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-1 福井市での人口動態など
(1)福井市の概要 福井市は、明治 22(1889)年の市町村制施行によって誕生しました。当時の 人口は、39,863 人、面積は、4.43 平方キロメートルでした。以来、福井県にお いて政治、経済、文化の中心都市として発展を続けています。 その間、昭和20(1945)年 7 月の福井空襲、昭和 23(1948)年 6 月の福井大 震災と再度にわたって壊滅的な打撃を受け、さらに水害、風害と幾多の災害に 見舞われましたが、市民の不屈の精神によって不死鳥のようによみがえり、今 日の『不死鳥のまち福井』を築き上げてきました。また、平成12(2000)年 11 月には特例市に移行し、平成18(2006)年 2 月 1 日には、隣接する美山町、越 廼村、清水町の3 町村と合併し、人口約 27 万人、536.17 平方キロメートルと広 がりました。 現在、地域の特色を生かしながら日本海側の主要都市としてまちづくりを進 め、これからも北陸の雄都としてさらに発展を続けています。 (2)近年の人口動態 平成21(2009)年の福井市の人口は 269,879 人(平成 21 年 10 月末現在)、世 帯数は95,600 世帯です。図 8-1 のように、大正 9(1920)年に国勢調査が実施さ れて以来、一貫して総人口、世帯数とも増加をしていましたが、人口は平成15 (2003)年をピークに減少しています。また、平成 18(2006)年の美山町・越 廼村・清水町との合併によって人口が増加しましたが、翌年度以降、減少して います。なお、世帯数は、現在も増加し続けています。 【図8-1】 【出典】福井市統計書62 -(3)世帯規模の縮小 図8-2 のように、平成 21(2009)年の福井市での一世帯あたりの人員は、2.82 人です。徐々に一世帯の構成人員が少なくなっていることがうかがえます。 【図8-2】 【出典】福井市統計書 (4)単身世帯の増加と三世代世帯の減少 昭和60(1985)年と平成 2(1990)年、平成 7(1995)年、平成 12(2000) 年、平成17(2005)年の国勢調査結果から世帯構成の変化をあらわしたものが 図8-3 です。この図に示すように、この 30 年間で世帯構成にも大きな変化が見 られます。福井市における現在の世帯構成の特長は、「独居」世帯が25.6%、「夫 婦のみ」世帯が17.9%を占め、一人~二人というとても小さな世帯が半数近く に達し、昭和60 年に比べると増加していることがうかがえます。 また「三世代」世帯は、昭和 60 年に 25.2%であったものが、平成 17 年度は 16.9%を占めるにすぎません。家族が扶養や世話をする力は、世帯規模からみる と、かなり低下していることがわかります。 【図8-3】 【出典】国勢調査
63 -(5)自治会との連携 自治会は、一定の区域に居住する人々が、それぞれの地域においてさまざま な課題を解決し、住民相互の親睦を図ることを目的に自主的に組織された住民 組織です。 このような中、昨今では、安全・安心な住みよい地域づくりが重要視され、 地域において街頭犯罪への目配りや災害をはじめとした不測事態の対応も必要 となっています。地域の中での日常の付き合いの中で育まれる顔の見える人間 関係が日々の生活にも大きな安心感をもたらします。この安心感は、地域福祉 活動を通じた「地域でのつながり」から醸成されるもので、地域福祉活動を進 めていく上では自治会との連携が重要となっています。 これからの地域福祉活動は、従来からの小学校区の単位よりもさらにきめ細 かい単位として、自治会あるいは自治会の“班”を単位とした推進が期待され ています。しかし、その加入率は、図8-4 のように年々低下していることから、 地域福祉活動の第一歩となる「地域でのつながり」を築く上では、自治会の現 状を踏まえながら、地域福祉活動とのさらなる連携を図ることが重要です。 【図8-4】 【提供】 福井市行政管理課
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-2 福井市内を49地区に分けてみると
(1)地区ごとにみられる特長
