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地域開発の事後的分析 -経済指標と社会指標による考察-

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地 域 開 発 の 事 後 的 分 析 ○47 総世帯数定義式(N ) a Na =NNS ○48 持家比率定義式(H ) r Hr =HS /Na (2)構造方程式の説明と内挿テスト ここでは,各個別方程式の説明に簡単にふれ るとともに,推定結果の適合状況に若干解説を 加えることにする。 パーシャルテストファイナルテストの結果に ついては,主要な変数の一部をグラフによって 示す。 グラフで示された実績値と推定値の誤差水準 ①人口関数( N ) ) 86 . 745 ( 0079 . 1 N N = 1+(NOiNiO) により,本モデルのフィットの状況はほぼ明ら かになろう。 グラフ上の線は以下のように区別されてい る。 実績値 ファイナルテストの内挿値 パーシャルテストの内挿値 000 . 1 = R S =908.89 当年の人口(N )は前年居住人口(N1)と当年 の社会増(NOiNiO)によって決定される。 1 − N の係数は人口の自然増加を表わす。自然増 加率の全国平均値は観測期間の中間,昭和41年 が7.0%,昭和47年が12.8%となっている。対 象地域で,増加率の高いところは秋田の7.9% (昭和41年)∼12.1%(昭和47年),鹿島の2.7% (41年)∼16.6%(47年),低いところは益田の 3.1%(41年)∼5.4%(47年)となっており, 1 − N の係数1.0079はほぼ妥当な値といえよう。 パーシャルテスト,ファイナルテストの適合 状況を図5−2−1でみると,パーシャルテス トは各地域とも,良好にフィットしているが, ファイナルテストでは秋田地域に8.6%の誤差 が生じた。 ②,③,④一次,二次,三次就業人口関数( 1 E ,E ,2 E ) 3 642 . 5 1 = E ) 10 . 144 ( 0074 . 1 E + 1−1−0.0445E1−1 ) 09 . 0 ( 00078 . 0 − − N iO 999 . 0 = R S =174.4 2 E ) 35 . 42 ( 9802 . 0 E = 2−1+ ) 41 . 1 ( 0233 . 0 E1−1 ) 54 . 2 ( 0895 . 0 N + Oi 995 . 0 = R S =609.9 04 . 450 3 = E ) 44 . 433 ( 0341 . 1 + E3−1 ) 48 . 3 ( 0212 . 0 E + 1−1 ) 84 . 6 ( 0669 . 0 + NOi 000 . 1 = R S=150.0 一次産業就業人口( 1 E )は前年の就業人口 E1−1)と他産業への転職および域外への転出 iO N によって決定する。第二項(−0.0445E1−1) は二次,三次産業就業人口の推計式において, 一次産業前年就業人口による転入分から誘導し たものである。 二次産業就業人口( 2 E )は前年の就業人口E2−1)と,前年の一次産業就業人口,および, 転入人口(NOi)によって決定する。第二項の係 数は一次産業からの転職分を説明し,第三項の 係数は域外からの転入による増加分を説明して いる。 同様に,三次産業就業人口( 3 E )は前年の就 業人口(E3−1)と,前年の一次産業就業人口,お よび転入人口によって決定する。第三項は一次 産業からの転職分を説明し,第四項の係数は転 入者からの増加分を説明している。 就業人口の基本的考え方は,減少傾向を示す

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図 5 − 2 − 2 第 1 次 産 業 就 業 人 口 一次就業人口については慣性効果を示す前期就 業人口と人口流出分,増加傾向を示す二,三次 就業人口については前期就業人口と転入分で説 明しており,その他の要因を示すため定数項を つけている。ただし,二次就業人口では,(E1−1) が有意性が弱く,定数項を付けると符号が負に なるため本式を採用した。パーシャルテストの 適合度は各式とも5%以内の誤差で収まった。 しかしファイナルテストの結果一次三次就業人 口については,ほぼ良好であったが,鹿島地域 の45,47年の二次就業人口の適合度が悪くなっ た。これは転入人口関数の適合が悪く,急激な 人口増加を表現しきれていないためであり,転 入人口関数が良くなれば,フィットはかなり改 善されるであろう。(図5 − 2 − 2 , 図 5 − 2 −3,図 5− 2− 4参 照 ) 図 5 − 2 − 1 人 口

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図 5 − 2 − 3 第 2 次産業就業人口 図 5 − 2 − 4 第 3 次産業就業 人口 地 域 開 発 の 事 後 的 分 析

