Al‑Mg‑Si合金の押出し加工性,機械的性質
お よび集合組織 にお よぼす
Fe 添加の影響*
小 林 義 一**
1. 緒 .I
筆者は Al‑Mg‑Si系合金の押出 しに関する研究を行な ってお り,すでにMgとSiの量を 種 々変えた ALMg‑Si合金の押出 し加工性や押出 し材の機械的性質および押出 し集合組級 などを調べて報告(1ト(5)してきたが, これ らの実験において,押出 し温度や加工度な どの押出 し条件が同 じであ っても合金の作成にあた って使用す るアル ミニウム地金の純度に よって押 出 し加工性や押出 し材の校枕的性質が異なる事が明 らかになった. これはアル ミニウム地金 中に不純物と して含有す るFeの影響によるものと考 えられ るので,今回は この点を確かめ るために,高純度 アル ミニウム地金を使用 して作成 したAl‑Mg‑Si合金にFeの量を種 々変 えて添加 した合金を作成 して熱間押出 し加工を行ない,その押出 し加工性,押出 し材 の機枕 的性質および押出 し集合組織がFeの添加によってどのよ うに影響 され るかを実験 した.
2. 試料の作成 と実験方法
Al‑Mg‑Si合金の作成には99.994%高純度アル ミニウム (Fe0.002%,Si0.002%,Cu0.
002%含有)お よび99.9% Mgを用い,Siの添加にはAト24.9% Si(Fe0.3%,Cu0.00%
含有)母合金を用いた.これ らを内面をアル ミナで内張 りした黒鉛 るつぼにより溶解 し,Aト 0.6%Mg‑0.4%Si合金を作成 した.つ ぎにFeの添加は,得 られたALMg‑Si合金を再度溶 解 し, これに鉄線およびAト50%Fe母合金を加えてFeの含有量が 0%か ら0.2%お きに1.0
%までの6種類を作成 した.そ のときの潜を温度はほぼ7801C,鋳込温度はほぼ720oCと し, ほぼ120oCに加熱 した直径45mm長 さ160mmの金型に鋳込んだ.その後560oC,8hrの均質 化処理を行な ってのち直径40mm長 さ80mmの ビレッ トを切削加工 して作成 した. このよう に して得 られた試料の化学分析値を表1に示す.
押出 し条件 としては,押出 し温度を440,480お よび520oCの3種類に変え,押出 し速度は 0.5m/minとし, ダイス穴の形状は円形で加工度は92%と した.また潤滑剤には黒鉛を使用
した.
押出 し材の機械的性質の調査は,押出 し材か ら直径6mm標点距離40mmの試験片を切削 加工 し,イソス トロン型引張試験横に より引張速度2mm/minで引張試験を行な った.また かた さ測定はマイクロビッカース硬度計 (荷重500g)を使用 した.
つ ぎに押出 し集合組織は,押出 し材中央部の組織が安定 しているところか らその縦断面に そ って厚 さはぼ 1mmの板を切 り出 し,エメリーベーパで仕上げ, さらに1%カセイソーダ
* 昭和49年10月 日本機械学会北陸信越支部長野地方講演会において発表 榊 椀枕工学科助教授
原稿受付 昭和50年9月30日
18 長野工業高等 専門学校 紀要 ・第6号 表1 試料の配合倍と化学分析値(%)
(荏) 括弧内は原子パーセントを示す.
水溶液でほぼ0.15mmになるまで薄 くしてか らⅩ線デ ィフレク トメータにより集合組織 の極 点図を作成 し,またⅩ線写真を撮影 した.使用 したⅩ線はCu対陰極にNiフィルタをつけ, 電圧30KV,電流8mAと した.