地域福祉活動を推進していく上では、地区の特長を見極め、住民のくらしの 実態や意識にもとづいて進めることが重要です。表9-1 のようにそれぞれの地区 の特長をご紹介します。 【表9-1】 ブ ロ ッ ク 名 地区名 特長 木 田 きだ 福井市南部の足羽川沿いの地区。人口急増中。 豊 みのり 八幡山と北国街道沿いの地区。地区の中心には赤十字病院がある。 足 羽 あすわ 足羽山ふもとの歴史と文化の町。また、競輪場もある。 あ た ご 湊 みなと 名所・旧跡が多くある。1960 年代半ばから都市化が進んだ住宅地域である。 春 山 はるやま 福井大学や高校、美術館、図書館などの文教施設が立ち並ぶ地区。 宝 永 ほうえい 福井城址北側の城下町。養浩館庭園など古くからの商業地・住宅地である。 順 化 じゅんか JR福井駅西側の市街地中心部。官公庁が立ち並ぶ。30 年あまりで人口が半減。 松 本 まつもと JR北陸線西側の住宅地。北は新興住宅地。中央に大規模団地もそびえる。 日之出 ひので JR北陸線東側から県立病院、国道8 号線西側。古くからの住宅が立ち並ぶ。 旭 あさひ JR福井駅東側の小ぢんまりした地区。中心部に荒川が流れている。 不 死 鳥 日 新 にっしん 芦原街道西側の地区。地区南部は旧市街地、地区北部は新興住宅地。 清 明 せいめい 江端川沿いの地区。新興住宅地として人口が急増している。 東安居 ひがしあご 足羽川・日野川の合流点に広がる地区。東側は新興住宅地、西側は農業が盛ん。 社 南 やしろみなみ 兎越山ふもとの地区。新興住宅地やマンションが現在も開発されている 社 北 やしろきた 福井運動公園北側、足羽山西側の地区。人口が急増している。 社 西 やしろにし 福井運動公園西側の地区。社3地区の中で高齢化率が急速に進んでいる。 み な み 麻生津 あそうづ 文殊山西側の鯖江市と隣接する交通の要所。田園地帯と新興住宅地が混在。 和 田 わだ 国道8 号線と国道 158 号線が交差する新興住宅地。マンション等も建ち並ぶ。 円 山 えんざん 国道8 号線東側の新興住宅地。大東中学校付近は田園地帯。 啓 蒙 けいもう JR北陸線東側、国道8 号線と国道 416 号線が交差。商業地の開発が著しい。 岡 保 おかぼ 東山のふもとの地区。南北に北陸自動車道が貫通し、公的機関も多い。 あ ず ま 東藤島 ひがしふじしま 国道8 号線と北陸自動車道の福井北IC周辺に広がる水と緑に恵まれた地区。 西藤島 にしふじしま 県立武道館付近を境に、地区北部は田園地帯、地区南部は新興住宅地。 中藤島 なかふじしま 約10 年前から大規模な区画整理と商業地、住宅地の開発が進行している。 河 合 かわい 九頭竜川と日野川の合流付近の地区。田園地帯と新興住宅地が混在。 森 田 もりた 旧北国街道沿いで九頭竜川流域の地区。大規模な区画整理とともに人口急増中。 九 頭 龍 明 新 めいしん 南北を芦原街道とえちぜん鉄道が貫く地区。市内で最も人口が多い地区。 安 居 あご フェニックスパークの西側の地区。大規模な新興住宅地も建ち並ぶ。 光 一 光 いかり 市内で最も小ぢんまりした地区。住民のほとんどが高齢者だがら結束は固い。65 -殿 下 でんが 高齢化率は40%を超えるが、そば・山菜・猪肉などで町おこしを図っている。 越 廼 こしの 旧丹生郡越廼村。福井市最西南端の海岸沿いの地区。 清水西 しみずにし 越前海岸に通じる道沿いの地区。新興住宅地によって人口が増えた。 清水東 しみずひがし 日野川西側の地区。田園と小高い丘に囲まれた地区。 清水南 しみずみなみ 丹生郡越前町や鯖江市に接する地区。ふくい健康の森もある。 光 清水北 しみずきた グリーンハイツの開発で誕生した地区。数年後に高齢化率急上昇が予想される。 大安寺 だいあんじ 九頭竜川西側の川と山に囲まれた地区。重文の大安禅寺も有名。 国 見 くにみ 漁業、えのきなどの生産が盛ん。ひとり暮らし高齢者が多い。 鶉 うずら 九頭竜川左岸の田園地帯。最近は新興住宅地も誕生している。 棗 なつめ 北西部の三里浜と臨海工業地帯(テクノポート福井)の地区。農業も盛ん。 鷹 巣 たかす 国道305 号線沿いに海水浴場、漁港が並ぶ。伝統芸能も有名。 本 郷 ほんごう 山林が多く占める地区。新興住宅地の開発で、以前よりも高齢化率が下がった。 川 西 宮ノ下 みやのした コスモス広苑で有名な地区。国道416 号線沿いに総合病院も建つ。 