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ペーストの流動性および粘性に対する粉体粒子特性の影響評価

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Academic year: 2022

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(1)

キーワード:鉱物微粉末、粒度分布、ペースト、流動性、粘性

〒192-0397 東京都八王子市南大沢1-1 tel.0426-77-1111、fax.0426-77-2772

表-1 使用鉱物微粉末

微粉末種類 記号 粉末度 置換率

(cm2/g) (vol.%)

BFS B4 4160 20, 40, 60

B8 8410

FA F4 4000 10, 20, 30 

F6 6000

LS L4 4400 10, 20

L8 7500

        

ペーストの流動性および粘性に対する粉体粒子特性の影響評価

      興建産業(株) 正会員 丸山 未来       東京都立大学大学院工学研究科 正会員 上野 敦、フェロー 國府 勝郎

1. はじめに

 粉体系高流動コンクリートに代表されるように、近年のコンクリートには様々な粉体が使用されている。こ れらの粉体粒子は、コンクリート中で最も表面積の大きな材料であり、粉体の物性がコンクリートの性能に 及ぼす影響は非常に大きい1)。本研究は、粉体系高流動コンクリートのペースト部分を対象に、高性能減水剤 を添加した条件下で、使用する鉱物微粉末の種類および粉末度と置換率を変化させることによる粉体の粒度 分布が、ペーストの流動性および粘性について検討した。

2. 実験概要

2-1 使用材料と配合

 セメントは、研究用普通ポルトランドセメント(密度:3.15g/cm3,比 表面積:3160cm2/g)を使用し、ペーストの水粉体体積比は、0.75、0.85 および1.00の3水準とした。各水粉体体積比において、ペーストの練

混ぜ量から粉体の体積を決定し、この粉体体積を一定として、セメント粒子を表-1に示す鉱物微粉末で体積 置換した。鉱物微粉末は表-1のとおり、高炉スラグ微粉末(記号:B)、フライアッシュ(記号:F)および石灰 石微粉末(記号:L)で粉末度が4000cm2/g程度および6000〜8000cm2/g程度のものを使用した。置換率は、高 炉スラグ微粉末20、40および60vol.%、フライアッシュは10、20および30vol.%、石灰石微粉末は10およ

び20vol.%とした。なお、全配合に関して、空気連行性のない高性能減水剤を粉体体積に対して一定量(4.2%)

添加した。

2-2 流動性および粘性試験

 ペーストの流動性は、JIS R 5201に規定のフローコーンを用いた打撃なしのフロー試験によって試験した。

ペーストの粘性は、B型粘度計を用いて試験した。本研究では、ペーストをビンガム体と考え、降伏値の指 標としては自重による変形量であるフローを、塑性粘度は B 型粘度計で測定し、鉱物微粉末置換によるペー ストの流動特性の変化について検討することとした。

3. 結果および考察

3-1 流動性および粘性     

 高炉スラグ微粉末およびフライアッシュを用いたペーストの水粉体体積比とフローの関係を図-1に示す。

本実験の範囲では、置換粉体の種類に関わらず、水粉体体積比が0.75程度と小さな領域、すなわち粒子間に 十分な水が存在しない範囲では、鉱物微粉末置換によるペーストのフロー増大効果が顕著となっており、水 量の少ない状態では、ペーストの流動性は粉体の種類および粒度分布に顕著に影響されることがわかる。逆 に、水粉体体積比の大きな領域、すなわち粒子間に十分な水が存在している範囲では、鉱物微粉末置換によ るペーストのフロー増大効果は顕著でなく、絶対的な水量がペーストの流動性に対して支配的となっていると 考えられる。

 一定水粉体体積比における粉体の粒度分布による粘度の変化を検討するため、図-2に示すとおり、ペース ト1リットル中の粉体の表面積と粘度の関係で整理した。水粉体体積比が0.85および1.00の場合、すなわち、

粒子間に十分な水が存在する範囲では、ペーストの粘度は水粉体体積比に対してほぼ一定となることがわか る。一方、水粉体体積比が0.75の場合、すなわち、粒子間に十分な水が存在しない範囲では、鉱物微粉末の 種類がペーストの粘度に顕著に影響することがわかる。

  土木学会第55回年次学術講演会(平成12年9月) Ⅴ-252

(2)

微粉末種類 β B4 0.27 B8 0.12 F4 0.33 F6 0.23 L4 0.20 L8 0.09

表-2 βの結果

200 300 400 500 600

0.75 0.8 0.85 0.9 0.95 1

フロー(mm)