3. 実験結果 とその考察 3‑1押出し加工性
図1はAl‑Mg‑Si合金の押出 し加工性におよぼすFe の影響を調べ るために,Fe含有量が異なった合金を440, 480お よび520oCで熱問押出 し加工を行ない,そのとき
の押出 し圧力がFeの量に よってどのように変化す るか を示 したものである. これによるとFeの含有量が増加 す るにつれて押出 しEE力は上昇 し押出 し加工性は低下す る. この傾向は押出 し温度が低いほど大 きい.試料の分 析結果によるとFeの量が増えるにつれてSiの量はほぼ 一定であるが,Mgの量は少 しずつ低下 している. しか しFeの量を一定に してMgとSiの量を変えた合金の押 出 し加工性を調べた筆者の実験(1)によると, Mgは押出 し圧力を増大 させ るが,Siはほとんどそれを増大 させな い. このことを考慮す ると,本実験に よる押出 し圧力の 上昇はFeに よるものであ ることがわか る. この原田を 調べ るために鋳塊の国教鏡組織を調べた.その結果を写
(HTU[31)FF出]q7監
30
25
20
I‑ 7.押 出 し温度440●C
▲一 ・一 〝 480℃
.‑ 一一● 〝 520℃
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0.2 0.4 0.6 0.8Fe(%) 図1 押出し圧力におよぼす
Feの影響
真1に示す. これによるといずれの合金 も結晶粒界にそ って析出物が認め られ, Feの量が 多 くなるにつれてこの析出物の量 も多 くなることがわか る.また この析出物をX線マイクロ
アナライザで調べたところ Al‑Fe‑Si化合物であ ることがわか った.
以上によりFeの量が増加す るにつれて押出 し圧力が高 くな り押出 し加工性が悪 くなる原 田はALFe‑Si化合物が材料の変形抵抗を増大 させるためであると思われ る.
Al‑Mg‑Si合 金の神山 し性,機械 的 性 'fiお よび 災 合41織 に お よはすFeの 影 響 19
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写真 1 鋳 塊の顕 微鏡組織 (均 Tl化処冊 ‑560oC,8hr加熱後空冷)
3‑2 押 出 し材の機械的性質
3‑2‑1押 出 しのまま (F材)の機械的性質
押 .ll'.し材 の機械的性質にお よぼすFeの影響 を調べ るために,Feの丑 が異 な った6龍 雄 の 合金を440,480お よび520oCで押 山 して得 られた押 出 し材 の縦断面 のかた さ測定 お よび 押 山 し材 の引張試験 を行な った. これ らの結果 を図2お よび搾I3に示す. これ らに よると,押出 し材 の機械的性質は押出 し温度 の高低とFe含有丑に よって大 き く影響を受け,押 出 し温度 が440oCの場合にはFeの盛が 多 くな るにつれ てかた さがわずかに増大す るが, これはFe丑 のilll加につれ て地が感化 され るためであ ると思われ る.・J日成強 さお よび0.2%耐)Jは, この 払皮 ではFeの丑に よ ,てほ とん ど影響 されずに一定で,その他 も一様 に低 くな ってい る.
押 出 し温度が高 くな ると,Fc の皿が増加す るにつれ てかた さは低下す る傾向を示すが,0.2
%耐ノ)はほ とん ど影響 され ない. また引張強 さはわず かに低 卜す る傾向を示す が,Fe丑 が J刊.加す るにつれ てMgの丑 が減少 していることの影習 を 考え ると,Feの引張強 さにお よは す 影響 は大 き くない. 伸びは押 出 し温度が高 くな るにつれ て小 さくな るが.Feの品に よ る影 空酌よ小 さい.
