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夢見の形式的特徴と精神的,身体的自覚症状との関連

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夢見の形式的特徴 と精神的,身体的 自覚症状 との関連

岡 田 斉

岡田 ・松 岡 ・畠山 (1993)は,夢見の感覚別頻度を調査 した結果,夢で はあま り体験 さ れない とされて きた (MacCarely & Hoffman,1981), 味覚, 嘆覚,皮膚 感覚 を体 験す る被験者が少数 なが ら存在す ること, そ して, クラスター分析 の結果,被験者 は, こ れ らの感覚 を体験 しない群,全ての感覚 を体験す る群, 全ての感覚 の体験頻度が低 い群 の 3つに分類可能であ ることを見 出 した。 で は,夢で全ての感覚 を体験す る被験者群 とはど のよ うな認知的特徴 を持 ってい るのであろ うか。 岡田 ・松岡 ・畠山 (1993)は, イメー ジ の鮮明性 (QMI), 視覚的 イメー ジの鮮明性 (ⅤVIQ),視 覚化傾 向 ・言語化傾 向の 次元での認知 スタイル (VVQ),没入性尺度 (absorption scale)な どの各種の イメ ー ジ能力 テス トを用 いて

3

群 の間で得点 を比較 した ところ,全ての感覚の体験頻度が高 い 群 は, イメー ジの鮮明度が高 く,没 入性傾向が強 い ことを見 出 した。 さらに, この3群間 で夢見で体験す る感情 の頻度 を調べ ると,全ての感覚 モダ リテ ィを体験す る群の頻度が有 意 に高 い ことも見 出 した (岡田 ・畠山 ・松岡,1994)。 なぜ, これ らの被験者 は味覚,嘆覚,_皮膚感覚, 内臓感覚 とい った一般 的に夢で体験 さ れないよ うな感覚を体験す るのであろ うか。Wu(1993)は睡眠中の刺 激 が被験者 に与 え る影響 につ いて ま とめ,睡眠中,体制感覚,嘆覚 はかな り抑制 され るが,全 く遮断 され る わけで はな く,求心性 の情報が多少 は中枢- と伝達 されてい ると論 じている。 さらに睡眠 中の被験者-の物理的刺激が,夢の内容 に取 り込 まれ ることが示唆 されてい る (例 えば, Dement,et al,1965;シェポヴ ァリニ コフ,1991)。夢で味覚や喚覚や皮膚感覚 な どを体験す る被験者 は, これ らの感覚-睡眠中の刺激 をよ り鋭敏 に夢 に取 り込みやすいか, あるいは, 睡眠中に これ らの感覚 によ り多 くの刺激 を受 け, それが夢見での感覚別体験頻 度 に影響 を与 えて い るのか もしれない。前者 の可能性 について は,実験室研究で検討可能 と思われ るが, そのよ うな視点か らの研究 はあま りな く今後の課題 と言えよ う。後者 の可 能性 につ いて は, これ らの感覚 を睡眠中に も引き起 こしていると思 われ る身体的疾患 と夢 の中での感覚別体験頻度 との関係 を検討す ることで検証可能 と思われ る。 シェポヴ ァリニ コフ (1991) は,身体的な 自覚症状 が夢見 に影響 を与 え る可能性 を示唆 してい るが,具体 的な調査 データは明 らかに されて お らず,個人差 について明 らかで はない. さ らに, これ らの身体的症状 と夢見 の頻度 との関係 に加 えて,精神的症状 と夢見の頻度 との関係 について も検討すべ き点があ るよ うに思 われ る。抑 うつや不安 と夢見 の頻度 との - 5

(2)

1-間の関係 について は数多 くの研究が行 われた結果,両者の間 には関係がない, あ るいは関 係 があ って もわずかであ ることが知 られてい る (Cohen,1974)。 しか し, この結果 は, 夢見の全体的頻度だけに限定 されて お り,夢 の中で体験 され る感覚別頻度や,感情 の頻度 な どの関係 につ いて はあま り検討 されて いない。我 々の研究か ら見出 された3つの群 の間 で も,Cohen(1974)が指摘す るよ うに不安や抑 うつ には差がないのか どうか検討す る必 要があ るよ うに思 われ る。 覚醒時 に自覚す る身体的 ・精神的症状 は夢 の中に反映 され るのだ ろ うか。 これ らの 自覚 症状 と,夢見の感覚 モ ダ リテ ィ別体験頻度 との間に関連性 はあ るのであ ろ うか。本研究で は,

