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Microsoft Word - 第122回抄録.doc

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(1)

第122回 北海道整形外科外傷研究会

抄 録

平成22年8月28日(土) 14:50~

於 : 札 幌 教 育 文 化 会 館

会長:札幌東徳洲会病院 辻 英樹先生

共催:北 海 道 整 形 外 科 外 傷 研 究 会

大 日 本 住 友 製 薬 株 式 会 社

(2)

第122回北海道整形外科外傷研究会

症例検討 (1)治療に難渋した右脛骨腓骨開放骨折の1例 市立札幌病院 整形外科 中山 央先生 (2)上腕骨骨幹部骨折に対する逆行性髄内釘後の回旋変形・偽関節の一例 函館五稜郭病院 整形外科 佐藤 攻先生 一般演題 (1)AO分類type C足関節果部骨折の受傷機転とX線所見に関する考察 刀圭会協立病院 整形外科 津村 敬先生 (2)橈骨遠位端骨折に対するModified condylar stabilizing法

士別市立病院 整形外科 大坪 誠先生 主 題 (1)示指骨髄炎の1例 旭川赤十字病院 整形外科 森井 北斗先生 (2)骨盤骨折後のMRSA化膿性股関節炎に対し 人工股関節置換術を施行した1例 手稲渓仁会病院 整形外科 宮田 康史先生 (3)大腿骨頚部骨折に仙骨部褥瘡を合併したため 治療方針に難渋した症例 札幌徳洲会病院 整形外科外傷部 成田 有子先生 (4)重症下腿開放性骨折における深部感染症 札幌東徳洲会病院 外傷部 土田 芳彦先生 (5)寛骨臼骨折術後感染症例の検討 札幌医科大学高度救命救急センター・整形外科 入船 秀仁先生 教育研修講演 『整形外科領域の感染症を考える~MRSA感染症を中心に~』 愛知医科大学大学院医学研究科 感染制御学 教授 三鴨 廣繁 先生

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症例検討(1)

治療に難渋した右脛骨腓骨開放骨折の1例

市立札幌病院 整形外科 中山 央 【症例】 24 歳 男性。乗用車を運転中に街路灯に衝突し受傷した。同日、当院救命 センターに搬入された。搬入時、意識は清明、バイタルは安定していた。右 下腿に開放創を認めた。単純 X 線の結果、右脛骨腓骨開放骨折(Gustilo typeⅡ、AO:42-C1)、右足関節脱臼骨折 の診断となった。 本症例に関して治療方針等を検討し報告する。

(4)

症例検討(2)

上腕骨骨幹部骨折に対する逆行性髄内釘後の

回旋変形・偽関節の一例

函館五稜郭病院整形外科 佐藤 攻 柏 隆史 北村 公一 小堺 豊 奴賀 賢 永澤 雷太 尾崎 律郎 小川 考了 【はじめに】 上腕骨骨幹部骨折に対する逆行性髄内釘は順行性髄内釘と比べて上腕骨頭軟 骨、腱板への侵襲がない点で優れている。一方、逆行性髄内釘では術中に髄 内釘挿入部に骨折を起こすことがあり注意が必要である。今回我々は上腕骨 骨幹部骨折に対して逆行性髄内釘手術を行った際に顆上骨折が発生し、後に 回旋変形と偽関節を合併した症例を経験したので報告する。 【症例】 42歳、女性。交通事故にて受傷し、近医に救急搬送された。右上腕骨開放骨 折(AO12-A2)の診断で、同日洗浄、Ender pin固定を施行した。受傷後8日 目、逆行性髄内釘を施行したが、術中上腕骨顆上骨折が発生したため、 plate固定を追加した。LIPUSを行うも偽関節となり、受傷後4カ月半で当科 紹介受診となった。右肩の下垂位外旋角度は0度と著明な外旋制限を認めた。 単純レントゲン上では骨癒合傾向は見られず、偽関節化していた。今後の治 療方針について討論を行い、偽関節治療に対する文献的考察を行う。

(5)

一般演題(1)

