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幼 稚 園 教 育 と 小 学 校 教 育 との 連 続 性 幼 稚 園 における 教 育 は 義 務 教 育 就 学 前 の 教 育 として 極 めて 重 要 な 役 割 を 担 っ ていることから 子 どもの 発 達 の 連 続 性 を 踏 まえ 小 学 校 教 育 との 連 続 性 を 意 識

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Academic year: 2021

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第 4 章 これからの幼児教育のあり方 1. 幼稚園における教育の方向性 (1) 幼稚園における教育のあり方 ① 幼稚園の役割 幼稚園は、子どもが家庭では体験できない友達との集団生活を通して教員に支 えられながら幼児期なりの豊かさに出会う場です。少子化の進行に伴い、同年齢 の子どもが地域社会に少なくなっていることから、子ども同士がかかわり合って 育つ幼稚園の役割は、一層重要です。 このため、幼稚園は、教育施設として子どもが生涯にわたる人間形成の基礎を 培うことができるように、幼児期の教育にふさわしい環境を整えるとともに、子 どもの発達に応じた適切な指導を通して、質の高い幼稚園教育を提供していくこ とが大切です。 〔幼稚園における教育の充実〕 幼稚園は、子ども一人一人の発達が異なり、個人差も大きいことや、子育て環 境などの変化に伴う子ども自身の変化に適切に対処して、充実した幼稚園生活を 保障していくことが求められています。 また、幼稚園は、質の高い教育を提供するために、最新の幼児教育の研究に関 する情報を収集し、それらの研究成果を実践に応用していくことによって幼稚園 教育の充実を図るとともに、子どもの心情や行動に大きな影響を与える教員の資 質や専門性の向上を図るため、必要な知識や技能を身につけることのできる研修 への参加機会の確保と研修内容の充実、私立と市立の幼稚園教員の交流などに努 める必要があります。 〔幼稚園における情報発信機能の強化〕 幼稚園は、社会全体として幼児教育の重要性や幼児教育に関する理解を高める ためにも、幼稚園で行われている教育の内容や子育て支援などの取組内容につい て、家庭や地域に積極的に情報発信していくことが必要です。

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〔幼稚園教育と小学校教育との連続性〕 幼稚園における教育は、義務教育就学前の教育として極めて重要な役割を担っ ていることから、子どもの発達の連続性を踏まえ、小学校教育との連続性を意識 した教育内容とする必要があるとともに、幼児期が生涯にわたる人間形成の基礎 を培う大切な時期であることを踏まえ、幼稚園教育の独自の役割と機能を発揮し ながら、その年齢にふさわしい能力や基本的な生活習慣を適切に身につけること ができるようにする必要があります。また、幼稚園と小学校との連携のもとで、 幼稚園児が小学生と交流することは、異年齢交流の場を提供するものであり、双 方の子どもにとっては貴重な機会にもなります。 〔地域の施設などとの交流の推進〕 少子化や核家族化などの進行により、子どもにとっては、同年齢や異年齢の子 どもとの交流、大人との交流の機会が減少してきていることから、幼稚園は、集 団生活を通して社会性をはぐくみ社会生活に必要なルールなどを身につけること のできる幼児教育の場として、保育所、小学校や養護学校などの教育施設、さら には高齢者施設などとの相互交流を積極的に推進していくべきです。 また、小学生や中学生、高校生などにとっては、子育て理解教育(*)としての 観点からも幼稚園との交流を推進することが重要です。 (*)すべての児童生徒が発達段階に応じ、子育ての意義や親の役割、男女が共同して家庭を築く ことの重要性などについて理解を深めるための教育。 〔地域に開かれた幼稚園づくり〕 幼稚園は、地域の教育力の向上を図るため、地域住民への園舎や園庭の開放な どを通して、地域住民や地域の子どもに、幼稚園教育や行事への参加を促すなど、 子どもの安全確保に十分配慮しながら、地域の幼児教育の核となる施設としての 機能を果たしていくことが必要です。 〔保護者への教育の充実及び子育て支援の強化〕 少子化や核家族化などの進行により、身近に子育てを見ることが少なく、子育 て経験者からのアドバイスを受ける機会も少ないことなどから、子育てが孤立し