20
60
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長野工業高等 専門学校紀要 ・蔚 6号
・‑‑ ‑・押 出 し1品iTh:520℃ LL一・‑一 ・' 480℃ I‑ ′ u 440℃
00.2 0.4 0.6 0.8 1.0 FeI% l
図2 押出し材のかたさに およはすFeの影響
22‑1
的b.曾忘1)仙東壁W8+0104(SVqJ31)至収%N.09'(%)J量
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 Fe(%)
図3 押出し材の横枕的性質に およはすFeの影響 312‑2押出し材を焼もどし処理 (T5処理) した ときの機械的性質
A1‑Mg‑Si合金は押出 しのままで使用す るよりもむ しろ押出 し後焼 もどし処哩 (T5処理) を して使用す る場合が多いので,今回も押出 し材を焼 もどし処理を して,焼 もどし特性にお よぼすFeの影響を調べた.図4は520oC押出 し材を175oCで焼 もどしを して時間の経過につ れてかたさの変化す る様子を調べたものであ り,図5は同 じ試料を210oCで焼 もどしした場 合である.これ らに よると,かたさは焼 もどし時間とともに上昇 していき, 175oC焼 もどし の場合にははば 7hrで最高かたさに達 し,それ以後は過時効 とな りかたさは低下す る. 普 た210oC焼 もどしの場合には1‑ 1.5hrの焼 もどしで最高かたさに達す るが,最高かたさは 175oC焼 もどしの場合に比較 して低い値 とな っている. このような焼 もどしによるかたさの 上昇は合金に含 まれ るFeの量が少ないほ ど顕著に現われてお り,Feの量が多 くなるにつれ
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図4 押出し材を焼もどし処理(T5処理) したときのかたさの変化
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図5 押出し材を院もどし処理(T5処理) したときのかたさの変化
(琵毘 通 覧:::':.'.…諾:g)
AIMg‑Si令金の押出し性,機械的性Tfおよび災合孤掛 こおよばすFeの膨轡 21
て焼 もど し効果は少な くな る. そ して FIO合金 の場合にはほ とん ど時効硬 化を示 さない.
図6は この焼 もど し特性 にお よばすFeの影響を まとめた ものであ る.す なわち520oC押 出 し材を焼 もどしした ときに投高かた さが得 られた 175oCx71ュrお よび 210oCxl.5hrの焼 もどし粂 作のときのかた さが Feの丑 に よって どの よ うに変化す るかを示 してい る. これに よると,Feの丑 がtil.え るにつれてかた さが低下す ることは明白であ る.す なわちFeは Aト Mg‑Si合金 の焼 もどし特性 を著 しく悪化 させ ることがわか る. この原因を調べ るために, 押 出 し材 をX線 マイク ロアナ ライザで調べ ,その結果を写真 2お よび写真 3に示す . これ ら
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図6 押出し材を焼 もどし処理 (T5処理)したときのかた さにおよぽすFeの彫哲 (押出し温度‑・520oC)
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図7 押出し材を焼もどし処理 (T 5処理)したときの機械 的性質におよぼすFeの膨管 (焼 もどし‑175oCx7br)
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藍 讃 黒 潮 欝
王 ∴ 十 十 十 二 ・ i
写貢2 AlrMg‑Si合金仰山し材の顕微鏡像 (試料‑480oC押出し材)
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写真3 AトMg‑Si合金押山 し材 のX線マイクロアナライザによる 特性Ⅹ放牧 (試料‑480oC押出 し材)
に よるとFeの畳が少ない試料FOはⅩ線 マイ クロアナライザに よる特性X線像はMgとSi がほぼ2 :1の割令で対応 してお り,Mg2Sjの存在が確認で きる.F4お よびF8の顕微鏡像 (写真2)では析出物が認め られ, この析 出物は写真 3の特性X線 像に よるとFe,Siお よび Alが対応 してお りAトFe‑Si化 合物であ ることが確認 され る.
以上に より,AトMgSi合金においてFeの丑が増加す るにつれて焼 もどし特性が低下す るのは, FeのためにAI‑Fe‑Si化合物がで き,そのため この合金の硬化要素であるMg2Si 化合物の丑が減少す るか らであ ると結論 され る.
図7は押出 し材を 175oCx7hrの焼 もどし処理 (T 5処理)を してか ら引張試験 を行な った結果 である.引張強 さお よび0.2%耐力 ともに押出 し温度が高い場介にはFeの丑が増 えるにつれて低下 し,かた さの場合 と同 じよ うな憤向を示す .伸びは押 出 し温度が高い場合 はFeの立が増えるにつれて大 き くな る. しか し440oC押 出 しの場合には引張強 さ,0.2%耐 プJともにFeの丑に よってほとん どBq3惣 されずにその値 も一様に低いが, これは加工温度が 低いために硬化要素のMg2SiがAlに固溶す ることがで きず,そのために この合金を焼 もど
して もMg2Siの析 出にともな う懲度 の増加が期待で きないか らであろ う.