CMI

健康 調査 票 を用 い夢見の頻度,感覚別頻度 と身体的 自覚症状 との関連性 につい て検討 を試み る。 方 法 被 験 者 被験者 は短期大学学生,専門学校学生,男子5人,女子 142人。平均年齢 18.62歳 SD 1.90(18-24歳)0 短期大学,専門学校 の心理学 の授業 を選択 してい る学生 に対 して,授業時間内に実施 し た 。 質 問 紙

夢見の頻度 は我 々 (岡田 ・松岡 ・畠山,1994)がHiscock & Cohen(1973)の "The dream recall frequency questionnaire"を参 考 に作 成 した, 過 去 1カ月 につ いて 夢 の中での体験頻 度 を問 う,

5

0

項 目か らな る夢 見 の形 式 的特徴 に関す る質 問紙 調査ver 6.0を用 いた。今回の報告で は,夢見の全体的頻度 (「毎 日見 る」か ら 「全 く見ない」 ま での 7段階), 7つの感覚 モ ダ リテ ィ (視覚,聴覚,皮膚感覚,運動感覚, 味覚,嘆覚, 内臓感覚),発話 と色彩 の体験頻度,13の感情 について頻度 を問 う22項 目について分析す る。 感覚 モ ダ リテ ィ別の体験頻度の評定 について は, 1.いっ もあ る,2.時 々あ る,3.たまに あ る,4.め ったにない,5.全 くない, の5段階で求 め られた-6 さらに,夢の中で感 じる13の感情 (嬉 しさあ るいは楽 しさ,安堵感,希望 あ るいは期待 感,幸福感,怒 り,悲 しみ,恐怖感, あせ り,緊張感,不安感,嫌悪感,驚 き,蓋恥心) の体験頻度の評定が, 1.いっ も感 じる,2.よ く感 じる,3.時 々感 じる,4.たまに感 じる, 5.め ったに感 じない, 6.全 く感 じない, の 6段階で求め られた。

(3)

自覚的症状については

CMI

健康調査 (金久 ・深町,

1

9

8

3

)

を使用 した。 結 果

CMI

の得点の平均値 と標準偏差,夢見の頻度の評定値の平均値 と標準偏差を表 1に示 す。 表1 CMlの得 点 の平均値 と標準 偏差,夢見 の頻度 の評 定値 の平均値 と標準偏差 項 目 平均 標準偏差 項 目 平均 標準偏差 目 と 耳 呼 吸 器 系 心 臓 血 管 系 消 化 器 系 骨 格 筋 系 皮 膚 神 経 系 泌尿生殖器系 疲 労 度 疾 病 頻 度 既 往 症 習 慣 不 適 応 抑 響 不 安 過 敏 怒 り 緊 張 夢 見 の 頻 度 視 覚 色 彩 感 覚 1.29 1.24 2.48 2.51 1.14 1.48 3.06 2.5 7 0.7 0.86 1.62 1.51 1.1 1.60 2.39 1.71 0.78 1.21 0.47 1.2 7 0.74 0.98 1,55 1.30 3.33 1.37 0.49 1.61 1.08 1.29 0.83 1.50 1.29 1.00 1.10 1.02 3・27 1・_10 1.71 0.90 1.86 1.13 聴 覚 発 話 皮 膚 感 覚 運 動 感 覚 味 覚 喚 覚 内 臓 感 覚 う れ し さ 安 堵 感 希望 ・期待感 幸 福 感 怒 り 悲 し み 恐 怖 感 あ せ り 繁 張 感 不 安 感 嫌 悪 感 驚 き 蓋 恥 心 1.89 1.10 1.94 0.90 2.95 1.13 1.64 0.78 3.74 1.ll 3.88 0.99 3.44 1.13 2.56 1.12 3.47 1.16 3.36 1.22 3.16 1.25 3.88 1.19 3.47 1.12 3.45 1.12 3.71 1.28 3.99 1.14 3.61 1.28 4.25 1.ll 3.86 1.13 4.42 1.13

cMI

の得点 は,健常者の結果 (金久 ・深町,

1

9

8

3

)

とはぼ一致す る。夢見の頻度の平 均値 については,視覚,色彩,聴覚,発話,運動感覚の頻度が高 く,皮膚感覚,味覚,哩 覚,内臓感覚の体験頻度が低い傾向が見 られ る。 感情の項 目については, うれ しさや幸福 感 といった肯定的感情の頻度がやや高 く,緊張感,嫌悪感,着恥心などの否定的感情の体 - 53