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て行われていることが多くなっています。そのため、子育てに不安や悩みを持つ 保護者が増えています。 また、就業している保護者よりも専業主婦に子育てに対する不安や悩みを持つ 例が多く見られる、といった指摘がなされています。 さらには、子育てに伴う不安や悩み、複雑な家庭環境などが、子どもに対する 虐待につながっている例も見られます。 このような状況に対処するため(このような状況を避けるため)、幼稚園は、子 どもの保護者同士が子育てに関する情報を交換したり、気軽に悩みなどを相談で きる機会の充実を図るほか、子育て講座を開催するなど、子育て家庭に対して有 効な支援策を講じていくための施設として機能していくことが必要です。 また、幼稚園の子育て支援事業などに参加しない保護者に対して、子育て講座 などの内容や情報伝達の手法を工夫したり、保護者同士の誘い合いを励行するな どして、地域と連携しながら積極的に参加するよう働きかけていくことが必要で す。 ② 私立幼稚園の役割 私立幼稚園は、今後とも幼稚園教育を提供する主体として、建学の精神と理念 のもとに、保護者の多様なニーズに的確に応えていく必要があります。具体的に は、満 3 歳児教育を含めた質の高い幼稚園教育の提供、保護者への教育や教育相 談などの子育て支援機能の充実に努めるとともに、同じ年齢層の子どもの保育を 担っている保育所との連携や、小学校をはじめとする教育機関との連携、地域住 民や地域施設との連携などを通し、幼児教育の核としての役割を担う機関として、 その機能を果たしていくことが必要です。 なお、園バスの運行、給食サービスの提供、預かり保育の実施などの付加サー ビスについては、幼稚園児や保護者に対する教育効果を損なわないように配慮し ながら提供していくべきです。 また、私立幼稚園は、公の教育を担う教育機関として、幼児教育の研究機関や 市立幼稚園などと連携を図りながら、市民の信頼に応える質の高い教育の実践に 今まで以上に努めることが必要です。そのためには、私立幼稚園が実践する幼稚 園教育の内容に関して外部から客観的な評価を受け、その結果を公表することに

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より、自ら実践する教育内容などを常に点検するとともに、教育内容と保護者負 担のバランスのとれた幼稚園経営にも配慮し、保護者が安心して子どもを就園さ せることができるような環境づくりを推進することが必要です。 さらに、障がいのある子どもの教育についても、札幌の私立幼稚園は、幼稚園 児の9割以上の教育を担っていることから、医療機関や障がいのある子どもの教 育の専門的な機関との連携を図りながら保護者への支援を行うとともに、障がい 児通園施設などと役割を分担しながら、それぞれの地域における障がいの疑いの ある子ども及び障がいのある子どもに対する適切な教育を実践する機関として、 研修などを充実させながら積極的にその役割を果たしていくことが必要です。 ③ 市立幼稚園の役割 市立幼稚園は、昭和 40 年代以降の札幌市の人口急増期に、子どもの幼稚園就園 を促進するために私立幼稚園を補完するとともに、幼稚園教育の研究や障がいの 疑いのある子ども及び障がいのある子どもに対する教育の研究を行うことなどを 目的として設置されてきましたが、急速な少子化の進行や共働き世帯の増加によ る就業構造の変化などによって、平均定員充足率が平成 16 年度で約 80%まで低 下しています。また、私立幼稚園の平均定員充足率も約 87%まで低下しており、 市立幼稚園定員の 2 倍にあたる約 4,000 人分の余裕が生じていることから、就園 促進のために私立幼稚園を補完するという目的は既に達成されており、その意味 では機能の転換を図る時期にきています。 こうしたことから、今後、市立幼稚園は、これまで蓄積してきた幼稚園教育の 研究成果や個々の教員の豊富な経験などを活用して、障がいの疑いのある子ども 及び障がいのある子どもに対する教育を含めた幼稚園教育の研究を中心に、保護 者への教育のあり方、幼稚園と保育所との連携のあり方、小学校などの教育機関 との連携のあり方、地域との連携のあり方などに関して、モデルとなる取組を含 む研究の実践と検証を行う研究実践園としての役割を果たしていくべきです。そ して、今日の幼児教育が抱えている実践的・理論的な諸課題について積極的に取 り組むことによって、札幌市の幼児教育はもとより、北海道、日本の幼児教育の 質的向上に広く貢献していくべきです。また、研究実践園としては、障がいのあ る子どもや特別支援教育を必要としている子どもの教育の研究、幼稚園教員の研

