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人工杢目模様による木材の高付加価値化(第

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Academic year: 2021

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人工杢目模様による木材の高付加価値化(第2報)

-人工杢目模様の多様化-

楠本 幸裕*1 竹内 和敏*1

Heightening the Added Value of Wood by the Artificial Figured Grain

- Diversification of the Pattern of Artificial Figured Grain - Yukihiro Kusumoto and Kazutoshi Takeuchi

本研究は,板目や柾目等のいわゆる一般的な木の板材に対し,希少価値の高い天然の杢目材の様な模様を人工的 に付与した「人工杢目板材」に関する研究である。板材の表面を部分的に切削する事でその模様は変化し,切削に よって生じた表面の凹凸を圧縮により平滑化する事で,人工杢目板材を得る。 部分的な切削によって模様が変化す る事で得られる人工杢目模様は,ベースとなる板材の模様が同じであっても,切削に使用する刃物の形状や切削の 深さ,パターンが変われば異なる。本研究ではこの点に着目し,刃物の形状や切削の深さは同一とし,パターンに 異なる数種類を用いた人工杢目材をそれぞれ作製し,その時に得られた人工杢目模様について考察した。

1 はじめに

樹木から切り出された板材は,その模様により大き く板目,柾目,杢目の 3 種類に分類される。その中に おいて杢目は,その独特な模様と限られた樹種からし か採取できない希少性から,高級材料として大変珍重 されている 1-2)。しかしながら近年の木材資源の枯渇 化に伴い,杢目板材の入手は次第に困難になっている。

このような背景を受け本研究では,板目や柾目の板材 に加工を施し,人工的に杢目模様を付与し高付加価値 化した「人工杢目板材」を得ることを目的とした。

本研究では既に,表層部が選択的に圧縮された人工 杢目板材について報告している 3)。本研究による人工 杢目板材の製造方法では,ベースとなる板材の木目模 様が同じであっても,切削によって形成する凹部の形 状や深さ等によって得られる人工杢目模様が異なる為,

簡単に人工杢目模様のバリエーションを増加出来る事 が特徴である。そこで本報では,一般的なスギの板目 材に対し,様々なパターンでの切削を試み,そこから 得られる人工杢目模様を比較し,意匠性の高い切削パ ターンについて考察した。

2 実験方法 2-1 試料

実験の試料のベース材として,繊維方向200mm×接 線方向100mmのスギの板目材を用い,木表側に対して

部分切削を行い,人工杢目模様を付与した。

2-2 切削

切削のパターンには,繊維方向に直交する等間隔の 直線群等,合計7種類を用いた。その詳細については,

次章にて示す。切削には半径14mmのボールエンドミル を使用し,その深さは最深部で3mmとした。

2-3 圧縮

平滑化のための圧縮には,別報1)の選択的圧縮実験 と同じ手法・条件を用いた。

3 結果と考察 3-1 等間隔の直線群

繊維方向に直交する等間隔の直線群を切削パターン に用いて得られた人工杢目模様を図1に示す。ここで 得られた人工杢目模様は変化が単調で,機械的な規則 性を持った模様であった。

図1 等間隔の直線群

3-2 等間隔の曲線群

次に等間隔の曲線を切削パターンに用いた2種類の 人工杢目模様を,図2及び3に示す。左からベースの模

*1 インテリア研究所

(2)

様,切削パターン,得られた人工杢目模様を示してい る。等間隔の直線群に比べ,変化に富んだ模様となっ た。一方で変化に規則性が見られ不自然な印象が残る。

X Y Z

図2 同心円をベースとした等間隔の曲線群

X Y

Z

図3 放物線をベースとした等間隔の曲線群

3-3 不等間隔の曲線群

続いて曲線と曲線との間隔を不等間隔にし,ランダ ム性を持たせた切削パターンによる人工杢目模様を試 みた。図4~7にその結果を図示する。間隔が不等間隔 となったことで,規則性が消え自然な変化が得られた。

なお図7に示す試料では,あえて節のある材を選んだ が,表層部の選択的な圧縮には影響は無かった。

4 まとめ

今回の実験で得られた人工杢目模様を比較検証する と,間隔を不等間隔としランダム性を持たせた曲線群

X Y Z

図4 円弧をベースとした不等間隔の曲線群

X Y Z

図5 放物線をベースとした不等間隔の曲線群

X Y Z

図6 sin曲線をベースとした不等間隔の曲線群

X Y Z

図7 指数曲線をベースとした不等間隔の曲線群

による切削パターンが,意匠性の高い人工杢目模様を 得られる切削パターンであることが分かった。

5 参考文献

1)足立匡広 他:木のデザイン図鑑,エクスナレッジ

(2001)

2)日本木材学会:木質の物理,文永堂出版(2007)

3)楠本幸裕,竹内和敏:第61回日本木材学会大会研究 発表要旨集(CD-ROM),F18-02-1700(2011)

4) 田 中 千 秋 他 : 木 材 科 学 講 座 6 切 削 加 工 , 青 海 社

(1993)

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