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少ない観測データを用いた透水異方性評価に関する考察

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Academic year: 2022

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(1)III-A249. 少ない観測データを用いた透水異方性評価に関する考察 (株)竹中土木. 正会員○阿部. (株)竹中工務店. 正会員. 崇 *. 清水孝昭**. 1.はじめに 地下水位の高い砂礫地盤での地下工事においては、地下水位低下工法が用いられることが多いが、地盤の 不均質性から、排水設計の妥当性や周辺への影響を確認することを目的とし、遮水壁、揚水井戸設置後に確 認揚水試験が実施される。本報では、確認揚水試験の少ない観測データから異方性を考慮した透水性評価手 法を提案するとともに、透水異方性評価の必要性を検討した結果について報告する。 2.評価手法の概要 本評価手法では、軸対称有限要素モデルを用いて定常 浸透流解析を実施し. 1). START. 、確認揚水試験時における少ない. 数値モデルの作成 未知パラメータ k h、kv 初期値 kh 0,kv0. 観測データから非線形最小二乗法を用いて、水平透水係 数 kh 、鉛直透水係数 kv を同定する。逆解析のフローチャ ートを図‑1 に示す。未知パラメータの初期値は、事前の. 数値モデルの解析 (軸対称浸透流解析). 揚水試験結果から推定された透水係数を kh0=kv0 として与 え、観測データは、定常揚水量と遮水壁内外の定常地下 水位とした。検討モデルを図‑2 に示す。定常揚水量の観. 観測データ (揚水量・地下水位). パラメータの 反復改良. 測値を遮水壁内側に流量固定境界として設定し、遮水壁. 非線形最小二乗法による 数値モデルの最適化. 内外の地下水位の観測値を用いて、非線形最小二乗法の Marquardt 法による最適化を行った。収束判定基準は、. NO. 収束判定. バラツキの多い実地盤での観測データを用いる為、各観. YES. 測値に対する厳密な許容誤差を設けず、残差二乗和の極. 最適なkh,k vの算定. 小値をもって収束とした。遮水壁外側の観測点は、鉛直. END. 成分を含んだ流れの影響を大きく受けると予想される遮 水壁の先端より鉛直方向にやや距離をとった位置に設定 した。ここで、定常浸透流解析は、影響圏半径 R の取り. 図-1. 逆解析フローチャート. 方により解析結果が無視できないほど異なってくる傾向 がある。影響圏半径の算定には Siechardt 式(式 1)が よく用いられ、透水係数には地盤調査結果より推定した. ▽:GL-7.2m 仮想井戸半径: r=34.65m 2m. 値が、水位低下量には遮水壁内側の設計水位低下量が設. ▽. 定されることが多い。 R = 3000 × s × k. 影響圏半径: R (遮水壁外側観測水位より算定). 難透水層. ▽. ▽:GL-33m. (式 1). 遮水壁( k=1.0×10-6cm/sec) ▽:GL-35m. R : 影響圏半径、s :水位低下量、 k:透水係数 しかし、揚水時の実現象を考えると、遮水壁の根入れ 効果、地盤の異方性から遮水壁内外に地下水位差を生じ. 揚水流量 固定境界. ▽:GL-37m. 自然水頭 固定境界 ▽:GL-41m. 水頭 観測点. る為、本評価手法では、遮水壁外側の水位低下量の観測 図-2. 値を用いて影響圏半径を算定した。. 帯水層(解析領域). 検討モデル 2). キーワード:地下水,浸透流,逆解析,透水係数,異方性 〒104-8234 東京都中央区銀座 8-21-1 (株)竹中土木 技術本部 TEL:03-3542-6321 FAX:03-3248-6545 〒270-1395 千葉県印西市大塚 1-5-1 (株)竹中工務店 技術研究所 TEL:0476-47-1700 FAX:0476-47-3080. *. 連絡先:. **. -498-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