酒 生 さこう 北陸自動車道福井ICから東側に広がる地区。近年は新興住宅地も建つ。 一 乗 いちじょう 朝倉氏遺跡、一乗滝などの観光名所を抱える山村の地区。 上文殊 かみもんじゅ 文殊山の東側の田園地帯で「東大寺お米送り」が有名。福祉施設も多い。 文 殊 もんじゅ 文殊山の北側、JR大土呂駅付近の地区。田園地帯だが新興住宅地もある。 六 条 ろくじょう 国道8 号沿い県産業会館や厚生病院から南側の地区。田園風景が広がる。 東 郷 とうごう 槙山城のふもとの城下町と田園地帯が広がる。新興住宅地もある。 足 羽 美 山 みやま 旧足羽郡美山町。昭和合併時の旧6 ヶ村で構成。山林が 9 割の谷あいの地区。
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-(2) 地区別人口・世帯数
(平成 22 年 4 月 1 日現在) 【表9-2】 高齢者の人口など 子どもの人口 ブ ロ ッ ク 名 地区名 (k ㎡) 面積 (人) 人口 (世帯) 世帯数 (人) 世帯 構成 人員 (人) 人口 密度 (%) 高齢 化率 (人) 65 歳以 上人口 (人) ひとり 暮らし 高齢 者 登録 者数 (%) 年少 割合 (人) 0~14 歳人 口 木 田 4.39 13,393 4,725 2.83 3,051 17.0 2,274 117 17.5 2,341 豊 2.84 10,981 3,995 2.75 3,867 26.7 2,930 208 12.9 1,417 足 羽 1.88 6,908 2,828 2.44 3,674 32.0 2,210 253 10.1 697 あ た ご 湊 1.46 9,572 4,035 2.37 6,556 24.7 2,369 230 11.8 1,125 春 山 1.63 6,947 2,848 2.44 4,262 29.0 2,016 206 11.1 774 宝 永 0.87 5,543 2,093 2.65 6,371 33.9 1,881 149 10.4 579 順 化 0.95 3,616 1,479 2.44 3,806 33.1 1,197 82 9.7 351 松 本 1.85 12,744 5,278 2.41 6,889 24.6 3,129 354 13.1 1,668 日之出 1.74 7,998 3,305 2.42 4,597 25.4 2,032 168 12.0 963 旭 0.84 5,754 2,242 2.57 6,850 32.2 1,853 146 9.7 559 不 死 鳥 日 新 1.50 5,715 2,405 2.38 3,810 23.1 1,323 119 13.1 748 清 明 3.44 7,423 2,614 2.84 2,158 18.1 1,347 59 17.1 1,269 東安居 3.56 7,493 2,842 2.64 2,105 19.1 1,434 74 14.1 1,055 社 南 8.08 12,713 4,247 2.99 1,573 17.0 2,160 83 18.0 2,289 社 北 3.61 8,048 2,929 2.75 2,229 18.0 1,452 88 17.2 1,386 社 西 2.61 5,814 2,148 2.71 2,228 26.7 1,553 119 13.9 806 み な み 麻生津 13.62 8,858 2,813 3.15 650 21.9 1,942 93 13.3 1,174 和 田 4.75 10,884 4,029 2.70 2,291 17.2 1,875 45 16.9 1,844 円 山 3.31 7,913 2,721 2.91 2,391 20.0 1,580 77 16.0 1,266 啓 蒙 3.65 8,001 2,964 2.70 2,192 18.9 1,509 65 15.3 1,223 岡 保 9.86 2,615 795 3.29 265 31.0 811 19 12.2 319 あ ず ま 東藤島 9.41 4,247 1,306 3.25 451 26.9 1,143 58 13.5 572 西藤島 9.98 5,063 1,602 3.16 507 20.2 1,024 24 13.4 679 中藤島 5.36 11,208 3,996 