AO分類type C足関節果部骨折の受傷機転と

X線所見に関する考察

刀圭会協立病院 整形外科 津村 敬 伊林 克也 佐藤 幸宏 長谷川 敏 【目的】 AO 分類 type C 足関節果部骨折(遠位脛腓関節より近位の腓骨骨折を伴う足 関節果部骨折、以下 type C 果部骨折)は、教科書的には受傷時の足部肢位 は“外返し”とされる。しかし、日常診療において“内返し“で受傷したと 思われる症例が少なからず見られる。そこで、当院で治療した type C 果部 骨折の受傷機転とX線所見を検討し、本骨折の損傷パターンを分析した。 【対象と方法】 対象は 2006 年 10 月より 2010 年 4 月までに当院で治療した type C 果部骨折 8 例(男性 5 例、女性 3 例、31~57 歳、AO 分類 C1 が 5 例、C2 が 1 例、C3 が 2 例)。これらの症例の受傷機転と X 線所見を検討した。 【結果】 受傷状況は、平地で twist2 例、階段で受傷 2 例、溝に落下 1 例、重量物落 下 2 例、川に流されて受傷 1 例であった。問診より受傷時肢位の明らかなも のは 6 例であり、外返し損傷 2 例、内返し損傷 4 例であった。外返し損傷の X 線的特徴は内側への牽引力を推察させる水平な内果骨折線であった。一方、 内返し損傷の特徴は、内側後方への剪断力を推察させる垂直に近い内果骨折 線と内側後方の後果骨折であった。以上の内果骨折における特徴的 X 線所見 を基に、問診では受傷時肢位が明らかでなかった 2 例の受傷機転を推察した ところ、外返し損傷 2 例であり、全体で外返し損傷 4 例、内返し損傷 4 例と なった。腓骨骨折の高位は足関節面より 43~310mm であった。メゾヌーブ骨 折 2 例は内返し損傷であったが、その他の内返し損傷は外返し損傷に比し低 位の骨折である傾向を認めた。腓骨骨折の形態は横骨折 2 例、螺旋または斜 骨折 6 例であり、横骨折 2 例は外返し損傷であった。受傷時X線写真にて遠 位脛腓関節離開を認めた症例は、外返し損傷 3 例、内返し損傷 1 例であった。 【まとめ】 type C 果部骨折を内返し損傷と外返し損傷に分類し、各々の X 線所見につ いて分析した。

(6)

一般演題(2)

橈骨遠位端骨折に対する

Modified condylar stabilizing法

士別市立病院 整形外科 大坪 誠 宮野 憲仁 濱田 修 西岡整形外科クリニック 西岡 健吾 【はじめに】 背側転位型橈骨遠位端骨折に対して掌側ロッキングプレートを使用した治療 が盛んに行われている。しかし術後のVolar Tiltが意外と整復不十分な症例 を経験した。そこでCondylar stabilizing法に準じ、同法を行う前に徒手整 復とK-wireによる仮固定を行うModified condylar stabilizing法を用いて 治療を行った。良好な術後整復位(Volar Tilt)が得られたので報告する。 【対象・方法】 対 象 は 当 院 で 2009 年 4 月 か ら 2010 年 5 月 ま で に Modified condylar stabilizing法を施行した19例。男性2例、女性17例。平均手術時年齢67.6歳 (53~81歳)。骨折型はAO分類A2:1例 A3:13例 C2:3例 C3:2例。平均 経過観察期間は24週(12~52週)であった。プレートは全例日本ユニテック 社Stellarプレートを用いた。 【結果】 平均手術時間63分(術者1人12例:66分 術者2人5例:55分)。全例骨移植な し。合併症は手指拘縮1例のみだった。FPL断裂・内固定金属の折損・手根管 症 候 群 な ど は み ら れ な か っ た 。 Cooney の 評 価 法 で Exellent14 例 : good4 例:poor1例。全例骨癒合が得られた。RIは術前19.6°術後23.9°最終経過観 察時24.5°で矯正損失は+0.6°。VTは術前-14.6°術後13.5°最終経過観 察時12.6°で矯正損失は-0.9°。UVは術前+2.8mm術後+0.6mm最終経過観 察時+1.5mmで矯正損失は+0.9mmだった。 【考察】