3‑3押 出し集合組織
押出 し集合組織が押山 し温度 お よび Fe含有皿 の違いに よって どの ように変化す るかを調 べ るために,押出 し材中央部の組織が安定 してい るところか ら切 り山 した縦断面につ いてX 線写,731:を投影 し, またX線デ ィフ レク トメータに よる(111iお よび t200i極点図を作成 し
Al‑Mg‑Si合金の仰山し性,機械的性質および払合組織におよはすFeの彫℡ 23
た。1例 と して写英 4に440お よび520 oC押 出 し材 のⅩ線写真 を, ま た 図8 に440oC押 山 し材のFO,F4お よびF8 の tllliお よび t200i柾点図を示す.
また図9には試料F8を520oCで押Lu した ときの tllll およびt2001極点 図を示 す. これ らの t111i極点図にお け る巾央 の4本の韮毛等符 の うち外側 の
2本は<100>織維組織 の存在 を 示 し, 内側 の2本お よび上下両極の覧箭点は
<111>級維組織 の存在を示す.t2007 極点図においてほ中央 の集群帯 と上下 両極 の集札 点が<100>線維組織 の 存 在を示 し, 中間部の2本 の
某
耶帯 が<111>級維組織 の存在を示 す. こ れ らのX線写真お よび趨点図に よると, 押 出 し温度が480oC以下の 場合 に は
<111>お よび<100>方向が押出 し方 向に一致 してい る が, 押出 し温度 が 520oCにな るとFeの少ない試料は集 合組織 を示 さな くな る. また440oC押 LIJ.し材 の極点図におけ る張精強度をみ ると,Feの畳が0,0.4,0.8%と増え る につれて,t2001極点図におけ る両極 の強度は10,7.3,3と低 FL,<111>
症損得 の強度 もFeの畳が増えるにつ れ て9.5,2.9,2.8とわずかに低下の傾 向を示 している.tllli極点図におい
(a) 押出し温度‑・・・440oC
O)) 押LHL温度.・・‑520oC 写真4 Al‑Mg‑Si合金押山し材のⅩ線写英 て も上下両極 の<111>集群点 の 強度
は FeのE3:の増加につれて39,29,24とわずかに低下の傾 向を示 し,中央 の集箭帯 もほぼ同 様 の幌向を示す .520oC押出 し材の極点図においてはく100>集積背 の著 しい発達が認 め ら れ る.た とえば試料F8について中央 の英積帯におけ る<100>の占め る割合をみ ると tllll 極 点図では440cc押JrJjL材のとき31.0%のものが520oC押 出 し材では42.4%に上昇 し,一方 t2001極点図においても440oC押出 しのとき20,0%であ るものが520oC押 出 し材では51.1%
に上昇 している.また集積帯の中のと くに集積度の高いところは切 り出 した試料面に平行に 揃 ってい る結晶面を示すが, これ らの面は<111>集積帯では (178)面が大部分でわず かに (112)面や (213)面が認め られ る.また<100>集揖帯では (001),(011),(012)面 な ど の面が試料面に平行に揃 ってい ることがわか る.
