2018年11月発行 第605号 C O NTENTS 1.日米の第一線の地震研究者が熊本に集結!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 2.第17回世界湖沼会議(いばらき霞ヶ浦2018)に参加・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 3.関西G空間フォーラム2018を開催・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 4.石岡測地観測局一般公開を実施・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 5.第69回日本学校農業クラブ全国大会(平板測量競技会)で 国土地理院長賞を授与・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 6.宇宙(そら)から高さが決まる社会に向けて ~航空重力測量の取り組み~・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 7.国土地理院 ことばのミニ辞典 ~第28回「地図・空中写真閲覧サービス」~・・・・・・・・・・・・・・ 8 8.10月の報道発表・12月の主な行事予定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 第12回UJNR(天然資源の開発利用に関する日米会議)地震調査専門部会 集合写真 (前列中央に日本側部会長の川﨑国土地理院長と米国側部会長のBlanpied博士)
10月24日から26日まで、UJNR(天然資源の開発利用に関する日米会議)地震調査専門部会第12 回日米合同部会が、熊本地震発生から約2年半を経過した熊本県熊本市で開催されました。 UJNR 地震調査専門部会は、2年ごとに日米両 国で交互に合同部会が開催されており、最新の研 究成果や将来の研究計画に関する情報交換や協議 を行い、地震災害軽減技術の確立に資することを 目的としています。日本側事務局は国土地理院、 米国側事務局は USGS(米国地質調査所)が行っ ています。 会議では、日米両国政府の地震に関する調査研 究機関の研究者58名(日本側37名、米国側21名) が参加し活発な議論が行われました。 国土地理院からも日本側部会長の川﨑院長をは じめ10名が出席しました。 24日と25日に行われた会議では、両国の研究者 により、8つのセッションで62件の報告が行われ、 熊本地震、北海道胆振東部地震、地震ハザードマッ プ、地震津波予測早期警戒システム、古地震、古 津波等について幅広い範囲の話題が取り上げられ ました。また、会議の最後には、今後日米で協力 して実施すべき研究について、「決議」が採択さ れました。 最終日の26日には現地視察が行われ、熊本地震 による右横ずれがあった熊本県上益城郡益城町の 堂園地区や、阿蘇郡南阿蘇村の新阿蘇大橋建設現 場などを視察しました。 参加者は、最新の研究成果や研究計画に関する 有意義な情報交換を行うとともに、熊本地震の被 害や復興の取組を目の当たりにし、地震災害軽減 のための研究の重要性をあらためて確認すること ができました。 本会議には、報道機関(地元テレビ局2社)か らの取材もあり、当日のニュース番組に取り上げ られ、いまだ復興の途上にある地元の地震への関 心の高さがうかがえました。 次回会議は、2020年秋に米国で開催される予定 です。 (地理地殻活動研究センター) 開会式での日本側部会長(川﨑院長)あいさつ 新阿蘇大橋建設現場 (前方は阿蘇大橋地区の大規模な山崩れ) 研究者による報告の様子
日米の第一線の地震研究者が熊本に集結!