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修の場といったさまざまな機能を持つことが必要です。同時に、研究実践を私立 幼稚園との連携を図りながら進めていくことで、より広がりを持った実践的な研 究として展開されることが期待されます。併せて、これらの研究成果を、私立幼 稚園や保育所などが十分に活用できるように、広く公開していくことが必要です。 市立幼稚園については、札幌市の財政がかつてないほど厳しい状況に直面して いる中で、札幌市全体の幼稚園教育の質的向上に貢献するために公費の負担に見 合った役割を果たすとともに、その運営の一層の効率化を図っていくことが求め られます。 さらに、市立幼稚園が、今後その役割を担っていく上で必要な園数を含む適正 配置についても検討する必要がありますが、その検討にあたっては慎重に進めて いくことが求められます。 (2) 幼稚園を支える仕組みのあり方 ① 幼稚園教育の質的向上を図るための中枢機能の強化 札幌市全体の幼稚園教育の水準の向上や幼稚園教員の資質の向上を図るため、 幼児教育に関する情報の収集と提供、幼稚園教育の研究実践成果の提供、幼稚園 教員の研修、障がいのある子どもを含む幼児教育に関する相談、幼児教育研究機 関との連携などを担う幼児教育に関する総合的なセンター機能の強化について検 討していくことが必要です。 特に、幼稚園教育の研究実践に関する情報を、他の幼稚園などにスムーズに提 供していくシステムの構築を検討していくことが必要です。また、幼稚園の現職 教員の再教育を含めた研修については、短期大学や大学などと連携を図りながら、 より高度な専門性を身につけた教員の養成や、幼稚園での職場研修の核となる教 員の養成、教員交流の充実など、教員の資質向上や力量形成に必要な継続的な研 修体制を確立し、教育現場での体験型の実践研修を含む、社会の変化に対応する ための実効性の高い研修システムを検討していくことが必要です。なお、これら の研修システムを検討する際には、開催日時の工夫など幼稚園教育の主体となる 私立幼稚園の教員が参加しやすい環境づくりが必要です。 さらに、幼稚園教育の場合は、子どもと直接かかわり、教育していく教員の役 割の重要性は計り知れないものがあります。教員の資質や専門性を高めていくこ

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とによって幼稚園教育の質的向上を図ることは、教育の基礎として、また、出発 点として極めて重要な意味を持っています。札幌市の財政はかつてないほど厳し い状況にありますが、その中にあっても質の高い幼稚園教育を提供していくこと は、札幌市の教育にとっても不可欠なことです。 ② 幼稚園に対する第三者評価制度の導入 札幌市全体の幼稚園教育の質的な維持と向上を図るため、各幼稚園の教育環境 や教育内容に関して客観的な基準にもとづく第三者による評価を実施し、子ども の保護者が幼稚園を選択する際に参考とすることができるよう、その結果を公表 するためのシステムを検討することが必要です。 また、この第三者評価に係る評価基準の作成や幼稚園評価の実施にあたっては、 社団法人札幌市私立幼稚園連合会と教育委員会、幼児教育研究機関などが相互に 連携・協力していくことが必要です。 ③ 私立幼稚園や園児の保護者に対する助成制度の再構築 札幌市における私立幼稚園や園児の保護者に対する助成制度(*)については、 札幌市の財政状況が一層厳しさを増す中で、今後とも現状のような助成措置を維 持していくことは困難な状況にあることから、私立幼稚園においては、これまで 以上に運営の効率化を図っていくことが求められます。 私立幼稚園や園児の保護者に対する札幌市の助成制度については、現行の幼稚 園数と幼稚園児数に応じた一律の助成措置や、国基準を上回る所得のある保護者 への助成措置を見直し、各幼稚園での障がいのある子どもの積極的な受入れなど 特色ある取組や教育内容に着目した第三者評価にもとづく助成制度への移行など、 札幌市における一層の就園の促進と幼稚園教育全体の質的向上につながるような、 より効率的・効果的な助成制度を検討していくことが必要です。 (*)私立幼稚園の経営安定と保護者負担の軽減を図るために助成している私立幼稚園教材教具等 整備費補助金、私立幼稚園への就園を促進するために保護者負担の軽減を図る私立幼稚園振興 費補助金などがあります。