以上 のよ うに Al‑Mg‑Si合金押出 し材は<111>と<100>方向が押出 し方 向に向い て お
24 長野工業高等専門学校紀要 ・第6号
ED
ムt178)Lllll
▲1112日l111 A(001)い001
ムlO11)いool 血日78J川 手J A(OOり日007 A (011)tlOOl
A(178)【ul)
▲【213)lHl) A (001)‖OO) A 1072)い00】
A L178)い1り △ (001IL10OI A (178)[117】 △(ool)【1∞l
▲ lo12兆100) ▲(0121【仰 】
(a)11111極点図 O))1200)極点図 図8 440oC押出し材の (111)および(200)極点図
り,その強度はFe量や押出 し温度に よって変化が認め られ るが, このような強度の変化は 押出 し材横断面のⅩ線回折強度を調べ ることに よっても知 ることができると思われ るので, 各条件で押出 した押出 し材の横断面のⅩ線回折 と同 じ試料を粉末状に したもの (ヤス リで粉 末状に してか ら歪,■ 内部応力な どの除去のために400oCxlhrの焼なましを したもの)の
Ⅹ線回折を行なった.1例として図10に試料FOの粉末状試料お よび440oC押出 し材の横断 面 のⅩ線回折図形を示すが,押出 し材は粉末状試料に比較 して (111),(200)および (222)
AトMg‑Si介 金 の押IiJ.し性,機械的性質および地合組織におよはすFeの彫 甥 25
血い78日llり △ (ocり【100)
ALOl川100I 也 (1181日111 A (001)rlCOI A(OIJ)【1COl
(a)(1111極点図 03)1200)趨点図 図9 520oC押出し初の (111)および(200)極点図 (試料‑・F8)
蔓 書 44Ct押川 又
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tttf)ty E;
吋..・e事1
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図10 押tuL材横断面のⅩ線回折図形と粉末状試 料のX線Jrり析図形 (試料‑FO)
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#漁 安里 )樹垂奪回蜜X
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440 480 520 Ll40 480 520 押.LuL濫舷(℃) 州IlL氾腔('C)
図11押山し材横桁面のX線阿析敷 皮と押出し温度との関係
両か らのr・1析強度が著 しく強 くな っていることがわか る.図11は これ らX線回折 の結果 を ま とめた ものであ り,縦軸には粉末状試料 のX線 阿析 強度 を基準に して示 した押 出 し材 のX級 回折強度を示 し,横軸には押出 し温度を示 してあ る. これに よると押 出 し温度が高 くな るに つれ て (200)面か らの何析強度は強 くな り, (111)面か らの回折強度は逆に弱 くな る憤 向 を示すが, Feの盛に よる影響は小 さい. また Feの畳 が少ない合金は押 出 し温度が 高 くな ると (200)お よび (111)面か らの回折強度が著 し く弱 くな る. これは<111>とく100>が 押 出 し方 向に一致 していない ことを示 し,X線写真 の結果 とよい対応を示す .
4. 結 論
高純度 アル ミニウムを使用 して作成 したAトMg‑Si合金にFeの畳 を0.005‑1.05%の範 囲 で捺加 した合金 を440,480お よび520oCで押 出 し, その押 出 し加工性,押 出 し材 の故枕 的性 質 お よび集合組織 を調べた ところつ ぎの ことがわか った.
(1)Feの丑が抑 え ると押出 し圧 力が高 くな り押 出 し加工性は悪 くな る. これは AトFe‑Si
化合物が材料 の変形抵抗を大 き くさせ るためであ ると考え られ る.
26 長野工業高等専門学校紀要 ・欝 6号
(2)押出 し材の琉枕的性質は押出 し温度 とFeの量により影響を受け,押出 し温度が高い 場合は Feの量が増加す るにつれてかたさは低 くなる.引張強 さと0.2%耐力は押出 し温度 が高 くなるほ ど大 きくな り, 伸びは逆に小 さくなる傾向を示すが, Feの量に よっては大 き な影響は受けない. またFeの量が増加す ると押出 し材を焼 もどししたときの特性が著 しく 低下す る.
(3)押出し材の集合組織は,押出 し温度が低い場合には<111>とく100>が押出 し方向に 揃 うと同時に半径方向にも特定の面が揃 う.極点図上におけ るこれ らの強度はFeの量が増 え るにつれてわずかに低下の傾向を示す.押出 し温度が高 くなるにつれて押出 し材鶴断面の (200)面か らのⅩ線回折強度は強 くな り, (111)面か らのⅩ線回折強度は弱 くなる傾向を 示す. また押出 し温度が高い場合には, Feの量が少ない合金はそれの多い合金に くらべて 集合組織 の消滅がはやい.
終 りに本実験を行な うにあた り東京工業大学高橋恒夫教授には種 々御援助を賜わ りました ことを付記 して深 く感謝の意を表 します.
参 考 文 献
(1)高橋恒夫,小林義一,小島陽 :軽金属,VoL.19(1969),P.189. (2)小林義一 :長野工業高等専門学校紀要,第3号 (1969),P.45.
(3)小林義一 :長野工業高等専門学校紀要,第4号 (1971),P.17.
(4)高橋恒夫,小林義一,時沢貢 :軽金属,VoL.23(1973),P.248.
(5)小林義一 :長野工業高等専門学校紀要,第5号 (1973),P.29.