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ドイツ銀行 2003年

アニュアル・レビュー

2004/2005年財務カレンダー 2004年4月30日 2004年3月31日時点中間報告 2004年6月2日 年次株主総会 フランクフルト・アム・マイン フェストハレ(エキシビション・センター)にて 2004年6月3日 配当金支払 2004年7月30日 2004年6月30日時点中間報告 2004年10月29日 2004年9月30日時点中間報告 2005年2月3日 2004年度業績発表 2005年4月29日 2005年3月31日時点中間報告 2005年5月18日 年次株主総会 フランクフルト・アム・マイン フェストハレ(エキシビション・センター)にて 2005年5月19日 配当金支払 2005年7月29日 2005年6月30日時点中間報告 2005年10月28日 2005年9月30日時点中間報告 003 83304 02 · 3/04 2003年 アニ ュ ア ル ・ レビ ュ ー ドイ ツ銀行

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ドイツ銀行グループ

主要データ 2003年度 2002年度 ドイツ銀行株価 高値 ¤ 66.04 ¤ 82.65 ドイツ銀行株価 安値 ¤ 32.97 ¤ 35.60 1株当たり配当金(2003年度については予定) ¤ 1.50 ¤ 1.30 基本的1株当たり純利益 ¤ 2.44 ¤ 0.64 調整後基本的1株当たり純利益1 ¤ 2.56 ¤ 5.16 株主資本利益率(RoE) 4.7 % 1.1 % 調整後平均アクティブ株主資本利益率1, 2 5.2 % 10.2 % 費用/収益比率3 81.8 % 78.8 % 単位:百万ユーロ 単位:百万ユーロ 総収益 21,268 26,547 貸倒引当金繰入額 1,113 2,091 利息以外の費用合計 17,399 20,907 法人所得税費用および会計処理方法変更の累積的影響前利益 2,756 3,549 当期純利益 1,365 397 2003年12月31日現在 2002年12月31日現在 単位:百万ユーロ 単位:百万ユーロ 総資産 803,614 758,355 貸出金(貸倒引当金控除前) 148,227 171,620 株主持分 28,202 29,991 BIS規制コア自己資本比率 10.0 % 9.6 % 支店数 1,576店 1,711店 内ドイツ国内 845店 936店 従業員数(常勤相当) 67,682人 77,442人 内ドイツ国内 29,857人 33,807人 長期格付 ムーディーズ・インベスターズ・サービス(ニューヨーク) Aa3 Aa3 スタンダード・アンド・プアーズ(ニューヨーク) AA– AA– フィッチ(ニューヨーク) AA– AA– 1当期純利益(2003年度:1,365百万ユーロ、2002年度:397百万ユーロ)は、税率変更による1999年度/2000年度貸方計上額の振戻し(2003年度: 215百万ユーロ、2002年度:2,817百万ユーロ)および会計処理方法変更の影響(2003年度:151百万ユーロ、2002年度:37百万ユーロ)について調 整している。 2競合他社との比較を容易にするために、株主資本利益率に関しては調整を加えた尺度を算出しており、これを「平均アクティブ資本利益率(return on

average active equity)」 と称している。ただし、米国で一般に認められている会計基準(U.S.GAAP)による実績尺度ではないため、算定方法の違 いを考慮せずに他社の比率との比較をおこなうべきではない。平均株主持分(2003年度:28,940百万ユーロ、2002年度:36,789百万ユーロ)に調整 を加える項目は、売却可能有価証券に係る平均未実現純利益(適用される税効果考慮後)(2003年度:810百万ユーロ、2002年度:4,842百万ユー ロ)および平均配当金額(2003年度:756百万ユーロ、2002年度:701百万ユーロ)である。配当金は、株主総会の承認後、年に1度支払われる。

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2 ドイツ銀行グループのアイデンティティー 3 会長からのメッセージ 6 ドイツ銀行グループ経営執行委員会 8 会社概要 12 コーポレート・ガバナンス 15 パートナーを重視した実績、そして熱意 株主 21 2003年ドイツ銀行株価:国内外で市場平均を 上回る上昇 顧客 27 法人・機関投資家向けビジネス 33 個人・資産運用ビジネス 39 コーポレート・インベストメンツ 41 コーポレート・センター 従業員 43 長期的な成功への基盤づくり 社会 47 社会へのコミットメント 50 損益計算書 51 包括利益計算書 52 貸借対照表 53 株主持分変動計算書 54 キャッシュ・フロー計算書 経営機構 55 取締役会の報告 56 監査役会報告書 62 監査役会 補足情報 64 報告経営成績から基礎的経営成績への調整 66 グループ5年間の記録 67 用語解説 72 連絡先/刊行物 ドイツ銀行グループ ステークホルダー 連結決算書 追加情報 お断り このドイツ銀行2003年アニュアル・レビュー(日本語版)は、「Annual Review 2003」(英語版)に対応したものです。 ドイツ銀行の2003年財務書類に関する詳細は「Financial Report 2003」(英語版)をご参照ください。 また、日本語で類似する情報としては、2004年6月末に提出予定の「有価証券報告書」を併せてご参照ください。

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ドイツ銀行グループのアイデンティティー

明確な使命 ドイツ銀行グループは、刻々と変化するグローバル市場を舞台に、お客さまに幅 広い金融ソリューションを提供していくことを使命としています。私たちは、常に前 進を続けるお客さまのニーズに徹底的にお応えすることこそが、株主の皆さまに卓 越した価値を創造し、私たち自身の成長につながると考えています。 ブランド ドイツ銀行グループを支えるのは、世界市場への深い洞察力、高い専門性、 独自のネットワークを持つグローバルな金融機関としての総合力と、常に最高の結 果を追求する意欲ある従業員の存在に他なりません。現状に満足することなく目 標を高く掲げ、目標に向かって突き進み、目標以上の成果をあげる―これこそが、 ドイツ銀行グループが目指す価値なのです。

Deutsche Bank. A Passion to Perform.

価値 顧客重視 すべての行動の中心に顧客を据え、顧客重視の姿勢を徹底しています。 チームワーク 経験の異なる社員が互いに協力することで、多様なビジネスを 推進し成果をあげています。 革新性 顧客のニーズに応えるため、現状に満足することなく、絶えず新しい解 決策の提案に努めています。 パフォーマンス よりよい結果を生み出すことを目指し、日々業務に取り組ん でいます。 信頼 誠実で公正な態度を貫きます。