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⑤ 転入人口関数 ⎟ ⎠ ⎞ ⎜ ⎝ ⎛ N NOi N NOi log ) 78 . 3 ( 4190 . 0 5095 . 2 + − = ⎟⎟ ⎠ ⎞ ⎜⎜ ⎝ ⎛ + + 3 2 3 2 log E E Yp Yp N G Δ + log ) 25 . 3 ( 1286 . 0 838 . 0 = R S=0.2264 転入率 ⎟ ⎠ ⎞ ⎜ ⎝ ⎛ N NOi は地域の二次,三次産業生産活 動が活発化するに従い増大し,また地域に対す る公共投資が増加すれば,それに伴なって生ず る労働者の移動によって増大するような構造を 想定した。 したがって,二次,三次産業の就業人口当り 生産所得 ⎟⎟ ⎠ ⎞ ⎜⎜ ⎝ ⎛ + + 3 2 3 2 E E Yp Yp と人口1人当り総行政投 資 ⎟ ⎠ ⎞ ⎜ ⎝ ⎛ Δ N G で説明している。 相関係数は良好とは言えないが,パーシャル テストのフィットが6地域全体的にバランスし ているので採用した。人口移動の構造は全国地 域計量モデル(経済分析19号)では地域間流動 のグラビティ型としているが,地域別定数項ダ ミーを使用しても良好なフィットは得られてい ない。ファイナルテストは秋田,鹿島地域の 45,47年が十分に説明しきれなかった。秋田は 県庁所在地であり,東北地方における商業,行 政の中心地であるので,最近の人口増加は大き く,テスト値が過少に出た。また鹿島の昭和45 年の転入人口が飛抜けて大きいのは工場立地に よる一次的な人口流人現象であると考えられ, 二地域共に係数ダミーを用いれば,更にフィッ トはよくなるであろう。( 図5− 2− 5参 照 ) ⑥ 転出人口関数 ⎟ ⎠ ⎞ ⎜ ⎝ ⎛ N NiO log =−4.0303 N NiO ) 10 . 2 ( 1764 . 0 + ⎟ ⎟ ⎟ ⎟ ⎠ ⎞ ⎜ ⎜ ⎜ ⎜ ⎝ ⎛ + + 1 1 3 2 3 2 log E Yp E E Yp Yp S log ) 39 . 2 ( 2217 . 0 + ) 80 . 2 ( 1000 . 0 + log 2 E I ∑ ) 07 . 6 ( 3316 . 0 + D4 873 . 0 = R S=0.118 転出率 ⎟ ⎠ ⎞ ⎜ ⎝ ⎛ N NiO は若年層の進学率( S )と一次 産業と二,三次産業の所得格差 ⎟ ⎟ ⎟ ⎟ ⎠ ⎞ ⎜ ⎜ ⎜ ⎜ ⎝ ⎛ + + 1 1 3 2 3 2 E Yp E E Yp Yp お よび就業者あたりの民間資本ストック ⎟ ⎠ ⎞ ⎜ ⎝ ⎛ ∑ 2 E I よって説明する。転出の実態は,若年層が進 学,就職によって域外に流出するものと,低生 産性の一次就業者層から,他産業就業者との所 得格差増大に伴なって生ずる出稼ぎ,転職など によるもの,および立地企業の生産活動に従っ て生ずる勤務移動によるもの,の三つの形態の 要因が主なものと考えられるであろう。 益田の転出率が非常に高く,6地域同時にあ てはめを行なうと,推計値が過少になり,フィ ットが悪くなった。山陰の典型的過疎地域の特 性として,隣接地域である瀬戸内海工業地帯あ るいは阪神方面への人口の流出が,かなり早い 時期から発生している。このパターンは同じ過 疎地域である能代とは非常に異なっており,西 日本静態型過疎地を示すダミーとして,やむを 得ず使用した。これによって,パーシャルテス トはかなりフィットがよくなり,重相関係数が 0.732から0.873に向上した。ファイナルテスト では,秋田を除いてほぼ良好な状態である。 秋田県は県庁所在地であり,官公庁の人事移 動要因を示す構造を考えれば更にフィットは良 くなると考えられる。( 図5− 2− 6参 照 )

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地域開発の事後的分析 図 5 − 2 − 5 転 入 人 口 図 5 − 2 − 6 転 出 人 口

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表5−2−1 資本あたりの付加価値比率 産 業 タ イ ブ 価値比 付 加 業 種 A型(高度加工型産業) B型(中間型産業) C型(装置型産業) 2.08 1.61 0.74 出版,一般機械,電気,精密,自動車 食料,繊維,木材,ゴム,窯業,金属 紙パルプ,鉄鋼,非鉄,石油,化学 ⑦ 一次産業生産所得関数(Yp1 A G E . . Yp 07757 04822 0.783log I 0.4529log log 1=− + log 1+ 1+ (3.46) (2.34) (3.16) R=0.962 S=0.1474 一次産業生産所得(Yp1)は,一次産業就業人 ロ(E1)と,一次産業公共資本ストック(G11)を 基礎とし,それに経営耕地面積を加え,3変数 によって説明する。(図5−2−7参照) ⑧ 二次産業生産所得関数(Yp2 2 2 2 74 . 0 61 . 1 08 . 2 log( 3879 . 0 log 0500 . 1 4907 . 4 logYp =− + E + ∑IA+ ∑IB+ ∑IC+GI (7.51) (6.40) I Gr)+0.0454log + (1.96) R =0.964 S=0.291 二次産業生産所得(Yp2)は,地域開発投資が 急激に増加した鹿島地域では,二次産業生産所 得に占める建設業所得の割合も大きいと考えら れるので,これを説明するため,投資を民間投 資(I)で代表させて付加している。参考式のよ うに,単純に資本ストックを公共,民間の和で 表わすと,部分テストでは諏訪が非常に過少に 推定される。すなわち,民間資本ストックは30 人以上の企業の有形固定資産額で代理させてお り,昔から精密機械工業の多い諏訪地域は小規 模企業が大部分で,公共投資を伴なわない型の 企業立地が行なわれ,しかも生産性が高い。し たがってこの構造をよくするため,各業種の資 本係数を表5−2−1により算出し,その資本 係数の大きさによってA型(高度加工型産業), B型(中間型産業),C型(装置型産業)の三つ のタイプに分け,この付加価値比率を弾性値と した。これによって,地域ダミーを使用せず に,かなりパーシャルテストの適合度は改善さ れたので上記式を採用することにした。ファイ ナルテストでは,鹿島,秋田の昭和45,47年の 誤差が大きくなったが,係数ダミーを使わず に,同一構造で表現するのはこれが限界であろ う。 フィットの状況を図5−2−8に示す。 (参考式) ) log( 1723 . 0 ) log( 2100 . 0 log 1345 . 1 592 . 4 logYp2=− + E2+ ∑I+GI2+Gr + I+Ih (6.78) (1.56) (1.48) E=0.947 S=0.354 注)1 昭和39∼47年の業種別単純平均 2 工業統計 ⑨ 三次産業生産所得(Yp3 G Yp Yp E

