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氏 名 白 石 安 永 学 位 の 種 類 博 士 (医学)

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【 9 】

氏 名 白 石 安 永 学 位 の 種 類 博 士 (医学)

学 位 記 番 号 第 5 0 8 号

認 定 課 程 名 防衛医科大学校医学教育部医学研究科 学 位 授 与 年 月 日 平成28年2月12日

論 文 題 目 SOD1 及び SIRT1を介したアンジオテンシンⅡによる血管障害 のメカニズムの検討

審査担当専門委員 (主査) 杏 林 大 学 教 授 吉 野 秀 朗 杏 林 大 学 教 授 滝 澤 始 東 京 医 科 歯 科

大 学 教 授 横 関 博 雄

審 査 の 結 果 の 要 旨

高血圧による血管障害・リモデリングのメカニズム、特に、アンジオテンシンⅡ(Ang

Ⅱ)による血管障害のメカニズムを、AngⅡによって誘発される酸化ストレスと炎症の観 点から解明することを目的に本研究が行われた。研究の第一章では細胞質活性酸素種の 代謝をになう Superoxide Dismutase l (SOD1)を欠損したマウスに AngⅡを持続皮下投与 して、活性酸素種と血管リモデリングの関係が検討された。第二章では、長寿遺伝子と して知られ抗酸化ストレス作用や抗炎症作用を有するサーチュイン 1 (SIRT1)の欠損マウ ス(血管平滑筋特異的 SIRT1 欠損マウス:SMKO)に AngⅡの投与を行い、血管に対する酸 化ストレスや炎症の関与が検討された。

方法と結果:野生型マウス(WT)と SOD1 欠陥マウス(SOD1

-/-

)両群において、AngⅡ

投与により同程度に収縮期血圧の上昇を認めるが、血管壁肥厚の程度は SOD1

-/-

で軽微で

あった。SOD1

-/-

の大動脈では、炎症性サイトカイン IL-6 が低下して、下流である STAT3

のリン酸化活性が低下していた。ラット培養血管平滑筋細胞(VSMC)に SOD1 siRNA を投

与し SOD1 の発現を低下させると、AngⅡによる IL-6 の自己分泌・傍分泌が低下し、リン

酸化 STAT3 の発現が減弱した。PEG-catalase を用いて SOD1 の代謝産物である過酸化水素

を分解促進させると、リン酸化 STAT3 の発現が減弱した。つぎに SMKO の AngⅡ投与群で

は、WT と比較し血圧上昇の程度が減弱しているにもかかわらず、投与 5 日目で約半数の

マウスに大動脈解離が認められた。SMKO では大動脈で MMP9 の発現や酸化ストレスの亢進

が認められ、活性化した MMP9 によって大動脈壁の弾性線維の断裂が生じ、大動脈解離を

起こしたものと考えられた。大動脈壁の構造を保つ上で SIRT1 が重要な働きをしている

(2)

ことが推察された。いずれのマウスモデルも AngⅡの昇圧作用とは独立して、酸化ストレ スと炎症が関連し、細胞局所の酸化ストレスや炎症が影響することで、血管障害が発生 したものと示唆された。

本研究では、高血圧症の血管障害に酸化ストレスと炎症が関与しており、相互に影響し

あっていることが明らかにされた。博士論文としてふさわしい研究論文であることを認め

る。

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