部は,科研費基盤研究(C)と奨学寄付金(日本工営)によった.以上,記して心よりお礼申し上げる.

[参考文献]1)高井・三輪(2010)堰下流河床洗堀の発生メカニズムと深掘れ軽減対策,水土の知(農業農村工学会誌)78-1,pp. 49-52 2)国 土交通省関東地 方整備局京浜河川 事務所(2007~2009):多摩川 「過去の水害 記録」 ,京浜河川事務 所ホームペー ジ,

http://www.ktr.mlit.go.jp/keihin/disaster/record/index.htm

Table 1 上流護床工模型の諸元一覧 護床工

諸元 小タイル 4コ連結

タイル ブリキ板 画鋲 ナット

縦横 (mm) 10×10 20×20 10.4×10.4 直径 10 10×10

厚み (mm) 4.3 4.3 0.1 1.0 2.5

比重 2.31 2.31 8.11 8.05 7.84

備考 2 列配置 1 列配置 1 列配置 2 列配置

中央に直径 6mm の円穴

2 列配置

Table 2 上流護床工のタイプ別流亡状況一覧

護床工タイプ

堰位置 流量 小タイル 4コ連結

タイル ブリキ板 金属

画鋲 ナット

0.4 L/s 0

0.6 0

0.8 0

0.4 0

0.6 2 (1)

0.8 4 1(1)

0.4 2 0

0.6 6 1

0.8 9 2 7 0

0.4 0 0 0 0

0.6 1 0 1 0

0.8 4 2 3 4

①から順次 22cm 間隔

で下流へ移して設置 注)ー:実施せず,(1):位置が少しずれたもの

Fig.5 上流護床工に働く力とモーメントの概略

G:護床工模型重力,F:下面流体力,D:上流面流体力 Md:O軸回り下向きモーメント,Mu:O軸回り上向きモーメン

Fig.4 上流護床工の流亡状況

(小タイルを配置した堰③,0.8L/sの実験)

土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

‑442‑

Ⅱ‑221

参照

関連したドキュメント

 図 2 に超音波式水素流量計の原理を 示す.本流量計では,上流側,下流側 に超音波信号の授受ができる超音波振

た火山灰・軽石が被覆した地質構造となっている。 土石流が発生した流域(図- 2)

1)Step6 の

上記の強制振動に関して,上流側模型の側面開口部を開放すると,下流側模型に作用する変動

平常時のゲート状態 (オーバーフローの模式図) 上流側 下流側

1.はじめに 臨海部の道路において,越波による通行止めや,打上げられた越

以上の結果から、作動流体に水を用いた場合、アスペクト比の違いによる巨視的流動を図 3 のように予想す ることができる。

分は停止し,礫間から湧水が生じた.この時,泥流流下