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ビジネスを取巻く環境は、全体として依然不確かではあるものの、世界経済およ び市場環境は、過去2年間にわたる厳しい状況を経て、2003年にようやく力強い 回復へと転じました。2003年半ばには金利は著しく上昇し、国際的なクレジット環 境の大勢は改善傾向に転じたものの、ドイツを始めとする欧州大陸諸国の経済 は引き続き厳しい状況が続きました。こうしたなか、ドイツ銀行は2003年、過去最 高水準に匹敵する業績を達成することができました。 2003年のドイツ銀行の税引前利益は28億ユーロ、同純利益は前年の3倍以上 の14億ユーロを計上しました。基礎となる税引前利益は、非中核資産からの損 益調整後のベースで前年比163%増加し、36億ユーロを達成しました。2003年 の基礎となる収益は219億ユーロでしたが、これは、為替による影響と買収/売却 に関連した一時的影響を除いたもので、前年比9%の増加に相応します。1株当 たり基本的利益は前年比で281%増加し、2.44ユーロとなりました。 一方、貸出しの質は引き続き改善傾向にあります。貸出し残高は特に海外にお いて減少し、前年比14%減の1,480億ユーロになりました。貸倒引当金繰入額 は前年より約10億ユーロ減少し、11億ユーロを計上しました。厳格なリスク管理 の徹底により、不良債権は前年比で約40%減少、66億ユーロとなりました。 2003年のこうした好業績は、経営戦略が成功裡に実施されていることを反映して います。当行は第1段階の経営戦略の実施により、目標を上回る成果を達成し、 強固な業務基盤を確立しました。また、リスクプロファイルを改善し、中核ビジネス において戦略上の地位をこれまで以上に強化・拡大しました。 こうした成果は、お陰さまで、市場からの高い評価につながっています。まず第1に、 当行の株価は昨年、市場平均を上回る50%の上昇を達成しました。これは、 平均株価指数の上昇が緩やかであった米国やスイスを拠点とする競合他社 (国際的金融機関)と比べても、良好な結果となりました。 第2に、当行は2004年初頭、優れた金融専門誌であるIFR誌より、2003年の 「最優秀銀行」に選ばれました。これは、金融業界でビジネスを展開する企業と して、大変栄誉あることです。IFR誌は、公表にあたってのコメントのなかで、当行 について次のように評しています。「変革という言葉は一般に多用されすぎており、 それが本当に本質的で大幅な変化を表しているということは極めて稀です。しかし、 よりスリムで機動的な総合金融機関へと変化したドイツ銀行に対しては変革と いう言葉がよく当てはまります。」 3

ドイツ銀行グループ

会長からのメッセージ

株主の皆さまへ

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この賞賛の言葉を、私は、昨年の困難な状況のなかで懸命に業務に取り組ん だ従業員に贈りたいと思います。当行の従業員は一人ひとりが、「A Passion to Perform.(熱意あるお客さまに情熱をもってお応えする)」という目標の実現に 向け、努力を続けています。「A Passion to Perform.」は、当行の新しいブラン ディング・キャンペーンの標語ですが、これは単なるスローガンに留まらず、私た ち従業員一人ひとりが心の奥に抱いているビジネスへの意欲を表しています。 当行の従業員は、熱意あるお客さまのご要望にお応えするために鋭意専心努 力を重ね、こうした積み重ねが、結果的に当行全体の業績に反映されるものと 確信しています。 当行の経営戦略は、2003年半ば、第2段階に入りました。第2段階目の目標は、 第1段階で築いたスリムで効率的な事業基盤を活用し、さらなる収益の増大を図 ることです。掲げている目標は意欲的ですが、当行がこれまで達成してきた成果を 勘案すると、達成可能な内容であると言えるでしょう。当行が最も重視している指 標である基礎となる税引前株主資本利益率(ROE)は、2002年に4%であったも のが、2003年には13%に上昇しました。私たちは今後2年間でさらにこれを伸 ばし、ROE25%の達成を目標としています。 一方、引き続きコスト、資本、リスク管理を徹底することで、法人・機関投資家向 けビジネスと個人・資産運用ビジネスの両ビジネスにおいて、世界的に主導的 な地位を強化していく所存です。特に、個人・資産運用ビジネスにおいては、事業 再構築の成功を受けて、本年は大幅な増益が可能であると考えています。 資産運用およびウェルス・マネージメント・ビジネスの収益は、2003年、大幅に拡 大しました。ファンド運用会社であるDWSが、欧州市場における地位を強化した 一方、海外で買収した事業の統合が成功裡に進み、好業績につながりました。 個人顧客・中堅企業向けビジネスにおいては、合理化と事業再編を通じ、収益拡 大への基盤を整えています。2003年には、目標とする税引前利益10億ユーロ (年間)の達成には僅差で及びませんでしたが、本年は是非目標を達成したいと思 っています。 法人・機関投資家向けビジネスでは、世界でもトップ3の地位を固めています。 特に、セキュリティーズ・セールス/トレーディングの分野では、2003年の収益は 92億ユーロに達し、世界トップとなりました。 競合他社との比較分析によると、当行は、相対的に市場リスクを低く抑えつつ、 収益を拡大していることがわかります。2004年、法人・機関投資家向けビジネス においては、強い営業力を活用して既存顧客の多様なニーズにお応えする 一方、新規顧客に対しては個別ニーズに適した金融ソリューションを提案すること で市場をリードし、収益の拡大を図っていきたいと考えています。こうした意味で、 2003年に複数の世界的な金融専門誌より栄誉ある賞を受賞したことは、当グル ープの高い専門性と効率的なサービス提供への取り組みが評価されたものと自 負しています。 4

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コーポレート・インベストメンツ部門は、引き続き非中核資産の分離・売却とリスク 資産の減少に取り組んでいます。 当行は、強い資本基盤を背景として、2003年9月より第2回目の株式買戻しプロ グラムを開始しました。これに先立つ第1回目の株式買戻しプログラムでは、 6,200万株以上の株式買戻しを行い、そのうち4,000万株を消却しました。第2 回目は、2003年の年次株主総会で承認された5,800万株を上限とした株式買 戻しプログラムに沿ったもので、2003年12月までに約1,700万株の買戻しが既 に実施されました。当行では収益の増大と非中核ビジネスの売却によって生じ た資本の増加分を、株主の皆さまに還元していく方針です。 この一環として、当行取締役会およびグループ経営執行委員会は、2004年6月2 日開催予定の年次株主総会において、2003年の1株当たり配当を15%増加し、 1.50ユーロとする提案を行う予定です。こうした増配の提案は、当行従業員の効 率的なビジネスへの取り組みと確固とした事業基盤に基づいたものであり、また、 経営陣のさらなる収益拡大への自信の表われでもあります。 1年前と比べると世界経済の見通しは明らかに改善しています。こうした経済環境 の好転は、世界の資本市場、ひいては私どものビジネス全般にも良い影響を与 えるものと考えています。2004年は順調なスタートをきりました。当行取締役会お よびグループ経営執行委員会では、世界経済および資本市場において大きなマ イナスの出来事が発生しない限り、2004年の目標達成に向け大きく前進できる ものと確信しています。 ヨゼフ・アッカーマン ドイツ銀行取締役会会長兼グループ経営執行委員会会長 2004年3月 フランクフルト・アム・マイン 5

ドイツ銀行グループ

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ケビン・パーカー Kevin Parker 1959年生まれ。グローバル・エクイティ統括 責任者。 マイケル・コアーズ Michael Cohrs 1956年生まれ。グローバル・コーポレート・ ファイナンス統括責任者。 アンシュー・ジェイン Anshu Jain 1963年生まれ。グローバル・マーケッツ 統括責任者。 ユルゲン・フィッチェン Jürgen Fitschen 1948年生まれ。グローバル・バン キングおよびグローバル・トランザクション・バンキング統括責任者。 クレメンス・ベルジッヒ* Clemens Börsig 1948年生まれ。2001年取締役 就任。チーフ・フィナンシャル・オフィサー兼チーフ・リスク・オフィサー。コントロー リング( 経 理 )、税 務、インベスター・リレーションズならびにリスク管 理、 コーポレート・セキュリティ統括責任者。 ヨゼフ・アッカーマン*Josef Ackermann1948年生まれ。1996年取締役 就任。取締役会会長兼グループ経営執行委員会会長。企業戦略、企業広報、 経済、財務戦略統括責任者。 ヘルマン-ヨゼフ・ランベルティ* Hermann-Josef Lamberti 1956年生 まれ。1999年取締役就任。チーフ・オペレーティング・オフィサー。コストおよ びインフラ管理、情報技術(IT)、オペレーション、購買および建物・設備など の不動産管理統括責任者。