Modified condylar stabilizing法は整復操作が容易で転位の矯正力も強い ため背側転位型橈骨遠位端骨折に有効な方法と考えられた。また術者1人で も 比 較 的 容 易 に 施 行 可 能 で あ っ た 。 今 回 、 当 院 で 施 行 し た Modified condylar stabilizing法について若干の文献的考察を加えて報告する。

(7)

主題(1)

示指骨髄炎の1例

旭川赤十字病院 整形外科 森井 北斗 加茂 裕樹 高橋 滋 小野沢 司 【症例】 69歳男性 【主訴】 左示指の痛み 【現病歴】 平成21年10月15日、左示指背側にあった水泡を破った後魚釣り にいった。翌日腫れと痛みが出現したので近所の診療所を受診し、9日間の 抗生剤投与にて軽減した。その後数日で症状が再燃したが放置していた。痛 みが続くため同年11月10日、初診とは別の開業医を受診した。局所麻酔で 切開と洗浄を行なわれたが、骨髄炎の疑いで追加手術の必要ありと判断され、 その翌日に当科紹介初診となった。 【既往歴】17歳の時に自動カンナで左中指、環指、小指を切断、断端形成 術を施行され ている。 【初診時所見】示指背側末節部から中節部にかけての発赤、腫脹あり。DIP 背側に切開が加えられペンローズドレーンが留置されていた。ドレーンから は血性浸出液の排出を認めた。 【画像所見】単純レントゲンでは中節骨遠位の骨破壊像、造影MRI (T1W1脂 肪抑制)では末節骨、中節骨と周囲軟部組織の高輝度像を認めた。 【治療経過、手術所見】創部浸出液培養の結果、黄色ぶどう球菌が検出され 左示指骨髄炎の診断とし、初診後7日で手術を施行した。DIP関節周囲の腐骨 や感染滑膜を可及的にデブリドマンし洗浄した後、基節骨、末節骨にK–wire を各々二本刺入、注射針の外套にK –wireを固定して簡易創外固定とし、骨 長を維持した。死腔に抗生剤含有リン酸カルシウムペーストを充填して創を 閉鎖し終了した。感染の再燃がないか術後3ヶ月間、外来にて経過観察した 後、抗生剤含有リン酸カルシウムペーストの除去と腸骨の骨移植術を施行し た。腸骨移植後7週で簡創外固定を抜去、初回術後7ヶ月で骨癒合を確認し痛 みも改善したため治療終了となった。 【考察】指骨髄炎に対して簡易創外固定器と抗生剤含有リン酸カルシウムペ ーストを用いて良好な結果を得たため、文献をふまえた考察を行い報告する。

(8)

主題(2)

骨盤骨折後のMRSA化膿性股関節炎に対し

人工股関節置換術を施行した1例

手稲渓仁会病院 整形外科 宮田 康史 大野 和則 辻野 淳 札幌北楡病院 整形外科 東 輝彦 【はじめに】MRSAを起因菌とする化膿性関節炎の治療には、非常に難渋する ことが多い。今回我々は、骨盤骨折後に発症したMRSA股関節炎に対して人工 股関節置換術を施行し、現時点では、感染が沈静化されている症例を経験し ているので、その経過を報告する。 【症例】 53歳 男性 【現病歴】 2006年5月 :重量物に骨盤を挟まれ受傷し某医へ搬送され、右恥坐 骨骨折、仙骨骨折、外傷性尿道損傷の診断にて、骨盤 に対しては創外固定を施行される。 7月 :発熱出現し、急性胆嚢炎の診断となり、骨盤の創外固 定も抜去し、開腹胆嚢摘出術施行される。 11月 :退院 2007年11月 :発熱、右臀部痛出現し、右臀部に感染巣を認める、切 開排膿、洗浄術を施行し、MRSA が同定される。その 後も、3回の再燃を認め、同様処置で沈静化する。 2008年9月 :再度、右臀部痛出現、感染徴候沈静化せず、当院へ紹 介受診となる。 【治療経過】 2008年9月24日 :当院初診、入院となる。 9月27日 :骨頭切除、掻爬、持続洗浄施行する。 10月14日 :持続洗浄終了、その後高圧酸素治療も併用する。 12月9日 :ロフストランド杖、右部分荷重で退院となる。 2009年8月25日 :右人工股関節置換術を目的に、再入院となる。 8月28日 :開放生検を行い、培養、病理の検査を行った。 局所は、感染徴候なく、培養(-)、病理検査も感染 徴候を認めず。 9月13日 :発熱、炎症反応、出現、膀胱炎を認め、 セルフカテで残尿を認め、膀胱炎へ進展した。 10月7日 :炎症反応沈静し、一度退院し、 膀胱炎が再燃しないよう、セルフカテの練習を施行し ていただく。