(2) III-A249. 3.評価手法の検証 本評価手法により、実工事における観測データ 2)を用いて、異方性を考慮した透水係数を同定した。また、 結果の妥当性を検証する為に、得られた透水係数を用いて、図-2 の遮水壁内側観測点を水頭固定境界とした 順解析により、次段階以降の揚水時における揚水量、遮水壁外側水位を予測し、観測値と比較した。さらに、 異方性考慮の必要性を確認する為に、揚水量と遮水壁内側水位の観測データを用いて異方性を考慮しない場 合の透水係数を同定し、次段階以降の揚水時における揚水量、遮水壁外側水位を予測した。なお、何れの順 解析も影響圏半径の算定には揚水量と遮水壁外側水位の関係を線形と仮定し、式 2 より外挿補間した遮水壁 外側の水位低下量を用いた。 sn +1 =. Qn +1 s n (式2) Qn. s n+1 sn Qn+1 Qn. :n+1 段階の揚水時における遮水壁外側水位低下量 :n 段階の揚水時における遮水壁外側水位低下量 :n+1 段階の揚水時における揚水量 :n 段階の揚水時における揚水量. 検討条件および透水係数の同定結果を表-1 に示す。実施工は、工事の進捗に伴い複数段階の揚水量で揚水 したが、揚水量を抑制した揚水期間を便宜上確認揚水試験と称した。異方性を考慮した同定の結果、鉛直透 水係数に対する水平透水係数の比は、3.46〜3.87 程度であった。また、最終揚水量 14.0m3/min に近い揚水 条件の方が、同定された透水係数が若干大きいことが分かる。同定された透水係数を用いて、次段階以降の 揚水量と遮水壁外側水位を予測した結果を図-3,4 に示す。揚水量は、異方性を考慮した場合としない場合で 予測精度に大きな差異は認められなかったが、遮水壁外側水位は、異方性を考慮した方が異方性を考慮しな い場合と比較して、予測精度がよいことが確認された。また、最終揚水量に近い揚水量での確認揚水試験結 果を用いて、異方性を考慮した場合が、最も予測精度がよかった。 表‑1 CASE. 異方性 考慮. 物性評価 時期. CASE1. あり. CASE2. なし. CASE3. あり. CASE4. なし. 検討条件と同定結果 観測値. 揚水量 :Q(m3 /min). 遮水壁内側 水位:h1 (m). 遮水壁外側 水位:h2 (m). 確認揚水 試験1. 5.0. GL‑13.870. GL‑12.659. 確認揚水 試験2. 12.0. GL‑23.180. GL‑20.455. 遮水壁外側水位:予測値-観測値(m). 揚水量予測値/揚水量観測値. 2.0. 1.5 確認揚水試験1. 確認揚水試験2. 1.0 CASE1 CASE2 CASE3 CASE4. 0.5. 0.0 0. 同定結果. 5. 10 遮水壁内側水位低下量(m). 図-3. 揚水量の予測精度. 15. 20. 水平透水係数 :kh (cm/sec). 鉛直透水係数 :kv (cm/sec). 7.370×10‑3. 2.132×10‑3. 5.940×10‑3. 5.940×10‑3. 9.545×10‑3. 2.469×10‑3. 7.984×10‑3. 7.984×10‑3. 3.0 2.0. 確認揚水試験1. 確認揚水試験2. 1.0 0.0 -1.0 -2.0. CASE1 CASE2 CASE3 CASE4. -3.0 -4.0 -5.0 0. 5. 図-4. 10 遮水壁内側水位低下量(m). 15. 20. 遮水壁外側の水位低下量の予測精度. 4.おわりに 地下水位低下工法において、厳密な排水設計の妥当性、周辺地下水への影響評価をする為には、異方性を 考慮した地盤の透水性を評価することが重要であり、今後実地盤の透水異方性データの蓄積が望まれる。 [参考文献] 1) 西垣誠:有限要素法による飽和不飽和浸透流解析-AC-UNSAF2D-、1999. 2) 根切り工事と地下水、地盤工学会、p.288-302、1991.. -499-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

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