テッセン・フォン・ハイデブレック*Tessen von Heydebreck 1945年生 まれ。1994年取締役就任。チーフ・アドミニストレーティブ・オフィサー。企業 文化・社会貢献活動、人事、法務、コンプライアンス、監査統括責任者。 ピエール・ド・ウェック Pierre de Weck 1950年生まれ。プライベート・ウェルス・ マネージメント統括責任者。 レイナー・ネスケ Rainer Neske 1964年生まれ。個人顧客および中堅企業 向けビジネス統括責任者。 トム・ヒューズ Tom Hughes 1957年生まれ。資産運用統括責任者。 *ドイツ銀行取締役会メンバー 左から順番 7

ドイツ銀行グループ

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経営機構 ドイツ銀行取締役会は、ドイツ銀行の経営戦略や資源配分、リスク 管理およびコントロールに注力する。また、統括する各管理部門別委員会を通 じて、経営・監督機能を遂行する。取締役会会長はグループ経営執行委員会 会長を兼務する。 グループ経営執行委員会は、取締役会メンバーと7つの中核ビジネスの統括責 任者で構成され、取締役会の意思決定をサポートする。定例会議では、事業運 営の状況確認やグループ戦略に係る問題点を討議し、必要に応じて議案を提 起する。 3つのビジネス部門別委員会は、各ビジネスの統括責任者によって運営され、 各々の業務運営に責任を負う。 コーポレート・センターは、コンプライアンス(法令遵守)をはじめ、職務遂行におい て取締役会をサポートする。 ビジネス部門 ドイツ銀行は、法人・機関投資家向けビジネス(CIB)、個人・ 資産運用ビジネス(PCAM)、コーポレート・インベストメンツ(CI)のビジネス部門 によって構成される。 8

会社概要

グループ組織再編の成功を基盤に、収益増大へ注力 グループ経営執行委員会 経営機構 財務 投資 オルタナティブ・アセット 資産/負債 人事 コンプライアンス ITおよびオペレーション リスク

法人・機関投資家向けビジネス(CIB) インベストメンツコーポレート・ (CI) 個人・資産運用ビジネス(PCAM)

管理部門別委員会

ビジネス部門別委員会 グループ経営執行委員会

ドイツ銀行取締役会 グローバル・ビジネス統括責任者

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法人・機関投資家向けビジネス(CIB) CIBは、資本市場業務、貸出しおよ びアドバイザリー業務を行う。対象となる顧客は、民間および公的機関で、 民間企業はグローバル企業から中堅企業まで多岐にわたる。リレーションシップ・ マネジャーは、顧客の多様なニーズを十分に満たすため、窓口を一本化し、多様 な金融商品・サービスの提供に努めている。CIBは、コーポレート・バンキング・ アンド・セキュリティーズとグローバル・トランザクション・バンキングの2つで構成さ れている。 コーポレート・バンキング・アンド・セキュリティーズは、債券・為替業務(グロー バル・マーケッツ)、株式業務(グローバル・エクティ)、投資銀行業務(コーポレート・ ファイナンス)、グローバル・バンキングの主要業務で構成され、高格付けの国債 の発行から、複雑な金融ニーズに対応した個別の提案に至るまで、世界の資本 市場における多様なサービスを提供する。 グローバル・トランザクション・バンキングは、キャッシュ・マネジメント、貿易金融、 法人信託サービスをグローバル規模で提供している。 個人・資産運用ビジネス(PCAM) PCAMは2003年に再編に取り組み、 個人顧客および中堅企業向けビジネスと資産運用およびウェルス・マネージメ ント・ビジネスを組織した。 個人顧客および中堅企業向けビジネスは、特に中核市場であるドイツ、イタリア、 スペインの3市場で、個人顧客と中堅企業顧客を対象とした資産形成に注力して いる。 資産運用およびウェルス・マネージメント・ビジネスは、資産運用とプライベート・ ウェルス・マネージメントの2つのビジネスで構成されている。資産運用ビジネスは、 グローバル規模で機関投資家向けに運用サービスを提供しているほか、主として 欧州(DWSインベストメンツ)と米国(スカダー・インベストメンツ)のリテール市場で、 強力な事業基盤を有している。一方、プライベート・ウェルス・マネージメントは、 世界中の個人富裕層を対象に、富裕層特有の資産管理・運用ニーズに応える ため、居住国(オンショア)および主要国際金融センター(オフショア)で、個々の要 望に合った解決策を提供している。 コーポレート・インベストメンツ コーポレート・インベストメンツは、事業会社の株式保有や自社で使用する不動 産を含むその他資産の保有、プライベート・エクイティおよびベンチャーキャピタル 事業を統括している。引き続き2003年も、ビジネス・ポートフォリオ(保有資産)の 縮小に取り組んだ。 9

ドイツ銀行グループ

窓口の一本化による サービスの提供 組織の再編 ポートフォリオの縮小

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経営戦略上の重点課題 2002年に開始した第1段階目の経営戦略上の重点 課題は、2003年、成功裡に完了した。収益確保や中核ビジネスへの注力、資本 およびバランスシート管理のさらなる改善、個人・資産運用ビジネスの最適化に 取り組むことで、コスト削減や経営効率の改善、収益向上を図り、当行は短期間 で変貌を遂げた。2003年2月には、これらの改革により強化された事業基盤をフ ルに活用するため、第2段階目の経営戦略に着手し、新たに4つの重点課題を策 定した。 コスト/資本/リスクの徹底的な管理 2003年は資源の最適利用を一貫する ことで、20億ユーロを超える営業費用の削減、リスク加重調整済資産のさらなる 圧縮、BIS規制コア自己資本比率の一層の引き上げを実現した。また、収益基 盤の大幅強化と資本管理の徹底により、2003年の株主資本利益率(ROE)は 大幅に改善した。 2004年に営業費用を165億ユーロ以下に削減し、引き続き資本とリスクの厳格 な管理を行う方針である。 グローバルに強みを発揮するCIBのさらなる拡大 当行は、世界でも上位3 社の一角を占める投資銀行として、主要地域および主要ビジネス全般において 強固な基盤を確立している。CIBのこうした強みを、株主、顧客、従業員にとっ ての企業価値の増大に活かすため、魅力的な金融商品を競争力ある条件で提 供するなど、持てる力を存分に発揮していきたいと考えている。 PCAMの利益成長を図る PCAMでは多様なビジネスを展開し、各ビジネスが 相互補完関係にある。 資産運用ビジネスは、強力な事業基盤を活用し、2003年に再度、販売チャネル を拡大した。プライベート・ウェルス・マネージメントは、スイスのプライベート・バンク であるリュード・ブラス&ツィエAGの買収を通じて、富裕層向けに商品およびサー ビスの拡充を図り、一貫して市場規模を拡大している。一方、個人顧客および中 堅企業向けビジネスは、ビジネスモデルの改定を行い、これを迅速に実行に移す ことで、市場へのアクセスを改善している。同ビジネスでは、個人および法人を対 象とした資産運用の分野で地位を拡大していく方針である。 10 新たな経営戦略上の 重点課題 コストの削減 資産運用ビジネスの拡充

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「ドイツ銀行」のブランド力の強化 新しい経営戦略上の重点課題への取り 組みは、ドイツ銀行のブランドにも反映されており、同ブランドはドイツ国内およ び海外において最も価値ある資産となっている。2003年8月以降、ブランドの 浸透と価値の向上を図るべく、国際的な規模でマーケティング・キャンペーンを 展開した。同キャンペーンの標語である「A Passion to Perform.(熱意あるお客 さまに情熱をもってお応えする)」は、グローバルにビジネスを展開する総合金融 機関として、熱意あるお客さまの多様な金融ニーズに鋭意専心お応えする意欲 を表現している。また、2003年秋には、世界中の顧客、株主、従業員を対象に 満足度の一斉調査を実施した。 11