■会議の概要 第17回世界湖沼会議は人と湖沼の共生をテーマ に開催され、国内外から4,000名を超える関係者 が参加しました。「基調講演」や「政策フォーラム」 と並行して湖沼関係者の情報共有や連携の推進の ための「湖沼セッション」、霞ヶ浦が抱える課題 に連携して取り組むための「霞ヶ浦セッション」、 研究者や市民団体などの論文や活動成果の発表・ 討議を行う「分科会」の他、企業や研究機関の先 進的な事例や活動内容を紹介した「展示会」など が行われました。最後に会議の成果をもとに「い ばらき霞ヶ浦宣言2018」が取りまとめられました。 ■国土地理院による発表・出展 (1) 分科会における発表 リモートセンシングによる湖沼のモニタリング をテーマとした第6分科会の第4セッションにおい て「湖沼データの整備、提供及び活用」のテーマ で国土地理院が実施する湖沼調査の手法や提供す る湖沼データとその活用などについて口頭発表し ました。 (2) 霞ヶ浦セッションにおける発表 「霞ヶ浦の環境に関する取り組みへの各種地理 空間情報の整備・提供」のテーマで、湖沼データ などが霞ヶ浦の様々な取り組みに貢献できること をポスター発表しました。 (3)展示会への出展 湖沼データ、時系列の地形図や空中写真、明治 期作成の「迅速測図原図」などのパネル、3D メ ガネで湖底地形を立体的に見る「陰影段彩地図」 などを出展しました。 ■国土地理院の発表・出展に対する意見 陰影段彩地図では「霞ヶ浦はほぼ平坦だが、浚 渫などで凹凸な箇所があることが分かる。」、空中 写真などでは「時系列に見ることで霞ヶ浦の変化 がよく分かる。」「湖沼が陸地化したところは地震 発生時の液状化が心配だ。」等、種々な意見があ りました。 ■おわりに 湖沼の取り組みに対して湖沼データなどの各種 地理空間情報の活用が期待できることを確認でき、 有意義な参加であったと考えています。 (応用地理部)
第17回世界湖沼会議(いばらき霞ヶ浦2018)に参加
10月15日から19日まで、つくば国際会議場(茨城県つくば市)において「第17回世界湖沼会議(い ばらき霞ヶ浦2018)」(主催 : 茨城県及び(公財)国際湖沼環境委員会 (IREC)、共催 : 国土交通省、環 境省、農林水産省他)が開催されました。国土地理院は、分科会及び霞ヶ浦セッションで発表を行 うとともに、展示会への出展を行いました。 展示会の様子 展示会に出展したパネル 左:湖沼データについて 右:迅速測図原図について 関西G空間フォーラムは、地理空間情報を高度 に活用する社会(G空間社会)の実現に寄与する ため、産学官が一堂に会し地理空間情報の活用に 関する情報共有や意見交換を行い、将来を展望す るものです。第1回の平成23年11月から毎年大阪 市で開催しており、今回が第8回となります。今 年は、「オープンデータの活用とG空間社会の将 来」をテーマに開催し、266名の来場がありました。 フォーラムは合同シンポジウムと展示会の2つの 構成で行われました。 【合同シンポジウム】 合同シンポジウムは3部構成により、以下の内 容で行われました。 第一部の測量技術講演会では、立命館大学教授 の矢野桂司氏に「オープンデータの地理空間情報 を活用した社会・学校GIS教育の展開」と題して、 オープンデータの活用や地理教育を始めとしたこ れからのGISの展開について、講演をしていただ きました。国土地理院からは、下山地理空間情報 部長が「地理空間情報活用推進における測量と地 図の役割」について、最新の取り組みを紹介しま した。 第二部の関西地域GIS自治体意見交流会では、 大津市、京都市、民間2団体からオープンデータ に関する取り組みや課題について報告が行われま した。 第三部では、「オープンデータの活用とG空間 社会の将来」をテーマに、富田林市上下水道部下 水道課の浅野和仁氏をコーディネータとし、下山 地理空間情報部長と第二部講演者による合同パネ ルディスカッションが行われました。会場からの 質問を中心に活発な意見交換が行われました。 