(9)

2010年1月20日 :炎症反応沈静後3ヵ月、骨頭切除掻爬術後1年4カ月の 時点で右人工股関節置換術を施行した。 3月19日 :退院 術後7カ月の現在、感染の再燃を認めず、1本杖使用 し、独歩可能である。 【考察】長期間の経過で再燃を繰り返し、他部位の感染を伴うMRSA化膿性股 関節であり、治療方針の決定に難渋した。人工股関節置換術への待機期間や、 抗生剤の種類やその使用期間も、極めて慎重に選択したが、現時点では、感 染の再燃を認めていない。

(10)

主題(3)

大腿骨頚部骨折に仙骨部褥瘡を合併したため

治療方針に難渋した症例

札幌徳洲会病院 整形外科外傷部 成田 有子 磯貝 哲 畑中 渉 倉田 佳明 高橋 信行 橋本 功二 平山 傑 井畑 朝紀 熊谷 明史 田邊 康 【はじめに】 高齢化社会の昨今、大腿骨頚部骨折の患者は増加しており、ほとんどの場合 には観血的治療が選択されている。しかし、仙骨部の褥瘡など股関節の近傍 に皮膚のトラブルが存在する場合、化膿性関節炎や骨髄炎の発症リスクもあ るため、インプラントを骨に挿入する手術は苦慮されることもある。今回 我々が経験した大腿骨頚部骨折に仙骨部褥瘡を合併した症例について報告す る。 【症例】 68歳、女性、独居。自宅で転倒し右股関節痛が出現したが医療機関を受診せ ず放置。仙骨部に直径15㎝大の褥瘡形成を合併したため、受傷後1ヵ月目に 当院に救急受診となった。Garden stageⅣの右大腿骨頚部骨折、仙骨部褥瘡 の診断で入院となった。不顕性に骨髄炎などの感染性疾患が合併している可 能性を考慮し褥瘡治癒後に骨折治療を行う方針となった。褥瘡は洗浄デブリ ードマンを繰り返し、入院3週目に臀部筋膜皮弁で治療。術後カテ先から MRSA検出と創部の表層感染を起こしたが術後3週で治癒した。仙骨部褥瘡治 癒後2週目(骨折受傷後3カ月)に右大腿骨頚部骨折に対し人工骨頭挿入術を行 うこととなったが、大腿骨頚部後壁の融解と股関節周囲に膿様の液体貯留を 認めたため断念し、骨頭と頚部を切除するのみ(Girdlestone手術)とした。 その後歩行訓練を行い、現在は跛行を認めるもののサークル歩行可能となっ ている。 【考察】 術後組織検査では好中球などの浸潤は認められず、細菌も検出されていない ことより、化膿性股関節炎ではなかった可能性が高かった。しかし、術中の 所見では感染を否定できず、人工骨頭などのインプラント留置は躊躇われた ためGirdlestone手術を行った。歩行能力の獲得という点からは、人工骨頭 挿入術が最も適した方法であるが、ひとたび骨髄炎を併発すると生命の危険 性も出てくる。 本症例の治療についてご討論お願いしたい。

(11)

主題(4)