ドイツ銀行グループ

ブランドの強化 グローバルな拠点:www.deutsche-bank.com/offices グローバルなネットワーク

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コーポレート・ガバナンスは、当行の経営基盤の一部となっている。当行コー ポレート・ガバナンスの根底には、ドイツ株式会社法とドイツ・コーポレート・ ガバナンス法が存在する。さらに、当行の経営は、株式をニューヨーク証券 取引所に上場していることから、米国の資本市場に関連する諸法制や証券取 引委員会(SEC)による規則、ニューヨーク証券取引所規則の影響を受けて いる。 当行はコーポレート・ガバナンスを通じて、価値を追求する責任ある経営と内部管 理を遂行している。当行のコーポレート・ガバナンスは、主に、株主との良好な 関係、取締役会と監査役会の効果的な協力体制、業績に連動した報酬制度、 透明性と迅速な報告の4つの項目により構成されている。 株主との関係 株主は、法律により、基本定款の修正や新規株式の発行、 重要な組織変更など基本的な意思決定にかかわる。当行株式は1種類であり、 それぞれに同等の議決権が付与されている。また、株主による議決権行使を容 易にするため、例えばインターネットを通じて議決権行使の指示書を送付できる など、株主総会での電子メディアの活用を支援している。「ワン・ボイス・コミティー (One Voice Committee)」は、一般投資家に対して迅速で公正な情報開示を

行う。 取締役会 取締役会は経営に対する責任を有しており、取締役会メンバーは7つ の中核ビジネスの統括責任者とともに、グループ経営執行委員会を構成している。 グループ経営執行委員会は、グローバル規模での経営に共同であたっており、 取締役会による最終決定のための諸事項の提起・提案を行う。 監査役会 監査役会は、経営について取締役会に助言し、監視する。さらに、 取締役会メンバーの任命や長期的な視点での企業の継承について、取締役会 と協力して検討する。取締役会が実施する重要案件には、監査役会の承認が 必要である。監査役会は、取締役会の情報・報告義務を規定し、会長統括委 員会、監査委員会、クレジット・市場リスク委員会を設立した。2003年には、 監査役会自らの活動の効率性も検証した。 業績連動型の報酬 取締役会メンバーの報酬は、主として、業績と国際的な業 界水準に照らして支給される。株式報酬部分は、当行株価への貢献度ならびに 競合他社の株価との比較によって決定される。業績目標の変更や過去に遡及 した比較は認められていない。監査役会メンバーには、固定報酬に加えて、長期 にわたる業績に連動した報酬が支給される。監査役会会長および副会長、なら 12

コーポレート・ガバナンス

価値を追求する責任ある経営内部管理 経営基盤の一部 1種類の株式 自らの効率性を検証

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びに各委員会会長および委員には、追加的な報酬が支給される。取締役会お よび監査役会メンバーの報酬は、フィナンシャル・リポートで、変動報酬と固定報 酬に分けて公表される。 報告と透明性 当行の報告は、米国で一般に認められた会計原則(GAAP)お よび証券取引委員会(SEC)の包括的報告規則に則っている。この結果、透明 性の高い報告が行われ、また、国際的な競合他社との比較も容易となっている。 監査委員会(会計監査)は、年次財務諸表を監査する監査人の独立性を監視 する。例えば、監査委員会もしくはグループ財務委員会は、非監査関連やアドバ イザリー業務に対するサービス提供の発注を全て、発注前に事前承認する。また、 監査人への報酬金額は、年次財務諸表の監査およびその他サービスに分けて、 一覧表として公表される。 ドイツ・コーポレート・ガバナンス法への適合宣言および同法提案事項への声明文 を含んだ当行2003年コーポレート・ガバナンス報告書(完全版)は、フィナンシャル・ リポートの184∼202ページに掲載されているが、インターネット (www.deutsche-bank.com/ir)でも入手できる。 2003年の諸施策 ドイツ・コーポレート・ガバナンス法に関する政府委員会は、 2003年5月、同法を修正した。この修正により、当行が先より独自に導入してい たコーポレート・ガバナンス原則は同法とほぼ合致する内容となった。このため、 当行取締役会と監査役会は、当行のコーポレート・ガバナンス原則の廃止に合 意した(2003年10月29日)。そして、ドイツ・コーポレート・ガバナンス法の規則を、 取締役会および監査役会、監査役会各委員会の参照事項に追記した。これら の内容は、インターネット(http://www.deutsche-bank.com/ir)で公開されている。 当行が2003年に行った追加的な諸施策は、サーベンス・オクスレー法(米企業改 革法)の要求事項およびSECによる実施規則を遵守する上で役に立った。これ らの諸施策は、詳細な認可手続きの実施による内部管理体制の改善や、新たに 施行された倫理規約に至るまで多岐にわたっている。さらに、当行では、会計や 内部会計管理体制および監査事項に関連した苦情処理を取り扱う規制の手続 き(しばしば「内部告発保護政策」と称される)を確立した。 13

ドイツ銀行グループ

取締役会メンバーの 個別報酬 ドイツ・コーポレート・ ガバナンス法へ統合 サーベンス・オクスレー法の 要求事項

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14 未来志向 私の知るところ、ピース・パークス基金の理念は全てに通じるものであり、 この理念に合致しない政治や哲学、イデオロギーは存在しない。紛争と分裂に苦悩 する世界において、ピース・パークスは、アフリカだけでなく、全世界において、平和 への礎を築きつつある。 ネルソン・マンデラ Nelson Mandela ピース・パークス基金名誉パトロン、ヨハネスブルク

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ドイツ銀行は、株主、顧客、従業員、社会にコミットし、全力で業務に取り組んで いる。 これを実践するため、当行では「ワン・バンク・カルチャー」を推進している。普遍 的価値を信条とするこのカルチャーは、個々の創造性や個性を建設的に伸ば している。当行では、文化的多様性が、革新性や付加価値を生み出すと考える。 能力や忍耐はもとより、やり遂げようとする意志や熱意、そして相互に尊重し合う 姿勢があってこそ、最高を追求することができる。 株主 当行の成功は、当行の強さと業績に対する株主からの信頼に基づいて いる。株主が提供してくれる資本こそが、人材や商品、販売チャネルへの投資 を可能にしているのである。当行は、競争の激しい資本市場において、個人お よび機関投資家の双方に、適切なリスクで魅力的な利回りを提供できるよう努 めている。 顧客 当行は、事業活動の中心に顧客満足を据え、顧客がそれぞれの置かれた 経済環境において成功を収めるべく、側面支援している。競争が激化する中で、 顧客が持続的に競合優位性を有することは重要であり、これを支援することが、 当行にとって顧客と長期的で良好なビジネス関係を維持することにつながる。 当行では、顧客からの不満・苦情を真摯に受けとめている。なぜなら、それは、サ ービスの質を改善し、顧客との関係を強化する良い機会となるからである。また、 当行を勇気づけ、向上を続けるモチベーションを与えてくれる顧客からの推薦や励 ましの言葉を謙虚に受けとめている。 従業員 従業員は、質の高い顧客サービスを提供する上で重要な鍵を握って いる。優れた専門性と問題解決能力、豊かな経験を持った従業員こそが、顧客 が期待する高い価値を提供することができる。高度な研修の実施や最新の人 事管理システムの採用、運用ツールの導入、さらに、多様なキャリア開発の機会 を提供することは、当行が従業員に対し魅力的な雇用機会を提供する前提条 件となっている。特に、仕事に対して責任感を持ち、顧客の情熱を共有し、実現 に向けて共に邁進する従業員にとって、人事環境の整備は不可欠である。 社会 当行では、社会が抱えている現在および将来にわたる問題に取り組み、 解決に向け努力を惜しまず、関与していく考えである。この一環として、幅広い分 野で培ってきた専門性と革新的なアイデアを積極的に活用している。さらに、組織 や機能の活性化を図り、若い世代が将来に対して展望を開けるよう、支援活動 を推進している。多くの国で積極的な活動を展開し、また、緊急に解決しなけれ ばならない問題に対しても前向きに取り組んでいる。 15