Yp 2.5892 0.8757log 0.2689log( ) 0.1586log W

log 3= + 2+ 1+ 2 +

(17.05) (5.39) (4.63)

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地域開発の事後的分析 図 5 − 2 − 7 1 次 産 業 生 産 所 得 図 5 − 2 − 8 2 次 産 業 生 産 所 得

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図 5 − 2 − 9 3 次 産 業 生 産 所 得

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地域開発の事後的分析 三次産業生産所得(YP3)は他産業の生産所得 と労働力供給としての就業人口で説明したが, 商業都市では三次産業生産所得が他の産業に比 べて非常に大きく,他産業相関だけでは十分に 説明しきれなかった。したがって都市機能の集 積を表わす代理変数として,生活関連公共資本 ストック(GW)を付加して説明している。これ で部分テストの適合度は能代が若干ずれる程度 でかなり良好になった。また全体テストでも非 常に良好なフィットとなった。(図5−2−9 参照) ⑩ 総個人所得関数(Yd) 2036 . 0 968 . 0 ) 58 . 24 ( 0.9775log( ) 0269 . 0 log 1 2 3 = = + + + − = S R Y Y Y Yd P P P     個人所得(Yd)は総生産所得(Yp)で説明す る。部分テストでは県庁所在地である秋田が全 体的に若干,過少推計され,鹿島の45,47年が 過大に推計されるが,全体テストではかなり誤 差は縮少し,ほぼ良好なフィットを示している (図5−2−10参照) ⑪ 製造業出荷額関数(K) 7 . 17182 943 . 0 ) 16 . 18 ( 9378 . 2 25 . 2834 2 = = + − = S R Y K P        製造業出荷額(K)は二次産業生産所得(YP2)で説明している。 ⑫ 商業販売額関数(M) 2751 . 0 970 . 0 ) 50 . 25 ( log 2488 . 1 887 . 1 log 3 = = + − = S R Y M P        商業販売額(M)は三次産業生産所得(YP3)で 説明した。部分テストは全体的にほぼ満足する ものが得られ,全体テストでも良好な結果が得 られた。(図5−2−12参照) ⑬ 市町村税関数(Tx) 03 . 182 983 . 0 ) 81 . 8 ( ) 43 . 30 ( 0067 . 0 0274 . 0 0801 . 70 = = ∑ + + = S R I Y Tx d    市町村税収(Tx)は,住民税と固定資産税が収 入源であり個人所得(Yd)と民間資本ストック (∑I)で説明する。部分テストのフィットも良 好であり,全体テストでも秋田が若干過少推計 される程度で,ほぼ良好なフィットを示してい る。(図5−2−13参照) ⑭ 歳入関数(Bi) 5473 . 5 954 . 0 ) 45 . 20 ( 7725 . 1 06 . 615 = = + = S R T Bi x          地方自治体の歳入(Bi)は市町村税収(Tx)で説明する。 ⑮ 経営耕地関数(A) ) 10 . 5 ( log 2373 . 0 3651 . 1 log 1           + − = E A ⎟⎟ ⎠ ⎞ ⎜⎜ ⎝ ⎛ + + + 3 2 1 3 2 E E E E E ) 47 . 9 ( ) 11 . 7 (0.0972log( ) 0.3198 1 1 1             △GI +BO + D + 077 . 0 944 . 0 ) 81 . 4 ( ) 10 . 5 ( 1639 . 0 1814 . 0 3 4 = = − − − − S R D D       就業者1人あたりの経営耕地 ⎟ ⎠ ⎞ ⎜ ⎝ ⎛ 1 E A は都市化 ⎟⎟ ⎠ ⎞ ⎜⎜ ⎝ ⎛ + + + 3 2 1 3 2 E E E E E と一次産業関係公共投資(△GI1+ BO1) で 説 明さ れ る 。 耕地面積は歴史的な土地所有形態および気 候,風土による生産性の相異により,地域的に 異なっているので,能代,坂出,益田に地域定 数項ダミーを使用した。これによってパーシャ ルテストのフィットはかなり改善され,相関係 数も0.944を示している。ファイナルテストは 秋田,能代,坂出に少々フィットが悪くなった が,全体的に大きくずれてはいないので本式を 採用した。(図5−2−14参照)

