Title
Role of Vα14 NKT cells in the development of impaired liver
regeneration in vivo( 内容の要旨(Summary) )
Author(s)
伊藤, 弘康
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)甲 第554号
Issue Date
2003-03-31
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/14579
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。
氏 名(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 伊 藤 弘 康(岐阜県) 博 士(医学) 甲第 554 号 平成15 年 3 月 31日 学位規則第4条第1項該当
Role of Va14NKT ce‖sin the development ofimpairedliver regeneration k7Vivo (主査)教授 森 脇 久 隆 (副査)教授 近 藤 直 実 教授 高 見 剛 論文内容の要旨 目的 再生肝細胞障害は,劇症肝炎において致死的要因の一つである。又,Ⅰし12はいくつかの急性肝炎モデ ルにおいてその重要性が示唆されており,慢性B型・C型肝炎患者においてもその産生が増加しており,肝障害 およびウイルス排除に重要な役割を果たしていると考えられる。我々の施設の検討では,マウスにおいてIL-12 の連続投与により,再生肝細胞に対する障害がみられた。IL-12はnaturalkiller T(NKT)細胞の最も重要な 刺激因子であるため,再生肝細胞障害におけるNKT細胞の役割を明らかにする必要がある。今回,我々はⅤα 14NKT細胞のknock outマウスであるJa 281 / マウスを用い,再生肝細胞障害におけるNKT細胞の役割を解析 した。 方法1.BALB/c(Ja 281+/+およびJa281+)マウスに,IL12を6日間連続投与し,肝内のNK,NKT,T細胞
分画の解析及びそれぞれの分画をFACSortにて単離し,real-time RT-PCR(Light Cycler)にて,TNF-a,
IFN-γのmRNAの発現量の解析をした。又,IL-12投与後,部分肝切除を行い切除24時間後(肝再生期)の血清 ALT値の測定を行った(再生肝細胞障害)。2.Va14NKT細胞の特異的なリガンドであるa-galactosylceramide (a-GalCer)をマウスへ投与し,肝内リンパ球のNK,NKT,T細胞分画の解析及びそれぞれの分画のTNF-a, IFN-γ,IL-4mRNAの発現量を解析した。投与後部分肝切除を行い切除24時間後の血清ALT値の測定を行った。 3.IL-12及びa-GalCer投与後,部分肝切除を行い24時間後のALT値に対する抗TNF-a抗体及び抗IFN-γ抗体 の影響を検討した。またBALB/c(Ja281+/+およびJa28r/-)マウスに部分肝切除を行い,その後TNF-a投与 し,切除24時間後のALT値を測定した。4.BALB/c(Ja281+/+およびJa281 /L)マウスにIL12及びa-GalCerを
投与し,肝内CD14陽性細胞(Kupffer cells/macrophages)を単離しreal-timeRT-PCRにて,TNF-a mRNAの
発現量を解析した。5.Ja281ノーマウスおよびTNF-aL/-マウスに対し,部分肝切除施行。その後a-GalCerによ り刺激したNKT細胞を移入し,切除24時間後のALT値の測定および組織学的検討を行った。6.部分肝切除後 の肝細胞のTNF receptor(R)1およびTNFR2のmRNA発現量をreal-time RT-PCRにて解析した。 結果 ①IL12連続投与によ`りJα281+/+マウスではNKT細胞の増加がみられたが,Jα281ノマウスでは変化がな く,部分肝切除によりJα281十/+マウスのみで血清ALT値の増加を認めた。②IL12のJα281十/+マウスへの連続投 与により,NKT細胞群でのTNF-aおよびIFN-γ mRNAの発現量は著しく増加した。③a-GalCerを投与する と5日目でNKT細胞群の増加が認められ,IL-12投与時と同様にTNF-αおよびIFN-γの産生増加がみられた。 また,部分肝切除によって血清ALT値の有意な増加を認めた。④IL-12およびa-GalCerを投与することにより 部分肝切除時の血清ALT値の増加がJα281+/+マウスにてみられたが,これらは,抗TNF-α抗体または抗IFN-γ
抗休の前投与により消失した。Jα281+/・およびJα281-′マウスのいずれにおいても部分肝切除後,TNF-αを投 与することにより,肝障害は増強された。⑤Ja281 / マウスを部分肝切除したのち,a-GalCerにて刺激した NKT細胞を移入した。TNF-▼α・/・マウスからのNKT細胞を移入すると肝障害の増強はみられたが,TNF-α / マ ウスからのNKT細胞を移入しても増強はみられなかった。また,TNF-α-/マウスを部分肝切除したのちα-GalCerにて刺激したTNF-a・/・マウスからのNKT細胞を移入しても肝障害の増強は認められた。⑥部分肝切除 を行ったのちの肝細胞のTNFRlとTNFR2の発現をmRNAでみると,TNFRlの発現量の増加がみられ,そのピー クは24時間後であった。 考察IL-12やa-GalCerによりNKT細胞を活性化することによって,肝切除後の肝再生期にのみALTの上昇が 認められるが,この再生肝障害モデルにおける重要なメディエーターはTNF-αおよびIFN-γと考えられた。こ れらの主要な産生細胞はⅤα14陽性NET細胞であり,肝切除により肝細胞のTNFRl発現が切除後24時間で著し く増強するため,TNF-α/TNFRl経路を通して再生肝細胞障害が増強されるものと考えられる。本研究では劇 症肝炎などでみられる肝再生不全での,肝内NKT細胞の重要性を明らかにしており,これらの細胞群のコント ロールが肝炎治療の一助になるものと推測された。 結語 我々は,動物モデルを用い,肝内Va14陽性NKT細胞の産生するTNF-aと肝細胞自体のTNFRlの発現 が同時に高まる事が,再生肝細胞の破壊の要因であることを明らかにした。再生肝細胞の破壊は結果として肝再 生不全に繋がり,臨床においても重要な知見と考えられた。 論文審査の結果の要旨 申請者 伊藤弘康は,再生期にある肝細胞に対するNKT細胞の障害活性について,Ⅴα14NET細胞ノックア ウト・マウスを用いて検討した。その結果,肝再生早期にNET細胞が動員されTNF-αを産生すること,ならび に肝細胞の側にもTNF受容体1の発現克進をきたすことの両者が,再生肝細胞障害の成立に重要であるとの知見 を得た。また,TNF-α/TNFRl系の制御が肝再生障害を抑制することを見出した。これらの知見は,高い致死 率を特徴とする肝不全の機序解明と治療に新しい可能性をもたらすものであり,消化器学/肝臓学の進歩に少な からず寄与すると認める。 [主論文公表誌]
Role of Va14NKT Ce11sin the Development ofImpaired Liver RegenerationIn Viuo
Hepatology38,1116-1124(2003).