ドイツ銀行グループ

パートナーを重視した実績、そして熱意

株主、顧客、従業員、社会から信頼されるドイツ銀行 多様性が企業文化の一部 課題の解決に向けた支援 株 主 顧 客 従業員 社 会

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株主

顧客に対する魅力的なサービスの提供こそが株主価値の前提条件 株主構成 2003年 2002年 2001年 株主数 502,714 512,616 523,059 株主別内訳 機関投資家(銀行を含む) 81 % 82 % 81 % 株式資本に占める比率1 個人投資家 19 % 18 % 19 % 地域別内訳 ドイツ 47 % 54 % 47 % 株式資本に占める比率1 EU(ドイツを除く) 28 % 27 % 33 % スイス 13 % 10 % 9 % 米国 11 % 8 % 8 % その他 1 % 1 % 3 % 主要数値 2003年 2002年 2001年 ドイツ銀行株式の投資収益の変化 50.6 % (43.7 %) (9.5 %) ドイツ株式市場(XetraおよびFrankfurt Floor Trading)に占めるドイツ銀行株式の割合 8.5 % 7.2 % 7.6 %

特別プロジェクト

インターネット・サービスの拡充 インターネットを通じて「インベスター・デイ」を実況中継。

自社株買戻しプログラム 公開市場やデリバティブ取引を通じて、第2回目の自社株買戻しプログラムを計画的に 実行。株主に資本を還元することで、株式投資収益率や1株当たり収益の改善を図る。

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ドイツ銀行グループ

顧客

常に前進を続ける顧客は、最高水準のサービスと革新的な商品を追求 部門別顧客数 2003年 2002年 2001年 顧客数 法人・機関投資家向けビジネス 54,8841 84,5451 108,320 個人・資産運用ビジネス 個人顧客および中堅企業 13,045,000212,990,000 12,540,000 資産運用およびウェルス・マネージメント −プライベート・ウェルス・マネージメント3 106,000 95,000 97,000 −資産運用 法人顧客 3,8294 5,0222 2,422 個人顧客 8,204,284 8,114,0005 4,840,000 主要数値 2003年 2002年 2001年 法人・機関投資家向けビジネス ユーロマネー誌の「ポール・オブ・ポールズ」におけ る順位 1 3 11 ユーロマネー誌の「資金調達ポール」における 順位 1 3 1 ユーロマネー誌の「アワード・フォー・エクセレンス」 において獲得した賞の数 26 24 13 IFR誌で獲得した賞の数(主なもののみ) 11 (2) 10 (2) 7 (0) 個人・資産運用ビジネス 個人顧客および中堅企業(ドイツ国内) −顧客満足度指数 65 66 68 −顧客忠実度指数 65 65 70 資産運用(DWS) −ユーロ/スタンダード・アンド・プアーズによる 順位6 1 1 1 特別プロジェクト iBoxx ドイツ銀行は、デリバティブ市場の指数であるiBoxxクレジット・デフォルト・スワップ指数を 開発した国際的な投資銀行11社のうちの1社となった。 資産運用 2003年1月、インドで新たな資産運用ビジネスを立ち上げ、1年間に7本の国内ファンドを 設定、4億ユーロ以上の資金を集めた。 1事業分離および顧客の内部異動を反映。 2計算方法の変更により前年までの数字との比較は限定的。 3口座数。 4パッシブ運用ビジネスの売却を反映。 5スカダーおよびRREEFを含む。 6「ビッグ・グループ(Big Groups)」のカテゴリーにおける順位。

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従業員

高い能力と豊富な経験、そして前向きな意欲を持つ従業員 項目別データ 2003年 2002年 2001年 従業員(常勤相当)1 67,682 77,442 86,524 部門別 個人・資産運用ビジネス 54.4 % 53.6 % 50.9 % 法人・機関投資家向けビジネス 43.8 % 44.2 % 44.4 % コーポレート・インベストメンツ 0.3 % 0.9 % 3.4 % コーポレート・センター 1.5 % 1.3 % 1.3 % 地域別 ドイツ国内 44.1 % 43.7 % 47.6 % 欧州(ドイツを除く)2 28.7 % 27.8 % 26.8 % 北米 17.6 % 19.8 % 17.5 % 南米 0.8 % 0.8 % 0.8 % アジア/太平洋 8.8 % 7.9 % 7.3 % 最終学歴別3 大学卒 51.0 % 49.8 % 46.1 % 高等学校卒 23.8 % 24.4 % 26.3 % その他 25.2 % 25.8 % 27.6 % 年齢別3 24歳以下 7.5 % 8.7 % 10.4 % 25−34歳 35.8 % 36.8 % 37.4 % 35−44歳 33.9 % 32.4 % 30.4 % 45−54歳 18.7 % 18.0 % 17.4 % 55歳以上 4.1 % 4.1 % 4.4 % 主要数値 2003年 2002年 2001年 従業員コミットメント指数 67 67 70 転職により当行を離職する従業員の割合4 3.8 % 3.6 % 8.0 % 幹部研修の費用(従業員1人当たり、単位:ユーロ)3 1,298 1,506 1,590 研修費用(単位:百万ユーロ) 50 53 64 従業員持ち株プログラムへの参加比率 33 % 30 % –5 特別プロジェクト 全部門における体系的な能力管理 能力管理により優秀な人材の発掘・開発を促し、雇用の維持ならびに競争力 の強化を図る。 グループ全体にわたるリーダーシップ基準の導入と実施 リーダーシップ基準は、グループ全体にわたり、管理職の責任と結果を定義 する。同基準は、財務およびビジネス上の成果、遂行過程における質の維持、 ビジネス基盤の確立、指導力の各要素から構成される。 ドイツ確定給付型年金プランから確定拠出型年金 対象となる従業員(約23,000人)の約94%が承認した確定拠出型年金プランへの プランへの移行 移行。 1従業員数(常勤相当)は、パート従業員(見習い、インターンを除く)を比例調整した人員数。 2アフリカの従業員若干名を含む。 3従業員数(人員数)を基に算出。 42002年および2003年の数字は、計算方法の変更により2001年の数字との比較は不可。 52001年は、9月11日以降の株式市場の低迷により、従業員は同プログラムへの参加変更を認められた。