(4)

-験頻度がやや低 い。 夢見の全体的頻度 と

CM

lの項 目間の相関 夢見の全体的頻度 と有意 とな った項 目は,身体的症状では心臓血管系 (rニー.20,p<. 05),疾病頻度 (rニー.19,p<.01),習慣 (r-∴ 24,p<.01), の

3

項 目で,精神的 自覚症では有意 な る項 目はなか った。 習慣 については,項 目の中に 「よ く夢を見 ますか」 とい う項 目を含むため有意 な相関が得 られた もの と思われ る。 夢見の感覚モダ リテ ィ別頻度 と

CM

lの項 目間の相関 一般的に夢で体験される感覚 一般的に夢見で体験 され る感覚であ る,視覚,色彩,聴覚,発話,運動感覚 については CMIの どの項 目とも有意 な相 関 を示 さなか った。表 1に示す よ うに, これ らの感覚の平 均評定値 は2以下であ り, これ らの感覚を夢見で体験 しない ことが希であ るので,個人差 が少 な く天井効果が起 こったため と考え られ る。 夢ではあま り体験されない感覚 皮膚感覚 は心臓血管系 (rニー.19,p<.05)とのみ有意な相関を示 した。味覚 は心臓血 管系 (r

ー.18,p<.05),消化器系 (rニー.26,p<.01) と,喚覚 は消化器系 (rニ ー.24,p<.01),怒 り (rニー.22,p<.05),緊張 (rニー.24,p<.01) と, 内臓 感 覚 は心臓血管系 (rニー.24,p<.01),消化器系 (rニー.27,p<.01),抑 うつ (rニー 18,p<.05),過敏 (rニー.25,p<.01),索張 (rニー.22,p<.05)とそれぞれ有意な 相関を示 した。,いずれ も相関係数 は負であ り,夢見の中での頻度が高い ものほど, 自覚症 状の得点が高 い傾 向であ る。 夢見で体験される感情の頻度 と

CM

lの項 目間の相関 表2に有意な相関を示 した項 目を示す。 感情 に関す る項 目は,感覚 モダ リテ ィ別頻度 と比較する とよ り多 くの項 目が,身体的, 精神的 自覚症状 と有意 な相関を示 している。特 に,否定的感情の体験頻度 は,身体的 自覚 症状,精神的 自覚症状 とも多 くの項 目と関連す る傾向が顕著であ る。 いずれ ら,体験頻度 が高いほど, 自覚症状が多 くな る傾向である。中で も,恐怖,不安, あせ りな どの感情 は 自覚的精神症状が高 くな るほど夢の中で も頻繁 に体験 され るよう になることがわか る。逆 ㌔ に,肯定的感情の体験頻度が高 いほど精神的 自覚症状が低 くな る傾 向 も見 られ る。 感覚モダ リテ ィ別頻度をもとに した被験者の分類

(5)

表2 夢 の中で体験 され る感情 の頻度 とCMlの各項 目との間の相関係数 *p<.05,**p<.01 夢見 の中の頻度 有意 とな ったCMIの項 目と相関係数 嬉 しさ ・楽 しさ 安 堵 感 筋 肉骨格系 .22* 皮膚 .20* 疲労度 .24** 疾病頻度-.18* 不適応-.19* 緊張-.19* 希 望 ・期 待 感 幸 福 感 疲労度 .24** 怒 り 不安-.20* 過敏-.19* 悲 し み 怒 り-.18* 恐 怖 感 心臓 血管系-.24** 消化器系-.33** 筋 肉骨格系1.20* 皮膚-.22* 泌尿生殖器系-.35** 疲労度-.25** 不適応-.21* 抑 うつ 一.18* 不安-.21* 過敏-.30** 怒 り-.28** 緊張-.25** あ せ り 緊 張 感 不 安 感 嫌 悪 感 驚 き 蓑 恥 心 消化器系-.26**一 皮膚-.18* 泌尿器生殖器-.24** 習慣-.20* 抑 うつ-.23* 不安 一.28** 過敏-.30** 怒 り-.21* 緊張-.22* 消化器系-.23** 抑 うつ-.20* 過敏-.24** 緊張-.21* 皮膚-.23** 泌尿器生殖器 一二30** 不適応-.20* 抑 うつ-.24** 不安-.24** 過敏-.33** 怒 り-.25* * 消化器系-.22* 皮膚-.18* 疲労度-.24** 抑 うつ-.27** 不安-.35** 過敏 一.36** 怒 り-.28** 皮膚-.23* 疾病頻度-.20* 不適応-.21* 過敏-.18* 怒 り-.18* 緊張T.22* 怒 り-.22* -5

