第一回フォーラム開会にあたって(森一郎)
ⓒ Heidegger-Forum vol.1 2007
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第一回フォーラム開会にあたって
森 一郎(東京女子大学)
フォーラム開会にあたり、受付担当として、若干のご報告をさせていただきます。
第一回大会を具体的に準備するなかで、何といっても山だったと思われるのは、大会宣 伝用ポスターの作成です。ハイデガー・フォーラムの創設事業の全体がそうであるのと同 様、ポスター作りもまったくの暗中模索からの出発でした。光明が差したのは、秋富克哉 さんに、デザイン方面のプロである同僚の中野仁人よ し とさんを紹介いただいたときです。今回 のポスター制作の全般にわたり、仲介の労をとってくださった秋富さんのご友誼に、この 場を借りて感謝いたします。中野さんの温かい無償協力により、おかげさまで、学会関係 のポスターとしては他に類を見ない、粋なデザインのポスターが出来上がりました。バラ は何ゆえなしに咲き、何ゆえなしに終焉する ― といったところですね。
かくてわれわれは幸先よいスタートを飾ることができたわけですが、じつは一つ(正確 には二つ)ミスを、受付担当として犯してしまいました。賛同人メーリングリストでも経 緯はお伝えしましたが、ポスター上のプログラムの記載に、二箇所誤記があり、これは私 がチェックできていれば防げたものでした。幸い一箇所のミスに関しては、秋富さんがす ぐに気付いて連絡してくださり、基本的には印刷所のミスということで、急遽、二五〇枚 すべて刷り直してもらいました。しかし、各大学に再送とまでは行かず、大量に余ってい ます。つきましては、第一回大会の記念に、それも永久保存版として、参加者のみなさま には、一部ずつお持ち帰りいただきたいと思います。
ところが、世の中案外よく出来ているもので、刷り直したポスターを再送がてら、新聞 各社にしつこくフォーラムの意気込みを伝えたところ、朝日新聞から問い合わせがあり、
二〇〇六年八月二九日夕刊文化欄に大会案内の記事を載せてもらうことができました。「学 会でも研究会でもなく、ハイデガーの思索をきっかけにして自由に議論を交わす場として 設立され、二二〇名の研究者が賛同者として名を連ねる」とあり、きちんと紹介してもら えたことを嬉しく思います。その記事にこれまた誤りが一つあったことは、また別のお話
― いや、ご愛嬌というべきでしょう。
ポスターは基本的に賛同人の所属機関宛に発送しましたが、わざわざ自宅まで送りつけ られるという目に遭ったかたも、若干いらっしゃいます。その一人から、八月下旬にお手 紙をいただきました。ちょうど一年前にも、賛同のお電話とお葉書を頂戴した、辻村公一 さんです。封を切って中を見ると、一万円札が入っています。自筆のお手紙も添えられて いて、その文面に私は感動しました。せっかくですので一部紹介させていただきます。
「拝復、貴フォーラム賛同の徴として一燈を點じます。小生は老齢のためすべての會合 に出席不可能ですが、Hの道を、Hを超へて前進することを試みてをります。‥‥」
第一回フォーラム開会にあたって(森一郎)
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「ハイデガーの道を、ハイデガーを超えて前進すること」 ― 思索者のこのかわらぬ意気 込みと、「ハイデガーの思索をきっかけにして自由に議論を交わす場を設立する」というフ ォーラムの趣旨とは、なんら別物ではありません。第一回フォーラムが、かくも力強い賛 同の意を表わしてくださった先達の心意気に負けないような、ひたむきで徹底した議論の 場となりますよう、準備担当者の一人として、心から願っております。