【地理空間情報関連の機器・システム等の展示会】 近畿地方測量部、日本測量協会関西支部、G I S官民協議会支援グループ・大阪府測量設計業協 会、民間企業11社の計14団体が展示を行いました。 近畿地方測量部は地理院地図の紹介や災害対応 (平成30年7月豪雨、北海道胆振東部地震、台風21 号)などのパネル展示を行いました。民間企業か らはUAVやレーザスキャナ、VR等、最新の測量 機器や計測技術等に関して出展されました。 近畿地方測量部では、今後とも地理空間情報活 用推進のため、産学官で協力・連携を図りながら 継続的に取組を進めて参ります。 (近畿地方測量部)
関西G空間フォーラム2018を開催
地理空間情報活用推進に関する近畿地区産学官連携協議会(会長:大阪工業大学吉川眞名誉教授、 事務局:近畿地方測量部)の活動の一環として、10月3日に大阪工業大学梅田キャンパスにおいて 関西G空間フォーラム2018を開催しました。 下山地理空間情報部長の特別講演 機器・システム展の様子石岡測地観測局は、VLBI 観測施設、電子基準 点、重力測定室という地球の形を測る3つの施設 を備えた観測局で、茨城県畜産センター(茨城県 石岡市)の敷地内にあります。同センターが毎年 秋に開催している畜産センター公開デーにあわせ て、石岡測地観測局も一昨年から一般公開を行っ ています。 今年も石岡測地観測局の3つの施設と、筑波山 地域ジオパーク協議会の展示で説明を行ったほか、 3D プリンタで作成した筑波山周辺の立体地形模 型や石岡市周辺のデジタル標高地形図の展示コー ナー、VLBIアンテナのペーパークラフト工作コー ナーを設置しました。また、各ブースで説明を聞 いた後にクイズに答え正解した方に施設や地域の 概要を紹介したカードを差し上げるクイズラリー も好評で、子どもから大人まで一般公開限定デザ インのカードを楽しんでいました。 VLBI アンテナ見学ツアーには多くの方が参加 され、ヘルメットを着用して普段は立ち入ること ができないアンテナの台座に上がり、最新型のア ンテナを珍しそうに触っていました。また、アン テナの駆動実演では、高速で駆動するアンテナを 間近で体感し、その速さに驚いている様子でした。 重力測定室では、3種類の重力計を展示し、重 力値の活用の身近な例として家庭用はかりの重力 補正を紹介しました。重力補正の紹介では、国土 地理院の測った重力値が身近な日常生活に活用さ れていることに興味を示し、熱心に質問する来場 者もいました。 電子基準点では施設説明のほか、GNSS アン テナ・レドームを展示しました。電子基準点の GNSS アンテナは特殊な形状であり、その構造に ついてたくさんの質問がありました。 また、今年から用意した写真撮影用のフォトフ レームで記念写真を撮影したり、コミュニケーショ ンカードには感想や素敵なイラストなど思い思い のメッセージを書き込んでいました。感想の一部 は、国土地理院石岡測地観測局の Facebook で紹 介させていただく予定です。 https://www.facebook.com/gsi.igos 石岡測地観測局一般公開は、来年も畜産セン ター公開デーにあわせて実施する予定です。来場 者から頂いたアンケートを参考に、来年も楽しい 企画を用意してご来場をお待ちしております。 (測地部)
石岡測地観測局一般公開を実施
10月27日に石岡測地観測局一般公開を行いました。当日は天候に恵まれ、地元の石岡市やつくば 市を中心に、茨城県内外から600名を超える方の来場がありました。来場者は、熱心に見学・質問 を行い、石岡測地観測局が果たす役割について理解を深めていました。 VLBI アンテナ見学ツアーは大人気! VLBI アンテナ作りに挑戦!全国大会は、「農業高校の甲子園」とも呼ばれ ており、農業関係高校で学ぶ生徒達が日頃の学習 成果の発表や実習等で学んだ成果を発揮し、生徒 達相互の交流を目的として毎年開催されています。 