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ドイツ銀行グループ

社会

グローバル規模で、文化、教育、地域の発展、持続性に注力 構成上のデータ 2003年 2002年 ドイツ銀行がビジネスを展開している国の数(オフショアを含む) 74 76 主要数値 2003年 2002年 ドイツ銀行による支出(単位:百万ユーロ) 寄附 34.8 50.5 スポンサーシップ1 25.6 21.2 小計 60.4 71.7 内訳: ドイツ銀行アメリカ基金 10.6 15.7 ドイツ銀行シチズンシップ英国 3.4 4.1 ドイツ銀行基金による支出(単位:百万ユーロ) ドイツ銀行アルフレート・ヘールハウゼン基金「自助支援」 4.0 4.0 ドイツ銀行文化基金 2.3 3.6 その他の基金 0.7 0.7 小計 7.0 8.3 合計 67.4 80.0 特別プロジェクト アジア基金 2003年12月に新設。同基金を通じ、東アジアの地域社会の発展を支援。今後5年間で総額500万ユーロの 資金を、主として教育や地域プロジェクトに提供する予定。 「子供の未来」 ドイツ銀行、ドイツ銀行バウスパールAG、SOS子供村は長期提携に合意した。 メモリアル・ファウンティン ニューヨークのウォール・ストリート・パーク(予定)に「メモリアル・ファウンティン(記念噴水)」を設け、ドイツ銀行従 業員4人を含む9月11日のテロの犠牲者を追悼する。これは、ドイツ銀行が協力しているローワー・マンハッタン 再興支援策の一環にもなっている。 ベルリン交響楽団 ベルリン交響楽団への長期支援契約の一環として、教育プロジェクトZukunft@BPhilにもコミットしている。 美術賞 有名なワルシャワのZachetaナショナル・ギャラリー・オブ・アートとドイツ銀行ポルスカSAと協力し、ドイツ銀行文 化基金は、ポーランドの若いアーティストのためにコンペを実施、芸術支援プログラムを拡充した。 奉仕活動 ドイツ銀行は、従業員による地域貢献が認められ、2回続けて、ロンドン市長により栄誉ある「ドラゴン賞」を授 与された。 国連/グローバル・コンパクト グローバル・コンパクト原則(人権、労働、環境)は、ドイツ銀行の社内方針において重要な一部となっている。 ドイツ銀行マイクロクレジット開発基金を通じて、貧困の撲滅や持続的発展の促進のために、世界16ヵ国で26 の中小金融機関を支援した。 持続性 2003年10月、ISO14001に従い環境管理システムの再認証を受ける。 詳細は「2003年社会的責任報告書(Corporate Social Responsibility Report)」を参照。

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パフォーマンス ドイツ銀行が推進している事業ポートフォリオやコスト基盤、リスク 管理、資本配分に関する数々の重要な変革を、投資家として高く評価している。こうし た基本的な改革を実施することで、ドイツ銀行はより優れた成果を達成し、株主価値 を増大した。 フェデリカ・レペト Federica Repetto、ファンド・マネージャー ネクストラ・インベストメント・マネジメントSgr、ミラノ

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市場平均を上回る株価上昇 ドイツ銀行の株価は2003年に回復し、年間上昇 率はほぼ50%を記録した。これは、世界規模でビジネスを展開する総合金融機関 の株価のなかで最高の上昇率となった。また、2002年に44%下落し、2003年に は約37%の上昇を記録したドイツ株価指数DAXと比べてもかなり高い上昇率で あった。ドイツの株式市況は2003年、他の先進主要市場すべての市況を上回っ たが、唯一、ハイテク銘柄の比重の高い米国NASDAQ株価指数だけはドイツ市 場より力強い回復を示した。当行株価が市場平均を上回る伸びを示したのは、 新たな経営戦略への取り組みや業績の改善、株主価値増大のための自社株買 戻しプログラム、そして、特に外国人投資家の間で当行株式に対する関心が増し たことを、市場が認知したためである。 金融市場におけるセンチメントの転換 2003年の株式市場は大きく変動した。 年初は政治や経済の不透明感が相場に影を落とし、特にイラク戦争を巡る不安 感が高まるなか、2月から3月にかけて売り圧力が強まった。なかでも、保険や金融 関連株に対する投資家の不信感は強く、こうした状況を受けて、当行株価は3月 12日に32.97ユーロの年初来安値を記録した。 21

2003年ドイツ銀行株価:国内外で市場平均を上回る上昇

変革が株価上昇を牽引

株主

株価は力強い回復へ 年初は軟調なスタート ドイツ銀行株式に関する情報 2003年 投資収益の変化 50.6 %

ドイツ株式市場(XetraおよびFrankfurt Floor Trading)の出来高に占める割合 8.5 %

1日当たりの平均出来高1 443万株 2003年12月31日現在 発行済株式数 581,854,246 流通株式数(社外株式数) 565,077,163 株式資本 1,489,546,869.76ユーロ 時価総額 382.3億ユーロ 株価2 65.70ユーロ DAX株価指数に占める比率 9.05 % ダウジョーンズ・ストックス50株価指数に占める比率 1.64 % 有価証券識別コード ドイツ証券取引所 ニューヨーク証券取引所 種類 記名株式 種類 グローバル・レジスタード・シェア 記号 DBK 通貨 U.S.$ WKN 514000 記号 DB

ISIN DE0005140008 CINS D18190898 ロイター DBKGn.DE ブルームバーグ DBK GR

1オーダーブック統計(Xetra) 2Xetraの終値

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イラク戦争が予想外に早く終結したことで、世界の株式市場における緊張も緩和 に転じた。投資家の信頼が徐々に回復し、デフレ懸念が後退し、金利が歴史的 水準にまで低下するなか、数ヵ月間で投資家センチメントは好転に向かった。市場 環境の回復と四半期業績の良好な見通しに支えられ、当行株価は3ヵ月足らず で60ユーロにまで上昇した。その後、11月末までの間、当行株価は53∼60ユー ロのレンジ内の動きに終始した。 2003年末にかけての数週間、世界経済は一段と明るさを増した。循環的な上昇 相場への期待が高まるなか、市場センチメントは改善に向かい、割安銘柄への関 心が高まった。特に個人や中堅機関投資家の株式投資に対する信頼が高まり、 ドイツ政府の改革能力やドイツ国内の景気持続性に対する海外投資家の懸念 も薄らいだ。このように、年末にかけて投資家センチメントが明るさを増し、年初と は様相が一変するなかで、当行株価は12月30日に、年初来最安値の2倍以上に 上昇し、66.04ユーロと年初来最高値をつけた。 22 緊張は徐々に緩和 100 300 500 700 900 1,100 1,300 長期的な投資収益 ドイツ銀行 DAX株価指数 主要銀行株価指数 1980年を100とした投資収益の指数(四半期) 出典:データストリーム 1,500 81 83 85 87 89 91 93 95 97 99 01 03

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当行株式の時価総額は、2003年末時点で382億ユーロと1年前の水準を110億 ユーロ上回った。世界の金融機関の時価総額ランキングでは18位に位置し、 DAX株価指数に占める比率も再び増加して、9.1%となった。市場の年間出来 高が1,446億ユーロを記録するなかで、当行株式の出来高はDAX株価指数構成 銘柄の中で4位を占め、引き続きドイツ国内で最も流動性の高い銘柄の一つと なっている。 1980年以降のパフォーマンスは良好 長期的に見て当行株式は、絶対的 にも相対的にも魅力的な投資対象となっている。当行株式を1980年初めに 10,000ユーロ相当購入し、現金配当をすべて株式購入に充て、無償増資に応じ たと想定した場合、2003年末には98,189ユーロ相当の株式を保有していること になる。この投資による年間平均収益率は10%に相当し、DAX株価指数による ドイツ市場の平均収益率9%を上回っている。 海外株式市場における当行株式 当行株式にとって最も重要な海外市場は ニューヨーク市場である。ウォール街での当行株式の1取引日当たり平均出来高 は2002年に比べて約80%増加し、96,500株となった。ニューヨーク証券取引所 における当行株式の出来高は2001年10月の上場以来、着実に増加している。 米国金融市場における当行株式の人気を今後も高めていくことができると考えて いる。 第1回自社株買戻しプログラムの完了 2002年6月に発表し、4,000万株を消 却した第1回自社株買戻しプログラムは、2003年4月15日に完了した。2003年9 月4日には、同年6月の株主総会で承認を得た第2回自社株買戻しプログラムを 開始した(41ページの図参照)。これにより、当行は、2004年9月までに発行済株 式総数の10%に相当する5,800万株の自社株買戻しを実施することができる。 買戻しはスポット取引とプット・オプションの売却を通じて実施され、その資金には、 当期利益とリスク加重調整資産の一段の圧縮による資金が充当される。こうした 自社株買戻しの実施にもかかわらず、コア自己資本比率は、目標とする8∼9%を 十分に満たす水準を維持している。当行は、2003年末までに、1,700万株以上 の自社株を1株当たり平均57.70ユーロで買戻した。自社株買戻しの状況につい ては、インベスター・リレーションズ(IR)のホームページで定期的に公表している。 当行は、自社株買戻しの実施により、余剰資本を株主に還元し、株主資本利益 率と1株当たり利益の改善を図る意向である。 23

