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異なる含水比状態における締固め砂の内部構造評価

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Academic year: 2022

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(1)III‑035. 土木学会西部支部研究発表会 (2012.3). 異なる含水比状態における締固め砂の内部構造評価 ―液状化対策を目的として― 熊本大学 学生会員 ○宇野理絵 熊本大学. 正会員. 大谷 順. 1.はじめに 現在,日本で重要視されている災害のひとつとして砂の液状化被害が挙げられる.その被害は昨年の東日 本大震災でも広く発生している.これまで液状化に関する研究は,動的荷重を載荷させる非排水条件下での 繰返し三軸圧縮試験や模型地盤の振動台模型実験等,力学試験を中心に土の挙動解明が実施されている.し かしこれらの研究は,液状化によって地盤がどのように変化するかを解明する点においては有効であるとい えるが,液状化しにくい地盤について検討するためには液状化以前の砂の状態を微視的に考察することも重 要であると考える.本報告ではその研究の初期段階として,異なる含水比状態の締固め砂を対象とし,熊本 大学所有のμフォーカス X 線 CT 装置を用いた微視的な現象解明について試みるものである.ここでは,得 られた画像から空隙率と土粒子接点数の変化について考察を行った. 2.実験概要. 1.58. 上記でも紹介したが,本研究では空間分解能が 5μm であるμフォ. 1.56. 乾燥密度 (t/m3). ーカス X 線 CT 装置を使用した.対象とした砂は豊浦砂である. まず,豊浦砂に対して JIS A 1210「突固めによる土の締固め試験」 を A-a 法で実施し,図-1 の締固め曲線を得た.次に,接点数の評価を 行うための高拡大率の CT 撮影画像が必要であったため, 内径 30mm,. 1.54 1.52 1.50. 高さ 277.6mm のアクリル製モールドを用い,図-1 と同じ含水比,乾. 1.48. 燥密度になるように均一な供試体を作製した.CT 撮影領域は図-2 の. 1.46. ように供試体中心部の直径 10.24mm,高さ 8.91mm とし,その内部の. 1.44 0. ~ ~ 5. 3. 4×4×8.91mm を画像解析の対象領域とした.. 10. 15. 20. 含水比 (%). 画像解析には ExFact (日本ビジュアルサイエンス株式会社製). 図-1 締固め曲線と撮影点. を用いた.本解析ソフトは土粒子分布の細線化や空隙分布の可視. 30mm. 化が可能となる. 図-3 は,本解析ソフトのモデル化を示してい. ロットした点と境界面までの距離が最も小さくなる点を土粒子と 土粒子の接点と定義し,接点数を算出している. 間隙と土粒子の境界面を算出するにあたり,しきい値の設定が. 10.24mm 8.91mm. 8.91mm 138.65mm. 界から等距離となる点をプロットして細線化している.また,プ. 277.3mm. る.解析の手法としては,土粒子と空隙の境界を算出し,その境. 4mm. 4mm. 重要となるが,本研究では測定から得られた間隙率に一致するよ. 撮影領域. うにしきい値を設定し,空隙部分と材料部分を分割した.ここで. 解析領域. はまず,ガラスビーズを用いてしきい値の設定と接点数算出方法 の妥当性を示す.内径 40mm,高さ 80mm のアクリル製モールド. 図-2 撮影・解析領域. に直径 6mm のガラスビーズを入れて撮影を行った.図-4 は,ガラスビーズ の断面 CT 画像である.次に,ExFact を用いて接点数を算出した結果と,断 面 CT 画像を 1 枚ずつ照査して目視により任意のガラスビーズの接点数を数 えた結果を比較したものを図-5 に示す.ExFact による解析結果と目視による 結果に同じ傾向が見られたため,このしきい値の設定方法と接点数の算出結 ‑417‑. 図-3 ExFact 細線化モデル.

(2) III‑035. 土木学会西部支部研究発表会 (2012.3). 果は妥当であると判断できる.この結果を受け,豊浦砂でも同様にしきい値 を設定し,接点数の算出を行った. 3.異なる含水比状態における締固め砂の内部構造 表-1 は,測定結果から得られた豊浦砂の間隙率を示している.含水比が増 加するにつれて間隙率が減少しているのが分かる.含水比が増加することで 間隙中に占める水の体積は増加する.しかし,表より,間隙率は減少してい. 図-4 ガラスビーズの断面 CT 画像. るので,このことから含水比の増加に伴って空隙が減少していることが 40. る.次に,前述したとおり表-1 の間隙率からしきい値の設定を行い,接. 30. 頻度(%). 分かり,含水比が増加するに従って供試体が密になっていることが分か 点数の算出を行った. 図-6 は, 図-2 で示した解析領域内における土粒子同士の接点数のヒス. ExFact解析 目視. 20 10. トグラムを示している.乾燥状態では接点数にばらつきがあるのに対し, 0 0. 含水状態になると含水比の増加に伴って接点数が一極化していることが 読み取れる.また,この図より,含水比が最適含水比 (13.4%) に近づく. 点数をもつ土粒子が多く存在することで供試体全体が効率よく締固 まっている状態にあると推察できる. 図-7 は,供試体下端から 138.65mm の断面 CT 画像を拡大した画 像である.図より,含水比の増加に伴って土粒子が団塊化している 状態が一目瞭然である.また,土粒子が団塊化する ことで不均質な間隙分布が生じていることが分かる.. 10 接点数(個). 表-1 測定から得られた間隙率 供試体 No. 1 2 3 4 5 6. 含水比(%) 0 2.9 6.7 9.5 13.4 16.0. 100. 5.まとめ 頻度(%). 1.6mm. 締固め砂の内部構造の評価として,間隙分布と接点 数の変化について考察した.その結果,砂の含水比. が増加するに従って間隙率は減少することが分かっ. 60 40 20 0 0. た.さらに,含水比の増加に伴って土粒子が団塊化. 間隙率(%) 40.84 42.63 40.13 37.16 34.99 34.05. w=0(%) w=2.9(%) w=6.7(%) w=9.5(%) w=13.4(%) w=16.0(%). 80. 本報告では,μフォーカス X 線 CT 装置を用いた. 5. 10. 15. 接点数(個). し,不均質な間隙分布が生じることが分かった.ま. 図-6 接点数ヒストグラム. た,最適含水比 (13.4%) に近づくに従って接点 数はある値に収束していき,最適含水比を超え ると接点数は再びばらつきが生じる.この現象 に関して,今後はより分解能を上げた撮影を行 い,個々の土粒子の接触状態について詳細に確 認する必要があると考える.. w=0(%). w=2.9(%). w=6.7(%). w=9.5(%). w=13.4(%). w=16.7(%). 参考文献 1) 荒木功平ら:粒子接点の発生・消失に関する 一考察,土木学会第 59 回年次学術講演会, pp.337-338,2004. 2) 益村公人ら:含水比変化が一層施工槽内の締 固め効果に及ぼす一考察, 土木学会第 53 回年次 学術講演会,pp.750-751,1998.. 図-7 豊浦砂の断面 CT 画像(拡大). ‑418‑. 15. 図-5 接点数の比較. に従って接点数が一定の値に収束していくことから,最適な締固め砂の 状態というのは,接点数が比較的均一である状態と言え,均一な接. 5.

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