2.80 2,091 18.0 2,018 50 16.7 1,867 河 合 8.53 4,279 1,243 3.44 502 24.7 1,055 38 12.2 523 森 田 6.02 11,797 4,005 2.95 1,960 22.3 2,633 106 15.6 1,840 九 頭 龍 明 新 3.69 15,161 5,508 2.75 4,109 19.4 2,934 120 16.9 2,565 安 居 15.91 3,547 1,092 3.25 223 20.7 734 36 13.7 486 一 光 12.43 46 29 1.59 4 89.1 41 12 0.0 0 光 殿 下 25.82 549 210 2.61 21 46.1 253 35 4.7 2667 -越 廼 15.35 1,649 620 2.66 107 36.5 602 43 8.5 140 清水西 18.86 3,060 902 3.39 162 21.0 642 38 18.8 575 清水東 8.75 1,947 499 3.90 223 25.7 500 15 13.7 267 清水南 12.72 2,565 877 2.92 202 29.7 763 19 10.1 258 清水北 2.29 2,871 959 2.99 1,256 19.4 556 6 13.9 399 大安寺 5.64 1,387 442 3.14 246 25.0 347 13 12.8 177 国 見 16.16 1,342 469 2.86 83 37.0 497 100 7.7 104 鶉 11.26 3,445 997 3.46 306 26.4 909 39 13.1 453 棗 15.06 1,768 510 3.47 117 29.6 524 24 12.8 227 鷹 巣 20.51 2,224 683 3.26 108 31.3 696 65 10.3 230 本 郷 33.10 1,153 359 3.21 35 31.2 360 27 12.6 145 川 西 宮ノ下 3.26 907 272 3.33 278 28.8 261 23 14.4 131 酒 生 11.16 3,611 1,075 3.36 324 24.7 893 22 14.0 507 一 乗 18.04 949 304 3.12 53 30.6 290 21 8.5 81 上文殊 11.28 2,071 604 3.43 184 31.7 657 23 9.8 202 文 殊 6.44 2,434 641 3.80 378 27.1 660 38 12.5 304 六 条 4.20 2,183 665 3.28 520 28.8 629 17 13.2 289 東 郷 9.47 4,075 1,144 3.56 430 24.4 995 39 13.6 556 足 羽 美 山 137.73 4,769 1,443 3.30 35 34.9 1,662 152 9.4 446 総 計 536.17 269,194 95,762 2.81 502 23.4 63,114 3,945 14.1 37,902
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-(3) 地域福祉に関わる方々の地区別人数
(平成 22 年度) 【表9-3】 ブ ロ ッ ク 名 地区名 (ヶ所) 自治会 (人) 民生児童 委員 (人) 福祉委員 (人) 老人家庭 相談委員 (注13) 木 田 83 17 83 3 豊 79 18 79 7 足 羽 74 21 83 5 あ た ご 湊 100 19 106 12 春 山 75 18 68 7 宝 永 77 13 77 10 順 化 72 11 74 4 松 本 76 24 50 6 日之出 56 15 42 3 旭 79 14 79 4 不 死 鳥 日 新 48 11 48 4 清 明 19 10 18 3 東安居 43 11 43 2 社 南 35 16 36 2 社 北 26 11 28 2 社 西 34 10 40 1 み な み 麻生津 35 13 40 0 和 田 31 14 32 6 円 山 24 11 18 3 啓 蒙 38 11 46 4 岡 保 14 6 14 8 あ ず ま 東藤島 17 8 17 13 西藤島 