水粉体体積比 C F4-10 F4-20 F4-30

F6-10 F6-20 F6-30

200 300 400 500 600

0.75 0.8 0.85 0.9 0.95 1

フロー(mm)

水粉体体積比 C B4-20 B4-40 B4-60

B8-20 B8-40 B8-60

図-1 水粉体体積比とフローの関係

図-3 単位表面積あたりの水量とフローの関係

200 300 400 500 600

0 0.5 1 1.5 2 2.5

フロー(mm)

単位表面積あたりの水の体積(ml/m2 C F4-20 F4-30

F4-10

F6-10 F6-20 F6-30

200 300 400 500 600

0 0.5 1 1.5 2 2.5

フロー(mm)

単位表面積あたりの水の体積(ml/m2 C B4-20 B4-40 B4-60

B8-20 B8-40 B8-60

BFFF FHHHH H HJ J JJ J J B J

J JJ J J

HHH HH H FFF F 0

1000 2000 3000 4000 5000

200 400 600 800 1000

粘度(mPa・s)

ペースト1リットル中の粉体の表面積(m2)

B C-1.00 J B-1.00 H F-1.00 F L-1.00 B C-0.85 J B-0.85 H F-0.85 F L-0.85 C-0.75 B-0.75 F-0.75 L-0.75

図 -2 粉体の表面積と粘度の関係

fl a V

S W S b

c p

= ⋅ + ⋅ + β

ここに、fl:フロー(mm)、a:図-3におけるセメン ト100%のときの直線の傾き、VW:水の体積(ml)、Sc: セメントの表面積(m2)、β:置換微粉末の表面積の セメント換算係数、SP:置換微粉末の表面積(m2)、b:

-3におけるセメント100%のときのy切片 (1) 3-2 ペーストの流動性に対する各鉱物微粉末の影

響評価

 既往の検討により、ペーストの流動性に対す る高炉スラグ微粉末の流動効果は、粉体の単位 表面積あたりの水の体積に着目して整理するこ とにより、定量的に評価できる可能性があるこ とが示されている2)。本研究においても、各配合 における粉体の表面積を、レーザ回折式粒度分 布測定装置で測定した粒度分布および配合から 計算し、各配合における液体の体積を粉体の表面積で 除して、粉体の単位表面積あたりの液体の体積を算出 した。高炉スラグ微粉末およびフライアッシュを用い た 場 合 の 、 粉 体 の 単 位 表 面 積 あ た り の 液 体 の 体 積 と ペーストのフローの関係を図-3に示す。高炉スラグ微 粉末およびフライアッシュの置換率の増大に伴い、同 一の流動性となる単位表面積あたりの必要水量が減少 することがわかる。この必要水量の減少の程度が、鉱物 微粉末の種類および粉末度によって異なることがわか る。このような流動性の変化を式(1)を用いて評価し、

係数βを用いて、ペーストの流動性に対する各微粉末 の効果を評価することとした。係数βは、各鉱物 微粉末の必要水量に関する指標であり、微粉末の 種類および粉末度による必要水量の変化を表面積 の大きさの変化で表現するものである。各鉱物微 粉末の係数βは、表-2に示すとおりであり、各鉱 物微粉末のペーストの流動性に対する流動効果が 定量的に示された。

4. まとめ

(1)ペーストの流動性は、粒子間に十分な水が存在

する範囲では、水量にほぼ支配され、逆に、水量の少ない範 囲では、置換する鉱物微粉末の種類および粒度分布に顕著に 影響される。

(2)ペーストの粘性は、水量の多い範囲では、水粉体体積比に 支配され、水量の少ない範囲では、置換する鉱物微粉末の種 類による影響を顕著に受けている。

(3)ペーストの流動性に対する各鉱物微粉末の流動効果は、粉 体の単位表面積あたりの水の体積に着目した整理によって、

各鉱物微粉末の種類および粉末度ごとに定量的に評価された。

参考文献

1)枝松良展、下川浩児、岡村 甫、粉体の特性とペーストのフロー値との関係、土木学会 論文集、No.544/V-32、pp.65-75、1996.8

2)上野 敦、江口 崇、国府勝郎、大賀宏行、ペーストの流動性に対する粉体表面積の影 響評価、土木学会第54回年次学術講演会講演概要集、第5部、pp.198-199、1999.9

  土木学会第55回年次学術講演会(平成12年9月) Ⅴ-252

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