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④ 幼稚園教育関連予算への配慮 幼稚園教育が、生涯にわたる人間形成の基礎が培われる重要な時期に行われる ことを考えれば、今後とも、札幌市全体における幼稚園教育を充実していくこと が求められています。 このためには、効率的・効果的な幼稚園教育の充実を図る視点からの、市立幼 稚園の運営や、私立幼稚園とその園児の保護者に対する助成などに関する必要な 見直しもやむを得ませんが、その見直しにあたっては、厳しい財政状況の中にあ っても、幼稚園教育の重要性を認識し、必要な幼稚園関連予算の確保を図るなど、 単なる削減につながることのないようにすることが求められます。 2. 家庭における教育の方向性 (1) 家庭における教育のあり方 幼児教育の基本は家庭にあることから、保護者が、子どもの発達に応じて、自我 の形成を促したり、基本的な生活習慣や態度を身につけることができるようにする ことが必要です。そのためには、保護者と子どもの安定した関係の中で、保護者が 子どもに愛情を持って注意深く見守りながら、しっかりとしたしつけを行うことが 必要です。 また、男性が子育てに積極的にかかわることで、女性の子育てに対する不安や負 担を軽減するとともに、家庭環境を良好に保つことにより、子どもが安心して成長 することのできる環境づくりに努めることが必要です。 一方、近年は、さまざまな家庭環境にある子どもが増えており、保護者は、それ ぞれの家庭の状況の中で、適切な家庭教育を行わなければなりませんが、子どもが 安心して成長することのできる環境をつくるため、家庭や幼稚園、地域などは、子 どもをとりまく生活環境に応じて相互に連携していくべきです。

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(2) 家庭と幼稚園の連携のあり方 子どもにとって家庭と幼稚園とでは環境が大きく異なり、それぞれで異なった行 動を見せることがあるため、幼稚園における子どもの情報を保護者が得ることは、 保護者にとって家庭では見ることのできない側面を理解し、子どもをより客観的に 見ることができる契機にもなります。また、保護者が、幼稚園で他の子どもの状況 や他の保護者を見る機会を持つことは、子どもをよりよく理解したり幼稚園教育と 家庭教育との連結を図っていくことにもなります。さらに、自分と子どもとの関係 を客観視することで、保護者と子どものより良い関係を築く契機とすることもでき ます。 また、幼稚園にとっても、保護者の来園時などに子どもに関する情報を得ること で、適切な指導や子育て支援を行うことができることから、保護者と子どもがとも に成長していくためにも、保護者と幼稚園との間で、子どもに関する情報を相互に 交換するとともに、保護者が幼稚園での保育に参加して子どもの行動を直接観察す る機会を増やすなど、家庭と幼稚園との連携をより深めていくことが必要です。 特に、幼稚園としても、男性が参加しやすい参観日を設定するなど、男性の保護 者が子育てに参加しやすくなるような機会を提供していくことに配慮する必要があ ります。 3. 地域における教育の方向性 (1) 地域における教育のあり方 都市化の進展や地縁の希薄化などにより、身近で子育てに関する相談をすること ができずに、子育てに不安を持つ保護者が増えているという傾向があります。一方、 地域の住民にとっては、子育て家庭に対する支援はしたいが、手がかりが見つけら れず、積極的に対応できないといった状況も見受けられます。そこで、地域の住民 と子どもの保護者との交流や保護者への教育の場として幼稚園などを十分に活用し、 子育て支援機能の強化と地域の教育力の向上を図ることが必要です。 地域は、子どもや保護者にとっては日常生活と活動の基盤であり、子どもの社会 性を育てる場であることに加えて、子どもの安全を保障する場でもあることから、 保護者にとっても子育てを通して地域とのつながりを持つことが重要であることを きちんと意義づけるべきです。さらに、保護者の職場においても子育ての重要性を

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認識し、その機運を高めていくためには、社会として子育ての重要性に大きな価値 観を付与していくことが一層求められます。 また、行政としても、地域と幼稚園や子育て家庭の交流の場として、学校の空き 教室や既存の社会教育施設、公園などの公共施設の活用を検討するとともに、特に 札幌においては、その長い冬を生かして、雪に親しみ楽しく過ごすことのできる活 動を積極的に支援していくことが必要です。 (2) 地域と幼稚園の連携のあり方 幼稚園は、教育内容を地域に積極的に発信し、地域住民が、幼稚園における読み 聞かせや昔遊びなどの教育活動にボランティアとして参加しやすくするとともに、 地域活動に進んで協力するよう努めていくことが必要です。 一方、地域としても、子どもがさまざまな体験をすることができるよう地域の行 事に子どもを積極的に受け入れたり、まちづくりの活動などに、幼稚園が参加しや すくなるような環境づくりに努めるなどして、相互に密接に連携を図っていくべき です。 また、子どもをめぐる痛ましい事件の頻発など近年の社会情勢を考えると、地域 と家庭や幼稚園が密接に連携を図りながら、子どもの安全を確保していく必要があ ります。

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