博士(工学)Pathom Attaviriyanupap
学 位 論 文 題名
The Application of Evolutionary Programming‑based Optimization rvIethod to Power System Generation before and afterDeregulation
(規制緩和前後の発電システムへの進化的プロクセラミングに基づく
最適化方法の適用に関する研究)
学 位 論 文 内 容 の 要 旨
発電 シ ステ ムに おける最適化は電力系統 の運用計画にとって最も重要な業務の1つ である。本論文は、発電システム の最適化問題に対する進化的プログラミング手法の適用 について総合的に検討を行ったも のである。特に、規制緩和による環境の変化をも考慮 し た 上 で 、 経 済 配 分 問 題 及 び 発 電 機 起 動 停 止 計 画 問 題 へ の 適 用 を 検 討 し てい る。
経済負荷配分くELD)とは、あ る考察期両において、全体の燃料コストを最も安くする ためには、各発電機にどのように 電力出カを配分すればよいかを決定する問題である。
また 、ELDの計 算に おい ては 、発 電機 の 台数 が不 変で ある と仮 定す るが 、実 際には、
重負荷時に必要な発電機のすべて を、軽負荷時にも並列運用しておく必要はない。負荷の 変化に応じてどの発電機を起動し 、どの発電機を停止させるのが経済的かを決定する問題 は、発電機起動停止計画問題(UC)と呼ぱれている。UC問題を考える時には、様々な制約 条件を考えなけれぱならない。例えば、いったん停止(起動)すると、すぐには起動(停止)
できないという、時間に関する制 約条件が存在する。これによって起動停止は時間ごとに 独立には決定され得ず、系統の経 済運用と同様、考察期間全体として考慮しなけれぱなら ない。
ELD及 びUC問 題 の 考 慮 期 間 は 様 々 で あ り 、 例 え ぱ24時 間 や1週 間 な ど であ る。
これまでこれら問題に対して様々 な手法が適用されてきたが、しかし、いずれも高精度の 解を得ることができなぃ。特に燃 料費関数が非凸のときには、極めて難しい問題となる。
近年、遺伝的アルゴリズムや 進化的プログラミング(EP)などいわゆる進化的計算を 電力系統へ適用する研究が数多く 報告されている。進化的計算の大きな利点のーっは,
「 答 え の 解 き 方 が 分か らな い 」あ るい は「 構造 が明 確で ない 」と いう 問題 に対 して 大き な威 カ を発 揮す ると いう こと であ る。 しか も、これらの方法は複数 の初期値から スタートすることと、相互に情報 交換することによって更によい解を得ることができる。
しかしながら、進化的計算は最適 解を見出すために多くの計算時間が必要となるという 欠点を持っている。
合理的な計算時間で、高精度 な解を得るために、進化的計算と従来の最適化方法とを 適切に組合せる方法が考えられる 。本論文では、まず、EPと逐次二次計画法を組み合わ せた 手法 を 、ELDへ 適用 する手法を開発する。次に、EPとラグランジュ緩 和法を組み合 わせた手法を開発し、UC問題への適用を検討する。
以上の研究は、従来から行わ れてきている一般的な発電の最適化問題に適用すること が可能である。しかし、近年、電 気事業の規制緩和が世界的な傾向となってきており、各 方面でこの種の研究が行われてき ている。電気事業の規制緩和により、電気事業者は、
大きく発電事業者、送電事業者及 び配電事業者の3つの部門に分けられる。また、従来と
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は異なり、競争的な観点に基づぃて電力系統を最適化することが必要となる。すなわち、
規制緩和後における発電システムの最適化問題においては、目的関数や計算方法などを従 来とは異なる形式に変更する必要がある。これまでの発電システムは全体としてのコスト を安くするために、どのように運用すれぱ よいかということを考えてきたが、今後は、
利 益 最 大 化 の た め に ど の よ う に 運 用 す れ ば よ い か と い う 目 的 に 変 わ っ て く る 。 本論文でも、上記の最適化手法を規制緩和後における利益最大化に基づく運用計画へ 適用する手法について論じている。考慮す る問題は利益最大化に基づくUC問題及び入札 戦略問題である。
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学位論文審査の要旨 主査
副査 副査 副査 副査 副査
教授 教授 教授 教授 教授 助教授
長谷川 大西 本間 大内 田中 北