株主

時価総額の増加 魅力的な投資対象 ドイツ 海外 03 00 01 02 株式資本の地域別分布 年末時点の比率 55 50 45 47 53 48 52 47 53 54 46 40

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株主構成 当行は、50万人を超える株主を持つドイツ最大級の公開企業である。 当行はまた、国際市場においても確固たる地位を築いている。外国人の持株比 率は2003年末時点で53%であり、前年比で7%の上昇となった。特に注目すべ きは、米国および英国の投資家による持株比率が上昇している点である。米国 および英国投資家による当行株式保有比率は、2002年末時点には共に8%の 水準であったが、2003年末には各々11%および12%となった。ニューヨーク証券 取引所への上場やグローバル企業としての基盤強化に向けた当行の努力は実 を結び始めている。 ドイツ証券取引法21条に基づき、5%以上の株式を保有する株主は報告義務 を負うが、これに相当する当行株主は存在しない。スペインの貯蓄銀行である ラ・カイシャ(LaCaixa)が、自らの報告書の中で、2003年末時点でドイツ銀行株式 の3.8%を保有していることを明らかにしている。 株主総会への参加の増加 2003年6月9日にフランクフルト、フェストハレで開催 された株主総会には、前年の水準を3%上回る38.8%の議決権が行使された。 これに対して、出席した株主数は前年より1,000人少ない5,500人であった。 議決権行使割合が増えた一因は、機関投資家の議決権行使が容易になった ことにある。株主総会では、利便性の高いインターネットの活用が増加し、株主 は初めて株主総会関連書類の電子送付のための登録が可能となった。株主総 会における反対提案は、法令上の要請に従い、すべてインターネットで遅滞なく 公表された。 ヨゼフ・アッカーマン取締役会会長兼グループ経営執行委員会会長は、例年ど おり事業概況について報告した後、収益拡大への注力を掲げた第2段階目の経 営戦略を発表した。その後、株主と経営陣との間で活発な意見交換がなされ、 最後に株主はすべての議題について賛成多数で承認し、総会は終了した。 信頼の構築 2003年決算期の全般的な基調として、証券市場に対する信頼 が徐々に回復したことがあげられる。こうしたなか、当行IRチームは、株主とアナリ ストに対し、情報開示を適時に継続して行った。インターネットや無料株主ホット ラインを通じた情報に対し、個人投資家から高い関心が寄せられている。多数の 個別対応やブローカー会議、電話会議、国際ロードショーの開催を通じて投資 家やアナリストからの質問に応えた。これら多くの場合においては、当社経営陣 も参加した。 24 高まる外国人持株比率 03 99 00 01 02 株主総会における議決権行使 株主資本に占める比率 (%) 40 35 30 38 32 39 34 36

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2003年の財務広報活動のハイライトとしては、9月にロンドンおよびニューヨークで 開催した「インベスター・デイ」が挙げられる。このなかで、ヨゼフ・アッカーマン取締 役会会長兼グループ経営執行委員会会長とクレメンス・ベルジッヒ チーフ・フィナ ンシャル・オフィサー兼チーフ・リスク・オフィサーは、グループ戦略ならびにリスク および資本管理の概要について説明した。加えて、各ビジネス部門の統括責任 者が、ビジネスの現状と今後の見通しについて、多数の専門家に向けて見解を述 べた。また、このインベスター・デイでは、株主資本利益率(税引前)25%の達 成や、2004年の営業費用の165億ユーロ未満への削減など、当行の主要な目 標を再確認した。2003年に開催した株主およびアナリスト向けミーティングはすべ てインターネットを通じて生中継され、一般投資家にもアクセスを可能にした。こう した会合の再放映も、インターネットを通じて見ることができるようになっている。 債券投資家からの質問が増加するなか、これに対してより適切に対応するため、 当行IRチームは、2003年にサービスの拡充を図った。さらに、債券保有者や借り 手としての当行のクレジットを審査する格付機関に対しては、株主に対するのと同 様に、個別ニーズに応じた情報の提供も行っている。資本市場において重要性 を増しているこうした債券投資家層からの反応は、概して好意的である。 増配の提案 2004年6月2日に開催される株主総会で、当行は、2003年度の配 当を0.20ユーロ増加し、1.50ユーロとする提案を行う予定である。この増配は、 2003年の業績改善の株主への還元であると同時に、今後数年間にわたる業績 改善への自信の表れでもある。 25

株主

増配の提案 保険会社、 投資信託会社 17 % 給与所得者、 年金受給者 9 % その他個人 9 % その他機関投資家 および法人 65 % 株式資本の分布 5億8,190万株(2003年末時点)

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顧客志向 当社が顧客へのサービスの質に誇りをもっているように、ドイツ銀行もキャッシュ・マネジメン トのサービスにおいて、市場から高い評価を受け、強いコミットメントを有している。この事こそが、当社が ドイツ銀行を選んだ理由である。ドイツ銀行の熱意は、特に欧州で最高水準のキャッシュ・マネジメント・ ソリューションを築き、実行し、提供しようとする意欲に支えられている。 ネイル・キング Neil King ザ・カーフォン・ウェアハウス・グループ PLC、 グループ財務取締役、ロンドン

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法人・機関投資家向けビジネス(CIB)は、多くのビジネス分野でリーダーシップを発 揮し、グローバルな投資銀行としての地位をさらに強化した。株式市場は力強い 回復の兆しを見せたものの、市場環境は引き続き不安定であったなかで、当行は 実績を挙げた。このことは市場でも高く評価され、IFR誌から栄誉ある「バンク・ オブ・ザ・イヤー(最優秀銀行)」を受賞した。当行は、債券および株式市場で圧倒 的な強みを発揮し、セールスおよびトレーディングの純収益では世界トップとなった。 デリバティブや転換社債の分野でも世界の市場で主導的な役割を果たし、高く 評価されている。コーポレート・ファイナンスでは、欧州とアメリカ地域(北/中/南米) で引き続き市場シェアを伸ばした。 コーポレート・バンキング・アンド・セキュリティーズ コーポレート・バンキング・アンド・セキュリティーズは、グローバル・マーケッツ、 グローバル・エクイティ、グローバル・コーポレート・ファイナンスおよびグロー バル・バンキングによって構成されている。 グローバル・マーケッツ(債券・為替業務)外国為替、マネー・マーケット、レポ、 政府/政府機関/投資適格債券、新興市場、デリバティブ/店頭デリバティブ、コモ ディティーズ、仕組み商品、証券化におけるオリジネーション、トレーディング、セール スおよびリサーチ業務を行っている。 2003年のグローバル・マーケッツは、特に下期に厳しい市場環境が続いたにもか かわらず、増収を達成し、多くの商品分野で主導的な地位を強化した。引き続き 顧客重視のビジネス・モデルを徹底し、総収益の約85%を法人・機関投資家との 27