(6)

5-験者の分類 を試みた。1クラスターあた りの人数が極端 に少 な くな らない条件で,最 も多 く分類 され るという条件で分析 を行 なった。 その結果, クラスター数が4の場合,各 クラス ターの人数 は,46人,59人,33人, 8人, クラスター数が 3の場合,各 クラスターの人数 は,91人,25人,30人 とな ったため 3クラスターを採用 した。表 3に 3つの クラスターの 分類 の中心値 と分類 された被験者の人数を示す。分類 の中心値が低 い ものはど体験頻度は 高い。 表3 0uick chsterを用い,夢の中の感覚モダリティ別体験頻度をもとにした 被験者の分類結果 (数値は各クラスターの分類の中心値) 視覚 色彩 聴覚 発話 皮膚 運動 味覚 喚覚 皮膚 人数 視覚聴覚群 1.63 1.78 1.65 1.74 3.12 1.55 4.07 4.15 3.71 91 全 低 群 2.60 2.84 3.64 3.08 3.76 2.44 4.52 4.52 3.96 25 全 高 群 1.23 1.30 1.17 1.60 1.77 1.27 2.10 2.53 2.17 30 視覚,聴覚,運動感覚の体験頻度は高いが,味覚,嘆覚,皮膚感覚, 内臓感覚 はほとん ど体験 しない群 の人数が最 も多 い (視覚 ・聴覚優位群)。すべての感覚を同 じ頻度で体験 す る群 (全高群),すべての感覚の体験頻度が低 い群 (全低群)の人数 はいずれ も少 ない。 この結果 は,分類の中心値,分類 された被験者の比率 とも先の我 々の報告 (岡田 ・松岡 ・ 畠山, 1993)とはぼ一致す る。 次に,CMIの各項 目ごとに3つの群 の得点 を一 元配置の分散 分析 を用 いて検討 した。 主効果が有意 とな った項 目は,呼吸器系 (F(2,120)- 3.30, P<.05),心臓血管系 (F (2,120)- 9.68, P<.001),消化器系 (F(2,120)- 6.28, P<.001),皮膚 (F(2, 120)- 13.86, P<.001)の 4つであ った。 これ らの項 目の各 ク ラスターごとの平均値 を 表 4に示す。 表4 CMlの項目のうちクラスター間の差異が有意となった項目の平均値 被験者群 人数 呼吸器系 心臓血管系 消化器系 皮膚 視覚 ・聴覚群 75 2.15

0

.

76 2.72 1.19 全 低 群 23 3.04 1.35 2.35 2.09 全 高 群 25 3.52 2.16 4.56 2.80 クラスター間の差異をよ り詳細 に検討す るために,

Tuke

y

法 による下位検定 を行 った. その結果,呼吸器系,心臓血管系 は視覚 ・聴覚優位群 と全高群の間が有意,消化器系は視 覚 ・聴覚優位群, 全低群 と全高群 の間が有意,皮膚 は視覚 ・聴覚群 と,全低群, 全高群の

(7)

間が

5%

水準で有意であ った。

考 察

不安 と夢見の頻度の間の関係 につ いては多 くの議論があ った。Schonbar(1959)は夢 見の頻度の高い群 と低い群でIPAT不安尺度の得点 (Cattell,1957)を比較 し,高想起者 は低想起者 に比べて顕在的な不安が高 いと報告 したが, この結果 は追試 して も再現性がなく, その結果 について は疑問視 されてい る (Domhoff & Gerson,1967)。 さ らに,Bone