淳 利只 利久 東 譲 裕幸
学位論文題名
The Application of Evolutionary Programming ‐based Optimization IVlethod to Power System Generation befreandafterDeregulation
( 規 制 緩 和 前 後 の 発 電 シ ス テ ム ヘ の 進 化 的 プ ロ ク セ ラ ミ ン グ に 基 づ く 、 最 適 化 方 法 の 適 用 に 関 す る 研 究 )
発 電シ ステ ム にお ける 最適 化は 電力 系統 の運 用計 画に とっ て最 も重 要 な業 務の1つ であ る。 本論 文 は、 発電 シス テム の最 適化 問題 に対 する進化的プログラミング手法の 適用 につ いて 総 合的 に検 討を 行っ たも ので ある 。特 に、規制緩和による環境の変化を も考 慮し た上 で 、経 済配 分問 題お よび 発電 機起 動停 止計画問題への適用にっいて検討 して いる 。
経 済負 荷配 分(ELD)問 題は 、あ る考 察期 間 にお いて 全体 の燃 料コ スト を最 も安くす るた めに 各発 電 機に どの よう に電 力出 カを 配分 すれ ばよいかを決定する問題である。
また 、負 荷の 変 化に 応じ 、ど の発 電機 を起 動ま たは 停止させるのが経済的かを決定す る 問 題 は 、 発 電 機 起 動 停 止 計 画 問 題(UC)と 呼 ば れ てい る。ELDお よびUC問 題に 対し これ まで 様々 な 手法 が適 用さ れて きた が、 いず れも 高精度の解を得ることができなぃ とい う課 題が あ った 。特 に燃 料費 関数 が非 凸の とき には、極めて難しい問題となる。
近 年、 遺伝 的 アル ゴリ ズム や進 化的 プロ グラ ミン グ(EP)などぃわゆる進化的計算を 電力 系統 ヘ適 用 する 研究 が数 多く 報告 され てい る。 進化的計算の大きな利点のーっは
「答 えの 解き 方 が分 から ない 」あ るい は「 構造 が明 確でなぃ」という問題に対して大 きな 威カ を発 揮 する とい うこ とで ある 。し かも 、こ れらの方法は、複数の初期値から スタ ー卜 する こ とと 、相 互に 情報 交換 する こと によ って、さらによい解を得ることが でき る。 しか し 進化 的計 算は 、最 適解 を見 出す ため に多くの計算時間が必要となると いう 欠点 を持 っ てい る。 合理 的な 計算 時間 で高 精度 な解を得るためには、進化的計算 と従 来の 最適 化 方法 とを 適切 に組 合せ る方 法が 考え られる。本論文は、EPと逐次二次 計画 法を 組み 合 わせ た手 法に より 、ELD問 題 を解 く方 法を 開発 し、 その 有効 性を明ら かに して いる 。 また 、EPとラ グラ ンジ ュ緩 和法 を組 み合わせた手法を開発し、これを UC問 題に 適用 し て、 その 有効 性を 明ら かに して いる 。
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以上の研究は、従来から行われている一般的な発電の最適化問題にも適用すること が可能であるが、近年世界的な傾向となってきた電気事業の規制緩和の枠組みに対し てより効果的に適用できる。電気事業の規制緩和により、電気事業者は、大きく発電 事業者、送電事業者及び配電事業者の3っの部門に分けられる。また、従来とは異な って、競争的な観点に基づいて電力系統を最適化することが必要となる。すなわち、
規制緩和後における発電システムの最適化問題においては、目的関数や計算方法など を従来とは異なる形式に変更する必要がある。これまでの発電システムは全体として のコストを安くするために、どのように運用すればよいかとぃうことを考えてきたが、
今 後 は 、 利 益 最 大 化 の た め に ど の よ う に 運 用 す れ ば よ い か が 目的 と な る。
本論文では、上記の最適化手法を規制緩和後における利益最大化に基づく運用計画 ヘ適用する手法にっいても論じ、特に、利益最大化に基づくUC問題および入札戦略問 題について明らかにしている。
こ れを要す るに、著 者は、ELD問題 、UC問題に 対して、規制緩和・競争環境化 に入った電気事業に対しても適用可能な手法を開発し、またその有効性を明らかにす るとともに、関連する多くの新知見を得たものであり、電力系統工学に対して貢献す るところ大なるものがある。
よって著者は、北海道大学博士(工学)の学位を授与される資格あるものと認める。
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