法人・機関投資家向けビジネス

グローバルな主要投資銀行としての地位をさらに強化 リーダーシップの発揮

顧客

出典:トムソンファイナンシャル グローバル・マーケッツ: 米国政府機関債引受けシェア (%) 02 03 0 5 10 00 3 01 10 10 12 法人・機関投資家向けビジネス部門1 単位:百万ユーロ 2003年 2002年 純収益 14,180 13,776 貸倒引当金 707 1,742 非利子費用 9,946 11,259 税引前利益 3,527 774 株主資本利益率(%) 25 5 リスク加重調整済ポジション(BIS) 137,615 155,160 資産 681,722 642,127 1注記およびその他詳細については、2003年フィナンシャル・リポート(マネジメント・リポート)を参照。 2003年度税引前利益 CIBの2003年度税引前利益は、前年比で数倍以上の増益となり35億ユーロを達成した。一方、純収 益は、ドル安(対ユーロ)の影響を受けたにもかかわらず、前年比4億ユーロ増加し、142億ユーロと なった。こうした好業績には、債券および株式のセールス/トレーディングからの収益が大きく貢献して いる。コスト削減への取り組みが奏効し、非利子費用は13億ユーロ減少した。貸倒引当金は、 リスク管理の徹底と貸出しの質の改善を受けて前年の半分以下に減少し、7億ユーロを計上した。

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ビジネスで占めた。一方、自己取引に関しては計画的に行い、限定的な取引に 留めた。投資適格債券およびモーゲージ担保証券に関しては、特に米国の機関 投資家とのビジネスが拡大した。2003年、当行は、米国投資家から米国債の トップ・トレーダーに選ばれた。また、外国為替サーベイにおいても金融専門紙か ら複数の賞を受賞した。 仕組み商品部門では目覚しい増収を達成し、特に、クレジット、金利、外国為替 の各デリバティブ業務で大幅な増収となった。当行は、引き続き同業務で強みを 発揮し、ユーロマネー誌およびデリバティブ・ウィーク誌からそれぞれ賞を獲得した。 2003年には、デリバティブの手法を不動産やプライベート・エクイティ、プロジェ クト・ファイナンスの分野でも取り入れた。一方、当行は、ユーロ建て債券の引受 けで再度主導的な地位を占めたほか、国際債券の引受けでは常に上位2位以内 に位置し、米国市場における投資適格債券の引受けでは上位7位を占めた。 当行の債券市場における強固な事業基盤は、2003年の各種ランキングの結果 にも反映されている。特に、ユーロマネー誌の資金調達ポールで第1位に選ばれ たことや、IFR誌から2003年の「ボンド・ハウス・オブ・ザ・イヤー(債券部門最優秀 投資銀行)」を受賞したことは注目に値する。 2003年、当行は、iBoxxクレジット・デフォルト・スワップ指数の導入や経済統計 にデリバティブを導入するなど、市場において先駆的な役割を果たした。 グローバル・エクイティ(株式業務)グローバル・エクイティは、現物株式、転換 社債、株式デリバティブ、プライム・サービス、プログラム・トレーディング、仕組み商 品のセールス/トレーディング、リサーチで構成されている。 2003年第2四半期に株式市場は回復の兆しを見せたが、こうしたなか当行は、 2003年も世界の株式市場において業務基盤を強化し、上位2位に位置するグロ ーバル・プレイヤーとなっている。2003年の株価指数は3年振りに上昇を示し、 売買高は堅調に推移した。当行は、株式関連商品やサービスにおいて主導的地 位を強化し、転換社債、株式デリバティブ、プライム・サービス、プログラム・トレー ディングからの収益は、グローバル・エクイティの総収益の50%を超えた。IFR誌 から、2003年の「エクイティ・デリバティブ・ハウス・オブ・ザ・イヤー(株式デリバティブ 部門最優秀投資銀行)」および「ヨーロピアン・エクイティ・リンクト・ハウス・オブ・ ザ・イヤー(欧州株式関連部門最優秀投資銀行)」に選ばれた。 当行は、プログラム・トレーディングの分野でもグローバル規模で強みを発揮し、 インスティテューショナル・インベスター誌から欧州市場で第1位、米国市場におい ても引き続き上位にランクされた。また、プライム・サービスでは、グローバル・カス トディアン誌より上位3位にランクされた。 グローバル・トランジション・マネジメント・ビジネス(年金戦略ビジネス)においては、 プログラム・トレーディングの業務基盤を効果的に活用することで、2003年最大規 28 10 0 20 30 01 02 03 18 38 40 グローバル・エクイティ:ドイツにおける リテール・デリバティブ の市場シェア (%) 39ワラントおよび短期債 出典:ドイツ取引所 グローバル・マーケッツ: クレジット・デリバティブのトレーディング 2000年を100とするクレジット・デフォルト・ スワップにおける新規取扱高の純増指数 00 01 03 100 0 200 300 400 100 503 500 02 155 268

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模となる案件を幾つか獲得した。そのうちの一つは、あるソブリン物の投資ファンド が保有していた4億株強、総額90億ユーロを、3日間で10社におよぶ投資運用機 関に移行するという複雑な案件であった。当行は、同ビジネスで、グローバル・イン ベスター誌の調査による9つのカテゴリーのうち、8つで第1位にランクされた。 当行は、引き続き株式業務全般において欧州で主導的な地位を占めているが、 特に、欧州最大の市場であるドイツと英国では、各々、29%と15%の市場シェア を占め、市場を席巻している。欧州株式リサーチは、2つの定評ある調査で共に 第3位にランクされた。 アジア/太平洋地域では、初めて証券会社上位5社の一角を占めた。日本にお ける株式リサーチは、2003年、インスティテューショナル・インベスター誌より 第3位にランクされたほか、日経金融新聞では外資系証券会社の中でトップに ランクされた。 当行は、2003年のインスティテューショナル・インベスター誌によるグローバル・ リサーチ・サーベイで第4位にランクされた。 グローバル・コーポレート・ファイナンス(投資銀行業務)グローバル・コーポ レート・ファイナンスは、コーポレート・バンキング・アンド・セキュリティーズの全ビジ ネスに関わる顧客カバレッジ、M&Aアドバイザリー、株式資本市場、クレジット・ トレーディング、デット・プロダクツで構成されている。 2003年、コーポレート・ファイナンスは、収益が力強い伸びを示し、また市場 シェアも着実に拡大する一方、引き続き徹底したコスト管理に取り組んだ。 世界のM&A市場の成長は僅かにとどまったが、当行は世界市場で注目された 案件で主導的役割を果たした。特に注目されるクロスボーダー案件としては、 世界をリードするエネルギー/電力会社の案件や欧州大手通信会社に関わる 案件が挙げられる。 アジア/太平洋地域では、M&Aリーグ・テーブル(公表ベース)で初めて第1位を占 めた。当行は、同地域最大規模の案件で主導的な役割を果たし、このなかには、 日本の金融機関の事業再編やニュージーランドで過去最大規模となったM&A案 件(英国金融機関側のアドバイザー)、中国の電力会社による国外初の大型買 収案件などが含まれている。 競争が激化しているドイツ国内市場においても、当行は、株式資本市場および M&Aビジネスでトップの地位を維持した。M&Aビジネスでは30%近くの市場シェ アを占め、ユーロマネー誌からドイツにおける「ベスト・バンク(最優秀銀行)」に選 ばれた。 2003年、当行は欧州における株式資本市場ビジネスでも躍進を遂げた。新株引 受権発行の引受けで第1位を占めたほか、欧州最大規模となった転換社債発行 案件など、株式関連分野でも主要な案件を手掛けた。これにより、当行は、IFR 29

顧客

注目案件への アドバイザリー ドイツにおける 「ベスト・バンク」 英国 フランス 0 10 20 30 出典:Autex グローバル・エクイティ: 欧州の株式トレーディングにおける市場シェア (%) EU ドイツ 2002 2003 14 15 17 29 14 15 13 13

参照

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