本大会は、57年ぶりに鹿児島県で開催され、『お こせ農業維新 鹿児島に集いし 農クの仲間で』、 『西郷(せご)どん見守る鹿児島で 熱き瞳を輝 かせ きばれ農クの仲間たち』の二つの大会スロー ガンを掲げ、全国から334校、約4,000名の生徒が、 24日に「プロジェクト発表会」、「意見発表会」、「平 板測量競技会」、「農業鑑定競技会」及び「家畜審 査競技会」の5部門で競い合いました。 このうち平板測量競技会は、伊佐市広域総合運 動公園(鹿児島県伊佐市)で都道府県予選を勝ち 抜いた48校の代表が、平板を使った境界線測量で 三斜法と三辺法による面積測定等を競い合い、平 板測量の技術・正確さ・スピードなどが審査され 優秀な成績を修めた学校には国土地理院長賞が授 与されるものです。 25日には、鹿児島アリーナ(鹿児島県鹿児島市) で大会式典が開催され、5部門の最優秀者及び最 優秀校の表彰式が執り行われました。 平板測量競技会では、最も優秀な成績を修めた 長崎県立諫早農業高等学校に川﨑院長(代理:後 藤九州地方測量部長 ) から国土地理院長賞の賞状 及び記念の楯を授与しました。 (九州地方測量部)
第69回 日本学校農業クラブ全国大会(平板測量競技会)で国土地理院長賞を授与
第69回日本学校農業クラブ全国大会平成30年度鹿児島大会(主催:日本学校農業クラブ連盟、全 国農業高等学校長協会ほか 後援:文部科学省、農林水産省、環境省、国土地理院、鹿児島県ほか)が、 鹿児島県鹿児島市、鹿屋市、指宿市、南さつま市、伊佐市及びさつま町を会場に、10月24日から25 日に開催されました。 平板測量競技会の最優秀校(長崎県立諫早農業高等学校)へ国土地理院長賞を授与 平板測量競技会の様子日本の国土の高さを表す標高は、河川やダム、道 路等の土木施設や上下水道のようなインフラに係る工 事など、様々な場面で必要とされる情報です。 11月1日から準天頂衛星システム「みちびき」によ るサービスが開始され、今後ますます利用が広がる と考えられる衛星測位では、直接標高を測ることが できないため、変換するための補正量であるジオイド (標高の基準)の情報が必要となります。国土地理 院は、より利用しやすい標高体系を目指し、精密重 力ジオイドの構築に向けたプロジェクトを始動しまし た。そのプロジェクトの核となるのが航空機により上 空から重力を測定する「航空重力測量」です。 今年度は、航空機に搭載する航空重力計を調達 するとともに、その性能確認を行うための検定線を 設置しました。検定線では、航空重力計により上空 で測定した重力値と、地上で重力を測定した値を比 較することでその性能を検査することができます。 航空機の飛行速度を考え、茨城県つくば市から 埼玉県熊谷市にかけて東西約50km の検定線とし ました。検定線上には、約500m間隔で101点の観 測点を設け、地上での重力測量を実施しました。 (下図及び右下写真参照) 航空重力測量は、来年度より実施しますが、精 密重力ジオイドは重力データを取得した地区ごと にプロトタイプを提供し、全国のデータ取得が完 了した後に、全国版を提供する予定です。 今後にご期待ください!
宇宙(そら)から高さが決まる社会に向けて ~航空重力測量の取り組み~
国土地理院では、「明治以来の標高の仕組みを大転換」と銘打ち、GPS や準天頂衛星システム(み ちびき)といった測位衛星を活用して、いつでも・どこでも・誰でも標高を容易に知ることができ る社会の実現を目指し、航空重力測量による全国の重力データから精密重力ジオイドを構築する取 り組みを今年度より開始しました。 航空重力計 (出典 :Micro-g LaCoste 社 HP) 検定線での観測風景 茨城県つくば市から埼玉県熊谷市にかけて設置した航空重力計の検定線(朱色) 国土地理院 0 5 10[km] (測地部)http://www.gsi.go.jp/ ①地図・空中写真・地理調査 ②地図・空中写真閲覧サービス ③作成・撮影年や地図の種別などを選択 平成27年調製 大正8年鉄道補入 昭和23年3月撮影 昭和38年6月撮影 平成元年10月撮影 平成29年5月撮影 https://mapps.gsi.go.jp