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日本における男性看護師の歴史的変遷から みた今後の課題

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Academic year: 2021

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日本における男性看護師の歴史的変遷から みた今後の課題

星野広茂、佐藤信枝 新潟医療福祉大学 看護学科

【背景・目的】近年、男性が看護界に進出しつつある。し かし、看護師全体から見ればまだ少数派である事も明瞭だ と考える。また増加傾向になるにつれ、今まで潜在してい た男性看護師ならではの臨床で経験する困難も増えるも のだと推測できる。私は大学に入学し、実際に男性のマイ ノリティを実感したことから、何故看護師は男性が少ない のだろうと疑問に思った。そのため、現代の看護のあり方 と歴史的背景や文献での考察から、どのように男性が進出 し、現在の男性ならではの役割を獲得したのかを明らかに する。この研究を行うに当たって、看護という職業が女性 に特定されたものでは無く、男性が進出する事によって多 角的な視点から対象者を理解しケアの質はもとより生活 の質を向上させると考える。

【方法】1.研究デザイン:文献研究

2.研究対象:医学中央雑誌Web版を使用し、期間は2004

2018年とし、原著論文のなかでキーワード「男性看護 師」によって検索された文献を対象とした。

【結果】1.歴史的背景について

1946年に制定された日本国憲法において、婦人参政権 が実現するとともに、女性の地位向上にとって、法制上の 男女平等が明記された。その後、1948年に制定された保 健婦助産婦看護婦法(以下、保助看法)では、男性の看護 人について「看護婦、准看護婦に関する規定を準用する」

とされた。その後、1999年に「男女共同参画社会」が公 布された3年後に名称は保助看法の改正で「看護士」から

「看護師」と改称され男女同一になった。また1985年「男 女雇用機会均等法」が制定された4年後、男子学生の母性 看護学実習は精神科実習に置き換えられていたが、男子学 生も履修可能になるなどの変遷が見られた。

男性看護師数は2006年度38,028人(4.7%)から2016 年度84,193人(7.3%)と10年間で2倍以上に増えてい る。

2.男性看護師の現状

1)役割期待:男性看護師は男性役割に過度な期待を持た れた時に負担を感じていた。このような困難に対して男性 看護師はポジティブな受け止め方を行い対応している事 が分かった。

2)羞恥心を伴うケア:男性看護師は患者に羞恥を伴う看 護ケアを断られた際にストレスを感じ、女性看護師にケア の交代を依頼していることが分かった。そのなかには、拒 否をポジティブに受け止めようと工夫している人も見ら

れた。

3)女性看護師との人間関係:コミュニケーションの難し さを感じている男性看護師は休憩場所や接し方の工夫を 行っていたが、女性看護師との関係性で困ったことのない 男性看護師は休憩時間を一緒に過ごしていた。

【考察】戦後、日本国憲法によって、男女平等を謳ったこ とが現在の男女雇用均等法や男女共同参画社会基本法案 などの考え方の芽生えであると考える。その2年後、看護 に関する法において初めて男女平等を示唆されている。日 本国憲法の男女平等であるという社会の考え方が看護界 に広まっていると推測できる。看護界では社会の動向にあ わせるようにし、性差を無くそうとする働きが見られる。

つまり、看護の歴史は日本社会の動きに合わせて変化して いたと考えられる。男性看護師数においては、男女平等参 画社会などの政策の影響が顕著に表れていると言える。し かし、全体でみると、男性の看護師は2016年で7.3%と 少数派である事は明瞭であり、未だ男女平等であるとは言 い難い現状であると考える。役割期待については、「期待」

や「信頼」など前向きな感情に置き換えて自己研鑽する事 で、自身の成長にもつながり、また女性看護師の期待に沿 える事ができ、良好な関係が築けると考える。少数派は集 団内において目に付きやすい存在であり良くも悪くも目 立ちやすい存在であると言える(上杉ら2014)、少数派の 行動があたかもその集団全体の特徴のように見なされる

(松浦ら2013)など先行文献から、一部男性看護師の悪 いイメージが全体のイメージとして定着しやすい状況で あると言える。このようなイメージの払拭には、豊富な知 識や技術を持った男性看護師が、患者や女性看護師と多く 関わる必要があると推測する。従って、男性看護師数が増 加することで、経験豊富な男性看護師が増加し、質の高い ケアが提供でき、社会全体に良いイメージ定着するものと 考える。羞恥を伴うケアに関しては、女性看護師は男性看 護師の羞恥心を伴うケアの負担を理解した上で、率先して 負担の軽減を行う関わり方が求められる。そのためには、

男性看護師が看護ケアの交代を気軽に頼めるような雰囲 気・環境作りが大切であると考える。女性看護師との人間 関係については、何気ない会話や時間を共有する事で女性 看護師との関係性が構築できると考える。つまり、女性看 護師とのコミュニケーションが苦手な人ほど、日頃から積 極的に女性看護師とコミュニケーションを取る努力を行 い、関係性を築く事が重要であると推測する。

【結論】

1.看護界は未だに男女共同参画社会に至っていない。

2.両性の特性を活かしつつ短所を補い合うことにより、

看護という職業がより成熟したものになる。

3.陽性的な考え方を身に付け自己研鑽する努力を行う。

4.看護界の歴史は社会の動きに沿っている為、社会の動 きを見ることは看護界の将来を見据えることに繋がる。

P-59

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第18回 新潟医療福祉学会学術集会

参照

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