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⑯ 民間住宅投資関数(Ih) 75 . 632 937 . 0 ) 36 . 9 ( ) 05 . 13 ( 037 . 0 040 . 0 535 . 72 = = + + − = S R I Y Ih d         民間住宅投資は,持家建築投資と非持家(ア パート・社宅等)建築投資の二つに分類して考 えている。前者は個人所得に依存する。 後者は民間設備投資が活発化すれば,それに 伴って社宅及び民間アパート建設のための住宅 投資も増大すると考え,民間設備投資額によっ て説明する。 パーシャルテスト,ファイナルテストとも に,秋田の37,47年,鹿島の47年を除いては, ほぼフィット状況は良好である。鹿島の47年が 過大推計になっているのは,企業の社宅建設が 操業を中心として集中的に行われ,ほぼ46年ま でに完成され終ったために,設備投資との間に 時間的なずれが生じた結果である。(図5−2 −15参照) ⑰ 進学率関数(Fr) 087 . 0 926 . 0 ) 82 . 8 ( ) 11 . 3 ( log 6223 . 0 log 1189 . 0 649 . 4 log = = + + = S R U N Y F r d r      図5−2−10 総 個 人 所 得 図 5− 2− 11 商 業 販 売 額

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図 5 − 2 − 13 歳 入 図 5 − 2 − 12 市 町村税収 地域開発の事後的分析

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図 5 − 2 − 14 経営耕 地面 積 図 5 − 2 − 15 民間住 宅投資

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地域開発の事後的分析 図 5 − 2 − 16 進 学 率 図 5 − 2 − 17 賃 金

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進学率を表わす関数として,ここでは高校進 学率を考える。進学率は一人当り個人所得と都 市化率によって説明する。 経済成長に伴う個人所得水準の上昇はより高 い水準の教育を志向させる大きな要因となる が,都市化の進展は同時に,第2次及び第3次産 業就業者比率の増大を通して高学歴化社会に一 層拍車をかける。 パーシャルテスト,ファイナルテストともフ ィットの状況はほぼ良好であるが,益田が全体 的に低目に推定される。所得水準や都市化率に 比較してかなり進学率が高いのは古くから教育 熱が盛んな土地柄の影響であろう。 ⑱ 雇用者賃金関数(LW) LW =178.79 ) 73 . 4 ( 32 . 106 + 2 2 E Y ) 70 . 5 ( 51 . 23 t + ) 36 . 1 ( 73 . 20 + L r R=0.908 S=86.12 賃金に関しては,本来非一次産業労働者の賃 金をとるべきであるが,データーの制約上,こ こでは製造業従業者の賃金で代用する。 賃金の供給側である企業の支払能力として就 業者一人当りの二次生産所得,そして労働需給 の逼迫度を表わす失業率の代理変数として有効 求人倍率をとる。また需要側である労働者は, 常に労働条件の改善を求めて前年より高い賃金 を要求するから必然的に下方硬直的な性質を持 つことになる。このような点から上記二変数に タイムトレンドを加え,三変数によって賃金率 を説明する。 重相関係数は0.908とあまり高くなく,部分 テストでも秋田・能代の誤差が目立つ。秋田の 過少推計の原因は,二次産業の労働生産性は低 いが三次産業の賃金が引き上げているためと思 われる。ファイナルテストでは,諏訪のフイッ トが劣っているが,これは,二次生産所得の過 少推計の影響による。(図5−2−17参照) ⑲ 月間実労働時間関数(Lh) Lh =201.53 ) 24 . 8 ( 025 . 0 − − LW ) 99 . 2 ( 702 . 0 + ⎪⎭ ⎪ ⎬ ⎫ ⎪⎩ ⎪ ⎨ ⎧ −2 2 2 2 2 ) / ( ) / ( E Y E Y ) 97 . 3 ( 8 . 4 −− D 4 R =0.852 S=2.55 労働時間関係のデータについては,市町村レ ベルではデータがなく,毎勤統計(30人以上企 業調査)の県平均を代理指標としている。 実労働時間は,賃金率と景気変動の局面の関 数として考えられる。経済が成長し,追加的所 得よりもむしろ自由時間が選好されるようにな ると,所定内労働時間は短縮の方向にむかう。 他方,実労働時間と所定内労働時間の差で表わ される残業時間は,景気の変動の波にさらされ ており,景気上昇の局面ではそれは増加し,下 降の局面では減少するという傾向をもつ。そこ で,景気変動を表わす指標として,二次産業生 産所得の前年比伸び率をとって説明変数とし た。但し,益田は他の地域に比して著しく労働 時間が短かく,賃金及び生産性の伸び率ではと うてい説明がつかないため,ダミーを用いてい る。 パーシャルテストでは比較的良好なフィット を示しているが,ファイナルテストでは,二次 産業生産所得の誤差の影響によって,鹿島・坂 出の適合度が劣っている。(図5−2−18参照) ⑳ 有効求人倍率関数(Lr) L&r =0.03 ) 30 . 10 ( 003 . 1 + ⎟ ⎠ ⎞ ⎜ ⎜ ⎝ ⎛ + + 3 2 3 2 E E Y YP P ) 96 . 3 ( 277 . 1 + ・D2 R =0.872 S=0.714

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地域開発の事後的分析 図 5 − 2 − 18 実 労 働 時 間 図 5 − 2 − 19 有 効 求 人 倍 率