重症下腿開放性骨折における深部感染症

札幌東徳洲会病院外傷部 土田 芳彦 村上 裕子 辻 英樹 名和 正行 綾部 真一 松田 智倫 工藤 雅響 佐藤 和生 土屋 唯衣 【はじめに】 GustiloⅢB以上の重度下腿開放骨折の感染率は高く、1984年のGustiloらの 報告によれば50%ほどの高率であった。しかし、初期の広範囲デブリドマン と早期(72時間以内)の皮弁形成術により、感染率が著しく低下することを 1986年にGodinaが報告して以来、感染の問題は解決されたかの認識がある。 今回我々は、早期皮弁形成術にて治療した重度下腿開放骨折の感染率につき 検討したので報告する。 【対象と方法】 2000 年 4月か ら 2008年 3 月 までの 間 に演者 自 身が患 肢 温存術 を 施行 し た GustiloⅢB重度下腿開放骨折は16例である。男性13例、女性3例で、平均年 齢41.2歳(20~75歳)であった。開放骨折重症度はGustilo IIICが2例、 Gustilo IIIbが14例であった。72時間以内に治療を完了したのが9例で、72 時間以上を越えて治療完了したのが7例(平均12.5日)であった。軟部組織 再建は有茎皮弁が4例、遊離皮弁が12例で皮弁の失敗例はなかった。最終的 骨接合は創外固定が3例、プレート固定が6例、髄内釘が1例であった。以上 の症例について深部感染発生率について調査した。 【結果】 16例の合併症として深部感染を併発したのは4例25%で全例MRSA感染であっ た。深部感染例の4例は全例洗浄と可及的デブリドマンを施行したが感染が 制御できず、骨固定材料を全抜去することにより感染の鎮静化が得られた。 結果的に慢性骨髄炎に至った症例はなく、全例骨癒合が得られ独歩可能とな った。また深部感染例4例のうち1例はA病院(10例中1例10%)、3例がB病院 (6例中3例50%)にて行われたものであり、B病院にての感染率は有意に高 いものであった。 【考察】 初期の広範囲デブリドマンと早期皮弁形成術の有効性は認められているが、 同一術者であっても施行病院にて感染率に大きな差があったことは、この治 療が複雑であり多くの要因から影響を受けることを示唆する。

(12)

主題(5)

寛骨臼骨折術後感染症例の検討

札幌医科大学高度救命救急センター・整形外科 入船 秀仁 【はじめに】 寛骨臼骨折は高エネルギー外傷によって生じる外傷である。その解剖学的位 置関係から、外科的治療の際は急性期から手術に至るまで様々な問題があり、 また、感染を併発すれば、悲惨な結果になり得る外傷である。今回、当セン ター並びに関連施設にて治療を行った寛骨臼骨折症例について調査を行った ので報告する。 【対象と方法】 2006年4月から2010年7月までの間に、当センター並びに関連施設にて手術治 療を行った寛骨臼骨折症例を対象とし、年齢、性別、受傷機転、基礎疾患、 骨折型、合併損傷の有無、出血性ショックの有無、初期治療、手術方法、手 術までの期間、手術時間、術中出血量、整復状態などについて調査し、深部 感染を来たした症例を抽出し、深部感染の危険因子に関して検討を行った。 【結果】 2006年4月から2010年7月までの間に、演者が手術治療(最終的治療)を行った 寛骨臼骨折は20例で、これらのうち、深部感染を来したのは3例であった。 感染例と非感染例を比較してみると、危険因子となり得るものは、患者の既 往症にくわえ、初期治療時のTAE、ISS、手術までの待機期間、手術アプロー チ、手術時間、術中出血量などが考えられた。 【考察】 寛骨臼骨折の成績不良因子には今回の結果に加え、整復位との関係が示唆さ れているが、感染に関しては明らかな関連性は見いだされていない。むしろ、 受傷時の全身、局所の重傷度が大きく関係していると考えられ、これを防ぐ ためには、綿密な治療計画、的確な手術手技、周術期管理が重要と考えられ た。

(13)

教育研修講演

整形外科領域の感染症を考える

~MRSA感染症を中心に~

参照

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