23 7 22 3 中藤島 20 13 17 9 河 合 12 5 19 7 森 田 23 18 45 8 九 頭 龍 明 新 49 19 43 3 安 居 14 5 16 4 一 光 3 1 3 0 殿 下 14 4 14 1 光 越 廼 8 8 8 469 -清水西 16 8 16 4 清水東 10 4 10 6 清水南 11 7 11 9 光 清水北 14 5 15 3 大安寺 10 2 9 0 国 見 5 4 29 2 鶉 20 7 21 2 棗 15 5 12 1 鷹 巣 14 7 18 5 本 郷 18 4 17 1 川 西 宮ノ下 6 3 10 1 酒 生 11 5 11 7 一 乗 7 2 7 1 上文殊 12 6 20 0 文 殊 11 4 11 0 六 条 8 3 16 8 東 郷 19 7 19 5 足 羽 美 山 53 19 47 7 総 計 1,561 484 1,607 213 (注13)老人家庭相談員 在宅のねたきりおよび一人暮らし、または病弱な老人(要援護老人)の家庭を常 時訪問し、老人自らの生活向上の意欲を持てるよう精神的援助を行うとともに、老 人クラブ会員、その他老人の生活等に関する相談、指導、助言を行っている。福井 県知事が委嘱している。
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-3 地域福祉活動をとりまく環境の変化
『地域福祉活動計画(第1次)』を策定した1996(平成8)年以降の 10 数年 間は、国全体の社会福祉が大きな変化をした時代です。第2次活動計画の策定 はもちろんのこと、今後の福井市における地域福祉や地域福祉活動の具体的な 展開を考えていく上で、この10 数年間の変化を客観的に把握しておくことが重 要となります。中でも、平成 12(2000)年の介護保険制度の実施、社会福祉法 の全面改正はその後の社会福祉の展開に大きな変化をもたらしました。当然、 地域福祉分野にも多大な影響を与えています。 以下、社会福祉や地域福祉に関する主だった新しい法律や制度について年代 順に記載します。 特定非営利活動促進法(NPO法) 平成10 年 (1998) 社会福祉や地域福祉の分野では、ボランティア団体や市民活動団 体の活動が大きな役割を果たしてきました。社会保障や社会福祉の 新しい理念として「社会連帯」が強調されるなかで、こうした任意 団体の活動をいっそう促進していく方向がとられます。そこで、新 しく制定されたのが「特定非営利活動促進法」です。これにより、 任意団体であった活動組織・団体が、法人格を有することが可能と なりました。法人格を取得することにより、銀行口座や事務所の開 設が容易となり、また税制上の措置があることなどから、こうした 活動団体が多数出現し、とくに介護保険法施行後は介護保険事業に も積極的に参入することになりました。 地域福祉権利擁護事業(現・日常生活自立支援事業) 平成 11 年 (1999) 社会福祉分野では、「措置」から「契約」によるサービス供給と いうしくみに転換する政策がとられていきます。これは平成 12 年 の介護保険法や社会福祉法の制定により明確になっていきますが、 それに先立って、平成 11 年に「地域福祉権利擁護事業(現・日常 生活自立支援事業)」がスタートします。これは、認知症や知的障 害、精神障害などにより判断能力が十分でなく、さまざまなサービ スを適切に利用することが困難な方に対して、地域生活を営むため に不可欠な福祉サービスの利用などについて援助する事業です。実 施については、市町村社会福祉協議会が窓口となります。具体的に は、必要とする人の状況に応じて、「支援計画」をたて、生活支援 員を中心に援助をするものです。 福井市社会福祉協議会では、平成11(1999)年 10 月から事業を 開始しました。 成年後見制度 平成12 年 (2000) 認知症や知的障害、精神障害等により判断能力が不十分な方々 が、各種契約や手続きを行うときに、不利な契約を結ばないよう法71 -律的に支援し、自己決定を尊重して、その権利や財産を守ることを 目的とした制度です。 社会福祉法 平成12 年 (2000) これまでの社会福祉事業法を改定し、(1)利用者の立場に立っ た社会福祉制度の構築(2)サービスの質の向上 (3)社会福祉 事業の充実・活性化 (4)地域福祉の推進 を柱として社会福祉法 が制定されました。 