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有効求人倍率は,有効求人数/有効求職者数 の形で表わされ,労働市場での労働需給の逼迫 度を示すものである。労働需要を示す有効求人 数は非一次産業の活動状況によって決定され る。 それ故,労働需要の伸び率を非一次産業生産 所得の伸び率によつて説明する。但し,諏訪の 求人倍率は当初から異常な高さを示しているの みならず,その時系列変化も非常に大きく,生 産所得,等では説明しきれないため,ここでは ダミーによって補正した。重相関係数は0.872 と低く,パーシャルテスト・ファイナルテスト ともにフィットは良くない。(図5−2−19参 照) ○21 消費支出関数(C) C=417.778 ) 58 . 8 ( 264 . 0 + a d N Y 54 . 71 867 . 0   R=      S=            消費支出は,各地域の家計調査報告に基づい たデータであるため,世帯当り年間の消費支出 を世帯当り年収によって説明する。説明変数と 被説明変数のデータが,本質的に違うことによ り重相関係数も0.867と低くパーシャルテス ト,ファイナルテストともにフィットはあまり 良好とはいえない。 ○22 エンゲル係数関数(Ce) logCe=3.343 log ) 40 . 11 ( 187 . 0   − N Yd 053 . 0 871 . 0  R=      S=           家庭の消費支出に占める食料費の割合を示し たものがエンゲル係数であるが,所得が高くな るに従ってその係数は低下する傾向をもつと考 えられる。 しかし,本来この係数を説明するためには, 食生活の質の変化(例えば食料費に占める嗜好 品比率の増大等)に伴う食料費支出の動向及び 貯蓄性向の変動による消費支出の動向を考慮す ることが必要であろう。 ここでは,データの制約上そこまでは立ち至 らず全体的な傾向を示すものとして個人所得水 準を説明変数としている。重相関係数は0.871 とあまり高くなく,パーシャルテスト・ファイ ナルテストともに秋田が低めに推計され,逆に 坂出が高めに推計される。(5−2−20参照) ○23 電話普及率関係(Ct) logCt =3.308 log ) 21 . 6 ( 783 . 0 + N Yd ) 09 . 6 ( 414 . 1 + logUr 287 . 0 928 . 0 = = S R               電話の普及は,個人所得水準の向上に伴って 上昇すると同時に,都市化の進展が周囲への波 及効果をもたらし,なお一層普及率を高める効 果をもつ。 パーシャルテスト・ファイナルテストとも に,近年の急激な上昇局面の説明が充分でな い。(図5−2−21参照) ○24 乗用車保有率関数(Cr) logCr =1.148 ) 47 . 16 ( 699 . 2 + N Yd log logND ) 90 . 0 ( 160 . 0 − − 506 . 0 934 . 0 = = S R               乗用車保有率は一人当り個人所得と人口密度 の関数として表わされる。昭和40年代前半の全 国的なモータリゼーションの進展とともに,個 人所得水準の著しい向上は,自家用乗用車の普 及を急速におし進めることとなった。特に人口 密度の低い都市化の遅れた地域では,交通網の 発達が充分でないことも手伝って,所得水準に 比較して,その普及速度は,かなり高かったと いえる。 重相関係数は0.934であるが,人口密度のきき が弱く,所得水準が低い能代と益田の45,47年 の上昇局面が十分には説明できていない。

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s 図 5 − 2 − 21 電 話 普 及 率 図 5 − 2 − 20 エ ン ゲ ル 係 数 地域開発の事後的分析

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その他の地域は概ね良好なフィットを示して いる。(図5−2−22参照) ○25 貨物自動車保有関数(Tc) 58 . 1333 933 . 0 ) 94 . 7 ( ) 80 . 11 ( 0334 . 0 0376 . 0 324 . 1483 = = + + = S R K M TC     貨物自動車保有台数は,その地域の製造業出 荷額及び商業販売額の量に依存する。 自家用乗用車と同様,昭和40年代の前半から, 貨物輸送の中心は鉄道から自動車にその重点 が移り,高度経済成長に伴う製造業出荷額や商 業販売額の急激な増大を賄う輸送の中心を占め ることとなった。 K及びMのパラメーターは0.035前後と変ら ず,貨物自動車を増大させた寄与率はほぼ同等 であったと考えられる。 パーシャルテストでは鹿島,諏訪の両地域と も比較的良好なフィットを示しているが,ファ イナルテストではかなりの過少推計となって いる。 これは,製造業出荷額が低めに推計された影 響のためである。(図5−2−23参照) ○26 道路舖装済延長関数(Tp)

(

)

8 . 200 928 . 0 ) 35 . 7 ( ) 12 . 11 ( 0062 . 0 1 116 . 0 959 . 9 = = − ∑ + − = S R T B T s r O P      道路舗装延長の伸びは年々投下される道路投 資に依存する。ここでは道路として市町村道の みを考えているので,投資としては,運輸基盤 歳出額をとり,それを説明変数とする。但し道 路投資効率(道路投資額に対する舗装延長の伸 び)の面からみると,地域による格差はかなり 大きい。例えば都道府県別データによって47年 の舗装済延長1km当りの投下資本をみてみると, 秋田→6百万,茨城→1.9百万,長野→1.9百万, 香川→1.6百万,島根→2.1百万,といった額に なっており,秋田県の道路投資効率が著しく低 いことがわかる。この原因の一つに,冬期の降 雪量の影響が考えられる。そこで,道路投資の 構造係数に投資効率の代理変数として降雪日数 を導入した。(本来,道路維持費等の関連から すれば,降雪量を考慮すべきであるが,データ の関係上,降雪日数で代理している。) 重相関係数は0.928であるが,パーシャルテ スト,ファイナルテストともに,諏訪,益田の フィットが劣る。(図5−2−24参照) ○27 交通事故関数(St) 28 . 344 932 . 0 ) 29 . 1 ( ) 87 . 4 ( ) 63 . 4 ( 524 . 0 002 . 0 ) ( 032 . 0 8 . 2 = = − − + + + = S R S N T N C St r C s             ・ 交通事故は,総自動車台数,人口及び交通安 全施設の関数と考えられる。近年のモータリゼ ーションの進展は,急速に乗用車及び貨物自動 車の数を増大させ交通事故発生の大きな要因と なっている。また交通事故のうち,最大の事故 件数を占める人身事故は人口の増加すなわち人 口の稠密化によってもたらされてきている。他 方こういった増加要因に対する減少要因とし て,安全施設の設置があげられる。安全施設の 代理変数として,信号機×道路標識をとり, 三変数によって説明する。(総理府交通安全対策 室「交通事故の将来予測」の構造式を参考と した)。 パーシャルテストでは,秋田,坂出,益田の 45年における交通事故の急増部分が説明できな いが,その他は,ほぼ良好なフィットを示して いる。 ファイナルテストでは鹿島,坂出,益田の貨 物自動車の過少推計の影響により,パーシャル テストよりフィットが悪くなっている。(図5 −2−25参照) ○28 交通安全施設関数(Ss) 581 . 0 928 . 0 ) 95 . 5 ( log 394 . 1 4994 . 7 log = = + − = S R G SS R          

