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火力高温機器の耐久性評価に向けたX線CTの適用性評価 ─ガスタービン動翼に対する適用─

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Academic year: 2021

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(1)主要な研究成果. 火力高温機器の耐久性評価に向けた X 線 CTの適用性評価 ─ガスタービン動翼に対する適用─ 背 景 火力高温機器には、使用時の温度が耐久性に大きな影響を及ぼすため、部品温度の推定を中核とする解析的 な耐久性評価技術(図 1)の開発が重要である。解析的な耐久性評価には、部品形状を計測してモデル化する ことが不可欠であるが、代表的な火力高温機器であるガスタービンの翼に対して、従来の座標測定機* 1 によ り内部冷却構造までを計測するには、翼の切断が避けられず多くの作業時間を要するばかりか、翼が使用不可 能となる問題がある。そのため、部品の形状を非破壊で迅速に計測する手法が必要である。. 目 的 解析的な耐久性評価に向けて、構造が複雑で、かつ構造材料の密度が大きいガスタービン動翼の非破壊形状 計測に対する、X線 CT * 2 の適用性を評価する。. 主な成果 ガスタービン初段動翼* 3 を供試体に用いて、産業用X線CT装置(表1)による計測を行い、以下を評価した。 1.非破壊形状計測による形状モデルの寸法誤差 翼断面を X 線 CT により撮影(図 2)し、その断面画像を積み重ねることにより、形状モデル(図 3)を作 成した。形状モデルの外面を接触式座標測定機による計測結果と比較した* 4 結果、透過 X 線の減衰による 画像ノイズのため、凹面となる翼腹側では、やや誤差が大きくなる(図 4)ものの、平均およそ 0.1mm、最 大でも 0.5mm 以下の誤差で形状を計測できることがわかった(表 2)。 2.温度推定に及ぼす寸法誤差の影響 形状モデルの寸法誤差がガスタービン翼の温度推定に及ぼす影響を、実機ガスタービンで想定される条件 (表 3)を用いて試算した結果(図 5)、形状モデルによる温度推定誤差は、当研究所が耐久性評価において 基準とする± 20K を大きく下まわり、± 10K 以下であることがわかった(表 4)。 以上より、X 線 CT による非破壊形状計測は、ガスタービン翼の解析的な耐久性評価に適用できることが 明らかとなった。. 今後の展開 形状モデルを用いた数値解析の高度化を図り、迅速なガスタービン翼の耐久性評価に資する。さらに、他火 力高温機器の部品に対しても、非破壊形状計測に基づく解析的評価の適用を検討する。 主担当者 関連報告書. エネルギー技術研究所 高効率発電領域 主任研究員 高橋 俊彦 「火力機器部品の非破壊形状計測における X 線 CT の適用性評価─ガスタービン動翼の耐久 性評価への適用─」電力中央研究所報告: M08005(2009 年 2 月). * 1 :接触式あるいはレーザー等の光学式により物体表面の位置を座標点群として計測する装置 * 2 :物体内部構造の非破壊計測には、一般的には、超音波や MRI などの応用も考えられるが、形状が複雑で、材料 密度の大きい金属材料からなる機械部品に対しては、X 線 CT が有力な手法である。 * 3 :内部冷却構造を備える廃却翼.基材密度およそ 8000kg/m3、遮熱コーティングなし * 4 : X線 CTは、原理的に、翼内外に対する計測精度が変化しないため、座標測定機の精度が高い外面を対象とした。. 102.

(2) 6.化石燃料発電. X 線出力 供験体寸法. 本 研 究 の 対 象 範 囲. 撮像時間. 表1 産業用X線CT装置の主な仕様 450kV、5mA(最大) 高さ600mm、φ300mm(最大) 画像1枚あたり90秒( 図2の撮像条件)、 分解能の設定により可変(最小25秒/画像). ガスタービン翼1枚につき、 翼高さ方向(0.5∼1.0mm ピッチ)におよそ200枚∼ 350枚を撮影. 図1 解析的な耐久性評価の流れ. 図2 X線CTによるガスタービン翼断面画像の例. 1.00. 後 縁. 誤差 mm. 前 縁 翼背側. 前 縁. -1.00. 後 縁 翼腹側. 図4 形状モデル(外面)の寸法誤差分布 (翼外部側を正、翼内部側を負とした。緑色は誤差0.25mm以下). ポリゴン(三角要素) モデル 表面をポリゴンで分割したモデル. CADモデル ポリゴンモデルを基にパラメ ト リック曲面※1で表現したモデル. 表2 形状モデルの寸法誤差(絶対値) 背側 腹側 平均 0.053 0.127 最大 0.342 0.480 (単位 mm). 図3 翼断面画像に基づく形状モデル X線CTを用いて非破壊で形状モデルを作成した。. 作成した形状モデルの寸法誤差を明らかにした。 表3 温度推定条件 (1300℃級ガスタービンを想定) ガス温度 1288 ℃(1561.15K) 翼外面 熱伝達率 1500 W/(m2K) 熱伝導率 25 W/(mK) 基材 厚さ 3mm∼5mm 空気温度 390 ℃ (663.15K) 内部冷却 熱伝達率 2500 W/(m2K) 表4 試算された温度推定の誤差 (単位 K) 背側 腹側 平均 ±0.8∼±0.9 ±1.9∼±2.2. 最大. 図5 形状計測誤差が翼温度推定に及ぼす ※2    影響の試算結果. +5.0∼+5.8 −5.1∼−5.9. +7.0∼+8.1 −7.3∼−8.3. X線CTによる形状計測は、 損傷劣化を支配する翼の温度を推定するために、 十分な精度があることがわかった。 ※1:2変数の関数によって表現した曲面、3次元CADにおける標準的な面の表現方法 ※2:1300℃級ガスタービンを想定した1次元熱伝導解析による. 103. 6.

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