この改正は、これまでの社会福祉の基本的考えや枠組みを大転換 するものとなりました。とりわけ、社会福祉事業が「サービス」と して明文化され、制度的にも措置制度から利用契約制度へと制度の しくみも変更されていくことになりました。上述した日常生活自立 支援事業は、社会福祉法において「福祉サービス利用援助事業」と して位置づけられています。また、地域福祉の推進が初めて明文化 されたことも特筆できます。 介護保険制度 平成12 年 (2000) この 10 年間での特記事項の一つは介護保険制度がスタートした ことです。高齢化や核家族化の進展等により、要介護者を社会全体 で支える新たなしくみとして導入されました。 この制度によって、高齢者福祉サービス・施設の大部分が介護保 険給付として提供されることになりました。その主なものは、介護 保険給付として利用できるサービスは契約によって決定するとい うしくみができたこと、保険給付のサービスの一つ一つに料金が設 定されたこと、介護度によって利用できるサービスの上限費用が決 められたこと、などです。また、これまでは社会福祉事業者は公的 機関、社会福祉法人などに限定されていましたが、介護保険事業に は民間企業の参入が認められたことも大きな転換といえます。 ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法 平成14 年 (2002) 経済情勢の悪化が進む中で、ホームレス問題が社会的排除の問題 としても顕在化しました。この特別措置法は、悪化する雇用情勢と ホームレス問題の深刻化に対応するため、就業機会、安定した居住 の場所、保健及び医療の確保、生活に関する相談及び指導など自立 に向けての総合的な取り組みを推進することを目的として制定さ れた 10 年間の時限立法です。この法律の制定により、国家責任で 全国調査の実施が義務づけられ、それをふまえて具体的な対策をと ることが明確になりました。 発達障害者支援法 平成16 年 (2004) この法律では、「発達障害」の定義と発達障害者への支援が日本 で初めて明文化されました。これまで発達障害者は、制度のはざま
72 -にあり、対策がほとんどなかった発達障害者に対して、幼児期から 成人期までの地域における一貫した支援の促進、専門家の確保と関 係者の緊密な連携の確保などが盛り込まれています。 個人情報保護法 平成17 年 (2005) 高度情報通信社会の進展に伴い個人情報の利用が著しく拡大し たため、個人の権利と利益を保護するために、個人情報を取扱う事 業者に対して個人情報の取り扱い方法などが定められました。 他方、この法律により社会福祉関係者、とりわけ民間人である民 生委員への情報提供が困難になった側面もあります。福祉のまちづ くりや防災への取り組みをすすめていくためには、一定の情報共有 が不可欠です。個人情報の保護とまちづくりに必要な情報開示にど う取り組んでいくかが重要な課題となっています。 障害者自立支援法 平成18 年 (2006) 社会福祉法の新しい考え方と枠組みを導入するために、平成 18 年に制定されたのが障害者自立支援法です。 この法律によって、知的障害者福祉、身体障害者福祉、精神障害 者福祉の三分野が統合され、これまでの社会福祉施設の体系から事 業体系へと障害者に対する社会福祉施設・サービスの体系を大きく 変更しました。また、新しく予防介護の導入、施設利用の際の食費 や居住費を自己負担とすることが決定されました。これは、高齢者 分野における介護保険制度と類似したしくみを障害者福祉分野に も適用するというものです。 さらに「相談支援事業所」や「地域自立支援協議会」も設けられ、 福井市社協も参画しています。この法律が制定されたことにより、 障害者福祉の分野は大きく変化し、今日に至っています。 「これからの地域福祉のあり方に関する研究会報告」 地域におけ る「新たな支え合い」を求めて~住民と行政の協働による新しい福 祉~(厚生労働省) 平成20 年 (2008) 厚生労働省では、平成 20(2008)年 3 月に、地域社会で支援を 求めている人に住民が気づき、住民相互で支援活動を行うなどの 「地域住民のつながり」を再構築し、支え合う体制を実現すること について検討するために「これからの地域福祉のあり方に関する研 究会報告 地域における「新たな支え合い」を求めて~住民と行政 の協働による新しい福祉~」という方針を打ち出しています。 その内容は、現行のしくみでは対応しきれていない多様な生活課 題に対応するため、地域福祉をこれからの福祉施策に位置づける必 要性をうたっています。 そして、新たな地域福祉の役割として、①現行のしくみでは対応