(19)

地域開発の事後的分析 図 5 − 2 − 22 乗 用 車 保 有 台 数 図 5 − 2 − 23 貨 物 自 動 車 保 有 台 数

(20)

図 5 − 2 − 24 道 路 舗 装 延 長 図 5 − 2 − 25 交 通 事 故 件 数

(21)

地域開発の事後的分析 交 通安全施設としては 道路標識×信号機台 数をとり,それを運輸ストックによって説明し ている。 パーシャルテスト,ファイナルテストとも に,鹿島益田の乖離が大きくフィットはよくな い。 ○29 窃盗発生率関係(Sr) 59 . 3 = r S& ) 36 . 1 ( 052 . 0 + N N&Oi ) 18 . 4 (−−0.159 N Y&d ) 52 . 4 ( 08 . 3 − − a S N H& ) 31 . 2 ( 478 . 0 + U&r 910 . 0 = R S=0.167 窃盗発生件数については,各年かなりランダ ムな動きを示しているために,3期間の移動平 均をとり人口千人当りの発生率を被説明変数と した。 窃盗を減少させる要因として,経済的豊かさ を表わす個人所得及び居住状況の安定さを示す 持家比率を考える,他方増加の要因としては, よそ者の増加に伴う社会の不安定さを示すもの として転入人口比率,及び一般的傾向として都 市化率を考慮し,4変数によって,説明してい る。 符号条件は満足すべき形が得られており,パ ーシャルテストの結果も諏訪の45,47年,秋田 の39,47を除いてはほぼ年各地域の傾向を,概 ね忠実に示しているが,ファイナルテストで は,持家比率及び転入率の誤差の影響で,かな り乖離が大きくなった。 ○30 新規住宅建設戸数関数(H )n 346 . 70 = n H ) 96 . 56 ( 4375 . 0   + ( 1 ) h O h W h G B I +Δ + 994 . 0 = R S=126.09 新設される住宅建設の戸数は,その年に投下 された民間住宅投資,公共住宅行政投資及び市 町村からの住宅歳出に依存する。重相関係数も 0.994と高く,パーシャルテストのフィット状 況は良好であるが,ファイナルテストでは民間 住宅投資の影響(秋田,諏訪の過少推計,鹿島 43年過大推計)により一部フィットが劣ってい る。(図5−2−26参照) ○31 持家世帯数関数(HS) 292 . 77 1=− − S S H H ) 01 . 26 ( 654 . 0 + H ⎜n⎜ ⎝ ⎛ − ) 03 . 14 ( 297 . 4 1 ⎟ ⎠ ⎞ N NOi 979 . 0 = R S=90.92 持家世帯数については,今期の総持家世帯数 (HS)と前期の総持家世帯数(HS−1)の差を新規 住宅建設戸数によって説明する形をとった。 新規住宅建設戸数は大別すると持家と非持家 (アパート,社宅等)に分類されるが,毎年建 設される新設住宅のうち持家として登録される 比率は年により,あるいは地域によりかなり変 動が著しい。その変動は,アパート,社宅等の 非持家建設戸数の増減に依存している。この増 減を説明する要因として転入率を考える。すな わち,地域開発による民間企業誘致が進むと, 企業は地元労働力を吸収するのみならず,地域 外労働力をも吸収することになり,転入率の急 激な上昇をもたらす。(鹿島の45,47年が典型的 な例)そして地域外外労働力の吸収には社宅の 準備が必要となり,社宅建設戸数が増大する。 また同時に一般的傾向として借家需要の増大に 伴ってアパート建設が多くなる。このようなプ ロセスを通じて,転入率の増大は非持家住宅の 建設を促がす要因となる。結局,構造方程式 は,年間の持家世帳数の増加分を,新規住宅建 設戸数で説明し,この構造係数を転入率によっ て変化させている。 重相関係数は0.979と高く,パーシャルテス ト・ファイナルテストとも適合度は良い。(図 5−2−27参照)

(22)

図 5 − 2 − 26 新 規 住 宅 建 設 戸 数 図 5 − 2 − 27 持 家 世 帯 数

(23)

