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C型肝炎由来の肝細胞癌において特徴的発現挙動を示す遺伝子の同定とドライバー遺伝子の探索

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. Vol.2015-BIO-41 No.3 2015/3/20. C 型肝炎由来の肝細胞癌において特徴的発現挙動を示す遺伝子の同定と ドライバー遺伝子の探索 Identification of genes showing characteristic expression behavior and search for driver gene in hepatocellular carcinoma-derived hepatitis C 北海道大学大学院 情報科学研究科 ○矢座寛人、 遠藤俊徳 肝細胞癌発症は主に肝炎ウイルスに起因する肝炎慢性化によって生じるが,癌化に直結するメカニズム は明らかにされていない。また、癌全般において癌の発生・進展を促すドライバー遺伝子と癌化に寄与しな いパッセンジャー遺伝子が存在することが知られている。そこで、本研究は遺伝子発現情報に基づき C 型肝 炎に起因する肝細胞癌を引き起こすドライバー遺伝子の探索を目的とした。 材料は、C 型肝炎由来の肝細胞癌組織、非肝炎由来の転移性肝細胞癌周辺組織の遺伝子発現情報を 用いた。まず、C 型肝炎由来の肝細胞癌特異的に発現変動を示す遺伝子を抽出するため、SAM 法により 検定を行うことで 1,720 種の発現変動遺伝子を同定した。次に、疾患では一連の遺伝子群のネットワーク異 常が原因となる。そこで、タンパク質間相互作用情報に基づき発現変動遺伝子ネットワークを作製し、このネ ットワークを同じ機能を担う遺伝子群に分割することで、ノード数 10 以上の 6 つのモジュールが得られた。 Gene Ontology 解析により、得られたモジュールの機能は、ステロイドホルモン・免疫反応、動原体形成・紡 錘体チェックポイント、薬物代謝、アミノ酸代謝、細胞骨格、ECM 受容体に関与することが推定された。この うち薬物代謝に関わるモジュールはサンプル切除手術の影響が考えられたため、後の解析には薬物代謝 に関与するモジュールを除く他の 5 モジュールを用いた。次に、各モジュールにおいて相互作用数の多い 遺伝子ほど遺伝子変異が機能へ与える影響が大きいことから、各モジュールのエッジ数上位の遺伝子の癌 への関与を遺伝子データベース F-Census を用いて調査したところ、エッジ数上位 3 位以内の遺伝子群 28 種において癌への関与が疑われる遺伝子が最も多く含まれていた。これらの遺伝子で異種癌においても発 現異常が確認される遺伝子はドライバー遺伝子の影響を受けていることが考えられた為、ONCOMINE を用 い他の癌における発現挙動の調査を行った。その結果、NDC80, CENPA, CENPF, BUB1, NUF2 遺伝子群、 AGXT, GNMT 遺伝子群、BGN, COL4A1 遺伝子群において類似した発現挙動を示すことが確認できた。こ れらの遺伝子群はドライバー遺伝子もしくはドライバー遺伝子に制御されるパッセンジャー遺伝子である可 能性が高く、これらの遺伝子群上流に制御因子が存在することが考えられた。そこで、TRANSFAC Professional を用いて転写因子結合部位について解析を行った。その結果、BGN, COL4A1 には共通な転 写因子として KLF6, PARP1, PRRX2 が確認できた。このうち、PARP1 は異種癌において BGN, COL4A1 と 類似した発現上昇を示した。よって、PARP1 に起因する発現異常が BGN, COL4A1 の発現異常を引き起こ すことが示唆された。PARP1 遺伝子は癌治療の薬剤標的とされており、癌化におけるドライバー遺伝子であ る。また、BGN, COL4A1 遺伝子は過剰発現により癌細胞の浸潤・転移に寄与することが報告されており、ド ライバー遺伝子の影響を受け癌の進行に寄与していると考えられた。また、NDC80, CENPA, CENPF, BUB1, NUF2 は共通の転写因子は確認できなかったが、これらの遺伝子群はセントロメア領域に局在し染 色体分配機構を担う(図 1)。よって、変異により染色体分配異常を引き起こすドライバー遺伝子だと考えられ た。. ⓒ 2015 Information Processing Society of Japan. 1.

(2) 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. Vol.2015-BIO-41 No.3 2015/3/20. 以上より、NDC80, CENPA, CENPF, BUB1, NUF2 遺伝子、PARP1 遺伝子は癌化を促すドライバー遺伝 子だと推定することができた。さらに、本研究によってドライバー遺伝子だと推定された遺伝子には既に報 告されている癌遺伝子・癌抑制遺伝子が含まれており、これは本研究手法の信頼性を支持していると考え られた。. 図 1 NDC80, CENPA, CENPF, BUB1, NUF2 遺伝子の機能. NDC80, CENPA, CENPF, BUB1, NUF2 遺伝子群は有糸分裂期において セントロメア領域に局在し、紡錘体チェックポイントを形成し、染色体分配機 構を担う。. ⓒ 2015 Information Processing Society of Japan. 2.

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