73 -し切れていない生活に対応する役割、②住民と行政の協働による 「新たな支えあい」(共助)を確立する役割、③地域社会再生の軸 としての役割を挙げています。 また、地域福祉を推進するため、住民主体、生活課題の発見、方 策の確保などを必要な条件に、情報の共有、活動の拠点、地域福祉 のコーディネーター、活動資金、核となる人材を整備することとと もに、「市町村の役割」として、地域の多様な生活課題を受け止め る総合的なコミュニティ施策の必要性 、住民の地域福祉活動の基 盤整備、住民参画のしくみづくり、地域福祉のコーディネーターや 拠点の整備も図ることを掲げられています。 今後は、防犯・防災、教育・文化、住宅・まちづくり等幅広い分 野との連携を図りながら新しい公共の一環のもと、各市町村におけ る地域福祉の推進が求められています。
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-4 福井市社協の取り組みの推移や変化
この10 年間、福井市社協で取り組んできた地域福祉活動の推移や変化につい て、地区社協を基盤に実施してきた活動と、それ以外の活動について、紹介し ます。 ▼自治会型デイホームの広がり 身近な地域に高齢者等の集える場所 を作ることで、人と人のつながりを作 ろうと始まった前身の「ふれあいサロ ン」を含め、徐々に広がりはじめ、大 幅に増えました。 「自治会型デイホーム」の増加によ り、介護予防や悪質商法対策、防犯・ 防災にも役に立つと、喜ばれています。 平成12 年度 平成 21 年度 地区数 7 地区 46 地区 (51 区域※) 会場数 51 会場 454 会場 のべ利用者数 3,569 人 62,018 人 のべ協力者 1,365 人 16,532 人 65 歳以上利用率 ― 13.28% ※美山地区は広域のため3 区域に分けて実施している。 ▼地区社協・ブロック地区社協への支援 地区社協は地域と密接な関係があ り、住民が自ら参加する支えあい・助 け合いなどの地域福祉活動を進めてい く上で大きな役割を担っています。現 在49 の地区社協があります。 また隣接する地区社協の相互の交 流・情報交換などを行うブロック地区 社協もあります。現在、8ブロックご とに市社協のブロック担当者を設置 し、企画等の相談支援をおこなってい ます。 平成8 年度 平成22 年度 地区数 43 地区 49 地区 ブロック数 7 ブロック 8 ブロック ▼ 福祉委員 市内の全地区社協に、福祉委員が設 置されました。地区社協活動に福祉委 員が位置づいている地区では、地域福 祉活動がさらに発展しています。また、 いくつかの地区では、まだ福祉委員の 役割が明確に位置づくところまでいっ ていない所もあります。 平成8 年度 平成22 年度 設置地区数 38 地区 49 地区 委嘱人数 1,155 人 1,616 人75 -▼ 食事サービス事業の推進 70 歳以上の高齢者の孤立を防ぎ、地 域との交流を深めるため、地域住民の ボランティアなどによるお弁当の配食 と訪問活動を推進しています。また、 交流を促すために会食での実施もあり ます。この10 年間で、実施地区と利用 者が増えています。 平成8 年度 平成21 年度 実施地区数 41 地区 46 地区 食数 14,052 食 17,090 食 のべ利用者数 1,737 人 2,391 人 会食回数 216 回 324 回 配食回数 90 回 90 回 のべ協力者数 1,400 人 5,567 人 ▼日常生活自立支援事業 平成11(1999)年度から、介護保険 制度の開始とあわせて、福祉サービス の利用手続きや、金銭管理のお手伝い をして、高齢者や知的障害者・精神障 害者障者がいきいきと安心して暮らせ るように日常生活自立支援事業を実施 しています。 平成12 年度 平成 21 年度 相談件数 165 件 504 件 契約件数 2 件 123 件