地域開発の事後的分析 ○32 一人当り畳数開係(Ht) 8 . 3876 1 1⋅ = − ⋅N H N Ht t ) 16 . 18 ( 745 . 23 + H n 943 . 0 = R S=9447.46 一人当り畳数については,今期の総畳数 (Ht× )と前期の総畳数(N Ht−1× N−1)との差を 今期の新規住宅建設戸数で説明する。 重相関係数は0.943と比較的高い値を示して いるが,パーシャルテスト,フイナルテストと も諏訪,能代のフィットが劣る。 ○33 地価関数(H ) P 188 . 11 logHP = log ) 22 . 4 ( 413 . 0 log ) 89 . 5 ( 573 . 0 + + ND N B G IhWh + O1h t ) 90 . 5 ( 130 . 0 + 966 . 0 = R S=0.259 住宅地の地価は,土地の稀少性から考えて, その地域の人口密度に依存し,民間及び公共住 宅投資の大きさに影響される。また,宅地面積 の増加については法的規制等の関係から,その 伸びは僅かであり,需要の増大との関連で需給 のアンバランスが生じ長期的には価格の下方硬 直性をもたらす。それ故外生変数としてタイム ・トレンドを入れ三変数によって説明する。 パーシャルテスト,ファイナルテストとも に,フィットはほぼ良好であるが,諏訪の43年 以降がかなり過少推計となっている。(図5− 2−28参照) ○34 平均家族人員関数(N ) S = S N

)

14

.

7

(

086

.

2

567

.

6

Ur

)

70

.

0

(

253

.

0

⎟ ⎠ ⎞ ⎜ ⎝ ⎛ N Yd

)

65

.

4

(

91

.

14

⎟ ⎠ ⎞ ⎜ ⎝ ⎛ N NiO 914 . 0 = R S=0.206 平均家族人員は,都市化率と個人所得水準及 び転出率の関数と考えられる。世帯当りの人数 は,都市化の進展によって減少し,個人所得の 上昇が核家族を可能にする状況を作り出す。ま た地方都市(特に過疎地としての益田)では若 年層の地域外への転出が多く,より一層世帯人 員を減少させることになり平均家族人員の縮少 をもたらす。 パーシャルテスト,ファイナルテストともに フィットは比較的良好であるが,鹿島及び益田 の45,47年が若干適合度が劣っている。(図5 −2−29参照) ○35 医療水準関数(JaJb) 891 . 9 ) (JaJb =− ) 00 . 260 ( 832 . 114 + ⎟ ⎠ ⎞ ⎜ ⎝ ⎛ N GBm ) 47 . 9 ( 596 . 58 + ⎟⎟ ⎠ ⎞ ⎜⎜ ⎝ ⎛ + + 2 3 1 3 E E E E 837 . 0 = R S=4.441 医療水準を示す代理指標として医師数(J )とa 病床数(J )の積を定義した。医療水準は,質的 b 供給と量的供給,および料金も含めた制度面か らの尺度が考えられるが,適当な資料がなく, また医師数だけでは量的な変動が少なく,指標 とならないので,このような型にした。医療水 準は医療投資 ⎟ ⎠ ⎞ ⎜ ⎝ ⎛ N GBm と三次産業比率 3 2 1 3 E E E E + + によって説明した。医療投資の代理変数として は公共医療関連投資をとっているが,医療投資 は実際上,民間部門の占める割合が大きいので 十分説明し切れなくて,フイットが部分的に落 ちている。しかし,他の適当な方法,データが 見当らないので本式を採用した。

(24)

図 5 − 2 − 28 地 価 図 5 − 2 − 29 平 均 家 族 人 員

(25)

地 域 開 発 の 事 後 的 分 析 ○36 死亡率関数 logJd ) 48 . 13 ( 2104 . 0 9956 . 0 − − = ⎟ ⎠ ⎞ ⎜ ⎝ ⎛ N Yd log   ) 99 . 14 ( log 3921 . 0 + Jo 943 . 0 = R S=0.0488 死亡率

( )

Jd は1人当り個人所得 ⎟ ⎠ ⎞ ⎜ ⎝ ⎛ N Yd と老 令人口比率(Jo)によって決定する。死亡率は 年々の変動が激しいので,移動平均をとった。 老令人口比は65才以上人口をとっている。死亡 率は所得の上昇に従って,生活様式の改善,医 療技術の進歩と共に全体的には減少している が,地域によってかなりの開きがある。この地 (参考式) 域格差は老令人口比率に依存する面が多い。ま た,説明変数に医療水準を加えた参考式も考え たが,有意性が弱く,結局上式を採用した。 部分テストではほぼ良好なフィットが得られ たが全体テストでは鹿島,坂出,益田のフィッ トが少々悪くなった。老令人口関数を改善すれ ば,これはかなり,改善されるものと思われ る。 logJd =    ) 37 . 11 ( log 2020 . 0 054 . 1 −− N Yd   ) 67 . 14 ( log 3882 . 0 + Jo   ) 99 . 0 ( log 0148 . 0 − − (JaJb) 943 . 0 = R S=0.0488 ○37 老令人口比率関数 J&O ) 25 . 7 ( 365 . 2 40 . 149     + − = ⎟⎟ ⎠ ⎞ ⎜⎜ ⎝ ⎛ + + 2 3 1 1 E E E E& ) 66 . 9 ( 312 . 13   t + 869 . 0 = R S=11.404 老令人口率の伸( O J& )は一次産業比率の伸び (E1/E1E2E3)とタイムトレンドによって説 明する。老令人口は若年人口の流出が多い,過 疎地ではその比率が高い。このような地域の老 令者は農林業を守る以外に就業の機会が少な い。したがって1次就業人口比率は必然的に高 くなる。タイムトレンドは,一般的に,医療技 術の進歩,食生活の改善,所得の向上などで, 寿命が延長される要因として表わした。相関係 数はあまりよくないが,パーシャルテストの全 体的なフィットは悪くないので採用した。 ○38 体位水準関数(Jl・JW) log