&

Corlett(1968)は Taylor(1953)のMASと夢見の頻度の関係 を調べたが,両者 の 間に有意 な相関を見 出せなか った。Bone(1968)はMPI (Eysenck,1959)のN尺度 (精神症尺度) と夢見の頻度の関係 を調べ,女性で は両者 には相関がないが, 男性で は相 関があ ることを見 出 してい る。 このよ うに各種の不安尺度 と夢見の頻度の関係 はないか, あ って もわずかであ ることが知 られてい る (Cohen,1974)。今回,CMIの精神的 自覚 症状 と夢見 の頻度の間に有意 な相関が見 られなか った結果 は,主観的な不安尺度 と夢見の 頻度 との間にはあま り関係がない とい う知見 を裏付 け る結果 と考 え られ る。夢見の頻度が 高 いほど心臓血管系の身体症状 の頻度が増加す る傾 向,疾病頻度が増え る傾 向が有意 とな ったが, その理 由について は不明であ る。 夢見の頻 度 と自覚的身体症状,精神症状 との関係 はあま り見 られなか ったが,夢見の感 覚別頻度,感情 の頻度 について は特徴的な関連性 が得 られた。夢見の感覚別頻度で は一般 的に夢で はあま り体験 されない感覚 の体験頻度 とそれ に対応す る器官の 自覚的身体症状の 間 に有意 な相関が多 く見 られた反面,感情,特 に否定的な感情 の体験頻度 は,身体的 自覚 症状,精神的 自覚症状の両者 と多 く有意 な相関を示す傾 向が確認 された。調査 によ って裏 付 け られた もので はないが, 「夢 は五臓 の疲れ といわれ るが,事実胃腸の障害があ るとき には夢が多 く, そ して不快な感情 を伴 うことはだれで も経験 していることであろう

。」

と い う相良 (1968)の指摘 を実証的に検証す る結果 と言えよ う。 感覚 モ ダ リテ ィ別頻 度の クラスター分析 の結 果, 過 去 の我 々の研究 同様,視 覚,聴覚 運動 感 覚優 位群,すべての感覚 の頻 度の低 い群,すべての感 覚頻 度 の高 い群 の3群 が得 られた。すべての感覚の体験頻度 の高 い群 は,一般 的には夢で体験 されない とされ る感覚 モ ダ リテ ィについて,覚醒時 に自覚症状 を強 く有 してい ることを示 してい る。味覚,嘆覚, 皮膚感覚, 内臓感覚 な どの感覚 を夢で体験す る群 は,睡眠中に これ らの感覚 によ り多 くの 刺激 を受 け, それが夢見での感覚別体験頻度 に影響 を与えてい るとい う仮説を支持す る結 果 といえ る。 夢 の中で体験す る感情 の頻度 につ いて は,我 々の研究 (岡田 ・松岡 ・畠山,1993;岡田 ・畠山 ・松 岡,1994)ともほぼ同様 の傾 向が得 られた。Hall(1951)は1320の夢の内容 を -5

(8)

7-分析 し,・不安,怒 り,悲 しみ,幸せ,興奮の5つの次元 を用 いて夢で感 じる感情 について 分析 してい る。 その結果,最 も多 い感情 は不安 (40%),怒 り,幸せ,興奮 (18%)が そ れに次 ぎ,悲 しみが最 も少 ない (6%) と報告 してい る。今回の結果 を見 ると,彼の次元 で言えば幸せの頻度が最 も高 く傾 向が異 な るよ うであ る。 その理 由は明確 で はないが,一 つには Cohen (1973a)が指摘す るよ うに夢見 の頻度 には性差 (性役割指向性)が あ るこ とが挙げ られよ う。

HaH

(1951) は性 別 ごとの集計 していないため明確 で はないが, サ ンプルの数 には性別 の偏 りはあま りないよ うであ る。 しか し,今回の結果 は大多数 が女性 か ら得 られた ものであ るのでサ ンプルの偏 りが反映 された可能性 も考 え られ る。 さ らに, 年代 の違 いが反映 されてい る可能性 も挙 げ られ る。夢見の頻度 には生得的要因 よ りも環境 的要因が大 き く働 くことが双生児 を用 いた研究か ら明 らかに されて い る (Cohen,1973b)0 Hallの調査 か らすで に50年近 くが経過 してい ることを考 え ると,社会 的環境の変化 も大 き く,環境 によ り夢見 の内容 も変化 した可能性 も考 え られ る。 いずれにせ よ, これ らの問 題 はさらに検討 の必要 があ るよ うに思 われ る。 夢見 の頻度 と各種 の尺度 との関係 に も性差があ ることが知 られてい る (Span°s, et a1., 1980)。 しか し,今回の調査で は,被験者 の大多数が女性 であ り,性差 について は 検討で きなか った。 これ らの関係 について さらに,性差を加味 した検討が必要 と思 われ る。 本研究 は新潟心理学会第32回大会で発表 した内容 に加筆,再検討 を加 えた ものであ る。 引用文献

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表 2 夢 の中で体験 され る感情 の頻度 と CM lの各項 目との間の相関係数 *p&lt;. 05 ,**p&lt;. 01 夢見 の中の頻度 有意 とな った CMI の項 目と相関係数 嬉 しさ ・楽 しさ 安 堵 感 筋 肉骨格系

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