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-5 その他の参考資料
福井市社会福祉協議会地域福祉活動計画策定委員会設置要綱
第2次 福井市地域福祉活動計画 策定の経過(平成22 年度)
77 -福井市社会福祉協議会地域福祉活動計画策定委員会設置要綱 (目的) 第1条 社会福祉法人福井市社会福祉協議会(以下「社協」という。)は地域福 祉活動計画の策定を目的に、福井市地域福祉活動計画策定委員会(以下「委 員会」という。)を設置する。 (委員会の構成) 第2条 委員会は、委員15名以内をもって構成する。 2 委員は次の各号に掲げる者の中から、社協会長が委嘱する。 (1)学識経験者 (2)社会福祉協議会関係者 (3)社会福祉団体及び関係団体代表者 (4)ボランティア、NPO 関係者 (5)関係行政機関 (6)その他会長が必要と認めるもの 3 委員の任期は委嘱の日から平成23 年 3 月 31 日までとする。 4 補欠による委員の任期は、前任者の残任期間とする。 (委員長及び副委員長) 第3条 委員会に委員長及び副委員長を 1 名 置き、委員の互選により選出す る。 2 委員長は、委員会を代表し会務を総括する。 3 委員長に事故あるときは、副委員長がその職務をつとめる。 (会議) 第4条 委員会は、委員長が招集し、その議長となる。 2 委員会は、委員の半数以上の出席がないと会議を開くことができない。 (意見の聴取) 第5条 委員会が必要と認めたときは、関係者の出席を求め、説明及び意見を 求めることができる。 (事務局) 第6条 委員会の事務局は、社協内に置く。 (その他) 第7条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は委員会において協議し、 決定する。 附 則 この要綱は、平成22年5月19日から施行する。
78 -第2次 福井市地域福祉活動計画 策定の経過(平成 22 年度) 年月 事業 内容 平成22 年 6 月 17 日 第1回策定委員会 委嘱状交付式 委員長、副委員長の選出 活動計画の諮問 基本説明 ●これまでの経過 ●地域福祉活動計画の策定方針 ●今後のスケジュール 8 月 6 日 第2回策定委員会 ●ワークショップで出された諸課題 ●第1 次計画での小地域福祉活動の課 題 ●地域包括支援センターと地区社協の 連携について 10 月 8 日 第3回策定委員会 ●地区社協活動の運営体制をめぐる課題 と今後の方向性 ●地域福祉の「拠点」と「コーディネータ ー」についての将来のシュミレーション 12 月 10 日 第4回策定委員会 素案の審議 平成23 年 1 月 21 日 第5回策定委員会 ●第1次案の審議 ●付属資料「これからの地域福祉活動の方 向性」(地区版地域福祉活動計画) 1 月 28 日 意見公募 ~2 月 7 日(月)まで (34 名・53 意見) 2 月 7 日 地区社協連絡協議会 (49 地区社協出席) ●講演 「活動計画を策定して創り上げる地域福 祉」(福井県立大学 瓦井 昇 教授) ●第1 次案の説明 2 月 15 日 第6回策定委員会 ●第2 次案の審議 3 月 4 日 第7回策定委員会 ●最終案の審議 ●市社協会長への答申
79 -第2次 福井市地域福祉活動計画策定委員会 委員名簿 (敬称略) 選出 区分 所属 役職 氏 名 学識経 験者 福井県立大学看護福祉学部 教授 ◎瓦井 昇 福井県社会福祉協議会 福祉のまちづくり推進課 主査 武藤 功士 福井市地区社協連絡協議会 会長 ○梅田 正昭 湊地区社会福祉協議会 会長 野口 つぎ代 国見地区社会福祉協議会 会長 長谷川 理 社会福 祉協議 会関係 者 和田地区社会福祉協議会 事務局長 藤島 節子 福井市自治会連合会 会長 加畑 一三 福井市民生児童委員協議会 連合会 副会長 安澤 重雄 福井市身体障害者連合会 会長 山口 幸雄 福井市老人クラブ連合会 会長 前川 速弥 社会福 祉団体 及び 関係団 体代表 者 福井市公民館連絡協議会 副会長 八木 千才 福井市 ボランティア連絡協議会 理事 高畑 和子 福井県子ども NPO センター 理事長 清水 雅美 ボラン ティア ・NPO 関 係者 福井県立大学ボランティア部 部員 満田 寛子 関係行 政機関 福井市福祉保健部地域福祉課 課長 中川 英男 ◎=委員長 ○=副委員長