(

JlJw

)

) 23 . 8 ( log 3243 . 0 6151 . 6     + = ⎟ ⎠ ⎞ ⎜ ⎝ ⎛ ⋅ 100 e C C 858 . 0 = R S=0.025 体位水準(Jl・JW)は消費支出(C)およびエン ゲル係数(Ce)によって説明する。体位を示す指 標として小学六学年生男子の平均身長と平均体 重の積をとった。これを,消費支出の中の食料 支出(C×Ce)で説明する。参考式のように消費 支出とエンゲル係数を各々独立な説明変数とし た場合相関はかなりよくなるが,エンゲル係数 の説明力が弱くなるので採用しなかった。 相関係数は良好とは言えないが,部分テスト では全体的傾向は大体とらえている。ファイナ ルテストでは,秋田,坂出地域のフィットが少 々悪くなった。(図5−2−31参照) (参考式) log

(

JlJw

)

) 12 . 1 ( log 0712 . 0 3589 . 6    + = Ce     ) 71 . 8 ( log 2724 . 0 C + 925 . 0 = R S=0.0187

(26)

図 5 − 2 − 30 死 亡 率 図 5 − 2 − 31 体 位 水 準

(27)

地域開発の事後的分析 ○39 大気汚染関係

(

SO x

)

(14都市クロスデータによる推計) logSOx ) 43 . 2 ( log 3164 . 0 9876 . 6    K + − =   ) 84 . 0 ( log 0862 . 0 − − Σ Ip 826 . 0 = R S =0.1949 大気汚染

(

SOx

)

は製造業出荷額(K)と公害防 止民間投資ストック(ΣIp)によって説明する。 公害の観測は,全国的には昭和42年頃からしか 調査が実施されていない。時系列データが不足 しているので,ここでは参考までに,比較的資 料のそろっている昭和47年のSO のデ ー タ を 使x 用し,次表の都市について横断面の相関をとっ て構造を推定した。この式によって事例的に対 象地域にあてはめを行なった。 表5−2−2 SOx濃度と製造業出荷額 (昭和47年) 都 市 SOX 出 荷 額 秋 田 日 立 鹿 島 諏 訪 三 島 大 津 堺 松 江 徳 山 坂 出 北 九 州 唐 津 福 知 山 七 尾 ppm 0.014 0.024 0.018 0.017 0.020 0.027 0.028 0.017 0.023 0.020 0.031 0.012 0.012 0.010 (百万円) 95,201 467,338 284,279 103,361 68,957 125,877 1,041,954 23,590 178,752 126,949 1,069,009 17,995 19,904 23,801 (3) ファイナルテストの適合度について これまでのところでは,個別方程式に簡単な 説明を加え,そのテスト結果をグラフに示すこ とによってパーシャルテスト,ファイナルテス トの理論値と実績値の乖離がどの程度に及んで いるかをみてきた。 そこで最後にモデル全体のテストの状況につ いて若干補足しておくことにする。モデル全体 のテストの適合度については,最終年(昭47年 のファイナルテストの理論値と実績値の相対誤 差率によってとらえる。 本来テストの適合度をみるのに相対誤差率の みで考えるだけでは充分とはいえない。時系列 の変化率が極めて小さい変数―例えば月間労 働時間等―では,構造式の良否如何にかかわ らず相対誤差率はかなり小さくなるであろう し,他方時系列変化が著しい変数―地価や自 動車台数等―では,構造式自体は,その構造 を充分説明していても,かなり大きな誤差を生 むことになる。その上,フローベースの変数で あるか,ストックベースであるかにもよってか なり相異してこよう。 しかしモデル全体のおおよその適合度がどの 程度かを判断する方法としては,あながち無意 味なものであるとはいえない。 経済ブロックに関しては,第二次産業生産所 得,製造業出荷額等において部分的に乖離があ るものの全体では約85%が30%以内の誤差率に おさまっている。 これに対して社会ブロックではいくつかの変 数において実績値との間にかなり乖離が生じて いる。 これは社会ブロックの変数が自然条件や地域 特性(伝統あるいは慣習等)に支配される面が 強いといったことのほか,この計量モデルで は,説明しえない要因に依存するといった性質 を持っているからであろう。 さらに社会ブロックの諸変数が主として経済 ブロックの諸変数に規定されているため,経済 ブロックで生じた誤差が累積されより一層大き な乘離をもたらしていることも原因の一端と考 えられる。 以上述べてきたように本モデルのテスト結果 は,非常に良好であるとはいえないが,従来デ ータ上の制約により構築が困難とされていた市 町村レベルでの地域計量モデルである点及びで

図 5 − 2 − 2 第 1 次 産 業 就 業 人 口  一次就業人口については慣性効果を示す前期就業人口と人口流出分,増加傾向を示す二,三次就業人口については前期就業人口と転入分で説明しており,その他の要因を示すため定数項をつけている。ただし,二次就業人口では,(11E−)が有意性が弱く,定数項を付けると符号が負になるため本式を採用した。パーシャルテストの適合度は各式とも5%以内の誤差で収まった。  しかしファイナルテストの結果一次三次就業人口については,ほぼ良好であったが,鹿島地域 の45,47年の

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